立派な2階建ての住宅で、1階部分はブリックタイルで仕上がっています。赤や茶を基調としたタイルを使用した外壁はサイディング外壁やモルタルと違った独特の高級感と存在感がありますよね!
全体に張ると思い印象になる…という方はH様邸の様に1階のみのタイル貼り付けですと、イメージを変えたいなぁと思い立った時にも外壁の色で充分変わります。 タイルは張り付けているため部分的に剥離を起こしてしまいますが、1枚ずつ修復が可能な事もありがたいです。
タイルの為、サイディング外壁よりも大きな凹凸がある外壁になります。その分、汚れが溜まりやすく目立ちやすくなってしまいます。 中世のレンガのイメージのブリックタイル、軽量で貼り付けが簡単で見た目も良いブリックタイルですが、デメリットとしては吸水性がある事です。小口から透水しタイル接着面と接着剤が離れやすくなってしまうため目地埋めは鉄則です。 点検の際には目地に関してもしっかり見させていただきます。
ブリックタイルに色褪せが目立たないものの、付帯部は同じ紫外線を受けて色褪せを起こしてしまっています。また竪樋の掴み金具には塗膜の劣化が出てしまっています。 1階の外壁だけを見ると安心しますが、その周りのものは着実に劣化が進行しているようですね!
玄関前の外灯です。それほど色褪せ等も起きてはいませんが、ご用命とあれば塗装は可能です。 またシャッターボックスは塗装箇所に入っています。塗装をしない方が良い材質のものもありますのでご提案させて頂きます。また、シャッターを塗装してほしいとのご相談を頂きますが、塗装は可能です。しかし、良く動かすようであれば塗膜がこすれてぺリぺリ剥がれてしまったり、動きが悪くなってしまいます。動かさないようであれば内部で塗料が固まってしまいこちらも動きにくくなる可能性がありますので、塗装をされる際にはご検討ください。
問題の屋根です。破損個所以外の部分には全く問題のないように思えます。色褪せを起こしている物の破損し落下した屋根材以外の場所ですぐに落下するような屋根材もございませんでした。
棟板金のコーキングはまだ機能を発揮しているようですが、打ち付けられている釘は徐々に浮き始めているようです。経年により棟板金が風で動き釘が少しずつ浮いてしまっていますが、更に放置しますと強風で煽られ思い切り飛散します。新築時には大抵釘で止められていますので、築年数が経ち始めたら定期的に点検をしたい箇所です。 コロニアルに少しのヒビが見られますが、この程度であれば問題はありません。コーキング処理を行えばまだまだ使える屋根材です。自然災害によって破損した屋根材の周囲は火災保険の対象です。今回も申請頂きました。
屋根材の端々に苔が発生していますが、少なく状態としても決して悪くはありません。破損した屋根材1枚の為に葺き替え工事もカバー工事もする必要はありません。築年数がかなり経過していて他の部分に破損する恐れがある場合には屋根工事をお勧めいたしますが、今回は補修をした上で、表面保護のために屋根塗装を提案いたします。 また屋根材の落下は強風が原因です。自然災害による屋根の破損補修は火災保険の対象になりますので火災保険に加入されている方は一度保険会社にご一報お願いいたします。
外壁塗装の際には一度カラーシュミレーションで仕上がりのイメージを見て頂きます。どのような色がブリックタイルとも馴染み綺麗な色になるのか、屋根とも合わせて大きくイメージチェンジをしてみよう!等悩む部分は多いかと思いますが、付帯部の色も選択して頂けますので、イエロー系やブラウン系などあいまいな印象でも教えて頂けたらと思います。 左写真が塗装前の状態です。右写真はホワイト系の外壁にブリックタイルと合わせたブラウン系の屋根と付帯部です。ホワイトのおかげで明るい印象になります。
左写真はブラウン系で屋根がグリーンです。同系色同士ですとまず綺麗にまとまります。ブリックタイルに合わせての配色にもなりますので茶系が一番合わせやすいというのもあります。 右写真は同じようにベージュで合わせていますが、付帯部が白系ですので印象が更に明るくなります。
