江戸川区の築30数年になる木造アパートのオーナー様からのご依頼で、「あと10年ほどは持たせたい」と言うご希望に合わせて点検を行わせていただきました。点検で目に付いたのは築後ほとんどメンテナンスはされていなかったこともあって、鋼板製の屋根は錆が多く発生していたこと、外壁のサイディング継ぎ目の目地や窓廻りの目地もコーキング材が粉化して無くなっていて防水性能が著しく低下していること、2階へ続く廊下も継ぎ目のシーリングが無くなっていたために隙間から雨が廻り、鉄骨階段が傷んでしまっていたことがありました。そこの部分を重点的に対処しつつも、塗替え工事と言うこともあってお客様のご希望の「色」にはこだわりをもって仕上げさせて頂き大変ご満足頂いております。
施工内容
外壁塗装 屋根塗装 防水工事 シーリング打ち替え 部分塗装 雨樋新規取り付け
使用材料
日本ペイント パーフェクトトップ、ファインパーフェクトトップ、オート化学 オートンイクシード
お客様の「こんな風にしたい」「この位持たせたい」と言ったようなご希望・ご要望はとても大切です。それはお客様が工事に求めている大きな部分だからです。そこに重点を置いてベストな工事をできるように、どのようにしたら良いかと言うことを考えながら点検を実施いたします。
築年数は38年、某大手ハウスメーカーの木造二階建てアパートです。今まで本格的なメンテナンスは行ったことが無いとの事で、今後10年は持たせたい、と言うのがお客様の大きなご要望でした。10年持たせるには、どこをどのようにする必要があるのかを確認します。外壁は窯業系サイディングボード貼りで、すでに塗装はチョーキングが発生していて防水性能の劣化が見られます。サイディング貼りの建物で重要な継ぎ目のコーキング部分も、日当たりの良い面は特に、そうでない面のコーキングもほとんど粉末状になってしまっておりました。
出窓廻りのコーキングもパックリと口を開けてしまっている状態は、建物構造的にも良くありません。
集合住宅ということもあり、「安全性」と言うことも気にされておりましたので居住する方の使用する階段や廊下の点検を行ったところ、鉄製階段ぶの錆の発生が多いことが気になりました。階段の踏み板の一番下の部分は一度外れかけて補修を行ったとの事です。なぜ、このような状況が起きているのかを点検していきました。
原因として考えられるのが、どうも廊下の様です。廊下はコンクリート板状のものを敷き詰めてあり、継ぎ目には緩衝と防水の役割の目地が有るのですが、目地は外壁の目地同様に劣化が進み雨水が隙間から流れ放題の状態となっておりました。この隙間から鉄部に雨水が伝い、錆を多く発生させていたものと思われます。
地上から見ることが出来ない、屋根の確認を行いました。屋根はほとんど勾配のない鋼板製瓦棒形状の屋根です。勾配がほとんどないためもあって屋根全体に錆が発生してしまっております。屋根は建物の重要な部分です。このまま放置してしまったら錆が進行し、穴が開いてしまいかねません。鋼板自体は棟板金などに使うものよりも厚みがありそうですが、錆の多い部分はかなり薄くなってしまっている可能性があります。現状は雨漏りはしていないとの事ですがお客様のアパートでは要注意箇所です。
屋根の一部にはなぜかポッカリと裂けてしまっているような箇所もありました。
その他の部分では、廊下の手すりの柱のキャップ部分の錆による穴あき、玄関ドア下部の錆と腐食が見られました。廊下の手すり部分はアルミですが、キャップ部分は鋼板製の様です。居住者の方がけがをしない様に修理の必要があります。玄関ドアは機能性にはさほど問題は無いでしょうが、美観的な問題があります。この辺りは戸建て住宅と違った集合住宅ならではの悩みかもしれません。
ベランダの部分には排水口は有るのに雨樋が付いておりませんでした。急なにわか雨の時など階下の洗濯物に被害が及びそうです。この辺りは居住者様の満足度を上げる工事となりますが無いより有った方が良いですよね。
