前回の塗装から10年が経過し昨年の台風でベランダのパーテーションが
破損するなどの被害の為、弊社に改修工事の依頼がありました。
現場調査に伺ったところ、定期的に塗り替えなどの
メンテナンス工事を行っていた為、見た目は築年数の割には
全体的に綺麗に保たれていましたが、やはり細かい所の劣化や
破損などが気になる状態でしたので改修工事を行う運びとなりました。
使用材料
外壁塗装:下塗り「日本ペイント、パーフェクトフィラー」中塗り・上塗り「日本ペイント、パーフェクトトップ」
ベランダ防水「ダイフレックス、エバーコートZero1H」
廊下、階段「タキロンシーアイ、タキステップシリーズ」
まずはお電話でお問い合わせいただいた後、現場調査に伺いました。
豊中市にある築40年の4階建て集合住宅で前面がタイル張り、
他三面が伸縮目地を設けたモルタル外壁となっています。
今回は前面のタイルは触らず、モルタル部分のみ塗装を行います。
定期的に塗り替えなどを行っているとの事でパッと見の状態は良好です。
外壁の目地シーリングの厚みを確認するために一部に切れ込みを入れました。
前回の改修工事で増し打ちされていること+3面接着で施工されていることから
今回は全て撤去し新しいシーリング材を充填させる打ち替えで施工します。
外壁の目地には
ワーキングジョイントとノンワーキングジョイント
の呼び名で二通りに分類されます。名前の通り
良く動く箇所の目地・あまり動かない箇所の目地。です
ワーキングジョイントは建物の構造上よく動く部分の目地で
一番わかりやすいのはサイディング外壁などの目地です。
ワーキングジョイントは2面接着で施工するのが基本で、
目地の奥にバックアップ材を入れて左右のみシーリングを密着させます。
変わってノンワーキングジョイントはあまり動かない部分を差し
誘発目地やサッシ廻りの目地などが該当します。
ノンワーキングジョイントは底面、左右側面の3点にプライマーを塗り
密着させるため、3面が完全にくっついていて撤去するのが大変です。
共有部分の廊下と階段も酷い状態ではありませんが、
塗膜が劣化し部分的に剥がれてしまっている個所などがあります。
集合住宅の廊下や階段は毎日多くの人が歩いたりするため
塗膜防水では負担が大きく塗膜が剥がれてしまうなどの症状が出ます。
その為今回は長尺シートと呼ばれる防滑性ビニル床シートを使用して
改修工事をさせていただくことをご提案させていただきました。
今回は集合住宅ですので1階廻り以外の現状は足場を架設してからでないと
確認できませんので、足場が組みあがってすぐに現状の確認を行いました。
3階と4階のベランダのパーテーションが台風の時の影響で破損しています。
上層階だけ被害が出たのは風を遮る建物が無い事が影響したと思われます。
ベランダフェンスの足の付け根や壁部分に小さなクラックも多数ありました。
足場の架設が終了したら、高圧洗浄を行います。
建物全体を洗浄していきますが、上層階→下層階の順番で洗浄します。
黄色い大きな機会が弊社の高圧洗浄器ですが、
水源は敷地内にある水栓をお借りして使用しており、
バケツに水を溜めてそこから吸い上げて洗浄に使用します。
高圧洗浄は上層階から下層階に順に洗浄していきます。
戸建て住宅だと半日程度で終了しますが、今回は集合住宅ですので
丸一日を洗浄に充てて念入りに表面に付着した塵や汚れを落としていきます。
上層階から流れ出た汚れた水が1階部分に溜まるので
最後に1階部分を綺麗に洗浄して高圧洗浄は終了です。
洗浄が終了後はモルタル外壁部分の伸縮目地に打ち込まれた
シーリングの撤去とシーリングの打ち替えを行います。
伸縮目地は増し打ちでもいいのですが、今回の現場では
前回の改修工事の際に増し打ちで施工されているためもう既に
上からシーリングを打つ余裕がないため既存は全て撤去します。
カッターで切れ込みを入れてペンチや手で引っ張って撤去しますが
今回は目地の幅も深さもあり撤去にかなりの手間と時間がかかりました。
写真を見てお判りいただける様に、かなり分厚いのがわかります。
サイディング外壁の目地シーリングに比べると倍以上分厚いです(^-^;
更に集合住宅ということで目地の数も多く
撤去したシーリングだけで大量のゴミが発生しました。
建物の構造上、良く動く部分(ワーキングジョイント)には
バックアップ材が入っており2面接着なので
3面接着部分よりは簡単にキレイに撤去できます。
シーリングを充填させる前に下準備ですね。
サッシ廻りも増し打ちしますので、まず面格子を外さなければなりません。
全階で合計8個の面格子を撤去、作業がしにくく少し手間取りました(^-^;
モルタル面は塗装するので養生無しでシーリングを充填させていきますが
光彩窓やタイル面と接している部分は打つ前に養生を施しておきます。
今回使用したシーリング材は2種類で一つはよくご紹介しています
「オートンイクシード」という超寿命シーリング材です。
こちらは1液タイプなので準備も何も要らず、すぐに使用することが出来ます。
※塗料や材料の1液2液の違いとは>コチラ
もう一つは2液タイプの物ですので撹拌機をセットして
主剤と副材を練らなければ使用できません。少し手間がかかります。
施工しながら材料が足りないなと思ったらまた練って作らないといけません。
どちらもノンブリードタイプなので上から塗装は可能です。
養生が済んだらプライマーを塗布していきます。
バックアップ材が入っている箇所には側面の2箇所にのみ塗布し
バックアップ材が入っていない部分は底と側面の3箇所に塗布します。
