数年前、弊社で外壁塗装をご依頼いただいたお客様です。定期点検に訪れた際、「バルコニーから雨漏りしているしているようだ」とご相談を承りました。点検したところ、バルコニーは水捌けが悪くなっており、床面に多数のクラックが見られました。下地から改修して、ウレタン塗膜防水で雨漏りを改善します。
隙間無く人工芝が敷き詰められたバルコニーです。排水口周辺も綺麗に処理されており、排水不良はなさそうです。バルコニーの床面に人口芝を引くと直射日光が当たりませんから、紫外線による劣化を防ぐことができます。
直射日光を防ぎ、紫外線による劣化を妨げることができるのは大きなメリットですが、それと同時にデメリットもあります。まず、人工芝が紫外線で傷み、細かく砕けてしまうということです。また、人工芝の下に砂や土も溜まりやすくなるので、排水口を詰まらせる原因となりやすいのです。また、直射日光も当たらず、床面への風通しも悪くなるため、水分も溜まりやすくなります。水分はあらゆる建材の大敵です。
床面を綺麗に掃除してみたところ、バルコニーの床面はモルタル仕上げでした。無数のクラックができており、ここから雨水が入ることが雨漏りの原因です。まずはこのクラックを補修し、下地から防水層を形成していきます。
クラックの補修が終わりましたら、樹脂モルタルで下地調整をしていきます。この下地調整では勾配も調整していきます。バルコニーに人工芝を引いてしまうと、細かなクラックに気付きにくくなるため、被害が拡大してしまうことも多いようです。立ち上がり(床面から壁が垂直になる部分)ももちろん、下地調整を行います。
今回は雨漏りしていたということで密着工法ではなく、通気緩衝工法を施工します。密着工法は防水層となるウレタン塗膜を下地に密着させてしまう工法です。通気緩衝工法は防水層となるウレタン塗膜と下地の間に通気層を設けて、これまで溜まってしまった水分を乾燥によって排出していく工法です。通気層は通気緩衝シートが担います。その通気緩衝シートを貼るためプライマーを床面全体に塗布していきます。
通気緩衝工法シートを貼っていきます。この通気緩衝工法シートだけでなく、建材のシート状の物はマス目が印刷されていたり、それが裏紙となっているものが多数あります。これは現場で加工する際にサイズが分かるようにとの配慮からです。最初に気付いた人は頭がいいですね。
通気緩衝工法のジョイント部には端末テープを貼り、隣り合うシートとズレができないようにします。立ち上がりから剥がれることのないようにこちらにも端末テープを貼ります。
防水工事はウレタン防水だけでなく、立ち上がりから防水していくことがほとんどです。立ち上がりにウレタン防水材を塗布していきます。立ち上がりへの塗布が終わりましたら、床面にもウレタン防水材を塗布していきます。これで防水層の1層目を形成します。
ウレタン防水だけでなく、他の防水方法でも漏水のリスクを極力少なくするために、防水層は複層にすることがほとんどです。ウレタン防水では防水層を2層にするのが標準です。立ち上がりに2回目のウレタン防水材を塗布し、床面にも2回目のウレタン防水材を塗布していきます。
これで複層のウレタン防水層が形成されました。ただし、ウレタンは紫外線に弱く、使用に耐えられないため、トップコートを塗布していきます。ウレタン防水のメンテナンスは定期的にトップコートを塗布し、紫外線から守ることがポイントです。
ウレタン塗膜防水による通気緩衝工法が竣工しました。今回はクラック補修と樹脂モルタルによる下地調整を行ったため、日数が掛かってしまいました。バルコニーに人工芝などを引いている方は定期的に剥がして床面を掃除して点検してあげてください。
記事内に記載されている金額は2019年02月13日時点での費用となります。
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