5~6年程前に他社様で外壁塗装工事を行ったとのことで、その際には20年耐久の塗料を使用されたそうですが軒天だけが劣化しているとのことで、弊社にお問い合わせがありました。現場に伺ってみると軒天に雨水が侵入し、塗膜に膨れと剥離がみられました。そのため下地調整を左官で行い、塗装は湿気を逃す日本ペイント水性ケンエースを使用して行いました。
使用材料
左官補修:カチオン系 塗装:日本ペイント水性ケンエース
こちらの2枚の写真は現場調査時の軒天の現状です。
工事のきっかけでも少し触れましたが、こちらの現場では5~6年程前に他社様で
耐用年数が20年程ある塗料を使用して外壁塗装工事を行ったそうです。
その際に軒天もしっかりと塗装してもらったのになぜか軒天だけ写真の様な
状態になってしまっているとお客様は大変困惑されていました。
ですが、軒天以外も軽く点検してみるとチョーキング現象も発生していた為、
もしかしたら耐用年数が20年持つような塗料は使用されていない可能性も出てきました。
ですが以前に工事した会社様はもうなくなってしまっていたため真実はわからず、
今回は軒天のみ補修し塗装してほしいということで工事が始まりました。
塗装を行う前に下地調整を行います。
通常、劣化が酷くなければ高圧洗浄で表面の汚れを落としたら乾燥後すぐに塗装工程に入れますが、
今回の現場では劣化が激しいため、表面に凹凸が出来てしまっています。
このまま塗装を行うと綺麗に塗装を行うことができないため下地調整を行う必要があります。
下地調整の手順としては
①劣化している塗膜の除去(ケレン)を行います。
②塗装を行う面の凹凸を無くす(左官)を行います。
まず最初にすでに剥離や膨れを起こしている部分以外の劣化した塗膜を撤去していきます。
なぜまだ剥離していない部分もわざと撤去しなければならないのかというと、
すでに劣化した塗膜は今はまだ剥離していないだけで、今後剥離するのは時間の問題です。
そんな状態の上から塗装を行ってしまうと、せっかく塗装したのにも関わらず
その劣化した部分が剥離してしまうと塗装した意味がなくなってしまう為、
この劣化した塗膜の除去はとても大切な工程になってきます。
劣化した塗膜の除去のbefore・after写真です。
塗膜が剥がれた箇所が広がっているのが一目で分かります。
これだけの範囲で塗膜が劣化していたということです。
素人目にはなかなか分かりずらいので驚かれる方も多いです。
塗膜の除去(ケレン)が完了したら、左官を行います。
左官を行う前は劣化した塗膜を除去した状態なので、
塗膜が剥離していない部分と塗膜が剥離している部分で
かなりの凹凸ができてしまっています。
その凹凸がある状態に塗装を行えばもちろん綺麗に塗装することは不可能です。
そのために左官補修でその凹凸をなくし塗料を滑らかに綺麗に塗れる状態にまでもっていきます。
ここまでで下地調整工事が終わり、塗装できる状態になったので
いよいよ軒天の塗装作業に入っていきます。
使用した塗料は水性ケンエースという塗料で、
この塗料は軒天などの湿気が溜まりやすい部分の塗装によく使われます。
左官補修が終了したら、パターン付けを行い塗装作業に入っていきます。
(パターンとは=既存の模様がなみがた仕上げの場合左官した部分がつるつるなので既存と同じようになみがたの模様をつけていくこと)
通常モルタル軒天の場合はシリコン塗料で3回塗りが多いですが、
今回は現場の状態などを考慮して水性ケンエースを使用して塗装していきます。
水性ケンエースはケイカル板の軒天に使用することが多く、その場合は2回塗りが基本です。
ですが今回は左官補修を行っている為2回塗りでは補修跡が綺麗に隠れてくれません。
なので水性ケンエースを使用していますが補修跡を隠すために3回塗装していきます。
塗装が終了したら、養生を外し、清掃を行い軒天の塗装工事は終了です。
~今回の工事のまとめ~
補修:ケレン+左官補修
塗装:水性ケンエースを使用した3回塗り
今回の現場では構造的に軒天が目立ちやすかったため
綺麗になりお客様にも喜んで頂けて弊社も大変うれしい限りです。
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