「室内が暑くて夜も眠れない」
「エアコンの使用で電気代が高騰する」
などの問題は、遮熱塗料の使用で改善できるかもしれません。
この塗料は太陽の熱を効果的に反射し、室内温度の上昇を抑制する特性を有しています。高コストの建材への置き換えが難しい場合、遮熱塗料の塗装が夏の熱を緩和する解決策となります!
長い文章のページとなっていますので、内容を動画でもまとめています。動画で見たいという方はこちらをご覧ください!
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塗料は日々進化しています。建材の劣化や腐食を防ぐという本来の目的に対して改良されているのはもちろん、さらにプラスアルファの性能を付加した塗料も開発されています。
たとえば低汚染塗料や光触媒塗料をご存じでしょうか。低汚染塗料とは汚れを堆積させないよう開発された塗料です。親水性を利用することで雨水が汚れを落としてくれるので常にきれいな状態をキープできます。外壁は汚れが堆積するとそこに水分が溜まり、腐食しやすくなるので低汚染塗料は耐久性も優秀です。
光触媒塗料は太陽光を利用して化学反応を起こし、表面の汚れを落としてくれる塗料です。塗料に太陽光が当たると活性酵素が発生し劣化の原因物質を取り除くため耐久性に優れ、屋根や外壁を良好な状態に保ってくれます。
遮熱塗料は名前のとおり、熱を遮ってくれる塗料です。紫外線は塗膜を劣化させる原因ですが、気温の上昇は劣化の進行を早めます。高温になると塗膜は化学反応を起こし、劣化・破壊を引き起こします。遮熱塗料は熱を遮る働きをするため、気温上昇による化学変化を防ぎ、屋根や外壁を劣化から守ってくれるのです。
遮熱塗料が開発された背景には近年の気温上昇があります。夏の気温は年々高くなっており、現在では体温に匹敵する37度を超えることも珍しくなく、夏の最高気温が40℃を超えるエリアさえあるくらいです。20年ほど前の最高気温はせいぜい33℃でしたから、単純比較すると5℃以上も気温が上がっていることになります。
気温上昇の問題は世界規模で起きています。日本も例外ではありません。「昔はこんなに暑くなかったのに」そう呟く方も多いはずです。年々熱中症で緊急搬送される数も増えていますし、もはや夏の暑さは生命を脅かすほど危険なレベルに達しています。
夏の暑さ対策にエアコンは必需品ですが、エアコンに頼りすぎるとヒートアイランド現象が進行してしまいます。また電力ひっ迫が懸念される今、節電は目下の大きな課題です。「遮熱塗料」はこの暑さと健康維持の問題を背景に、塗り替えで快適性を得られる塗料として注目を集めています。
都市部は郊外に比べ気温が高いと言われています。その原因は熱を蓄積しやすいアスファルトの道路やコンクリート建造物が多いこと、自動車や建物から排出される熱が多いことがあげられます。また都市部は郊外に比べビルが密集しているため風通しが悪いこと、自然の緑や水辺が少ないことも暑さの原因です。
また夏の熱帯夜はアスファルトやコンクリートに溜まった熱が、夜の涼しい時間に空気中に排出されることで起こると言われています。
一般的な塗料を使った屋根・外壁は熱を伝える性質を持つ赤外線が塗膜に当たると、熱が伝わり建物内部の温度まで上昇させてしまいます。
対して遮熱塗料は赤外線を効率良く反射し、建物内部の気温上昇を防いでくれます。また遮熱塗料の中には、温度上昇の原因になる顔料(カーボンブラック)をほぼ使用していないタイプや、温度伝達を防ぐ素材を配合するタイプなどもあります。
温度伝達を防ぐ「中空ビーズ」とは
「中空ビーズ」は中心に空気の層をもつ球体で、塗料に配合すると無数の空気層が作られるため断熱材のような効果を発揮します。断熱材と表記されることも多い「中空ビーズ」ですが、遮熱塗料のミラクールやパーフェクトクーラーベストには「遮熱」の目的で配合されています。
自動車塗装にも遮熱塗料が進出!
真夏に屋外で車を駐車していると、車内は異常な暑さになりますよね。この暑さに対して遮熱塗料や断熱塗料で車を塗装すると、効果はあるのでしょうか?実は以前から遮熱・断熱塗料で車を塗装するという発想はあったそうです。しかしツヤがなく塗膜も滑らかでないという理由から自動車塗装向きではないと採用されていませんでした。
しかし2015年登場の4代目プリウスに仲間入りした新カラー「サーモテクトライムグリーン」は、これらの課題をクリアし遮熱機能を持たせることに成功しました。自動車の遮熱塗料としてはこのプリウスが世界初だそうです。遮熱塗料の技術の進化が伺えますね。
サーモアイシリーズ、アレスクールシリーズ
従来の遮熱塗料には上塗り塗料にしか遮熱機能がありませんでした。そのため遮熱効果を発揮するには2回の上塗りを行わねばならず、工期の長さとコストが課題でした。
現在最も多く使用される遮熱塗料は、改良により上塗りだけでなくプライマー(下塗り塗料)にも赤外線を反射する機能が搭載されています。上塗りの層で反射できなかった赤外線は熱を持ってしまいますが、サーモアイシリーズ・アレスクールシリーズではあえて上の層で赤外線を通過させて、下の層で反射させることによって熱源に変わることを効果的に防ぎます。
ダイヤスーパーセランマイルドIR
黒色は光を吸収しやすい色です。そして光は吸収されると温度上昇のエネルギーになります。黒色を出すためにはカーボンブラックという顔料を使用するのですが、配合量を少なくしても残念ながら温度上昇率は止められません。そこで温度上昇を抑制できる代替え顔料が開発されました。これにより赤外線の吸収を抑制し、温度上昇の問題にアプローチできるようになりました。
お部屋の暑さに悩んでいる方におすすめ!