ブリックタイルは表面上は問題が無いように見えても実際は接着力が弱くなることで浮きや剥離を起こしている可能性があります。叩いたりして音を聞き分け、内部の状態を判断する際に使う専用の棒を打診棒といいます。先端の丸い球でたたいたり転がすことで浮きや剥離の起こっている音の軽い場所を特定することが出来ます。 外見上問題が無ければ放置しても構わないと考えがちですが、高所のタイルであったら、万が一剥がれ頭上に落ちて来たら大きな事故に繋がります。見つけた際の状態に合わせ、対応を変えていかなければなりません。 今回の補修工事では、屋根は適切な補修の上塗装工事、サイディング外壁は塗装、割れがあるブリックタイルは落下防止の為補修の手を入れます。工事には足場架設、高圧洗浄による汚れの飛散がありますので近隣の方にご挨拶を行います。
まずは足場架設工事です。足場は施工品質や安全性の面から見てもとても重要な役割を持っています。道具を荷揚げしたり両手が塞がれながらの作業を行う為に安全性が大変求められます。重要な作業でもある為作業主任者が組み立て解体作業を行います。 足場の組み立てが終わり次第、塗装の高圧洗浄と塗料の飛散防止にメッシュシートを取り付けていきます。これより高圧洗浄を行っていきます。
高圧洗浄の前後状況の比較です。屋根は左が洗浄後、右が洗浄前です。コロニアルに付着した苔や汚れはガソリンスタンドに置いてある洗浄機の約2倍もの水圧で根絶ちを行い洗い流していきます。苔が付着したままですと塗装を行ってもすぐに塗膜が剥がれてしまいますのでしっかりと落としきることが大切です。 サイディング外壁は見て分かる通り奥側が洗浄後の様子です。こんなにも汚れが付着していたのかと驚愕してしまいます!苔やカビの付着物、傷んでしまった塗膜をまとめて洗い流すことで塗り替えの仕上がりと保ちは歴然の差です。
洗浄後、屋根外壁が乾燥後にまずは下地処理です。割れている箇所に塗装と相性の良いコーキングを充填し、劣化防止に努めます。シリコン系のコーキングがありますが塗料がのりませんので、変性シリコン系のコーキングを使用します。
出来るだけ目立たないように、しっかり効果があるように薄くならしていきます。屋根材が欠落している部分には下部の屋根材の穴も露出していますので全ての穴を塞ぎながら補修をしていきます。
屋根塗装の下塗り材にはスズカファインのベスコロフィラーHGを使用します。下地調整と下塗りが一度に出来る機能を持っているため工期短縮が可能です。厚膜な塗料の為、素地の目止め効果も高く肉痩せしたスレートを蘇らせます。
下塗りが終わった様子です。滑らかな表面を形成するし、ローラー・刷毛ムラも目立ちにくいため上塗りの艶のりが良好です。
中塗り・上塗り材にはベスコロフィラーHGと相性の良いスズカファインの1液ワイドシリコン遮熱αです。高反射性顔料とセラミックバルーンの相乗効果により、太陽光の近赤外波長域を反射し、抜群の遮熱効果を発揮します。
建物内部の温度上昇を緩和しますので、冷房効果をあげることが出来ます。密着性・耐久性に優れ、緻密な塗膜が汚れの付着を防ぐ防カビ・防藻・低汚染性の塗料です。 遮熱塗料の弱点は汚れです。塗ってしばらくは表面が綺麗な為、遮熱効果が発揮されますが塗膜が汚れてしまうと効果が落ちてしまいます。遮熱機能を長く発揮するためにも低汚染性の塗料は嬉しいですね!
屋根塗装が終わり、外壁・付帯部塗装に移ります。まずは上部の軒天塗装からです。マスキングテープで養生をしてから2回塗りです。奥から塗装作業を行っていますが、塗装前の軒天がどれほど汚れていたのかお分かりいただけるかと思います。 軒天は雨風にさらされやすくまた傷みやすい材質のものを使用している住宅も多いですので、定期的に表面保護を行わなければ破損し、補修をしなければならない状態になってしまいます。 軒天が広範囲に渡って補修が必要な場合は足場を組んでの作業にもなりますので、塗装工事等足場を組んでいる状況でしたら軒天の傷み具合も確認しておくといいでしょう!
