外壁塗装は、お住まいを長く維持するために欠かせないメンテナンスです。新築から十数年ほどが経過した際に初めての塗装メンテナンスを行い、そして十数年の時が流れて2回目の塗装…というように、定期的な間隔で外壁塗装をしていかなければなりません。
初めての外壁塗装の際は、「塗料ってどう選ぶの?」「どこの業者さんに依頼しよう」など不安な点が多くても、2回目の塗装メンテナンスの際は1回目のご経験があるため、少し気が楽になるのではないでしょうか。しかし実は、2回目以降の外壁塗装は費用面や塗料の選び方など、初回とは異なる点が多いのです。「1回目のときはそんなに高くなかったのに…」と、思わぬ費用にびっくりされる方もいらっしゃいます。
そこで、今回は2回目の外壁塗装における注意点を詳しく説明していきます。1回目の塗装を終えたばかりという方も、2回目の外壁塗装に備えて是非ご覧ください。
長い文章のページとなっていますので、内容を動画でもまとめています。動画で見たいという方はこちらをご覧ください!
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1回目の外壁塗装の経験を2回目以降の外壁塗装に活かしましょう
1回目の外壁塗装は、だいたい築10年前後の頃に行われることが多いです。初めての外壁塗装とあって、不安な点も多かったかもしれません。いざ、塗装を終えたときの感想はいかがだったでしょうか。
「思い通りの色になって感動した」「予算よりも安くできて良かった」など全体的に満足という方もいらっしゃれば、「費用が高かったけど、ほかの業者だったら安かったのではないか…」「勧められた塗料の色にしたけれどイメージと違った」「外壁塗装をして数年程度で雨漏りが起こった」など不満に感じた方もなかにはいるのではないでしょうか。
1回目でご不満を感じた方は、その経験を活かして「2回目こそは成功したい!」とお考えになるかと思います。ただ、注意したいのは、1回目の外壁塗装と2回目以降の外壁塗装の注意点が異なるということなのです。
まずは2回目以降の外壁塗装工事の際、事前に準備しておくと役立つ3点をご紹介していきます。
1.お見積り書
お見積書には、さまざまな情報が記載されています。費用を参考にするだけでなく、塗装面積や工程など内容も読み返しておくといいですね。前回、どんな塗料が使用されたのかを知ることで、2回目の塗料を選ぶ際の参考にすることもできます。
2.仕様書
お見積書よりも、仕様書の方が細かい点まで確認が可能です。2回目以降の塗装の場合、初回に使用した塗料が選べないケースもあります。1回目にどのような塗料を使用したかを正しく把握するためには、仕様書があると役立ちます。
また、1回目の塗装の際に流れや気になった点などをメモに残している場合は、読み返すことで2回目の塗装時に気をつけなければならないことを改めて思い起こすことができます。
3.施工保証書
保証書に記載されている、塗装箇所の保証期間、保証内容も詳しく確認しておきましょう。もし、塗装後数年程度で「塗膜の剥がれ・浮き」があれば、保証で対応できることもあります。前回の塗装からそれほど期間が経っていなければ、経年劣化でなく施工不良の可能性も考えられます。保証を受ける場合、1回目の塗装業者に依頼しなければなりません。他業者が手を加えると、保証が受けられない可能性が大きいからです。「施工不良ではないか?」と気になったときには、前回の業者へ相談しましょう。
2回目以降に行う外壁塗装時期の目安は?
初めての塗装時期は、新築後8~12年程度と言われています。なぜなら、新築時の建材がアクリル塗料で塗膜保護されていることが多いからです。「サイディング」や「モルタル」など外壁の種類はたくさんありあますが、どの外壁材だとしても初回の塗装時期はだいたい同じです。
しかし、2回目以降は、初回で使った塗料の耐用年数や、お住まいの外壁の状況などで、塗装時期はだいぶ変わります。初回でウレタン塗料を使っていれば、次回は7~10年目と短くなります。シリコン塗料なら10~13年です。また、高耐久のフッ素塗料の場合、2回目は15~20年目と長いサイクルとなるでしょう。
前回ウレタン塗料を使っていれば、築15年を過ぎる頃から2回目の外壁塗装が必要かもしれません。一方、初回にフッ素塗料を使っていれば2回目の塗装は築25~30年頃です。
1回目の外壁塗装は築年数が10年程度を目途にされていた方も多いかと思いますが、2回目以降は“前回の塗料のグレード”を参考にしつつ、塗膜の劣化が見られたときにご検討されることをおすすめします。
お住まいは築年数が経過するにつれて劣化が進行していきます。ただし、使われている建材によっても、劣化の進み具合は異なります。いずれにせよ、「クラックがたくさんある」「サイディングが反っている」など、緊急性のある劣化はなるべく早めに補修をしなければなりません。
2回目以降の外壁塗装の費用が高額になるのはどうして?
