「天袋より雨漏りがあり、バルコニーが原因だと思っている」と荒川区荒川のお客様よりご相談を承りました。天袋というのは押入れの上にある物入(収納)のことで、古いお家の和室などにはほとんど言っていいほど備えられているものでした。天袋は押入れの上に設けられている関係上、押入れの高さは低くなります。現在では押入れを天井までの高さにしてしまうため、天袋はほとんど設けられておりません。天袋を設けるとなると収納のために扉を設けたり、押入れとの間に仕切りの板を貼らなければならないため、コストがかかるために徐々に減っていったようです。
お客様のバルコニーはウレタン防水で床が裂けて穴が開いていたり、植物が床に根を張っていたりと雨漏りの原因となることが複数来られ、ここが雨水の浸入口とっなていることは間違いないようです。今回は同じウレタン防水でも防水層の下に溜まった水分を配収できる通気緩衝工法で雨漏りを直します。
建坪
13.1㎡(バルコニー床面・立ち上がり部含む)
点検の様子~床に穴が開き、植物が生えているバルコニー
まずはバルコニーの床面の裏、軒天部分から点検をしていきます。バルコニーの床面から漏水している場合、その直下の軒天にも影響が出るものです。バルコニーの排水口に繋がっている雨樋と軒天に補修跡が見られます。天袋の奥にはカビが見られます。このカビ、雨水から給水が続けば木材を腐らせていくタイプのものです。
排水口の周辺に植物が生えています。ということはその根は防水層に確実に食い込んでいるわけで、隙間や穴ができているだけでなく、そこから水分を得ていることになります。つまり雨水がそこに溜まっているというわけです。床面の別の部分にはウレタン防水層が裂けて穴が開いていました。ちょうど、ここが繋ぎ目のようで、負担がかかりやすく、経年での劣化も加わって避けてしまったようです。これでは雨漏りしてもおかしくうりません。植物を除去し、ウレタン防水層の穴を防ぐため、通気緩衝工法のウレタン防水工事を行います。
排水口廻りには植物が生えていたので、それを撤去し、漏水の原因となっているドレンも新しいものへ変更するため、撤去します。今回は下地を撤去せず、その上に防水層を形成するため、徹底的に清掃します。経年によって砂や泥がかなり溜まっているものです。
防水層が裂けて穴が開いていたということは無理な力がかかって歪んでしまったからでしょう。それが地震によるものなのか現在では判断できないのですが、一度歪んだということは排水勾配もその影響を受けている可能性があります。プライマーを塗布し、樹脂モルタルを塗って積層し、不陸調整(しっかりと排水勾配を取り直すこと)を行います。
排水ドレンは改修ドレンへと交換します。改修ドレンは鉛製ということもあり、とても柔らかく、ゴムハンマーで叩くことによって床にフィットさせ、排水の妨げにならないようにすることが可能です。床にフィットさせつつ、通気緩衝シートを敷設していきます。
通気緩衝シートは液体の水は通さず、気体の水蒸気だけを通過させることができるシートです。化学的な話をすれば、液体の水の分子は大きく、気体の水蒸気の分子は小さいので、水の分子よりも小さな穴が無数に開いているシートが作れれば、水は通さないが通気は可能なものが出来上がります。防水層は気体でも液体でも水分は通さないので、脱気筒を設置しておきます。画像左下の金属製の筒が脱気等です。ますば立ち上がり部にウレタン防水材を塗布し、続いては床面にも塗布して防水層の1層目を形成します。
1層目と同じように立ち上がり部に防水材を塗布してから、床面にも塗布し、防水層の2層目を形成します。これで雨漏りが起こることはなくなりました。しかし、どうしてウレタン防水材は蛍光色のものが多いのでしょうか。トップコートを塗り忘れないようにするためなのでしょうか。
最後に紫外線を遮るためにウレタン防水材の上にトップコートを塗布します。ウレタン防水材は紫外線に弱いので、直射日光は厳禁なのです。トップコートの耐用年数は5~7年と言われています。定期的にトップコートを塗布することによってウレタン防水の耐用年数を延ばすことが可能ですから、忘れずに行ってあげてください。
今回、雨漏りはあったものの、樹脂モルタルで下地から直しましたので、保証は10年をお付けいたしました。安心して暮らしていただければと思います。
記事内に記載されている金額は2020年03月05日時点での費用となります。
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