豊島区高松で以前工事でお世話になりましたお客様からご紹介をいただき、I様邸の風災調査を承りました。強風によりスレート屋根材が破損してしまったため火災保険を利用して復旧工事にあたりました。今回補修の際には足場仮設を必要としたため、この機会に屋根外壁塗装工事も同時に実施しました。
使用材料
サーモアイ(クールディープグレー)
パーフェクトトップ(ND-343.ND-500)
ファインパーフェクトトップ(ND-20)
強風により周辺のお住まいも被害に遭われ、屋根材が散乱していたようです。強風や台風発生時は怪我をする確率も高くなるため、出来るだけ外出せず飛散するものは片付け、風が止んでから清掃や調査を行うようにしましょう。
今回調査を行うのはスレート屋根材です。今では多くのお住まいに使用されていますがセメントと繊維質を5㎜程の厚みにプレスしたような作りになっており、1㎡あたり20㎏と瓦よりも軽い仕上がりになります。しかしセメントは雨水を吸い込むと劣化してしまうため、塗料による塗膜保護が必要になります。全体的には色あせや苔の付着が見られるものの大きな破損は見当たりませんでした。
一際錆が目立っているのは小屋裏換気が出来る換気棟です。恐らく通常の棟板金部分は交換を行ったことがあるかもしれませんが、雨漏りのリスクが高い換気棟は出来る限り交換をしない業者も多く、経年劣化が見られるケースが多いように感じます。ガルバリウム鋼板ですので穴あき等の腐食が起きないうちに塗装を行えば長く使用することが出来ますので、定期的にチェックしていきましょう。
今回の強風の影響なのかはわかりませんが、スレート屋根材にはひび割れが見られました。ヒビは固定釘周辺から発生することが多く拡大すれば屋根材の滑落も引き起こしかねませんし、屋根材の重なり部分から風が吹き込み割れる可能性もあります。特に棟周辺は強風の影響を受けやすいことから火災保険に申請しても全く問題はないでしょう。
そしてさらに大きな被害を受けたのは谷板金周辺のスレートです。表面の屋根材が割れ落ちたことで重なっていた下のスレートの釘穴が露出してしまっていました。これでも急に雨漏りを起こす可能性は高くありませんが、釘は防水紙に穴を開け打ちこんでいるため、必然的に雨漏りの危険性は高くなってしまいます。これを綺麗に復旧するにはまず上に重なっている屋根材をすべて剥がし交換、再度葺き直すという工程になり、釘穴も多くなるため実は非常に難しく今後のリスクを抱えた補修になります。特に雨漏りを起こしている様子もない場合は、シーリング補修や下地調整塗材で保護し塗装を行った方が良いでしょう。もちろんこの時点で雨漏りを起こしている場合は塗装で改善できませんので、屋根カバー工法や屋根葺き替え工事を行う必要があります。
今回は火災保険を利用し足場仮設、スレート屋根補修工事を行っていきます。更に塗膜の経年劣化が見られることから屋根塗装・外壁塗装工事を同時に行うこととなりました。メンテナンスのために必要な足場仮設費用分の支出を抑えることが出来ますので、築年数や経年劣化を考慮した上で検討しましょう。
工事までに火災保険を申請・結果を待ち、工程・仕上げ(色)の確認、工事前の近隣挨拶を行ったうえで塗装メンテナンスを行っていきます。
足場仮設と水・塗料の飛散防止用のメッシュシートを取り付け、高圧洗浄でお住まいに付着している汚れや苔、既に機能していない旧塗膜を洗い流していきます。工事に使用する業務用洗浄機の水圧は家庭用のものよりも強く怪我してしまうこともあります。屋根材を割らないよう汚れをしっかり落とすように丁寧にそぎ落としていきます。
外壁も同様にしっかり水圧を掛けながら表面の汚れを落としていきます。目地のシーリング材が劣化している場合は壁内へ雨漏りすることもありますので、あらかじめ補修をしておくか十分に注意しながら洗浄を進めていきます。
