【点検の様子】
強風によって瓦が捲れてしまったようです。築年数が経過するごとに瓦が少しずつ動いて周りが欠けてしまいます。通常噛み合わせて設置はされていますが、動きが大きくなるにつれ瓦の捲れる割合も大きくなってしまいます。
釉薬瓦のようですね。この瓦は代表地名を付けられたりセメントやコンクリートと何種類もありますがこの見分け方、実はそれほど難しくないんです。瓦の灰色というのはたくさんありますが、見るべきところは瓦の裏側や軒の小口です。 今回、ひっくり返っている瓦をみるとわかると思いますが、灰色ではありません。裏側や内側まで灰色のいぶし瓦とは違い、この瓦は薬品をかけて化学反応を起こすことで色を付ける釉薬瓦です。 見える部分のみの色付けですのでこのように裏側を見て見ると瓦の色が全く違うのがお判りですよね。 ちなみにコンクリート瓦とセメント瓦は塗装で表面保護をしてメンテナンスをする必要があります。 小口がデコボコしているのがコンクリート瓦、綺麗な小口がセメント瓦です。この2種類、見分け方をしっかりしないと下塗りに使用する塗料は全く違ってきますのでご注意ください。
瓦の補修箇所は他の瓦であっても変わりません。まずは漆喰、瓦屋根であれば必ず施工されている漆喰ですが、建物の揺れ・風によって漆喰が剥がれてしまう時があります。内部を泥で形成されている棟の漆喰が剥がれてしまうと、泥が水分を吸い込み泥が露出してしまいます。そうすることによって棟が動く、崩れる=雨漏りを起こすという事に繋がってしまいます。 こちらの棟は理想的な状態を維持しています。しかし漆喰の劣化は多少ありますので、瓦の捲れ以外にも補修箇所は出てきていますね。
瓦屋根からの雨漏りの原因は防水紙です。瓦が割れたとしても防水紙に破れや捲れが無い場合は雨漏りは起きないんです。今回、瓦の水分で塗れてはいますが、防水紙に破れ等は見られませんでした。もし仮に破れて雨漏りが発生した場合は雨漏り部分に合わせ、葺き直し工事が必要となります。 棟の漆喰は多少割れは見られますが、剥がれや屋根に欠片が乗っているという事もありませんので今の所は問題ないでしょう。 しかし、瓦の動きや今後の瓦の捲れがご心配な様子です。この瓦の動きを抑えるためには、ラバーロック工法を行います。施工は施工の段階で説明させて頂きます。
築年数は経っているようですが、メンテナンスはほとんど行っていないようです。サイディング外壁はチョーキング(白亜化)現象が起こってしまっています。これは新築時の塗膜が摩耗して粉状になってしまっていますので、サイディングの表面保護は既に限界に来てしまっています。サイディング外壁材自体には防水機能はありません。長期間そのままの状態にしてしまうとサイディングが雨水や湿気によって腐食することも考えられます。そのために塗装を必要としているんです。 塗装が必要か判断する材料は、チョーキング・ひび割れ(クラック)・苔や汚れの付着具合・築年数です。築10年前後を目安に塗装した方が良いと言われていますが、新築時の塗料はアクリルと、耐久性も劣る安価な物です。その為、理想は築5年と言われています。塗装の目安はどれもご自身でも確認できることですので、時期が近づいてきたら一度外壁の周りをまわってみて、今の状態を確認してみると良いでしょう。
付帯部です。破風板はもともとグリーンに塗装されていたようです。屋根の内部に風が吹き込まないように付けられている破風板は、役割の通り風や雨が当たる所になります。木材の住宅が多いのですが、塗膜も剥がれやすく、傷みやすい場所です。定期的に塗装をしなければ交換しなければならないなんてことにもなりえます。
玄関側外壁です。紫外線で日焼けをしたりと、新築時よりも色が褪せてしまっているのではないでしょうか?また玄関上の軒天にも汚れや蜘蛛の巣が付き、色がくすんでしまっているようです。タイル調のサイディングはチョーキングを確認しにくいことが多く、実際に傷んでいるのかは全く分からないこともあります。その場合には、日焼け等の色違いや、他のサイディング外壁と比較しながら決めて頂くとよいですね。
見て分かりますか?タイル調の外壁の隣の面はモルタル外壁になっています。しかし、また1周するとサイディング外壁になります。この住宅は1軒で3種類の外壁材を使い分けているのです。なかなか凝った住宅ですよね。 これによって面毎に注意しなければならないことがあります。サイディング外壁材毎に色を変えるのか、モルタルのクラックは発生していないか等、確認事項は変わりますので調査にも若干時間がかかりました。 勝手口でしょうか。段と外壁の継ぎ目部分ですが、コンクリートなのか継ぎ足しで補修を行っています。これ、あまり好ましくないんです。サイディングの下に水切りと呼ばれる部材がありますが、外壁と水切りの間には隙間があります。 これは外壁材の内部から通気と雨水の排出を行っている為です。しかしこの部分を塞いでしまうと、通気性も衰え、内部では毛細管現象が起き内部に雨漏りを起こしてしまいます。 建物は少しの工夫が積み重なって建築されています。隙間はあるべきところにありますので、住宅に無知のまま手を出すのは大変危険です。 全体メンテナンスを考え、屋根の補修と外壁塗装を同時に行う事に決まりました。 瓦はともかく、外壁は塗装で塗り替えることが出来ますのでカラーシミュレーションで完成に近い所までイメージしてみましょう。
