築14年を迎える建物で初めての塗装工事です。業者選びが難しく営業担当者の話もバラバラ・・・。金額にも差があったりなかったり。最終的には診断のきめ細かさと知識量で安心できると思い工事の依頼をしました。
ビフォーアフター
工事基本情報
外壁塗装工事:足場工事~高圧洗浄
外壁の足場も組み終わり工事に入っていきます。私たちは足場を組んだ後にさらに細部検査を行います。点検時は狭小地でハシゴがかけられなかった部分などがある為です。大きな不具合は地上から発見できる場合も多いですが、細かなひび割れや塗膜状態はなかなか地上からは見えにくいものです。職人さんたちが作業しやすく、かつ安全な足場工事を心がけています。
まずは外壁の掃除です。高圧洗浄でできる限り汚れを落としていきます。足場のネットの中とはいえやはり汚水が飛散します。建物自体は洗っていくので良いですが、近隣への配慮も忘れてはいけません。お隣様の駐車場に車があればカーシートをかけたりして養生作業を行ってから洗浄作業をします。
高圧洗浄は基本的に高いところから始めて下へ降りていきます。上から流れ落ちる汚水を地上へ流していくような作業です。ベランダなどの付帯部ももちろんきれいに洗っていきます。
付帯部を含めた外壁を洗い終えたら今度は地上へ落ちた汚水を洗っていきます。当社の洗浄作業は建物周囲の土間部分やカーポート、門塀等の洗浄も可能な限り洗わせて頂きます。
外壁塗装工事:シーリング打ち換え
高圧洗浄後は外壁の目地シーリングの工事です。多くの場合は目地は新規打ち換え、サッシ回りは状態にもよりますが増し打ちをします。外壁の防水性を高めるために欠かすことのできない作業です。まずは古い劣化したシーリングを撤去していきます。
続いて下塗りのプライマーを塗布していきます。これはシーリング材が充填された後にしっかりと密着するようにする為です。ちなみにこの作業前に撤去した古いシーリングが残っていると新しいものと密着不良を起こすことがあります。その為、旧シーリングはカッターできれいに除去する必要があります。
外壁の目地だけではなくサッシ回りにもプライマーを塗布します。建物の造りによってサッシ回りにシーリング施工がある家とない家がありますが、リフォーム工事ではいずれのケースもサッシ回りの施工はセットで行っておくと安心です。
写真がブレてしまってすみません。業務用の大きいシーリングガンを持っていた為、手元が落ち着かなかったようです。新しいシーリングを充填中した後にこのならし作業をします。
外壁塗装工事:シーリング完了!~外壁フッ素塗装【下塗り・上塗り】
外壁のシーリング工事完了です。サイディングの外壁は縦・横、付帯部にシーリング施工が多く見られます。それらをすべて施工し終わり、ようやく塗装の工程に入れます。もちろんシーリングが完全に乾燥した後に施工するわけですので「乾燥日」を季節により1日~3日設けます。
外壁の下塗り施工中です。ご存知でしたか?下塗りと一言で言ってもサイディング用のものとモルタルやALCに塗るものなど、下地によって材料が違います。診断~見積り提出の時に最適な材料を選んでご提案しています。また、塗料メーカーによっては指定の材料・仕様で保証を出すこともあり、何でもよい、というわけではありません。この下塗り剤もやはり上塗り材との密着をよくする為に必ず用います。
外壁の一般的な工程は「3回塗り」が基本です。さらに昔はよく塗装工事も吹き付けで行っていたようですが今はローラーで手塗りです。吹付ほど塗料の飛散もなく、膜厚も付きます。写真では上塗りの1回目を行っています。ところで、お客様によっては「上塗りを本当に複数回やってるの?」とおっしゃる方もいらっしゃいます。当社では「もちろん!」と言えますが、ご希望により上塗り(中塗り)のカラーを変更することも可能です。
外壁の上塗り2回目です。塗装には「仕様」がありますが、外壁の材質や状態による適切な材料、塗り回数、乾燥時間、希釈量などなど・・・。これらを守って初めて私たちも期待できる耐久年数をお知らせすることができます。下塗りを行わない、材料を薄めて使う、こういったことがあるのも事実です。仕上がりの状態でこれらを判断するのはほぼできない為、それまでの工程をお客様は信用するしかありません。当社では使用材料から工事完了までの写真を撮影しています。お客様にも安心して頂けて、工事履歴としても残るものなので「工程写真の提出」はあって当然と覚えておくとよいと思います。
外壁塗装:クリヤーフッ素塗装
今回塗装する建物は2種類のサイディングを使っています。2階部分は単色サイディング、1階やベランダはタイル調の多色サイディングです。そんなタイル調のサイディングに色を付けてしまうと風合いが・・・、との事でお客様に「クリヤー塗料」を選んでいただきました。2階部分に塗装したものと同じくこちらもフッ素塗料で長い耐久年数が期待できます。
クリヤー塗装の上塗り2回目です。「ん?下塗りがない」。いえ、多くのクリヤー塗料は仕様が「2回塗り」なんです。洗浄後の外壁に同じ材料を2回塗装します。塗料缶に入っているときはなんと乳白色の濁り湯のような材料ですが、外壁に塗装し乾燥すると艶々した透明になります。
外壁塗装工事:霧除け庇塗装
