木更津市のE様からのお問い合わせです。去年から雨漏りが発生し、天井に染みが出来ています。点検・補修依頼です。
ビフォーアフター
工事基本情報
木更津市の現場です。築40年、およそ10年前にスレート屋根からスレート屋根への屋根葺き替え工事を行ったようです。通常、屋根葺き替え工事を行った際には、なにも破損等が無い限りは15年雨漏り等は考えられません。葺き替え工事の際に、劣化した防水紙の張り替えも行っているはずだからです。
E様邸では数年前から少しずつ雨染みが発生してしまったようです。今回はまず屋根の点検をし、必要な補修工事とメンテナンスをご提案させて頂きます。
大屋根、下屋を見る限り、特に大きな破損は見当たりません。換気が悪いのか屋根材が水分を多く含んでいるように見えます。苔が付着し、色が変色しています。パッと見た感じでは、雨漏りを起こしそうな印象はありませんが、実際にどこからか雨漏りを起こしてしまっています。
室内天井の雨染みを元に、どこからかの雨漏りかを特定し補修を行おうと思います。雨漏りの場合、確実に雨漏りを起こしている場所を特定できない限り、なかなか部分補修では収まりません。全体の葺き替え工事や屋根カバー工法が必要となります。補修費用を抑えるためには、雨漏り箇所を特定することが第一です。
今回は雨染みの場所から、2階の寄棟1面からの雨漏りと判断し、部分的に屋根カバー工法、残りの面を塗装メンテナンスと致しました。
苔の付着している屋根は塗装のサインでもあります。既存塗膜が経年劣化していることによって、水分を含んでしまっています。特に下屋は湿気が溜まりやすくなっている状態ですので、しっかりと高圧洗浄で苔の根絶ちを行い、表面保護を行っていきましょう。
外壁はモルタルです。現場施工のモルタルはサイディングパネルとは違い、デザインに自由性があります。また、繋ぎ目が無い仕上げになる為、意匠性に優れています。ジョリパッド等の仕上げを使用することによって、スタイリッシュな住宅にすることも可能です。
屋根のメンテナンスを行うのであれば足場仮設が必要となります。足場仮設は1軒15万円程度はかかってしまいますので、メンテナンスは同時に行った方がトータルコストを抑えることが出来ます。外壁の状態を見ていきましょう。
しかし、砂とセメントを混ぜているモルタルは、経年によりひび割れを起こしやすいです。その為、定期的な点検とクラック補修が必要となりますので注意しましょう。また、外壁の仕上げによっては汚れが付着しやすい為、黒く変色しやすいです。清掃と塗装で綺麗を維持しましょう。
木部等は塗膜の剥がれによって腐食しやすくなるため、定期的に塗装メンテナンスが必要です。外壁塗装の際には同時に綺麗に塗り直していきましょう。
カラーシミュレーション
外壁塗装時にイメージチェンジが可能です。今までの蓄積した付着物を高圧洗浄で落とし、塗り替えを行う事で、外壁を綺麗に蘇らせることが出来ます。今までの色とは違う色にしたい、全く同じ色が気に入っているので塗り直しでも同じ色に仕上げたいと思う方はそれぞれいらっしゃいます。
ご希望に合わせてカラーシミュレーションを作成していきます。
今回はイメージを膨らませて頂くために、数色作成いたしました。イエロー系は白系よりも汚れが目立ちにくく、ブラウン系は重厚感があります。
原状回復に近いホワイトは清潔感があり、グレーは今最も住宅に採用されている人気のカラーです。スタイリッシュな印象がありますので、住宅の大きなイメージチェンジにはピッタリかと思います。
施工の様子
まずは屋根の補修からです。棟板金と貫板を撤去処分し、新規防水紙を張り付けていきます。防水紙は遅延粘着層型のタディスセルフを使用します。これは屋根材にピッタリと密着するルーフィングです。通常同じような粘着式ルーフィングは貼り直しが出来ませんが、タディスセルフは施工後数時間後に接着を開始します。施工もしやすく作業性もばっちりです。
屋根材んはニチハの横暖ルーフきわみです。軒先から重ねてビス留めをしていきます。金属屋根のガルバリウム鋼板は軽量で錆びにくく、耐久性・耐熱性・熱反射率に優れています。従来の金属屋根と比較しても耐久性に優れていますが、メンテナンスが必要ないというわけではありません。
15年後には錆を防ぐために塗装メンテナンスが必要でしょう。
新規の貫板と棟板金を取付け、シーリング防水を行います。交換に関わった棟板金については全て棟板金ごと交換工事を行いました。
屋根の防水の役割は防水紙です。しっかりと施工する事で15年程度は雨漏り等は起きません。屋根材ではなく、下地の重要性を頭に入れておきましょう。