【カラーシミュレーション】
左写真は現状と同じ色に戻した状態です。くすんでしまっていた雨樋や雨戸等も綺麗に塗り替えせば新築同様です。右写真は今のものよりも明るいクリーム系です。下のタイル調の色をあまり変えたくないとご希望ですので、自然とブラウン系に会うような色に絞られます。クリーム系の色はどのような外壁にも合い明るい印象になりますのでお悩みの方、特に色にこだわりのない方にはお勧めです。
こちらは向きを変えての全景です。全面のみタイル調ですので塗り分けも変わってきます。サイディングとモルタルでは同じ色にしたとしても見え方が変わってきます。モルタルとサイディングの場合、艶感も変わりますので全て同じ条件の塗料を使ったとしても向きによって仕上がりが変わり、見ても充分に楽しめる住宅になります。
【屋根補修工事】
屋根補修工事から入ります。まずは防水紙の確認をして破れがないかの確認をします。雨漏りを起こしていないことを再確認してから瓦を戻し、ラバーロック工法を行います。 この工法は瓦同士をシーリング材で止め、瓦の浮き・ズレを防ぐものです。 部分的でも十分に効果はありますが、確実な固定となると全体的に施工する必要があります。
全体に施工すればいいとは言いましたが、だからと言って瓦をぐるりと施工しては問題です。瓦の山部分のほんの一部分です。小口部分にシーリングをするのはアウトです。雨水が流れる為の場所を塞ぐと防水紙部分に水が溜まり、毛細管現象で雨漏りが起きてしまいます。ラバーロック工法で固定することで浮きやズレは防止できますが、代わりに瓦を剥がす際に非常に困難になります。瓦のメリットは桟木に引っかかっている状態の為、1枚の差し替え工事や部分的に防水紙の確認をすることが出来ます。 どのような工法にもメリットとデメリットがあるという事を確認しておきましょう。 【外壁塗装工事】
外壁塗装工事に移ります。足場の仮設は塗装工事に必須項目となります。1軒の足場を仮設するには約15万前後と決して安くない費用がかかってしまっています。その為、外壁で何か気になることがあれば足場のかかっているうちに補修施工をした方がトータルコストが抑えることが出来ます。また、近隣の皆様にご迷惑とならないようにメッシュシートを取付け、高圧洗浄の汚れや水、塗料の飛散を防ぎます。
屋根は塗装は不可能ですが、塗装後に屋根が汚いといったことにならないように、屋根も見える範囲とこびりついた汚れは洗浄で洗い流していきます。この際に漆喰や防水紙を傷めないように瓦の上方から下に流すように流していきます。 外壁も上から下へ旧塗膜も落としながら洗浄していきます。軒天は雨水に弱い材質のものが多く、軒天材の裏がそのまま構造材になっていますので洗浄自体は行いません。雨樋やベランダ等は外壁と同時に流し、綺麗にすることで塗膜の密着性も向上します。
洗浄は外壁だけでなく、玄関や擁壁等も行っていきます。すべての施工が完了し、足場を外した時に住宅全体が綺麗ですと気分が良いですよね。
洗浄後はしっかりと乾燥させ、窓等の塗装しない部分を養生した後に、下地処理を行っていきます。サイディング外壁の補修の際には必ず目地やサッシ廻りに注視してください。シーリング施工をしてサイディング同士の隙間から雨漏りを起こさないようにしていますが、シーリング材は大体5年前後の寿命です。塗装よりも早く劣化しヒビや亀裂・肉痩せを起こしてしまいます。サッシ廻りにも同じように施工されていますので、雨漏り防止の為にも定期的に補修する必要があります。
サイディングの仕様によっても目地の設け方は異なりますが、サイディングには必ず目地の補修が必要となることを覚えておきましょう。サッシ廻りには既存のシーリングの上から増し打ち施工をしていきます。サッシ廻りは非常にデリケートな為、一度既存を剥がすことによって隙間が出来てしまうと雨漏りの原因になりかねません。上からの増し打ちの方が安全かつ耐久性を工場させることが出来ます。
