昨年の大阪を襲った台風通過後に屋根の板金が捲れていることに気が付き
詳しい状況と補修費用の目安を把握するため、お問い合わせがありました。
ですがご自宅が3階建てなので、屋根を調査するには足場が必要だとお伝えしたところ
どちらにしろ足場を架けるなら・・・と工事に踏み切られた為、
早速足場を架設し屋根から外壁まで詳しく調査し、
【屋根の補修と塗装、外壁の補修と塗装工事】を行うこととなりました。
施工内容
外壁塗装 屋根塗装 シーリング打ち替え 部分塗装
使用材料
屋根塗装:大同塗料【ハイルーフマイルドシリコン遮熱型】外壁塗装:日本ペイント【パーフェクトトップ】
台風で被害を受けた事がきっかけで外壁と屋根の塗装工事をご決断。
屋根も外壁もそれぞれ塗装前に補修が必要な状態でした。
施工前の被害状況と経年劣化の具合をご説明していきます。
まず施主様がご自身で初めに気が付かれたのは屋根板金の捲れでした。
足場架設後に上ってみると棟板金が捲れ、一部は姿もありませんでした。
棟板金だけでなくケラバ板金も強風でビスが抜けて浮いてしまっています。
カラーベストも棟周辺を中心に一部が剥がれてなくなっています。
棟板金の下地となっていた貫板の劣化も目立ちますね。
3階テラス屋根のポリカ板も破損しています。
台風通過後は波板やポリカ板の破損も非常に多かった被害報告の一つです。
外壁の写真があまり撮影できず、写真があまりないのですが・・・
外壁はシーリングの劣化が目立ち、サイディングの浮きも確認できました。
まだ軽度ではありますがクラックも入っている個所が数か所ありました。
外壁は一部サイディングの浮いている部分や
軽度ではあるものの、クラックが発生している個所がありました。
目地のシーリングも大分劣化しており打ち替えが必要です。
ガレージの土間部分も美観が損なわれていますので塗装します。
玄関廻りのタイルも一部が剥がれていたりするため貼替えていきます。
まずは屋根の工事からご紹介します。今回行う屋根工事は以下の通りです。
【棟板金の交換・棟板金の下にある貫板の交換・ケラバ板金の補修
カラーベストの一部差し替え・屋根塗装(遮熱塗料使用)】
まず強風でなくなってしまったカラーベストの残りを撤去します。
無くなった箇所には新しいカラーベストを張っていく為です。
カラーベストの一部差し替えはなかなか手間のかかる作業で、
スレーターと呼ばれる手工具を使用して隙間に差込み、釘を探ります。
見つけたら手前に引き釘を抜いて一枚一枚剥がしていかなければなりません。
剥がれて折れていた棟板金と傷んでいた貫板も
新しいものと交換するため古いものは撤去していきます。
棟廻りのカラーベストは釘で固定していきます。
新築時のカラーベストは全ての箇所が釘で留められています。
ですが一部差し替えなどを行う際には釘留め出来ない箇所もあり、
そういった場所はコーキングで接着する様に貼っていきます。
カラーベストの差し替えが終了したら棟の貫板と板金を取り付けます。
元々付いていた貫板を固定していたビスの跡が残っているので
その穴はコーキングで埋めて処理します。雨漏りの原因になるからです。
下地の処理が終わったら新しい貫板と板金を取り付けますが、
板金は複数の物を繋ぎ合わせるためどうしても繋ぎ目が出来てしまいます。
その繋ぎ目部分にもコーキングを打ち隙間を埋め雨水の侵入を防ぎます。
強風でビスが抜けて浮いてしまっていたケラバ板金は
板金は交換せず、ビスを打ち替えて固定し補修しました。
こうして屋根の補修が終了しました。
差し替えたカラーベストと既存のカラーベストの色の差が目立ちますが
これから塗装を行っていくので問題はありません。
次に外壁目地とサッシ廻りのシーリング工事の様子をご紹介します。
サイディング外壁なので今ある既存のシーリングは全て撤去してから
新しいシーリングを打っていく「打ち替え」を行います。
まずは既存のシーリング材を綺麗に撤去していきます。
撤去方法はカッターなどで撤去していく完全手作業の地道な作業です。
カッターで切れ込みをいれ手で剥がしていきますが、この時壁接着面も
しっかり撤去しないと新しく充填するシーリング材の密着性に影響するため
地味な作業ではありますが、丁寧な作業を求められる大切な工程です。
全ての撤去が終了したら新しいシーリング材で外壁を汚さないように
マスキングテープで養生を行っておきます。これを全ての箇所に行います。
今回使用したシーリング材はオート化学工業から出されている
【オートンイクシード】という耐久性に優れたシーリング材です。
一般的なシーリング材よりも寿命が長いためメンテナンススパンが長くなり
目地の多いサイディング外壁やALCパネルの外壁には相性抜群ですね。
▶オートンイクシードの更に詳しいお話はコチラからお読みください
ここまでで屋根の補修と外壁のシーリング工事が終了しました。
次はサイディング外壁の補修作業をご紹介します。
サイディングの浮いている部分はビスを打ち直して補修し
目立つビスの部分はコーキングを上から打ち隠します。
外壁に発生していたクラックにはコーキングをパテして補修。
クラックもまだ軽度のものだったため補修も簡易的に済みました。
こうして屋根と外壁の補修が終了し、シーリングも打ち替えたので
一旦、水が内部に侵入してしまうという心配はなくなりました。
屋根から順に高圧洗浄をかけて、塗装作業に入ります。
まず屋根塗装を行う前にタスペーサーという部品を挿入していきます。
上下のカラーベストとカラーベストの隙間に10個/㎡程度使用します。
従来は塗装終了後に皮スキなどを使用し手作業で縁切りしていましたが、
とても手間のかかる作業でした。それが近年タスペーサーの登場により
縁切りの作業時間は従来の3分の1程度まで短縮されました。
この縁切りとは塗料で屋根材の隙間が埋められて、
内部に侵入した雨水の逃げ道がなくなってしまうことや
内部結露が発生した場合の水分の逃げ道が無くなり
屋根材を劣化させることを防ぐために大切な作業の一つです。
スレート屋根の塗り替えを行う際はほぼ必ず縁切り作業は必要です。
▶タスペーサーについての詳しいお話はコチラからお読みください
今回屋根には大同塗料から出されている
【ハイルーフマイルドシリコン遮熱型】塗料を使用しました。
この塗料の最大の特徴はシーラーやプライマーなどの下塗りが不要という点。
通常屋根も外壁も下塗り・中塗り・上塗りの3回塗装が必要ですが
今回使用した塗料は2回の塗装のみで十分な性能を発揮してくれます。
それにより工期短縮=人件費削減=工事費用の減額が可能です。
こちらは大同塗料のハイルーフマイルドシリコン遮熱型を使用した部分と
使用していない部分の表面温度の差を現したサーモグラフィ画像です。
温度の差は一目瞭然ですね。今年の夏には性能の実力を体感できるでしょう!