プライマーは無色透明な為塗りムラが分かりにくく注意が必要です。
プライマーの塗りムラは今後シーリングの剥離などに影響します。
プライマー塗布後にシーリング材を目地に充填させ均します。
均し終わった後の状態です。
簡単に見えますが充填させるのも均すのもコツがいるもので
初心者が見様見真似でやってみても
このように綺麗に仕上がらないことが多いです。
いよいよ塗装作業に入るため養生作業を行います。
集合住宅で養生箇所も多く細かい部分も沢山ありますので
養生のし忘れや、雑な養生になっていないか確認しながら行います。
外壁・鉄部に使用する塗料缶です。
これでもまだ足りないと思うのでもう少し増える予定です。
下塗りに使用するのは日本ペイントのパーフェクトフィラーです。
弊社でよく使うアンダーフィラー弾性エクセルの上位互換品で、
作業する職人に聞くとエクセルよりも伸びが良く塗りやすいと言っています。
下地調整材の部類で、下地との密着性を高めるだけでなく、
現在発生しているクラックなどの動きにも追従する働きを持つため
更にクラックが広がることや新たなクラックの発生を抑制してくれます。
エクセルを使用する場合パターンを付けて
塗膜を少し厚めに塗装することが多いのですが
今回はパターンを付けずに塗装していますので少し薄く感じます。
まずベランダから塗装を開始して、刷毛で細かい部分を塗る人と
ローラーで広い部分を塗っていく1人に分かれて効率よく作業します。
廊下や階段部分も2人で手分けして作業していきます。
天井や壁の上の方を塗るときは柄の伸びるローラーを使います。
塗装期間中はまだ梅雨が明けておらず、階段の腰壁部分に
雨が当たり下塗りが流れてしまった部分がありました。
こうした箇所はもう一度下塗りを塗りなおさなければなりません。
中塗りには日本ペイントのラジカル制御型塗料
「パーフェクトトップ」を4色使用して塗装していきます。
※写真に3色しか写ってないですね・・・ごめんなさい。
工程は下塗りと同じで二人で刷毛塗りとローラー塗りを分担しつつ
効率よく、かつ丁寧に塗装していきます。
戸建て住宅の場合さほど問題はありませんが集合住宅の場合は
とにかく塗装面が多くあまりのんびり作業している余裕はありません。
その為、いつもより作業が雑になりがちですので集中して作業していきます。
日塗工番号 22-75D
【スタッコ】という色で
黄みがかった明るい灰色です。
外壁に使用したカラー
日塗工番号 22-80F
【蒸栗色】という色で
淡く柔らかい黄色です。
廊下壁に使用したカラー
日塗工番号 N-87
【白鼠色】という色で
白にほんのりグレーが混ざった色
軒天に使用したカラー
日塗工番号 N-20
【墨色】に近い色で
色村が生じやすい色です。
外壁にライン使いしています
こうしてみると見本の色と実際に塗った時では
色の印象も違って見えますよね。(光の加減も影響します)
そのため外壁塗装で色選びの際には目ぼしい色の見本板(A4サイズ)を
受け取り、色んな時間帯にお家の外壁に当ててしっかり確認しましょう。
カラーシミュレーションソフトの併用も効果的です。
中塗り同様に上塗りをおこなっていきます。
実際には1日目「ベランダの下塗り~中塗り」
2日目に「ベランダの上塗りと車庫壁の下塗り」
などと部分ずつ区切りながら数人で作業を進めていきました。
軒天と壁部分の取合のライン出しは
最後に刷毛を使ってキレイに仕上げています。
ライン出しや養生は職人の技量が一目瞭然で現れます。
パーテーションも破損していないものは塗装します。
勿論、樋などの付帯部も塗装しており、
壁の塗装が2人、付帯部の塗装が一人の3人体制がメインでした。
パーテーションには大抵、避難時案内の文言がありますが
塗装することによりその文字が見えなくなってしまいます。
その為新しいシールを貼らせていただいています。
こうして外壁、共有部、付帯部の塗装は全て終了です。
外壁に墨色をライン使いしたことにより以前よりも
パキッとした印象を与える仕上がりになっていますね。
今回は塗装工事だけでなく、防水工事も行っています。
各部屋のベランダはウレタン塗膜防水(密着工法)で施工し
廊下の床と階段には長尺シートを貼り、施工させていただきました。
施工前は古い建物で良くみられる緑色だった土間が、
長尺シートを貼った事でスタイリッシュでおしゃれに大変身。
最後に工事金額の詳細をご紹介していきます。
・足場架設 約126万
・シーリング工事 約60万
・外壁、廊下壁塗装 約65万
(日本ペイント、パーフェクトトップ使用 耐15年 保7年)
・各天井、軒天、階段壁塗装 約130万
・付帯部塗装(全て) 約65万
・バルコニーウレタン防水(密着工法) 約52万
・廊下、階段長尺シート貼り(側溝防水等含) 約105万
工事総額費用 約603万円 で施工させていただきました。
着工が梅雨の時期に重なってしまったこともあり、当初予定よりも
数日工期が伸びてしまったりとご入居者様にはご迷惑もおかけしてしまいましたが
皆様からの作業中の暖かいお言葉やご協力いただきありがとうございました!
こちらの工事は日野が担当させていただきました。
長くなってしまいましたが最後までお読みいただきありがとうございました!
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記事内に記載されている金額は2019年11月26日時点での費用となります。
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