無事に足場仮設工事も終わりいよいよ工事の始まりです。集合住宅なので住人の方々への挨拶、周囲を取り囲む近隣様へもご挨拶を行います。オーナー様へも可能であればお会いしたご近隣様へお言葉がけだけお願いさせていただきました。
工事は高圧洗浄からスタートです。
今回の工事のポイントにもなる、外壁目地の打ち替え作業を行いました。既存の目地を打ち替えを行う部分は撤去を行い、撤去できない部分には増し打ちを行っていきます。使用するコーキング材は超高耐久のオートンイクシードです。柔軟性を長く保ってくれるので長期にわたって目地の防水を担ってくれます。安心できる材料です。窓などには養生作業を実施いたします。この間は窓が開けられなくなってしまうのでお客様にご迷惑をお掛けする部分です。必要不可避の部分は予め打ち合わせの際に行っていただければ善処いたしております。
屋根も今回の工事では塗装にて対処することになりました。錆の状態が進んでいたので、高圧洗浄は慎重におこない、汚れを流す程度にとどめました。錆を落とすケレン作業も慎重におこない、屋根の状態を確認しながら行いました。幸い表面に穴が開くほどの部分は無く、作業を進めることができました。鋼板製の屋根の為、下塗りにはエポキシ系樹脂の錆止め塗料を使用いたします。使用材料は日本ペイントの一液ハイポンファインデクロを使用いたしました。様々な下地素材に適用し、二液タイプと同等の防錆力を持ち、また仕上げ塗料との相性も適合力が高いので良く使用する防錆塗料です。
屋根全体に、下塗り塗料が塗られると、まるで見違えるようになりましたが、これで終了ではありません。この段階はあくまでも屋根塗装の下塗り作業です。点検時に大きな亀裂の出来ていた部分には、穴を塞ぐ処理を行っています。
しばし天候不順により工事が中断してしまいましたが、梅雨時期にはあり得ることです。天候の回復後にまるで清掃作業の様にローラーに長い柄を付けて仕上げ作業を行いました。色は明るいグレー色を選んで使用いたしました。
事前にお客様のご希望のイメージをうかがい、シミュレーションを作成いたします。既存は単色でしたが今回の工事では外壁は二色に塗りわけを行います。破風板や雨樋などの付帯部分の色を白系か茶系かで迷われましたが、シミュレーションのイメージで白系で塗装することになりました。塗料メーカーの色見本だけでは全体のイメージがつきにくいのでシュミレーションは有効ですね。
シミュレーションで比較をすると全体のイメージがよりわかりやすくなりますね。写真で見比べてもやはり「白系」で付帯部を塗装した方がスッキリとした感じです。
外壁は窯業系サイディングボードで施工されています。チョーキングや汚れは高圧洗浄で落としてありますので、下塗りを行います。下塗りには日本ペイントのパーフェクトシリーズ下塗り塗料でも窯業系サイディングボード用のパーフェクトサーフを使用しています。
屋根塗装、コーキングなどの下地処理を行っている間に、外壁に塗装する色の塗り板が届きました。外壁塗装には日本ペイントのパーフェクトトップを使用いたします。ラジカル制御技術により通常のシリコン塗料以上の耐候性を持つ優れた塗料で大変人気の塗料です。今回の塗装色は標準色ではない色をお選びになられています。
二色で塗り分けを行う外壁の二階部分がかなり薄めの紫色になっています。ニットコウの色番号でJ85-90Dになります。
一階部分とベランダの壁部分には、やや濃いめの紫色を使用いたします。こちらもニットコウの色番号で調色しています。J85-80Hです。同じ系統色で濃淡を付けました。
二階も一階も中塗り、上塗りと下塗りを含めて三回塗り仕上げを行います。
付帯部分を除いて、外壁の二色分けもほぼ完成の域に来ています。陽があまり当たっていない時間だと上下の色分けの具合がハッキリとわかりますね。色分けの境にある幕板の色は色分けのコントラストがわかりやすくなる白系でもほんの少しグレーがかった色を使う予定です。N90番あたりが良いかと考えております。
