【点検の様子】
築35年、15年前に外壁塗装実施済みです。外壁の亀裂が目立ち始めてきたようで塗装メンテナンスを検討されたようです。「木造住宅の寿命は30年」という言葉を聞いたことがありますか?実はこの数字、寿命とは関係なしに取り壊された住宅も含めた数字になります。 本来しっかりとしたメンテナンスを行っていれば、木造住宅といえど30~80年はもつと言われています。なぜこの寿命にここまで差が出るのか、立地条件、環境、メンテナンス等で違いが出てきてしまうからです。 ウチは古いから…と諦める必要もなく、しっかりと補修をしていってあげてください。
今回気になり始めたのはモルタル外壁特有のクラックです。建物の揺れに応じて少しずつヒビが生じてきます。放置することでだんだんと大きくなってしまうクラックですが、こちらも適切な補修をすることでしっかりと発生を抑えることは出来ます。 ヘアークラックの場合は、塗料やコーキング充填のみの補修で充分効果的ですが、構造クラックのような奥まで亀裂が入ってしまっているものはVカットと言われる工法が必要です。 壁のヒビに向かって文字通りV字にカッターを入れていきます。ヒビの最深部にまで到達したことを確認してからコーキングを充填していきます。そうすることで再発生の抑制、クラックの拡大防止に繋がります。
塗装の目安の確認にはお馴染みのチョーキング(白亜化)現象です。外壁の塗料が摩耗し粉状に劣化している状態ですが、塗装の目安としてご自身でも確認が可能です。既存塗膜の限界にまで達している為、早急にメンテナンスを行うのが理想です。 ちなみにモルタルは比較的チョーキングが確認できやすい素材ですが、サイディングは素材によっては築年数に限らず確認しにくいものがあります。
和風建築らしい軒天の造りです。現代の住宅はベニヤやケイカル板、金属鋼板を張っている中、和風建築に多いのが化粧垂木です。木材が出ている事で和風の趣が前面に出ています。軒天は普段雨水に当たりにくい場所ですので木材の露出が多かったのでしょうか? 傷みが無ければ塗装での補修が可能です。
こちらは戸袋、表面が劣化し剥がれてしまっています。鉄製の雨戸・戸袋にはない補修項目ですが、昔の住宅には多く使われていますね。
こちらは下屋の軒天です。ベニヤ仕上げですが、ひび割れや剥がれが見られます。このまま塗装をしてもすぐに剥がれてしまいますのでこちらは増し張りもしくは張り替えで補修を行います。 鉄製の雨戸、こちらはチョーキングのみですので洗浄後、錆止めを含めて塗装すれば問題ありません。
木製の面格子も雨が当たりやすく傷みが目立ちやすい場所です。塗膜の剥がれ・劣化はあるものの塗り替えで表面保護をしましょう。こちらは配線ボックスでしょうか?前回塗装をした塗膜が浮き剥がれてしまっています。 剥がれた塗装はそのままにしておけません。洗浄は変わらず行いますが、ケレン作業で塗膜を剥がし、錆びる部分に関しては錆止め、2回塗りで仕上げていきます
お見積り依頼は外壁塗装のみですが、屋根の点検ももちろん承っております。大屋根の棟の並びも良く瓦の浮きやずれもありませんでした。屋根に関しても定期的な補修は怠らずしているようで、漆喰の劣化にも問題ありません。
剥がれが多い部分に関しては漆喰詰め直しをしたのでしょう。少しずつでも定期的に行うことで大きな補修をする必要がありません。1階の屋根は1年前に金属屋根材で葺き替え工事を行ったようです。 【施工の様子】
工事前に近隣の皆様に工事をお知らせ致します。外壁塗装の際には足場架設や大工工事の騒音、高圧洗浄の水と汚れの飛散が考えられます。メッシュシートをかけ汚れの飛散防止を心がけていますが、念のために屋外への洗濯物を干すのはお控え頂くようお願い致します。 足場の仮設を行っていきます。外装工事の多くで必要となる項目ですが、足場仮設は1軒につき大体15~20万円と決して安くはありません。工事に必要な作業と言えど形に残ることはなく無駄になってしまう費用です。だからこそ、足場をかけるタイミングで気になる部分の補修を行っていきましょう!
