
荒川区東尾久に建物を所有されているK様より「鉄部に錆が出てきており、一部では塗膜の剥がれも見られるのでメンテナンスを考えている」とのご相談をいただきました。
そこで現地調査に伺い、鉄部の劣化状況に合わせた最適なメンテナンス方法をご提案させていただきました。
対象となる建物は木造2階建ての住宅で、1階は2部屋を賃貸として貸し出されている物件です。
2階部分には鉄骨造のベランダが設置されており、上部はデッキプレートにコンクリートを打設した上で防水処理が施された仕上げになっていました。
ベランダは建物の2面に渡って設置され、周囲には鉄柵が取り付けられています。
鉄部の状態を確認すると、ベランダ手摺部分の既存塗膜には浮きが多く見られ、一部は剥離して素地の鉄が露出していました。
その影響で錆が発生していましたが、腐食が進んで穴あきに至るほどの損傷はなく、塗装で十分対応できる状態でした。
その他の支柱やデッキプレートについても、ごく軽微な錆が見られる程度でしたので、お客様には状況をご報告のうえ鉄部塗装工事をご提案し、最終的に工事をお任せいただくこととなりました。
今回の工事では、エスケー化研のクリーンマイルドウレタン(SR-411)を使用しました。
この塗料は耐用年数がおよそ10~12年とされており、耐久性とコストパフォーマンスのバランスに優れた製品です。
使用材料
クリーンマイルドウレタン(SR-411)

現地調査の様子です。
K様にお話を伺ったところ、こちらの建物では過去に鉄部塗装を行っており、前回の施工から約10年が経過しているとのことでした。
そろそろメンテナンスの時期と感じられていた中で、特に気になっていたのが2階手摺に見られる塗膜の剥がれや錆であり、今回ご相談をいただいた主な理由となっていました。
さらに、鉄製のベランダ以外にも階段や門柱など鉄部が多く存在するため、「この機会に全体をまとめて塗装してほしい」とのご要望をいただき、建物全体の鉄部を対象に調査を行うこととなりました。
手摺の状態を確認したところ、ベランダ手摺は日当たりが良いため、1階部分と比べて塗装の色褪せがより顕著に見られました。
もともとは濃い茶色で塗装されていましたが、ご覧の通り色褪せが進行し全体的に薄くなっています。
さらに、前回の塗膜には剥がれも確認され、下塗りから剥離した箇所では鉄が露出し、錆の発生につながっていました。
幸いにも錆による腐食はまだ進行しておらず、穴あきといった深刻な症状は見られませんでしたが、このまま放置すれば錆が進行し、鉄部に穴が開いて耐久性が低下する恐れがあるため、注意が必要な状態でした。
1階部分には鉄骨階段や門扉なども設置されており、こちらも塗装をご希望とのことでしたので確認を行いました。
2階の手摺と比べて日当たりが少ないため、色褪せや塗膜の剥離といった症状は見られず、比較的良好な状態を保っていました。
また、デッキプレートは白色で塗装されていましたが、細かな錆の発生が所々に見られました。
ただし、ベランダの防水がしっかりと機能しているため、大きな腐食には至っていません。
今後、防水が劣化し水が回り込んでしまうと、デッキプレートとコンクリートの隙間から鉄部の腐食が進行してしまう可能性があるため、注意が必要です。
ベランダ周りのモルタル仕上げ部分にはクラックが確認され、K様も外壁が落下する危険性を心配されていました。
特に1階部分は賃貸として貸し出されているため、万が一モルタルが落下すれば事故につながる恐れがあります。
そのため、状況に応じてクラックの補修や左官による修繕が必要となります。
これらの調査結果をK様へご報告し、あわせて塗装工事のご提案をさせていただきました。
ご検討の結果、工事内容・金額ともにご納得いただけましたので、この度「街の外壁塗装やさん」にて施工を承ることとなりました。
まずは下地処理から行います。
下地処理とは、その名の通り塗装を行う前に下地を整える作業のことです。
一般的に「ケレン」とも呼ばれ、表面の清掃や古い塗膜の除去を指します。
ケレンによって下地の汚れや不良塗膜を取り除くことで、新しい塗料がしっかりと密着しやすい状態になります。
下地処理を丁寧に行うかどうかで、塗り替え後の塗料の耐久性や仕上がりの品質にも大きく影響します。
そのため、塗装工事において非常に重要な工程となります。

塗装作業の様子です。
今回は鉄部の塗装になりますので、下塗りにはエスケー化研のマイルドザビガードを使用しました。
この塗料は「錆止め塗料」とも呼ばれ、錆の発生を抑える効果があるほか、下地と上塗り塗料との密着性を高める役割も果たします。
さらに、乾燥時間がおよそ3時間と速乾性に優れているため、作業効率の向上にもつながります。
下塗り作業の様子です。
下塗りは劣化した下地を整え、塗料の密着性を高める重要な工程です。
そのため、塗り残しが出ないよう細部まで丁寧に塗り進めていきます。
また、下塗り後はしっかりと乾燥時間を確保する必要があります。
乾燥時間を守らずに次の工程へ進めてしまうと、塗料が本来持つ性能を十分に発揮できなくなるため、必ず時間を置いてから作業を続けることが大切です。

中塗り・上塗りには、エスケー化研のクリーンマイルドウレタンを採用しました。
クリーンマイルドウレタンは弱溶剤系の塗料で、シンナーを用いて希釈するタイプです。
水性塗料に比べると多少の匂いはありますが、密着性に優れており、さまざまな下地に対応できるのが特徴です。
色についてはK様とご相談のうえ、SR-411をお選びいただきました。
中塗り・上塗りの作業の様子です。
今回の塗装は下塗りから上塗りまで、計3回塗りで仕上げました。
3回塗りを行うことで塗膜の耐久性が高まり、仕上がりにムラが出にくくなります。
また、各工程で塗り重ねを行う際には、前の塗装が十分に乾燥していることが重要です。
乾燥時間をしっかり確保することで、塗料の性能を最大限に引き出し、長持ちする仕上がりとなります。
鉄部塗装が完了しましたので、次にクラック補修を行いました。
外壁のクラックにはシーリング材を用いて処理を行い、その後に塗装で仕上げます。
今回は塗装が可能な変性シリコンシーラントを使用しました。
通常のシリコン系シーリング材は塗料を弾いてしまうため、塗装仕上げには適していない点に注意が必要です。
仕上げに使用する塗料は既存外壁の色に合わせて調合しましたので、補修跡も目立ちにくく、自然な仕上がりとなりました。

鉄部塗装工事が無事に完了しました。
施工後にはK様に仕上がりをご確認いただき、「イメージ通り」と大変ご満足いただけました。
今回は鉄部のみの塗装でしたが、今後外壁塗装をご検討の際にはぜひご相談ください。
なお、外壁塗装工事は税別598,000円から承っております。
建物のメンテナンスをお考えの際は、どうぞお気軽にご相談ください。
記事内に記載されている金額は2025年09月26日時点での費用となります。
街の外壁塗装やさんでは無料でのお見積りを承っておりますので、現在の詳細な費用をお求めの際はお気軽にお問い合わせください。
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