全体的に軒天の塗装が終わり次第、サイディングの外壁塗装になりますが、サイディングには目地がありますので目地のコーキング打替え作業を行っていきます。 まずは既存のコーキングをカッターで切り込みを入れて撤去していきます。サイディングに付着した状態のコーキングはそぎ落とし綺麗な状態にします。
既存コーキングをとりバックアップ材が露出している様子です。コーキング材はオート化学工業のオートンイクシード15+です。シーリング材はサイディングの目地に充填する防水材で、建物の水密性・気密性を保つ重要な役割を持っています。そのため劣化が進行し、ひび割れ・肉痩せ・亀裂を起こしてしまうとシーリング材としての機能が損なわれます。 オートンイクシード15+は柔らかく、耐ムーヴメントと圧倒的な接着力がある為、耐久性・耐候性に優れています。通常のコーキングが耐用年数3~5年と言われる中で、オートンイクシード15+は次回の塗装工事に打替補修をする必要がないと言われるほどの耐久性があります。
目地の打替え補修には硬化時間が必要ですので、乾くまで付帯部塗装を進めていきましょう! 付帯部塗装は外壁塗料と同じグレードのシリコン系塗料でこげ茶に仕上げていきます。 付帯部塗装は軒天と同じく2回塗りです。ケレン作業で表面処理をした後に刷毛やローラーで塗っていきますが、仕上がらない場合は3回4回と重ねていきます。
破風板・雨樋の塗装後です。綺麗に仕上がっていますが作業中に塗料が付く可能性もあるので最後に今一度確認をします。
続いて外壁塗装です。ダイヤのワイドシーラーを下塗りに使用します。中塗り・上塗り塗料にはブライトン株式会社のエラストコートを使用しますが、本来エラストコートはシーラーレス塗料です。が、表面が劣化し吸い込みが激しい可能性はシーラーを入れることで吸い込み防止と密着性UPが見込めます。
使用色はA-3003です。100%アクリル系弾性コーティング材のエラストコートは撥水性・耐紫外線能力が高く、耐候性に優れ、高い通気性を併せ持つため、藻やカビの発生を防ぎ、コンクリートやモルタルの白化現象を起きにくくします。 また二酸化チタンが下地の汚れや退色をカバーし、美しい発色を長期的に持続させます。高弾性でありながらべたつきも無いため、汚れやカビが付きにくく作業性にも大変優れています。 施工後も水洗いが出来るのでメンテナンスも簡単です。艶無し、骨材も不使用の為下地の風合いをそのままに色だけの塗り替えが可能です。
中塗り・上塗りが完了いたしました。アクリルと聞くと安価で耐用年数が3~5年と短い塗料を思い浮かべますが、100%アクリルは話が違います。 一般的なアクリルに含まれている可塑剤といわれる塗料を柔らかくする成分が含まれていますが、可塑剤が紫外線に弱く3~5年で寿命が来てしまいます。 100%アクリルのエラストコートは可塑剤が全く含まれていないため15年~20年の長寿命を誇ります。水性塗料ですので不快な匂いを感じながら塗り替えをする必要もありません。
残りの付帯部塗装です。雨樋・付帯部に続き日本ペイントの1液ファインシリコンセラUVの23-255(こげ茶)でシャッターボックスも仕上げていきます。 防藻・防カビ性を持つ弱溶剤系である為臭気がマイルドです。塗装時の発泡もなく素早く乾燥するので大変綺麗に仕上がります。
あわせて竪樋と庇板金部分も塗装が完了しましたが、庇にはケレン後、錆止め処理をし、塗装を行いました。 鉄部は経年劣化によって錆が進行してしまいますので錆止めや塗膜で表面保護をすることが必要です。更に内部からの錆浮きは時間が経ってから少しずつ出てきますのでケレン作業で既存の錆を落としておくのも綺麗に長く持たせるために必要です!
ブリックタイルにも保護材はあるのですが今回は小さな補修のみですので、塗らない箇所に付着した塗料をしっかり落として塗装工事は終了になります。
最後です。ブリックタイルのひび割れ部分の補修に入ります。高所であればあるほど補修のタイミングを逃し、落下した際のダメージは大きいものです。まずはひび割れを起こしている場所にはみ出さないように養生を行います。
続いてタイルにしっかりと付着する接着剤の充填、ヘラで素早くならしていきます。ならした時点で手早く養生も剥がしていきます。時間をおいてしまうと接着剤ですので全てくっついてしまいます!今回の補修でしばらく剥がれ落下する心配が無いようですが、他のタイルにヒビが入る可能性はいくらでもありますのでやはり定期点検は欠かせないですね!
記事内に記載されている金額は2021年06月24日時点での費用となります。
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