築11年、初めての塗装工事を検討中の3階建て住宅です。外壁は現状のままを維持したいという事でクリアー塗装をご希望ですので、塗装に問題が無いか見ていきましょう。
ビフォーアフター
工事基本情報
点検の様子
屋根外壁塗装工事をご検討中の江戸川区の3階建て住宅です。築11年というと、まさに塗装メンテナンスにちょうどいい時期です。新築時の塗料は比較的安価なものが使われている為、塗り替え時期は8~12年と言われていますが、実際には5.6年ごろからチョーキングが発生します。目安と同じぐらい、もしくは少し短めで考えて頂くと良いかもしれませんね。
スレート屋根も10年程度で状態が大きく変化しますので、まずは塗装メンテナンスが可能かを含めて見ていきましょう。
まずは苔の発生です。苔は屋根材の塗膜が劣化し、吸水することから繁殖に繋がります。更に放置すると吸水・乾燥を繰り返し、屋根材に反りや浮きが発生しやすくなります。
当然割れやすくなり防水紙の傷みやすい状況を作ることになります。
板金部分は貫板を使用し固定されていますが、建物の揺れによって釘の浮きが見られるようになります。固定が甘ければ強風時に棟板金の飛散をしてしまいますので、常日頃確認の必要があります。
棟板金のもう1点の注意点は継ぎ目です。施工時にシーリング施工をし雨水が浸入しないようにしますが、経年劣化によって亀裂が入ったりと少しずつ入り口が出来てしまいます。雨水の浸入は貫板の腐食に繋がってしまいます。
下屋の状態も確認した上で、塗装も可能でしたので塗装工事に入っていきます。
外壁の点検に入ります。築11年の状態といっても状態は様々です。サイディングが浮いてしまっていたり、ヒビの発生があったり…立地と新築時の施工によって大きく変わります。
幸いにもこちらの住宅は浮きや反りもなく綺麗な外観です。
サイディングに柄があり、色の変更を気にされない方はクリアー塗装を希望されるケースが多いです。クリアー塗装とは今の外壁材にクリアー(透明)の塗料を塗って表面保護を行うのですが、今の状態がそのまま残るというデメリットがあります。
それは、ヒビや汚れ等もそのまま残ってしまうのです。クリアー塗装を使用する条件として、必ず綺麗な外壁、色褪せが酷くない外壁になる為、築10年前後になってしまいます。
バルコニーの外壁には苔が付着していますが、この程度の苔であれば洗浄で綺麗になります。塗装の際には汚れが付着してしまっているバルコニーもトップコート施工で綺麗に仕上がります。
外壁以外の部分は全て塗り替えが可能です。軒天の錆びた換気口もこの際に、錆止めを塗布し塗り直すことが可能です。また換気フード等は素材にもよりますが塗装可能な部位です。錆びているようであれば下地処理後、防錆、塗装を行っていきます。
外壁がクリアー塗装のままでも塗装後の印象は変わります。それは経年によって破風板や雨樋の色褪せが出てきているからです。普段目に付かない場所ですが、塗装前後を見ると、綺麗にしてよかったと思う場所です。ぜひ、外壁が汚くないから、塗装なんてしなくても…とは思わずにメンテナンスを視野に入れてみましょう。
カラーシミュレーション
塗装工事に当たり、弊社ではカラーシミュレーションを行っております。大部分の外壁の変化を楽しむことが多いのですが、今回はクリアー塗装の為、重要となるのは付帯部です。分かりにくいのですが、左写真が濃いグレーN-25での塗装、右写真が焦げ茶色の23-255での塗装です。
黒系と茶系で与える印象は大きく変わります。
更にケラバを屋根と同じ色で塗るのか、付帯部と同じ色で塗るのかもご相談の上、作成いたしました。変更部分が少ない為に、どれ程しっかりイメージを頭に焼き付けるかが重要になります。
施工の様子
屋根外壁塗装工事に入ります。まず塗装工事には必ず足場の仮設が必要です。安全面もそうですが、塗装の際に塗料や水の飛散が起きないようにメッシュシートを準備したい所です。となると、取り付ける為に足場が必要になります。
足場は外壁からおよそ80㎝程離れた場所に脚が来るかと思います。狭小地の場合は、お隣の方とも相談をしながら工事を進めなければなりません。道路側に出る場合は、道路占用許可等も必要になりますので事前確認を致します。
屋根塗装から行います。まずは高圧洗浄にて屋根に付着した汚れと劣化した旧塗膜を剥がしていきます。表面を綺麗にして充分に乾かします。
続いては下塗りに入ります。日本ペイントのサーモアイは遮熱塗料ですが、下塗りにも遮熱効果を持たせている特殊な塗料です。塗り残しのないようにしっかり塗装していきます。
