葛飾区2階建ての屋根外壁塗装工事です。今回はお隣様も合わせ3棟同時施工です。屋根はスレート、外壁はモルタルとサイディング外壁仕上げです。
外壁の状態に合わせて下地処理の方法も変わります。高耐久塗料で塗装を進めていきますので塗料の特徴とあわせてご紹介いたします。
使用材料
屋根 サーモアイ4F:クールモスグリーン 外壁 エラストコート:KM4794-1.KM4824-2
東京都葛飾区の2階建て住宅です。1階とバルコニー部分がサイディング外壁、2階部分はモルタルで仕上げられています。
サイディングとモルタルで見た目ですが、構造と特徴も全く違います。となると、塗装の注意点も変わります。
まずサイディングは外壁の下地に断熱材や透湿防水シートを施してから胴縁を取りつけ、ハットジョイナーと呼ばれる専用金物でサイディング外壁を貼っていきます。
近年ではこの通気工法を用いていますが、昔は直貼り工法が多かったようです。高気密高断熱の住宅が多くなってきたことから、結露防止にも通気工法は大変有効的です。
サイディングは様々なデザインがあり住宅の印象をがらりと変えてくれます。素材は窯業系・金属系・木質系・樹脂系に分類されますが、最も多く採用されているのは窯業系サイディングです。
パネルを張り付け、建物の揺れに対して対応できるように、また隙間からの雨水浸入を起こさないように目地が設けられています。
この目地ですが、一般的なシーリングは耐久性に乏しい為徐々に肉痩せやひび割れを起こしてしまいます。塗装の際には一緒に補修をしていく方が良いでしょう。
また、サイディングは経年劣化により水を吸い込むようになります。よって汚れが付着しやすくなり美観性が損なわれてしまいます。
続いてはモルタルです。昔から馴染みのある外壁材ですが、砂とセメントを水で混ぜたものが原料です。塗り壁ですので、目地の継ぎ目もなく綺麗な仕上がりです。近年ではジョリパッドのようにデザイン性に富んだ仕上がりもある為、様々な風合いを感じられます。
構造ですが、外壁下地に下地板、防水紙(ラス紙)の取付、モルタルの剥離防止にラス網を取りつけた後にモルタルを塗っていきます。職人の腕で仕上げる為施工費用も高くなりがちですが、パネルでは表現できないアーチ等は形成しやすく自由がききます。
しかし、砂とセメントが原料の為クラック(ヒビ)が発生しやすいです。このひび割れが進行すると雨水が浸入する恐れもある為、細かく補修をしていく必要があります。
髪の毛程度の細さはヘアクラックと呼ばれ、雨漏りは起こさない程度の軽微な劣化です。しかし、0.3㎜以上の目視で確認できる程度の構造クラックは、早急な補修が必要です。
左写真はバルコニーの開口枠から流れた雨水が染みこみ、黒ずんでしまっています。
対して左写真は一度補修をしたのか、うっすらと補修跡が確認できました。この場合はしっかりとヒビを埋め隠す必要があります。
また、モルタル外壁表面が凸凹の多い仕上げの場合、細かな場所に埃や苔が入り込み、汚れやすいです。仕上がり次第ですので仕方がない事かもしれませんが、やはり気になりますよね。
モルタル塗装後は塗膜を被せる分凹凸感が滑らかになります。隙間に入る汚れも幾分軽減できますのでぜひご検討ください。
最後に外壁部分以外のチェックを行い、施工の打ち合わせに進んでいきます。足場を仮設する機会に補修できる部分があればあわせて交換工事を行っていきましょう。
塗装工事の際に気になるのは仕上がりの色です。現状のままに塗り直したいという方でも、この色で塗ったらどうなるのだろう?という気持ちはあると思います。
実際に塗装することはできませんが、カラーシミュレーションでイメージを見ることは可能です。原状回復なのか、思い切って色を変えるのかをぜひ想像してください。
左はブラウンとクリームのツートン、右はグレーとホワイトのツートンです。素材によって見え方も違いますので1色でも楽しいとは思いますが、ツートンはメリハリがありお洒落な印象がありますね。
サイディングの種類によりけりですがタイル系の場合、タイル部分と目地での塗り分け塗装も可能です。例えば塗りつぶしですと左写真の様に全てが同じ色になりますが、目地塗装を行うと塗装前の様に、タイル柄をしっかりと残すことが出来ます。
塗装の仕方によって見え方は全く違いますので、興味のある方はお気軽にご相談ください。
屋根外壁塗装工事に入ります。まずは塗料の準備と足場架設です。使用する塗料に誤りがないか、缶数が足りているのかとしっかりと確認していきます。
足場の仮設では近隣住宅が近い為、必ずメッシュシートを取りつけ飛散防止に努めます。
点検時に染みがあり気になっていた軒天です。雨漏りを起こしているとしたら、塗装をしても染みができ、同じことの繰り返しになります。
塗装前に必ず雨漏りの可能性がある場合は確認し、必要な補修工事を行っていきます。
該当する軒天を部分的に剥がし内部の確認を行います。
染みのようなものはあるようにも感じますが、今現在濡れているような事もありません。中の状態確認が終わりましたので今度は復旧です。