まとめると遮熱塗料には下記のような効果が認められます
・日光(赤外線)を反射
・熱の吸収を抑制
・建物内の温度上昇を抑制
データからお伝えすると、遮熱塗料は建物内部の温度を「最大3℃」下げられます。「3℃だけ?」と思われるかもしれませんが、気温30℃と27℃では体感温度が全く違うものです。たとえば室内30℃では暑くてエアコンも必要ですが、27℃ならエアコンを使用しなくても快適に過ごせるという方が多いのではないでしょうか。
光熱費を節約したい方におすすめ!
遮熱塗料は効率よく室内の温度上昇を抑えてくれます。室内を快適な温度に保ってくれるため、年間のエアコン使用量が少なくなり光熱費の節約が可能です。電気代も高騰していますから、外壁塗装・屋根塗装ご検討中の方は遮熱塗料を選択肢の一つに入れてみてはいかがでしょうか。
環境にやさしい生活をしたい方におすすめ!
地球温暖化の危機、CO2の削減が叫ばれる今、環境問題を懸念されている方にも遮熱塗料はおすすめです。室内の温度上昇を防ぐことでエアコンの年間使用料を下げられれば、それだけ化石燃料の消費も減らせます。その点では遮熱塗料は地球環境に優しい塗料といえるのです。
小さなお子様がいるご家庭におすすめ!
遮熱塗料は小さなお子様がいるご家庭にもおすすめです。小さなお子様がいるご家庭では、お庭に子ども用遊具を置くこともあるでしょう。しかし真夏には遊具が太陽に熱せられて火傷するくらいの温度になってしまいます。小さなお子様は皮膚が薄くて弱いので、大人なら平気でも火傷することがあるので気を付けなければいけないのです。
ご高齢の方がいるご家庭におすすめ!
ご高齢の方がいらっしゃるご家庭には、歩行補助の目的で金属製の手すりを取りつけることがあります。しかし夏に手で触れないほど焼けついてしまうと、歩くときに手すりを使えず転倒してしまう恐れがあるのです。
遮熱塗料を使用すると表面温度を数十度単位で下げられるため、触っても火傷することがありませんし、転倒リスクの軽減につなげることができます。
手すりによる火傷以上に問題になっているのは、ご自宅での熱中症です。年を重ねると気温の変化を感じにくくなる方がいらっしゃいます。室内温度が30℃を超えても「エアコンを使わない」という方も多く、ご高齢の方の熱中症問題はニュースでも取り上げられるほどです。
しかし暑さを感じていないとしても、汗による水分不足は避けられません。暑さを感じにくい分、気づかないうちに熱中症になることも心配です。熱中症にならなくても、体が水分不足を起こすと血液がドロドロになり心肺・血管・内蔵には大きな負担がかかります。
一説では急激な発汗による水分の減少は、同じ量の血液を失うことと同じだと言われています。若い世代の方に比べて夏の暑さはご高齢の方にとってとても危険なのです。遮熱塗料は室内の温度上昇を防ぐ機能があるため、ご高齢の方々の体調管理にもお役立ていただけます。
高機能で地球環境に優しい遮熱塗料にも注意点はあります。「機能性が高い」と飛びついても、きちんとした知識がなければ求めていた効果が現実と異なり、ガッカリしてしまうかもしれません。お住まいの立地や屋根・外壁材によっても遮熱塗料の効果の感じ方は異なります。塗料を選ぶ際はよく特徴を理解した上で、慎重に行いましょう。
1.遮熱塗料と冬の寒さ
遮熱塗料は太陽の赤外線を反射し、温度上昇を防ぐものです。一般塗料と比べて室内温度を最大3℃下げてくれるため、冬の温度まで下げてしまうのではないかとご心配されるかもしれませんがご安心ください。垂直に日光が降り注ぐ夏場と異なり、横方向から日光が入るようになる冬場では温度の低下量は真夏に比べて大きくありません。
とはいえ快適な生活のための効果を期待できるのは夏だけで、冬は特に関係ありません。冬の寒さもどうにかしたいという方には「断熱塗料」をおすすめします。
遮熱塗料と断熱塗料の違いは次のとおりです。
《遮熱塗料》
・熱に変わる赤外線を反射し、温度上昇を防ぐ・夏の室温を最大3℃引き下げる
・冬は温度の低下量こそ軽度であるものの、目立った恩恵もない
《断熱塗料》
・熱伝導率が低い・夏の暑さが室内に伝わりにくい
・冬は温かい室内の空気を外に逃がしにくい
断熱塗料は例えると魔法瓶のような働きをするので、夏の暑さ・冬の寒さの両方にお悩みの方におすすめです。「暑い夏をどうにかしたい」という方には遮熱塗料がよいでしょう。
2.遮熱性と仕上がり
遮熱塗料は太陽の赤外線を反射し熱の上昇を抑える機能がありますが、色によっても効果が大きく異なります。日本ペイントのサーモアイによる比較表で効果の差を比較してみましょう。