外壁塗装を既にご経験されている場合は、その際の金額を目安にだいたいの予算感をお持ちだと思います。しかし実は、2回目以降の外壁塗装は1回目の外壁塗装費用よりも高額となる可能性が高いです。なぜなら、築年数に応じた劣化がすべての住宅で起こっているからです。
そこで、次は一般的に採用されている窯業系サイディングとモルタル外壁を例に、築年数の経過によってどのような劣化が起こるか見ていきましょう。
1回目の外壁塗装で改善している経年劣化
2回目以降に追加で補修する可能性が高くなる経年劣化
1回目の外壁塗装で改善している経年劣化
2回目以降に追加で補修する可能性が高くなる経年劣化
このように、築20年程度を過ぎた頃からさまざまな劣化が見られるようになります。もちろん築20年に達した時点でこのような経年劣化が必ずしも発生するわけではありません。しかし築年数が経過するごとに外壁材の傷みが進行し、次第に塗装だけでは外壁の機能が復活しなくなってきます。そのため補修範囲が広くなり、費用が高額となる可能性があるのです。2回目以降の塗装の際には、外壁塗装費用はもちろん、補修にもお金がかかるかもしれません。
2回目以降の外壁塗装に使用できない塗料がある?
1回目の塗装の際、塗料に対して気になる点があれば、「今回は高価なフッ素塗料を使おう」「前の塗料は溶剤で臭いがきつかった、2回目以降は水性塗料を使いたい」と、前回気になった点をもとに2回目の塗料を選ばれるかと思います。また、前回と異なる種類の塗料にすることもできます。ただ、塗料の相性が悪くて剥がれてしまうこともあるため、相性に注意した塗料選びが大切です。
1. 前回塗装で水性塗料を使用していた場合
「溶剤塗料の上から水性塗料を重ねて塗るのは問題ない」と各塗料メーカーのホームページに掲載されています。しかしその逆、水性塗料の上から溶剤塗料を重ねて塗る場合は塗膜の不具合を起こす可能性があります。
水性塗料を使っていたケースでは、上から溶剤塗料を塗ることで水性塗膜を侵してしまうリスクがあるのです。その結果、塗膜が膨れたり、しわになったりするかもしれません。2回目以降の外壁塗装において「溶剤塗料を選びたい」という場合は、前回の塗料が水性塗料かどうかのチェックが必要です。
2. 前回塗装でフッ素・光触媒・無機・親水性塗料を使用した場合
フッ素や光触媒、無機、親水性塗料などは「汚れがつきにくい」「低汚染塗料」といった特徴があります。非粘着性のこれらの塗料は、新しい塗料がつきにくいという性質を持っています。これらの塗料の場合、次の塗装では同じ性質をもつ塗料を使用した方が相性も良いです。
3. ログハウスで造膜型塗料を使用していた場合
ログハウスなど、木材を使ったお住まいのケースでも注意が必要です。造膜型塗料を以前使っていれば、木目が綺麗に生きる浸透型塗料との相性はよくありません。「木目を活かしたい」と塗っても、木目が潰れてしまうだけでしょう。ほとんどの塗装業者はこの特徴を知っているため、造膜型塗料は提案しません。
2回目以降の外壁塗装をしない方がいいケースも
1回目、2回目…と続く外壁塗装メンテナンス。お住まいが寿命を迎えるまで、何回行えばいいのでしょうか?外壁塗装の回数は、お住まいごとに異なります。適切なタイミングでメンテナンスをしているお住まいの場合、2回目以降も問題なく外壁塗装を行うことが可能です。
しかし、1回目の塗装時期が遅すぎるケースでは、2回目以降の塗装をしない方がいいかもしれません。築年数20年で1回目の塗装をすれば、2回目の塗装は築30年ごろになります。外壁材自体が30年経過しているため、素材自体が相当傷んでいることも多いです。
屋根材によって異なるものの、築30年も過ぎると外壁材自体が寿命に近づく頃でもあります。傷んだ外壁材に塗料を塗っても回復できません。それまで定期的に塗装をしていたケースでも寿命を迎えた頃には外壁塗装をしない方がいいケースもあります。そういった場合は、外壁材を新しくするサイディング張替工事や、金属サイディングでのカバー工法を提案することもあります。
・外壁材がボロボロと剥がれている
