勝浦市の別荘地のお客様より木部・ウッドデッキの塗装工事のお見積り依頼を頂きました。築5年と考えても塗り替えは早いのではないかと考えられる方も当然多いと思いますが、新築時に使われている塗料はアクリル塗料が主流です。特に指定も無く建てている場合はアクリルだと思って頂いて構いません。つまり、塗料の耐久年数は5年から長くても8年で塗り替えが必要な時期になります。 今回気になっているのは木部の剥がれと苔の発生でしたがタイミングとしては良かったのではないかと思います!
広大な土地、閑静な別荘地羨ましい限りです!当初塗装依頼があったのは破風板や手摺と言った白塗りの部分とウッドデッキでした。剥がれが出てきたこともありますが、一番のご相談ポイントはウッドデッキの塗料です。新築時にキシラデコールで塗装を行っていたものが、いきなり他業者によってタフウッドステインに変えて塗装されたようです。キシラデコールは水性に対し、タフウッドステインは油性タイプの浸透性木材保護着色塗料です。水性タイプと比べ耐久性は上がります。油性で保護をしているので木材に対し撥水効果が充分に発揮されるのですがそれが問題だったようです。
色も少し濃い目の色で塗ってしまった為に塗り替え時に少しずつ色を濃く塗装しなければなりません。撥水効果の影響によってウッドデッキの至るところに水たまりが出来てしまったようでなんとかもとに戻したいと伺いました。水たまりができる原因は撥水効果の影響もありますが、大きな要因はウッドデッキに水が抜ける部分が無いという事です。
木材を組み立てて作成していますので隙間は見てのとおりあります。またアルミなど定められた寸法ではないため大きく取り付けられています。その長さは住宅の3/4を囲っている状態です。
ウッドデッキは今回の油性タイプ塗料で大きく印象が変わってしまったと仰っていました。撥水効果が大事な木材保護塗料ですので致し方ないですが、水の抜け道があれば全く問題はありません。今回問題になったのは床板同士の間隔です。元からピッタリ取り付けられている床板でしたが、塗装で膜を造ることによって少しの抜け道が閉ざされてしまいました。水たまりを作らないようにするためには、床板同士の隙間をしっかり作るか、勾配にあわせて穴を開けてあげるなどの措置が可能です。但し床板を外して切り直すという施工は大変手間と木材の割れが考えられるのでお客様の今後の方向性を聞いた上で見送りました。 油性タイプの塗料を使ったからには水性は塗装できません。油性では塗装は出来ますが撥水効果を蘇らせることにもなってしまいます。タフウッドステインという塗料がいけなかったのかというわけでもないのですが、他の塗料でも同じ位の水たまりになってしまうのか検証したいという事で、今回はオスモカラーのウッドステインプロテクターを使用します。
点検を行っていくと白塗り部分の剥がれをあちこちに見られますが、施工の際に洗浄・ケレン処理を行って既存塗膜をしっかり剥がす必要があります。このまま剥がれてしまうような場所に塗装を行ったとしても一緒に剥がれ落ちてしまうのが関の山です。今回の工事での重要工程はケレン処理でどれだけしっかり既存塗膜を剥がすかによって仕上がりが大きく変わると思います。 木造住宅で心配をしなければいけないのは白アリです。白アリは木を主食にする生物ですが木の表面には出てこないため発見が遅くなります。気付かないうちに住宅の柱を食べられてしまっていた…という事が無いように白アリ駆除の定期点検と防蟻剤の処置も必要になります。また目視で確認する方法として、木材の状態確認と蟻道があるかないかです。換気口に向かって蟻の道がないかを確認することによって早期に発見・対策をすることが出来ます。ウッドデッキが多い場合は特にですが一度見させていただきます。
ガーデニングを趣味にしているお客様ですが施工の際に足場の架設が必要不可欠です。塗装工事後にガーデニングを本格的にされるそうですが、春先に芽を出す球根は既に植えられている為足元に気を付けながらの作業になります。またこれだけ植物が身近にあることによっておこる弊害は外壁への苔の付着です。陽当たりや風通し、年数によって苔は付着しますが、地面がコンクリートか庭等ですと植物が近い方が圧倒的に外壁が緑色になってしまいます。外壁の汚れは高圧洗浄でと考えたようですが、全体的に綺麗にしたいとのことで急遽外壁塗装工事も行う事になりました。苔をしっかり落とすことに重点を置きバイオ洗浄の実施、苔が付着しにくい低汚染塗料、水谷ペイントのナノコンポジットW防藻+を使用します。
施工をすると決まったら重要なのは仕上がり色です。外壁は既存の色からあまり変えたくはないという事でしたのでナノコンポジットW防藻+ NC-46で作成いたしました。ウッドデッキはウッドステインプロテクターの全19色から今の色よりも濃い色で塗装していきます。左写真が既存に近いマホガ二、右写真がファーグリーンです。苔はウッドデッキにも例外なく付着しますので目立たなくするためには近似色がピッタリですね!