今回の工事のポイントでもある鉄骨階段の錆を今後抑制するためにも廊下部分の防水工事をおこないました。床板の継ぎ目のシール部分の劣化による雨水浸入が原因の一端になっているので、まずはシーリング部分の打ち替えをおこないました。
既存目地を撤去清掃後、プライマーを塗布し変成シリコンコーキングを充填いたしました。
床面には長尺シートを貼りました。使用したのはサンゲツの防滑性ビニル床シートPX-542です。
防滑シートを敷設した後も最後の仕上げが残っています。壁際の隙間や各種パイプの隙間、排水溝との境などの「端部処理」を行います。
鉄骨階段や雨樋など、外壁屋根以外の部分の塗装です。
鉄骨階段の錆には、電動工具にワイヤーブラシのアタッチメントを接続して錆を落とします。アタッチメントにも大きさが複数あり、比較的研磨しやすい部分、細かい部分と分けて作業を行いました。ボルトの錆もブラシを使えばあっという間に錆落としが出来ます。手作業で行っていたらかなりの重労働になるでしょう。
鉄骨階段部分には、錆落としを行ったあと、錆止めの下塗りを行い、仕上げ用の塗料を塗布していきます。鉄骨階段には既存色とさほど変わらないこげ茶色を使用いたしました。このこげ茶色は付帯部塗装工事で良く使用する色で23-255という番号になります。使用塗料は弱溶剤のファインパーフェクトトップです。
軒天井や雨樋ももちろん塗装を行っています。細かい部分までシッカリと塗装をしております。
ベランダの物干し竿掛けもかなり塗装がはがれてしまっていたので、ファインパーフェクトトップで塗装を行いました。外壁がキレイになっているのに一部だけ塗装がはがれてしまっているのはしのびないですね。基本的に可塗装部は全て塗装するのがモットーとなっております。
廊下のフェンス飾りの部分も鋳物の為、通常の対候よりは落ちると思われますが、細い刷毛を使って塗装を行います。もちろん目隠しの板の部分にも塗装を行っています。付帯部分塗装は思ったよりも手間のかかる作業です。
階段の柱のキャップ補修、新規雨樋の設置を行いました。
階段の柱の上部には蓋が付いておりましたが、通常の鋼板製だったため、錆で穴が開いてしまっておりました。アルミテープの補修では強度が保てないのでガルバリウム鋼板を現場で加工して蓋上に取り付けました。ガルバリウム鋼板は錆びに非常に強い鋼板です。今後かなりの間、錆びることは無いでしょう。
ベランダは排水口だけで垂れ流しだった部分に雨樋を新設いたしました。ゲリラ豪雨に特に真価を発揮するものと思われます。
錆びて赤茶色だった屋根も見違えるようにキレイになりました。もともと屋根の勾配が緩やかなため雨水のキレは悪いと思われますが、塗装を行ったことでスムーズに雨が流れて行ってくれるでしょう。水が停滞しなければ錆の可能性もグッと低くなります。
特に陽の良く当たる面にあった出窓際のコーキングが抜け落ちていたりしておりましたが、超高耐久のオートンイクシードを充填してシッカリと防水処理が行われました。建物は開口部の周りは雨漏りの原因になることが多いので安心ですね。
点検時に隙間の空いていた幕板と外壁の隙間もオートンイクシードを使用して埋めてあります。細かい部分ですが見逃しておりません。このような工事は雑シール工事に分類されます。
錆びて少し穴の開いていた玄関ドアも補修をおこなった後に塗装で仕上げました。ドアの色に関しては、他の付帯部分とも違うややクリーム系の入った白色で塗装を行っております。塗料はファインパーフェクトトップで色は標準色のND155です。
記事内に記載されている金額は2018年07月19日時点での費用となります。
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