・外壁から雨漏りしているかもしれない
・爆裂や凍害で剥がれが拡大する可能性がある
など、外壁材が著しく劣化して機能を果たさない恐れがある場合には、外壁塗装よりも、根本的な問題を改善するメンテナンスが必要です。
2回目以降の外壁塗装はお住まい全体を見直す機会にもなります
ここまでお伝えしたように、「新築から僅か10年ほどの外壁塗装」と「それからさらに年数が過ぎた2回目以降の外壁塗装」では、外壁材自体のダメージ度合いが異なります。2回目以降は、塗装だけでは済まず、補修工事が大がかりになることも少なくありません。しかし、2回目以降の外壁塗装は、お住まいを見直すチャンスとも言えます。
2回目以降の外壁塗装を行う時期となると、外壁材だけでなく、雨樋や破風板などの付帯部も経年劣化が目立つようになります。「屋根も傷んできたな…」と同時にメンテナンスをご検討される方も多いです。屋根工事も外壁塗装工事も足場が必要になるので、併せて行うことで足場の設置費用や手間などもカットできます。
それに、エアコンや給湯器なども交換しなければならないかもしれません。その場合、エアコンの室外機や給湯器を撤去することで、前回塗装出来なかった部分が露出するようになってしまいます。
2回目以降の塗装時期には、外壁塗装だけでなく、お住まい全体をチェックしつつ、メンテナンス計画を立てましょう。また、外壁材の傷みも目立つ頃ですから、前回の塗料と相性が合わないものにも注意しなくてはなりません。注意点も多い2回目以降の外壁塗装ですから、総合的な観点で対応してくれる経験豊富な塗装業者に依頼することが大切です。
私たち街の外壁塗装やさんでは、外壁塗装工事はもちろん、外装リフォーム全般の工事に対応しております。「汚れや苔が増えてきたけどそろそろ2回目の外壁塗装を行うべき?」「剥がれが目立つけれど塗装できるかな?」など、お住まいのことでお悩みの際はお気軽にご相談ください。
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2回目以降の外壁塗装は、1回目の塗装と比べると注意点が増えるため、難しい塗装になります。
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2回目以降の外壁塗装時期は、お住まいごとに異なります。前回使用した塗料のグレードによって、耐用年数が変わるからです。また、経年劣化もお住まいの環境によって違うため、定期的に点検を行い適切な塗装時期を見逃さないようにしましょう。
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築年数が経過するほどに、補修しなければならない箇所が増えます。2回目以降の外壁塗装工事は1回目よりも費用が高くなる可能性もあります。
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1回目に塗った塗料によって、2回目の塗料の選択肢が限られるかもしれません。塗料選びが適切でないために、塗った後に塗膜の膨れやしわが発生することもあります。
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劣化がひどい外壁材の場合、2回目は外壁塗装を行えないかもしれません。塗装ではなく、張り替えや外壁カバーでのメンテナンスが選択肢となるでしょう。
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2回目以降の外壁塗装をする時期は、不具合や補修が必要な箇所がお住まい全体にいくつも出てくるかもしれません。付帯部も傷んでくる頃ですから、まとめられる範囲内で同時に施工することで、コストをおさえられるでしょう。
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2回目の外壁塗装を行う際は耐久性を考えたメンテナンスを行うことが大切です。また、後悔のない外壁塗装となるよう相見積もりをご検討されるなど、業者選びは慎重に行いましょう。