続いて塗装工事に入ります。苔等の付着物を高圧洗浄で根絶ちを行い、綺麗にしていきます。破風板や外壁も同じように汚れと既存塗膜を剥がすように洗い流します。洗浄後は乾燥するまで作業は行えませんので、次の作業はありません。
屋根塗装の際に、スレート屋根とは違う素材が存在します。棟板金や谷などの鋼板は通常の塗装とは異なります。鋼板等は経年により錆の発生を起こしますので、錆止め塗料を先に行います。錆止めの使用によって錆の発生と拡大を抑えます。
屋根塗装は下塗り・中塗り・上塗りの3回塗りを行います。下塗りにはエスケー化研のマイルドシーラーEPOを使用します。スレートの表面強化に効果を発揮し、中塗りと下地の密着性を高めます。
下塗り塗装後、乾燥次第中塗り!ではありません。スレート屋根材の様に薄い屋根材の場合、塗装をした際に上下の屋根材同士が密着してしまいます。屋根材同士に隙間が無くなることによって、毛細管現象が起き、雨漏りを起こしてしまいます。つまり塗装をした上で、隙間を設ける必要があります。昔は、縁切り作業と言われる、ヘラ等で屋根材同士の隙間を切っていくという作業がありましたが、作業性も悪く、仕上がりが汚くなるとして、今ではタスペーサーの設置が採用されています。屋根材1枚に対して1個のタスペーサー設置のシングル工法か、2個設置のW工法と分かれますが、より確実に隙間を作るW工法を採用しています。
しっかりと設置をした上で、中塗りに進みます。使用塗料は日本ペイントのファインシリコンベストのチョコレートです。高耐候性・耐UV性に優れ、劣化したスレート屋根材をしっかりと保護します。また、防藻・防カビ性を備えていますので、塗り替え後は苔の汚れにくい屋根に仕上がります。
中塗り・上塗りを行います。屋根塗料の仕上がり色は実際の見本板よりも明るく見える可能性があります。実際に見本板通りの色を塗装していますが、紫外線が反射して明るく見えがちです。色見本と施工例等を確認し、屋根の色を決めていきましょう。
ファインシリコンベストでの塗装完了です。表面保護をすることによって、スレート屋根の浮きや反りを防ぎ、屋根材自体の耐久性を高めます。施工保証は10年です。
外壁塗装工事に入ります。鉄部は棟板金と同様に錆止め塗装を行ってから仕上げ塗料で塗ります。
木部塗装は既存木部の状態により下地の補修は変わります。築年数によっては腐食している場合もあります。軽い音がしたりボロボロになる場合は木部自体の取替補修をする必要があります。
問題が無い場合は表面をケレン・ペーパー掛けをし綺麗に整えます。
木部用の下塗りを使用し、保護を行います。仕上げ塗料で着色をし塗装完了です。木部は傷みやすい為、アルミ等へリフォームするのも手です。木部の破風板等はメンテナンスフリーの為に板金巻きをすることもあります。煩わしい木部塗装の問題が解消できます。
軒天は2回塗りで仕上げます。多くの住宅を見てきましたが、軒天に明るい色を取り入れているのがほとんどです。それは軒天がぐるりと住宅を囲っている為、暗い色を入れると住宅全体が暗くなる恐れがあります。重厚感は増しますが、明るい印象からは遠のきます。特に強いこだわりがない限りは明るい色での塗装をお勧め致します。
外壁塗装の際に多くの色を使いたいというお客様もいらっしゃいます。しかし、統一感を出す為には最高で3色に抑えたいものです。付帯部の色を外壁に合わせるのも一つの手です。
外壁は3回塗りです。今回使用したのはファインパーフェクトトップのND-155です。下塗りでモルタルの吸い込みを抑え、中塗り・上塗りで仕上げていきます。パーフェクトトップはかぶりが良い為、濃い色から薄い色への塗り替えも可能です。耐候性はシリコングレードよりも高く、低汚染・防藻・防カビ性に優れています。
外壁塗装完了です。モルタル外壁のクラックは速やかに補修するべきです。微弾性塗料での塗布かシーリング補修等は定期的に行う必要性がありますので、10年を目安に点検メンテナンスを行っていきましょう。
施工保証は10年になります。これから隔年ごとに定期点検を行ってまいりますので、今後ともよろしくお願い致します。
記事内に記載されている金額は2017年07月06日時点での費用となります。
街の外壁塗装やさんでは無料でのお見積りを承っておりますので、現在の詳細な費用をお求めの際はお気軽にお問い合わせください。
外壁塗装、屋根塗装、外壁・屋根塗装、ベランダ防水の料金プランはそれぞれのリンクからご確認いただけます。