仕事は部位ごとに流れ作業で進んでいきます。こちらは霧除け庇の板金屋根です。「ケレン」という研磨作業をしてから塗装していきます。この研磨作業は塗装面の目荒らしをして材料の乗りをよくする為と、錆や頑固な汚れを落とすために行います。
板金に塗装する下塗り剤も数あれど、やはり一般的には錆止めを塗ることが多いですね。錆は出ていなくとも予防効果を得られます。小さな部位でも塗り忘れの無いように丁寧にローラーで塗っていきます。
錆止め施工の後に上塗り1回目です。ここが当社のアピールポイントですが付帯部分も複数回塗装です。外壁は3回塗り、けれど付帯部分は1回塗り。このような施工がとても多いのが事実です。外壁の塗り回数に比べて付帯部分が1回だけでは将来劣化が進んでくると当然塗り回数が少ないほうが不具合が目立ってきます。
最終の上塗り2回目です。1回目同様に2回目の上塗りも仕上げなので丁寧に塗装していきます。
外壁塗装工事:雨戸塗装
さらに同じく板金でできている雨戸です。雨戸も同じようにケレン作業をして下地調整をします。
そして錆止めを刷毛で塗装します。雨戸はこの波型の形状をしたものが多く見られますが、平らではない材料にローラーだとかえって手間が増えます。そこで刷毛を使って塗ります。しかし注意点があり、塗装後に全体のチェックをします。探すものは刷毛から抜けた毛です。これが残ったままだとこの後の工程で見栄えが良くないので上塗り前にチェックします。
雨戸の上塗りに入ります。ここでは吹き付け塗装を行います。形状が複雑なものやローラー塗装できれいに仕上げるのが困難な場合は吹き付け塗装をします。もちろん周囲への飛散防止対策は完全に行います。せっかく塗装した部分に細かな塗料飛散があればまた2度手間になってしまいます。
重ねて吹き付け塗装する事2回~3回。いつもながらかなりきれいな仕上がりです。均一な塗膜、艶。外壁と同じく艶が出た分、よりきれいに見えます。
外壁塗装工事:軒天塗装
こちらは軒天の塗装状況です。いわゆる上裏の部分です。軒天に使われている材料は木であったりサイディング系の材料、ケイカル板など様々ですが、今回はケイカル板です。塗っているのは「軒天の専用材料」です。軒天は空気の出入りがある部位なので透湿性の材料で施工することが好ましいといわれます。もしペンキでそのまま塗っていくと膜を作る事になってしまうので息ができずに塗膜が割れたり膨れたり・・・。そんな可能性が考えられます。
軒天は2工程です。洗浄後に同じものを2回塗ります。当然1回塗りより頑丈です。また、軒天の材料は艶なし塗料です。あまり軒天がピカピカ艶がある事ってあまり見かけたことありませんよね?軒天の専用材料でなくとも他の塗料でも艶引きを抑えた材料もあるので材質によって使い分けをします。
外壁塗装工事:幕板塗装
まだまだあります付帯部。今度は幕板塗装です。たまに1階部分と2階部分の間に帯のように巻いてあるものがある家を見たことがあると思います。幕板、または胴差しと言ったりもします。材質はこれも様々で板金や木、樹脂、サイディング材とあります。これはサイディング材でできた幕板です。外壁と同じ材料が使えます。
褪色が目立っていた幕板も重ね塗りをする事でよみがえります。特に元々が濃色系の色なので褪せてくると余計に汚く見えてしまいますが、これで美観も保てて劣化も止まります。
外壁塗装工事:土台水切り塗装
付帯部も最後です。これはどの部分かわかりますか?普段ほとんどの方が気にしない場所です。土台水切りと言って基礎と外壁の間にある板金の部分です。外壁内にもし水分が入ってもここから排出される仕組みになっています。家によってはこれがアルミでできているケースもありますが多くは板金です。見た目ではわかりにくい場合もあるのでそんな時は磁石を使うと良いです。くっつくものは塗装可能、そうでないものは塗装必要なしと判断します。
他の板金部分と同じようにケレン、錆止め、上塗り2回と進めていきます。
上塗り2回目です。ご覧のように外壁に比べると塗りにくい部位です。変なところに塗料が付かないように注意しながら養生して塗装を進めていきます。
土台水切りの塗装完了です。狭いところといえども体を潜り込ませて職人さんは一生懸命施工します。塗りムラや塗り残しの無いようにチェックを済ませて完了です。
建物全体の塗装工事も終わるころ、お引渡し前に「完了検査」を行います。職人・監督者である当社社員とご希望があれば安全装備をしたうえでお客様も同行して行います。ここの検査で塗料飛散や塗り漏れがあった場合はその場ですぐに直します。そして上から下までチェックを済ませた後にようやくお引渡しとなります。今回の施工事例紹介は外壁メインでしたが、屋根塗装もある建物はさらに工程も塗装ボリュームも変わってきます。正しい塗装工事を行う為には、建物の状態を診断し、最適な材料を選定、丁寧な施工・・・。これらが必要不可欠です。同様の工事をお考えの方は是非ご参考ください。
記事内に記載されている金額は2017年11月30日時点での費用となります。
街の外壁塗装やさんでは無料でのお見積りを承っておりますので、現在の詳細な費用をお求めの際はお気軽にお問い合わせください。
外壁塗装、屋根塗装、外壁・屋根塗装、ベランダ防水の料金プランはそれぞれのリンクからご確認いただけます。