下塗り乾燥後はタスペーサーを設置していきます。タスペーサーか縁切り作業はスレート屋根の塗装においては必需品です。毛細管現象を防ぐために屋根材同士の隙間を設けるタスペーサーは、縁切り作業よりも手間なく、綺麗に仕上げる事ができます。
塗装前には棟板金の継ぎ目にシーリング施工をしていきます。隙間を防ぐことによって雨水の浸入を妨げることに繋がります。
抜けそうな釘穴にもシーリングを埋め、頑丈に補強していきます。下地処理のシーリングが乾いたところで、中塗り塗装をしていきます。
中塗り後、スレートの割れを再確認し、シーリング補修を行っていきます。もう一度しっかり硬化させてから上塗りで補修跡を隠していきます。
以上で、屋根塗装工事完了です。
今回の使用色はクールビンテージローズです。遮熱塗料は使用する色によって日射反射率が異なります。白ければ白いほど高くなりますし、黒ければ日射反射率は低くなります。が、サーモアイの効果は室内温度を最大2.5℃削減する結果も出ておりますので、全40色からお客様のニーズに合ったお色をご選択ください。
外壁塗装工事に入ります。サイディングパネルの場合はまず、目地の補修を行います。目地はシーリングでパネル同士の隙間を塞いで雨水が入り込まないように施工されています。
シーリングの寿命は5年から劣化し、8年でひび割れが大変目立つようになります。ヒビや亀裂が入ってしまうと、外壁からの漏水が起こりえますのでしっかりと補修工事を行っていきます。
まず既存のシーリングをカッターで切り込みを入れながら撤去していきます。付着している物は全て落とし清掃をします。
その後、プライマーを塗りシーリングと下地の密着性を高めます。プライマーを塗った日にシーリングの打設を行わないといけませんので、進捗を見ながらの作業になります。
ちなみにシーリングにも様々な種類がありますが、新築時に使用されているのは大体5~8年程度の寿命です。しかし、シリコン塗料の耐久性向上を踏まえ、シーリングの高耐久化も進歩いたしました。
弊社でお勧めしているのはオート化学工業のオートンイクシードです。高耐久・高耐候に優れ次回の塗り替え時にシーリングの補修が不要と言われるほどです。
オートンイクシードを奥まで充填していきます。打設後は硬化するまで時間がかかってしまいますので、塗装前に予定を組み硬化時間を設けます。
目地のシーリングは打ち替えですが、サッシは既存シーリングの増し打ち施工を致します。
シーリングは施工後に塗装を重ねますので、通常は問題ありませんが、今回はクリアー塗装の為、シーリングも全て色合わせを行った上で作業をしていきます。
外壁塗装と共に、付帯部の塗装も同時に進めていきます。軒天は2回塗りを行い綺麗な白色に蘇らせます。
色褪せた幕板もペーパー掛けをし下地処理を行った後に塗装工事を進めていきます。こげ茶の23-255です。艶のある塗料ですので、塗装後は見違えるほど綺麗な発色を見せます。
外壁は見えにくいのですが、UVプロテクトクリアーを2回塗りしていきます。クリアー塗装でも艶有と3分艶の若干の差を仕上げることは出来ます。下地に塗料等が付着している場合は、必ず下地を綺麗にしてからの塗装になります。
また、着色をしているわけではありませんので、塗り残しのないように施工していきます。重ね塗りは塗膜が割れやすくもなる為、注意していきます。
雨樋や破風板はペーパーで下地処理後、ローラーで2回塗りをしていきます。雨樋の様に表面がつるつるしている場合、そのまま塗装をしても早めに剥がれてしまいます。
その為、塗装前に一度ペーパーで傷を付け表面積を増やしてから塗装しなければなりません。このひと手間をしっかり行ったか、していないかと判断できるのは塗装後1年後になってしまいます。気づいた時には剥がれていると言った事がないように、しっかりと下地処理を行いましょう。
クリアー塗装後、塗り残し・塗膜の付着がないかしっかりと行っていきましょう。クリアーの仕上がりは色こそは変化がないものの、水で濡らしたような艶感を与えます。
住宅の艶感が苦手な場合は3分艶での塗装を行い、艶感を抑えながら表面保護を行いましょう。
最後に足場を解体し工事は完了です。今後は定期点検を行い塗膜の剥がれや膨れを確認していきますので、今後ともよろしくお願い致します。
記事内に記載されている金額は2021年10月13日時点での費用となります。
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