まずは大工工事です。軒天の劣化、戸袋の改修は塗装前に行っていきます。軒天材は主にカラーベニヤ、ケイカル板、ガルバリウム鋼板と種類も豊富ですが、補修をしていない住宅ではカラーベニヤが多いのではないでしょうか?(こちらの下屋もそうです) 建物の延焼を防ぐため、外観をよくするため、屋根裏の換気をよくするためと、しっかり役割がある軒天ですが、風によって吹き付ける雨で劣化していくという弱点があります。
また、雨漏りが起きている場合、軒先に溜まる雨水によって雨染みが出来る場合があります。通常の雨天時には傷むことのない軒天に染みがあった場合、まず雨漏りを疑ってください。屋根のチェック・補修を行ってから軒天の補修にあたります。 現在、軒天の補修にカラーベニヤを使用することは滅多にありません。費用は安いのですが劣化スピードが速いことによって補修のメンテナンスもこまめに必要です。ケイカル板、もしくはガルバリウム鋼板等の金属材での補修をお勧め致します。費用の面でリーズナブルなのはケイカル板です。今回はケイカル板で増し張り施工をし、塗装で綺麗に保護をしていきます。
木製雨戸は腐食した部分を剥がし合板を張り替えています。木部は腐食もしやすいのですが、張替等もしやすい!このまま塗装で仕上げます。
戸袋はラスカットを張ります。通常はモルタルの落下を抑えるために使用しますが、耐久力のあるボードですので下地には十分です。こちらも下地張り後に塗装で仕上げていきます。 【塗装工事】
外壁塗装に入ります。まずは高圧洗浄、既存外壁のチョーキング、汚れを15MPa以上の水圧で一気に洗い流していきます。家庭用の高圧洗浄機をご家庭に置いている方も増えてきていますが、その水圧は8~12MPaと威力に大きな差があります。洗浄というと、洗い流すイメージですが、そぎ落とすといった印象の方が強いと思います。
乾燥後、下塗りに水谷ペイントのナノコンポジットフィラーNを使用します。サイディングでの塗り替えの場合は下塗りにシーラーを使用し、仕上げ材との密着性を高めていきますが、モルタル外壁では少し注意点が変わります。建物の揺れや施工でのモルタル乾燥具合問題でクラックが生じやすくなってしまいます。そのヒビを埋め、更にクラックの発生を抑えるためにフィラーを使用していきます。 下塗り塗料も素材や状態によって塗料が変わります。
下塗りを全体的に塗装することによってクラックを埋めて下地の凹凸も調整していきます。更には仕上げの吸収も抑え無駄な塗料を使う事も防ぐことが出来ます。 続いて中塗り・上塗り、ナノコンポジットWのNC-06で塗装しています。
ローラーで2回重ねていく事で色のムラ・下地の透けがなく綺麗に仕上がります。ナノコンポジットは3分艶ですが、モルタルの落ち着いた印象にしっかりとあった仕上がりになります。
軒天は2色使いになります。天井にND-500、化粧垂木はこげ茶に仕上げていきます。この2色の塗装、色が混ざらないように、散らないように慎重に塗装していきます。
雨樋、霧除け、幕板、破風板はこげ茶ND-255で塗装していきます。付帯部は外壁とはまた注意点が変わり、ツルツルした表面に塗装をしてもすぐに剥がれてしまいます。あえて表面にケレンで傷を付けることで塗料との密着面積を増やししっかりと密着させることが出来ます。
鉄製雨戸は波状で塗装が難しいので、スプレーガンで錆止め、仕上げ2回を吹き付けていきます。雨戸・戸袋には色:ND-184です。
木製雨戸はライトグレーで塗装していきます。 どれも外壁のNC-06には近い色ですが、若干色味を変える事でちょっとしたアクセントになります。
ラスカットで補修をした戸袋は吹き付け後、まだ乾かないうちにローラーを転がすタイル吹き押さえ仕上げを行いました。色は外壁に統一しNC-06です。玉吹き仕上げよりも塗料が入りやすく仕上がりが綺麗、また劣化した感じが分かりにくいというメリットがあります。
記事内に記載されている金額は2021年01月26日時点での費用となります。
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