大きく印象を変えるのであればロイヤルブルー、ブルー系を一切使用していませんので、少しイメージに違和感があると思いますが、イメージチェンジにはピッタリです。最後にマホボニーですが、既存よりもかなり濃い色に仕上がります。濃い色に仕上げることによって次の塗り替え時にはまた濃い色に塗ることになりますので今の段階ではそれほどまでに濃く仕上げない方が良いかもしれません。 既存の色になるべく近い色で少しずつ塗り替えで濃く仕上げていく方法をお勧めいたします。
まず外壁塗装の為に足場の架設を行います。塗装の際に足場を必要としない住宅はほとんど存在しないかと思います。今回は近隣住宅との間隔が大変広い為、塗料の飛散が心配な強風時以外はメッシュシートは設置いたしません。 高圧洗浄時にも小雨が降っていたため近隣に特別な措置は必要ありませんでした。屋根は塗装を行いませんが、外壁よりも低い水圧で防水紙自体を傷めないように付着した苔を洗い流していきます。
今回は外壁の苔が大変気になる、塗装後には外壁に苔が付着しないようにしたいと強い希望がありましたので、苔の除去にバイオ洗浄を行います。使用するコムスタージャパンのSFF-10TBは直接人体に影響がないことが確認されている100%生分解性洗浄剤です。塩素系、クロロフロン系炭素は含まれていないため周辺に対しても安全に使用できます。洗浄後に外壁に光沢をもたせることも特徴ですが、まずアルミサッシやガラス、樹木を傷めることがありません。 まず少し水で濡らしてから洗浄剤を噴霧し吸い込ませて時間を置いてから汚れを浮き上がらせます。その後に高圧洗浄で一気に洗い流していきます。全て洗い落とした後にしっかり乾燥させてから初めて外壁の塗装工事に取り掛かることが出来ます。
また外壁を洗浄すると付着した汚れが流れ出していきます。そのままでは大変汚いので一緒に洗い流していきます。塗装するウッドデッキもコンクリート部分も高圧で汚れを落としていきます。洗浄で1日が終了です。 乾燥次第、塗装前の下地処理・養生を行います。築5年ですのでコーキング等にも劣化が見られず、状態としては大変良好ですので、サッシ廻りの増し打ち施工で充分でした。コーキングが乾燥した後に窓等塗装を行わない部分に養生を行い塗装を行います。
まず塗装工事は上部から行っていきます。軒天は日本ペイントのケンエース、ホワイトで2回塗りを行います。軒天に傷みが見られると塗装が不可能な場合もあります。例えば軒天材が水を染み込みすぎて傷んでいたり、剥がれていたりと塗装をしてもすぐに剥がれてしまうといった場合は張替のご提案をさせて頂きます。
しっかり2回塗りを行ったとしても終わりではありません。全体塗装をした後に塗料が飛ぶこともありますので再度もう一度確認しながら回ります。 外壁塗装は基本3回塗りです。中塗り・上塗りの仕上げ塗料の付着力を高めるために下塗りに水谷ペイントのナノコンポジットWシーラーを使用します。クリアー色ですので1回塗りでは大きな差違はありませんが、光沢感が付きます。
下塗りをするとしないでは仕上がりは全く変わってきます。そもそも下塗り材にはフィラー・プライマー・シーラーと様々な種類があります。フィラーが下地の凸凹やヘアークラックを補修する役割があり、シーラー・プライマーの役割は上塗り材と密着効果を高めるためと塗料の吸い込み止め・塗装ムラの抑制です。1度まんべんなく塗装をすることで中塗りから上塗りまで大変綺麗に仕上がります。 そしてようやく仕上げ材の水谷ペイントのナノコンポジットW防藻+の登場です。今回目標は原状回復をご希望ですので、近似のNC-45を使用します。ナノコンポジットWは科学技術振興機構・京都工芸繊維大学・水谷ペイント共同の開発製品です。ナノコンポジットエマルション樹脂は粒形がとても小さく、緻密に分散されているので汚れの侵入をブロックします。塗膜表面が降雨により汚れを洗い流すセルフクリーニング機能を持っています。そこにさらに菌から水分を吸収し成長を止める防藻性を強化したのが防藻+です。
防カビ・防藻、超低汚染性、耐候性、防火認定材料の安全で低汚染の塗料は既に高い効果を実証できています。まずはローラーで塗れない細かい部分を小バケで塗りつぶしていきます。そこから外壁を2回仕上げ塗料で塗装していきます。色の大きな差違が無い為、塗り残しがないようしっかり抜けのないように塗っていきます。
