築80年の住宅に合わせ別宅の塗装工事をご検討しているとご相談を頂いたのは町田市常磐町にお住まいのお客様でした。屋根・外壁の経年劣化に加え、ウッドデッキや木部のメンテナンスも検討しているという事ですので、さっそく調査にお伺いしました。
ビフォーアフター
工事基本情報
点検の様子
調査にお伺いしたのは2階建てで立派なウッドデッキが設置されているお住まいです。木々に囲まれ柔らかな雰囲気が漂います。
しばらくメンテナンスはされていないという事ですので屋根と外壁、付帯部に不具合がないかしっかり点検した後、適切なメンテナンスをご提案させていただきます。
全景を確認したところ、目立った汚れや色あせは見られませんが、雨樋の直射日光が当たる面だけ日焼けし色が落ちてしまっていました。
近くでしっかり見てみると窯業系サイディングに割れが確認できました。おそらくサイディングを固定する際の釘によるヒビが拡大し、大きな割れに発展してしまったのでしょう。
この程度であればサイディングの張替等は必要なく、補修と塗装で綺麗に仕上げ直すことが可能です。
サイディングといえば目地もチェックポイントです。サイディングボード間の目地はシーリング材を打設し隙間を塞いでいるのですが、経年劣化によって徐々に硬化し、肉痩せや亀裂を起こしてしまいます。こちらも切れや隙間がみられ、打ち替え時期を迎えているといえますね。
サイディングの浮きを確認
先ほどの割れよりも深刻なサイディングの浮きです。釘で留められている14㎜のサイディングは釘が浮くことで浮いてしまうことがあります。浮いた部分は雨水の浸入口になり最悪の場合、室内へ雨漏りを起こしてしまうことがあります。
ほとんどの住宅ではサイディングの下地にある透湿防水シートで防ぐことができますが、早めの補修が必要です。
続いては屋根です。セメント系の化粧スレートは表面塗膜が劣化することで雨水を吸水し、コケや藻が繁殖してしまいます。見栄えも悪くなりますし屋根材の破損を招く恐れがありますので、定期的な塗装メンテナンスは欠かせません。
強風によるものか、劣化によるものかスレート屋根材に割れが確認できました。屋根材が割れる=雨漏りといイメージされる方が多いようですが、屋根も下葺き材(防水紙)がありますのでそうそう簡単に雨漏りを起こすことはありません。
こちらも築年数に応じた塗装メンテナンスを行うことで問題なく使用できそうです。
スレートの耐用年数はおよそ25年です。この時期に差し掛かったところで屋根カバー工法や葺き替え工事を検討する必要があります。
住宅の見栄えを左右する意外な場所が破風板や雨樋の付帯部です。というのも付帯部は住宅全体を取り囲むように設置されていますので、思いのほか住宅の美観性に影響します。
木部の破風板・窓枠の茶色い塗膜は剥がれ素地(白い部分)を露出しており、劣化を促している状態でした。こちらも剥がれかけている塗膜を一度剥がし綺麗に塗り替えていきましょう。
屋根外壁メンテナンス開始
屋根外壁のメンテナンスを行うにあたってまずは足場仮設を行っていきます。屋根に足場を乗せる場合、単管のままでは割れてしまう可能性もありますので、しっかり足場にルーフベースを取り付けてから揺れないようしっかり固定します。
屋根の棟板金も最近交換等を行っていないという事でしたので、強風の影響を受けやすい棟板金の交換も同時に行っていきましょう。
写真に写っている木材は棟板金の下地にあたる貫板(ぬきいた)です。通常板金に覆われているため傷みにくいのですが、棟板金が浮いていたりすると雨水が吹き込み腐食してしまいます。
傷んだ貫板はしっかり新たな貫板に取り換え棟板金を付け直していきます。
棟の頂点に穴が開いていることが確認できますが、換気棟が設置されていた証拠です。換気棟は小屋裏にこもった空気を排気する役割があり、住宅構造の劣化を防ぐためにもあって損はないものです。
雨漏りのリスクが高くなるという観点から普及率はまだまだ低いのですが、適切な工事を行えば雨漏りを起こす心配はありませんのでご安心ください。