洗浄後十分に乾燥させてから下地処理を行っていきます。白く見えているのが屋根材の素地で、この部分が最も雨水を吸い込みやすい場所です。苔やカビが付着しやすいのも素地ですので、高圧洗浄をしたら一気に屋根が白くなり驚かれる方も多いです。まずひび割れた場所は補修跡が目立たないよう塗装前にシーリング材で補修を行います。乾くまでにそれほど時間は掛かりませんがすぐには塗装できませんので、早めに作業を終わらせておきます。
屋根塗装です。まずは下塗りで吸い込み止めと密着性向上を図ります。使用塗料は日本ペイントの遮熱塗料サーモアイとセットの下塗り塗料、サーモアイシーラーです。仕上げ塗料にしか遮熱機能がない塗料は多くありますが、サーモアイの場合は下塗りにも遮熱機能があります。仕上げ塗料では反射しきれない赤外線をあえて透過させることで効率よく反射させ遮熱性能を高めることが出来ます。
下塗り後はタスペーサーで縁切りを行い毛細管現象による雨漏りを防いでいきます。
中塗り・上塗りはクールディープグレーです。実際は濃い目のグレーですが、陽の当たり方によっては赤っぽくも見えます。しっかし2回塗りで十分な塗膜厚み、色に仕上げ屋根塗装工事は完了です。
続いては窯業系サイディングです。まずは目地シーリング材をカッターで切り取り除いていきます。1軒あたり数百mもあるといわれている目地ですので、これほどのゴミが発生しなければおかしいのです。増し打ちされれば一時的にも綺麗に仕上がり、見分けがつかなくなってしまいますので施工方法もチェックしておきましょう。
プライマーでシーリング材の密着性を高め打設していきます。シーリング材の耐用年数は5年前後のものが多いですが、オートンイクシードなどの高耐久シーリング材も多く開発されています。塗膜で表面保護はされているものの、シーリング材が劣化することで雨水が入り込む可能性もありますので出来る限り劣化しにくい状態に仕上げましょう。
外壁塗装(パーフェクトトップ:ND-343.500)
シーリング材は表面が触れるほど硬化してから塗装に入ります。下塗りはラジカル制御形塗料パーフェクトトップとセットのパーフェクトサーフです。隠ぺい性が高いため、濃色から淡色への塗り替えも可能です。
今回は既存の状態を維持するようにツートン塗装をしていきます。まず濃い目の1階はパーフェクトトップND-343を使用します。
中塗り乾燥後、上塗りでしっかり塗り重ね、ムラをなくしていきます。2階はクリームに近いND-500です。ツートンにする場合は色の相性をしっかり考えなければなりません。色彩が全く違う色、トーンが近い色ではツートンの良さを発揮できませんので、同系色で差異がハッキリしている色を選びましょう。
付帯部塗装(ファインパーフェクトトップ:N-20)
破風板・鼻隠し、雨樋といった付帯部もファインパーフェクトトップで綺麗に塗り直していきます。付帯部は屋根外壁よりも密着性が悪い傾向があるため、油性(溶剤)タイプの塗料を使用していきます。また、必ずペーパー掛けで目粗し(表面に傷をつけること)を行って密着性を高めてから塗り直します。
シャッターボックス等の鉄部は錆びないよう下地調整後、錆止め塗料を塗ってから仕上げていきます。プライマーには錆止め機能のある塗料もありますので、塗料の特徴を把握し塗り替えに使用しましょう。
塗り残しや汚れがないかを最終確認をし足場を解体、周辺の清掃を行って工事は完了です。
屋根外壁塗装工事は決して安くはありません。屋根補修工事も同様です。しかし火災保険にご加入されていれば今回のような不運も幸運に切り替えることが出来ます。今回は足場仮設費用分の支出を抑えることができました。施工保証は屋根8年、外壁10年、付帯部3年になります。今後は隔年定期点検を行い屋根材の破損や雨漏りが起きないようチェックをしていきましょう。
記事内に記載されている金額は2019年05月09日時点での費用となります。
街の外壁塗装やさんでは無料でのお見積りを承っておりますので、現在の詳細な費用をお求めの際はお気軽にお問い合わせください。
外壁塗装、
屋根塗装、
外壁・屋根塗装、
ベランダ防水の料金プランはそれぞれのリンクからご確認いただけます。