軒天の下地を組みケイカル板で張替工事を行いました。引き続き塗装工事を行いますので補修は終了ですが、部分補修であれば塗装で表面保護を行います。
塗装工事は、塗料の付着等がある為、上階から行うのが一般的です。まずはスレート屋根の状態を見ていきます。
苔の付着は若干ありますが破損もなくメンテナンスに最適な状態です。モルタル外壁と板金の取り合いにクラックが発生していますので、細かな部分は気に留めながら補修を行っていきましょう。
まずは高圧洗浄です。強力な水圧で苔の根絶ちを行い、表面を綺麗にしていきます。スレート屋根の寿命はおよそ25~30年、塗装のタイミングを逃し、予期せぬ屋根工事を必要としないようにしっかりと補修していきましょう。
浮いている、もしくは浮きそうな棟板金の釘は打ち直しを、棟板金の継ぎ目からは雨水が入り込んで下地を腐らせる事もありますので、シーリングで塞いでいきます。
釘穴にも同様にシーリング施工をし、抜けと雨水浸入を防ぎます。仮に下地が腐食している場合は釘での固定はできずまた浮いてしまいます。
その為、貫板の交換工事も必要となりますのであらかじめご了承ください。
スレート屋根では縁切りかタスペーサーの設置が不可欠です。小さな道具ですが、屋根同士の隙間をあけ毛細管現象の発生を防ぎます。
下塗は日本ペイントのサーモアイシーラーです。サーモアイは下塗りにも遮熱機能が備わっていますので、満遍なく塗装し仕上げの補助を行います。
造膜性と吸い込み止めに優れているシーラーは塗料の無駄塗りも抑えるため、コストカットにも貢献してくれます。
続いて中塗り・上塗りにサーモアイ4Fのクールモスグリーンです。サーモアイシリーズの中でも、最も耐候性・光沢保持性が高い塗料です。
試験内で屋根表面温度を最大約30℃削減、電気代最大約27%と高い遮熱効果を持つ高耐久塗料です。近年多く使用されるシリコングレードが10~15年に対し、フッ素は15~20年とも言われます。
どうしても必要なメンテナンスですが、良い塗料を使用することでランニングコストを抑えるのも一つの手です。
外壁塗装工事です。屋根と同時に高圧洗浄で汚れと旧塗膜を洗い流していきますが、ここで注意点です。
外壁や目地に支障をきたしている場合、洗浄時に外壁から水が染み込む恐れもあります。
モルタルであれば先ほど申したクラック、サイディングであれば外壁材と目地のシーリングです。シーリングをみると内部が見えてしまっています。
雨漏りの可能性がある場合はシーリングの補修を行ってからの洗浄になります。
目地シーリングは打ち替え作業で新たに施工し直します。サッシ廻りは増し打ちでの補修です。
硬化後、外壁塗装を勧めます。まずは下塗りで下地処理と密着性を高め塗膜の剥がれを防ぎます。
一度真っ白に仕上げることで希望色も綺麗に発色が出来そうですね。モルタル外壁には下塗りにフィラーを使用することで細かなクラックを埋める役割も持っています。
中塗り・上塗りをブライトンのエラストコートを使用します。1階はKM4824-2、2階にKM4794-1を使用し、グリーン系のツートンに仕上げていきます。
ツートンにする場合は同系色にすることで統一感のある外壁に仕上げます。反対色は引き立たせる効果もありますが、外壁塗装では統一感がなくなり不向きです。
外壁に使用する色は多くても3色程度に収めるのが良いでしょう。
補修した部分もある軒天です。継ぎ目の部分はパテ処理で埋めてからの塗装です。明るい色を使用することで外壁に暗い色を使用しても、住宅の明るい印象を維持することが出来ます。
鋼板部分、笠木や霧除けは経年劣化によって錆が発生してしまいます。そこでケレン後、防錆剤を塗り白色に仕上げていきます。
細かな部分ではありますが、外壁塗装後に少しの汚れでも大変気になる場所です。弊社では塗装が可能な部分に関しては塗装施工を行ってまいります。
雨戸は刷毛ではなく、スプレー仕上げです。ムラなく吹き付けることで液ダレも起こさず真っ白に蘇らせることができます。
雨戸は問題ありませんが、シャッターの場合は開閉時に塗膜の剥がれが起きる、シャッターボックスの内部で塗料が固まり動かしにくくなる点から、お客様のご希望に合わせて塗装をするかしないかを決めていきます。
塗装完了後の写真です。シーリング補修と塗装保護によって、雨漏りを起こす心配は軽減されました。塗り残しや塗料の垂れなどを再確認し、しっかりとタッチアップを行っていきます。
特に取り合い部分に関しては直線的に区切ることでとてもきれいに見えますので細部にまで補修の目を光らせます。
以上で超高耐久塗料による屋根外壁塗装工事は完了です。次回15年後以降の塗り替えは塗料や仕上げ材の状態を確認しながらの塗装になります。
弊社では引き続き定期点検に伺い、状態維持に努めてまいりますので宜しくお願い致します。
記事内に記載されている金額は2021年10月13日時点での費用となります。
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