洗浄後の付帯部です。破風板は既存の塗膜が剥がれて下地が露出しています。しかし、このまま塗装を行っても既存の塗膜が剥がれてしまえば新たな塗膜も剥がれてしまいますので下地を綺麗にする必要があります。マジックロン等でケレン作業をして表面を綺麗にしてからシリコン系塗料で2回塗りで仕上げていきます。
使用したのは日本ペイントのファインSiです。ちなみに塗料名の後についているSiやFといった表記はシリコンかフッ素かという表記です。アクリル・ウレタン・シリコン・フッ素と様々な塗料のグレードがありますが、一般的に費用的にもお手軽で高耐久なシリコン系塗料が外壁に多く使われるのではないでしょうか?塗膜が硬く高耐久なフッ素塗料は近年、屋根塗装に使用されることが多いです。
外壁タイル調の塗装前の状態が左です。使用するのは日本ペイントのUVプロテクトクリアーSiです。タイルの色を変えたくない、意匠性のサイディングの場合は雰囲気を変えたくないという時がありますよね?着色の塗料を使ってしまうと塗りつぶして下地の印象をがらりと変えてしまいます。外壁材を変えずに表面保護をするにはクリア-塗装に限ります。UVプロテクトクリアーは2回塗りで、艶有と少し艶感を抑えた3分艶があります。 クリアー塗装の注意点は下地の雰囲気をそのまま活かすため、下地の状態が非常に重要になってきます。傷みがある、とれない汚れがある場合、そのままの状態が出てしまいますのでお勧めは築10年程度での塗り替えです。
こちらのサイディングは日本ペイントのパーフェクトトップを使用しました。1階がG17-50D、2階がG17-60Dの3分艶です。パーフェクトトップは塗料の中でも珍しく、艶無し・3分艶・5分艶・7分艶・艶有と幅広く仕上がり感をお選びいただけます。通常は塗料の性質上、濃い色を作ることが難しい、艶無しなら艶無しのみでの取り扱いが多い中、このように選択肢の幅を広げてくれている塗料は珍しいです。 また、ハイブリッド高耐候性塗料と、シリコンにもフッ素にも当てはまらない塗料にはなりますが、耐候性はシリコン系グレード以上と、耐久性としてとても優れている塗料になります。色は大日本塗料株式会社の色見本に準じて作成する事が可能ですので、淡い色、濃い色と自由にお選びいただけす。
雨戸や雨樋は現状回復で同色で塗装致しました。下地は新築から初めての塗装の場合は、付属のものは表面がつるつるしています。このままでは塗膜との密着性が悪くなるため、一度ペーパーで傷を付けてから塗装を行い、塗料と密着する表面積を高めます。
庇(霧除け)は錆が進行し始めているような印象があります。黒や赤の場合は錆び、白の場合は塩の付着の可能性が高いのですが、塩も錆の原因になります。ケレンで下地を綺麗にしてから、錆止めで錆の進行を抑え、ファインSi2回塗りでしあげていきます。 塗り替えるとここまで綺麗になりますが、塗装のポイントは下地の状態をいかにきれいにするかにかかっています。しっかりと施工する事によって劣化を抑える事にも繋がりますので手間をかけてしっかりと整えていきます。
追記2022年3月10日 外壁塗装定期点検
長生郡一宮町で以前弊社にて外壁塗装をおやりになさって頂いたお客様の定期点検日本は訪れました。
お客様のご自宅正面玄関側には邪気タイルが貼られており通常の塗料ですと剥がれる恐れと、せっかくのタイル調が損なわれてしまう為、せっかく外壁塗装をしておいてタイルはそのままと言う事には行かず、日本ペイントのUVプロテクトクリアー塗料を塗布いたしました。
工事完工から5年が経過しましたが、劣化している傾向は全くなく、比較的海岸からも近い事もありましたが、全く衰えがありませんでした。
外壁塗装の状況確認
タイル以外の外壁は窯業サイディングと金属系外壁がありましたが、仕上げ塗料として日本ペイントパーフェクトトップを塗装しています、シリコン塗料の中でも最高の耐候年数を維持できる塗料として販売されている物で、日本ペイントが開発下ラジカル制御技術で日光による塗料の分解を遅らせる性能があります。
実際に塗布してから5年の月日が経って居ますがこちらの外壁も衰えず光沢を維持しています。
以前塗装をしてからお客様も全く変化がなく驚かれているとおっしゃって頂きました。色々な塗料メーカーがある中で、当時いろいろ紹介があったそうですが、説明を各営業さん言われたが、お客様事態塗料に関して詳しくない事から余り解らなかったそうです。
当時は値段と営業さんを見て契約したそうですが、結果とても満足しているとおっしゃって頂きました。
記事内に記載されている金額は2022年03月11日時点での費用となります。
街の外壁塗装やさんでは無料でのお見積りを承っておりますので、現在の詳細な費用をお求めの際はお気軽にお問い合わせください。
外壁塗装、屋根塗装、外壁・屋根塗装、ベランダ防水の料金プランはそれぞれのリンクからご確認いただけます。