白い木部分は日本ペイントのファインSiを使用します。木部の旧塗膜は確実にペーパーで剥がし2回塗りを行います。 樹に枝があるのと同じぐらいに、木材にも節が存在します。築年数と共に節の部分の塗料が剥がれてしまったりと節部分だけ目立ちやすくなってしまいます。今回すでに穴が空いている死節にはコーキング補修をした上で塗装を行いますが、今の段階で大きく目立つ節は完全に隠すことが出来ないこともご承知の上塗装させて頂いております。
破風板・、雨樋、手摺、木枠すべてにケレンの上白い塗料を塗っていきます。剥がれかかり、木材の素地が見えていたところは見違えるように綺麗に仕上がりました。
また外壁の上塗りも同時に行い、塗料の飛散をまとめて確認を行っていきます。仕上げは艶消しで塗り替え後もイメージが大きく変わることはありません。そのままに高い低汚染の効果をもつ外壁に生まれ変わります。
少しずつ外壁塗装は完成に近づいていっています。屋根もすっかり苔が落ちてから乾きすっきり綺麗な状態に!外壁に取り付けられている黒い外灯もシリコン系塗料で塗り直していきます。当然塗装前はケレン作業で旧塗膜を落としてから外灯のガラス面には塗料が付かないようにと、狭範囲の塗装の方が意外と難しいものです。
最後は全体的なタッチアップを行っていきます。作業中にはどれ程気を付けていても、慎重に動いていてもヘルメット等で汚れてしまったりすることはありますので何度か数人で確認をしていきます。
外壁塗装が終わり次第足場の解体です。足場自体がウッドデッキの上に設置しているのでウッドデッキ塗装に向けて組立て直します。その際にも外壁に傷を付けないように撤去、清掃です。
ウッドデッキは新築時シッケンズを使用していたようですが、数年前に他業者のタフウッドステインを塗ったところ、雨天時にすべて水をはじき水たまり状態になってしまったと大変お悩みでした。木部保護塗料は木材に浸透しながら保護するためにも撥水効果は少なからず備わっています。 但し木材の隙間が細かく、木材にも反りが見られ水捌けが悪く、さらに撥水効果があまりに高いというような条件がそろった為、水たまり状態になってしまったのかもしれません。
今回のウッドデッキの塗料オスモカラーはドイツ生まれの自然植物油と植物ワックスから出来た自然塗料です。通常の塗料は合成樹脂等の化学物質で作られていますが、オスモカラーは自然の油とワックスを使い、人体や動植物に安全な塗料です。これは赤ちゃんのおもちゃにも使用できるほどの安全性を持っています。
今回使用してるのはオスモカラーのウッドステインプロテクター(色:マホガニー)ですが凄いのは安全性だけではありません。ウレタン塗料がプラスチックの膜で木の呼吸を妨げるのに比べ、高い耐久性・耐候性・耐紫外線性を持っているにもかかわらず木材に浸透し保護する塗料です。1回目の塗装をしてすぐに気づきますが、シンナーを一切使用していないので臭いがほとんど気になりません。 ウッドデッキ塗装用のコテバケで刷り込ませるように塗っていきます。これで1回目の塗装は終了です。しっかり乾燥させてから2回目の仕上げ塗装を行っていきます。 1回目の塗装は下地がほとんど露出し吸い込みが激しかった為、想像以上に塗料を使ってしまいました。木材の傷み方・状態次第で塗料の吸い込みが全く変わってきてしまいますので塗ってみなければわかりませんがしっかり染み込ませるのが重要ですので出し惜しみなく塗布していきます!
前回塗装は裏側を塗っていないようでしたので、裏側もしっかり木板を1列ずつ塗り直して木材の保護を行っていきます。ウッドステインプロテクターは自然塗料の中で唯一国交省の品質試験に合格しています。乾燥時間・仕上がり・耐久性において高い信頼性があるので、官公庁や文教施設・特養施設でも多く使用されている大変優秀な塗料です。
こちらが2回塗り後の塗装です。木材の素地が見えている状態でしたが塗り替えによってムラなく仕上がりました。節の部分は塗料を多く吸い込んでいましたので乾燥までには少し時間がかかりますが問題はありません。塗り替えの際には毎回とても面倒なサンディングの必要もなく1回の上塗りで充分です。 撥水効果は充分に高いですが、塗膜を形成するわけではないので水たまりのできないウッドデッキになると期待したい所です!
記事内に記載されている金額は2021年06月24日時点での費用となります。
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