上記の表をみると、クールブラックとクールホワイトでは全日射反射率が62.6%も差があることが分かります。遮熱機能に特化した遮熱塗料と一般的な塗料とは違いますが、黒は遮熱塗料でも効果を感じにくい色です。明るい色から暗い色に変更した場合は、遮熱塗料を使ったとしても、明るい色の一般塗料の方が涼しく感じられることもあります。遮熱効果を最大限に引き出すためには、白もしくは白に近い明るい色の遮熱塗料を使用することがポイントです。
遮熱効果を高めるために明るい色を選ぶにしても、屋根の色と外壁の色の相性も考えたいところです。緩勾配屋根のお住まいであれば屋根が見えにくいため、そこまで気にせずに選べますが、そうでない場合は配色が気になりますよね。配色のお悩みはぜひ街の外壁塗装やさんにご相談ください。お住まいのカラーシミュレーションをご利用いただけますので、家の配色や実際の仕上がりをご確認いただけます。
3.遮熱塗料と住宅構造の相性
遮熱塗料は住宅の構造や使用される建材によっても効果に大きな差が生まれます。たとえばガルバリウム鋼板などの金属屋根材は熱を持ちやすく、遮熱塗料の効果を感じやすい建材です。リフォームのときに断熱材と一体になった金属屋根材に変更する、遮熱塗装を施した屋根材を使う…なども選択の一つですが、低コストで同じような効果が得られる塗装は最も手軽でコストパフォーマンスに優れた方法です。
吹き抜けのあるお住まいは解放感がありますが、屋根裏がない分、屋根からの熱が室内にダイレクトに伝わるため室内が暑くなりがちです。しかも室内空間が広いためエアコンの効きが悪く、夏はダブルで熱がこもりやすくなります。このような住宅構造でも、遮熱塗料を使用することで室内の温度上昇を抑えることが可能です。
また空きスペースの有効活用に重宝するロフトや屋根裏も遮熱効果を感じやすい場所です。温かい空気は上昇するため建物の上部に溜まります。夏は息苦しいほど暑くなってしまいますから、遮熱機能を取り入れたリフォームがおすすめです。
一方昔からある住宅は通気性を重視した構造ですから、たとえ遮熱塗料を使用しても、外から熱気が入り込み実感できるほどの効果は感じられないでしょう。一方断熱材を使用していない住宅では遮熱機能が直接作用するため、室内温度の変化が感じやすいです。また窓の多いお住まいの場合は、屋根よりも外壁や窓の遮熱にも焦点を当てることでより効果的に温度上昇を抑えることができます。
周りの環境が目まぐるしく変わる現代だからこそ、リフォームや塗装の点から住環境を見直すことは非常に重要です。私たち街の外壁塗装やさんには「どのようなリフォームが最適なのか分からない」「夏の暑さだけでもどうにかしたい」など、お客様からはさまざまなご相談が寄せられます。
メンテナンスやリフォームについてお悩みの方は、ぜひ一度街の外壁塗装やさんの無料点検をご利用ください。お客様のお悩みを解決すべく、外装リフォームの豊富な施工実績を活かした入念な調査を行わせていただき、お客様のご要望に沿った最適なメンテナンスをご提案させていただきます。
遮熱塗料はこんな方におすすめ!塗装で酷暑を乗り切ろう
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遮熱塗料には赤外線を反射し、熱の発生を抑える機能があります。屋根や外壁に塗装することで屋根表面温度や室内温度の上昇を防ぐことができます。
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従来の遮熱塗料は上塗りにしか遮熱機能がありませんでした。現在は下塗り塗料(プライマー)にも遮熱機能が付加されたものが多くなり、短い工期で費用を抑えた施工が可能になっています。
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熱を吸収しやすい黒色塗料でも、スーパーセランマイルドIRには黒色の遮熱性能を高める代替え顔料を配合しているため、遮熱性・耐久性を維持したままダークカラーへの塗り替えが可能です。
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遮熱塗料は健康面・経済面・安全面が改善されるため、どのような世代の方にもおすすめです。
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お住まいの構造や立地、環境によって遮熱性能の実感性は異なります。お住まいには何が必要なのか、優先順位を決めて塗料やリフォーム内容について考えることが重要です。