2回塗り終えた段階でカラーベストの隙間を確認してみると
しっかりと隙間が確保されているのが分かります。
次に外壁と付帯部の塗装作業をご紹介します。
外壁には日本ペイントの「パーフェクトトップ」を使用しました。
塗膜耐用年数は14年で弊社からの保証は7年間お付けして施工しています。
下塗りには日本ペイントの
「ファインパーフェクトシーラー」のホワイトを使用しました。
この下塗り材は2液型の塗料なので下地に対して高い浸透性と
含浸補強性を持つとともに、上塗り塗料との密着性も優れています。
中塗り・上塗りには日本ペイントの「パーフェクトトップ」を使用します。
ラジカル制御型塗料で、シリコン塗料とほぼ同じ値段にも関わらず
耐用年数はシリコン塗料よりも長い14年という高性能な塗料です。
▶ラジカル制御型塗料についての詳しいお話はコチラ
下塗りが終了したら、中塗り・上塗りを行います。
今回は2色のカラーを使用しており、
写真はベランダ部分のアクセントカラ―で使用したカラーです。
木製の破風板の塗装写真です。
下塗りに日本ペイントの「水性ケンエース」を塗ります。
木部は塗料の吸い込みが激しいためそれを抑制するために塗っています。
上塗りには日本ペイントの「ファインパーフェクトトップ」を2回塗ります。
【ファインパーフェクトトップ】
ラジカル制御型塗料で外壁にも使用できます。高耐候で防藻防カビ機能あり。
同じラジカル制御型塗料のパーフェクトトップと勘違いされやすいが、
ファインパーフェクトトップは油性塗料、パーフェクトトップは水性塗料です。
その為弊社でラジカル制御型塗料を使用した塗装工事を行う際は
外壁には水性のパーフェクトトップ、付帯部には油性のファインパーフェクトトップ
という分け方で使用している。日本ペイントの仕様書には水性のパーフェクトトップも
鉄部や木部に使用可能とは書いてあるが、水性塗料は鉄部との密着性があまり良くない為
弊社では付帯部の塗装の際には油性塗料を使用して塗装している事が多いです。
【水性ケンエース】
室内にも使用できる環境配慮型水性塗料。
弊社では軒天や車庫内壁の塗装に使用することが多く、
今回は木部の下塗りにも使用されています。
この塗料は室内塗装を行う際に優れた機能を発揮します。
軒天のケイカル板を水性ケンエースで塗装します。
下塗り上塗りどちらも水性ケンエースを使用した2回塗りです。
鉄部はケレン後錆止めを塗りファインパーフェクトトップを塗ります。
樋の塗装はケレン後錆止めを塗らずファインパーフェクトトップのみ塗ります。
鉄部、木部は全て黒色で仕上げました。
台風で割れてしまったテラス屋根のポリカ板を交換しました。
台風通過後数えきれないほどのお問い合わせがあり、その中でも多かったのが
こういったテラス屋根の波板やポリカ板の飛散、破損でした。
その為台風後は年末近くまで波板などが品薄でどこでも手に入らない状態が続き
補修工事に入れないという状態に。未だにそのままのお宅も街中でお見かけします。
こうして足場が必要な工事は全て終了したため足場を解体します。
シートを外すとやっと塗装した外壁の全観が見られました。
シートを外して全体の仕上がりの確認も行います。
こうして工事が無事に終了しました。
カラーも施主様がご自身で選ばれたものでベースカラーとアクセントカラーの
2トーンで仕上げており、ご満足いただけたとの事で良かったです。
今回行った工事の詳細をまとめます。
【台風被害復旧工事・外壁、屋根塗装工事】
足場架設工事:約32万円
下地調整工事:約33万円(高圧洗浄・シーリング工事・外壁補修)
屋根塗装工事:約19万円
外壁塗装工事:約41万円
付帯部塗装工事:約28万円(木部・鉄部塗装、ベランダ防水含)
台風被害復旧工事・追加工事:約26万円
(ポリカ板交換・屋根補修・ガレージ塗装・他)
工事総額:約200万円
弊社では【点検、調査無料・お見積り無料】
契約しなくても現場調査費等は一切いただいておりません!
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今回の工事は日野が責任を持ち担当させていただきました!
記事内に記載されている金額は2019年03月28日時点での費用となります。
街の外壁塗装やさんでは無料でのお見積りを承っておりますので、現在の詳細な費用をお求めの際はお気軽にお問い合わせください。
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