棟板金交換工事完了
棟板金交換工事が完了しました。
強風の影響等で飛散した場合、火災保険を利用して補修することも可能ですが、住宅によっては足場仮設が必要になるケースもございます。定期的なメンテナンスでの補修を検討中の方は、塗装や別の補修と合わせて交換工事を行うことがオススメです。
遮熱塗料で屋根塗装メンテナンス
続いて塗装工事に取り掛かります。茶色く見えているのが洗浄前のスレートです。
この状態では塗装しようにも塗料の密着性が悪くすぐにはがれてしまいます。そのため塗装する面はまず高圧洗浄で汚れを洗い落としていきます。
白っぽく見えているのが洗浄後のスレートです。塗膜が機能していれば塗装時の色に見えるのですが、塗膜が劣化していると屋根の素地が露出してしまうため、白っぽく見えてしまうのです。
今回塗装工事で使用する塗料は
屋根;サーモアイ4F(クールネオサファイアブルー)
外壁:ファインシリコンフレッシュ(G85-70H)
付帯部:ファインSi(G05-30B)
ウッドデッキ:ニューボンデンDX(チーク)
です。塗料の特徴は施工に合わせてご紹介いたします。
洗浄後の屋根はまず下塗り塗料で仕上げ塗料との密着性を高めます。サーモアイは下塗りと仕上げ塗料がセットになっているのですが、下塗りシーラーにも遮熱塗料があるため、Wの遮熱機能で太陽光を反射させ住宅の暑さ軽減を図ります。
クールネオサファイアブルーで中塗り・上塗りを行います。遮熱塗料は通常の塗料よりも遮熱効果が高いのですが、使用する色によっても遮熱効果は異なります。
最も遮熱機能が高いのは白、対して低いのは黒になりますので遮熱性能を重視されている方はなるべく明るい色を選びましょう。
ちなみに今回使用したクールネオサファイアブルーの日射反射率は43.0%です。
スレート屋根の塗装に欠かせないのが縁切りと呼ばれる作業です。薄いスレートは塗装を行うことで屋根材間の隙間が塗料で埋まってしまいます。
すると屋根材の下に入り込んだ雨水が排出できず、屋根内部で毛細管現象を起こし雨漏りを発生させてしまいます。このような事態を避けるために屋根材の隙間を設けなければなりません。
カッターや皮スキで屋根材間を切っても良いのですが、私たち街の外壁塗装やさんではより確実に隙間を作ることができるタスペーサーを設置していきます。
サーモアイ4F(クールサファイアブルー)での塗装工事完了
仕上げ塗料を2回塗ることで塗膜を十分な厚みで形成させることができますし、色ムラのない綺麗な屋根に仕上げることができます。
また今回はシリコン塗料よりも耐久性に優れたフッ素塗料を使用しています。耐用年数はおよそ15年ほどですのでメンテナンスサイクルを延ばすことができました。
外壁塗装工事の様子
外壁塗装に進む前に不具合箇所をしっかり直していきましょう。
まずサイディングの浮きは下地がしっかりしている状態であればビス打ち固定で改善させることができます。そのままビスを打ち込むとヒビが広がり、サイディングの割れに繋がりますので錐で穴をあけてからビスでしっかり固定していきます。補修後のビスは塗装で隠れますので心配ありません。
続いてはコーキング補修です。
シーリングとコーキングは何が違うの?と質問をいただくことがあるのですが、使用する材料も施工方法も同じです。まずは劣化した既存のコーキングを綺麗に取り除いていきます。その後マスキングテープで養生をし、シーリング材を打設する前に密着性を高めるプライマーを塗っていきます。
プライマーを塗ったその日でないと密着効果がないため、工程と施工範囲を確認しながら作業を進めていきます。
新たにコーキングを打設しなおしマスキングテープを剥がせば補修工事は完了です。シーリング材の表面が硬化する前に触ってしまうと伸びて汚れてしまいますので、数時間~1日は作業が行えません。
表面は1日程度で硬化し始めますが、内部までは1週間程度はかかるといわれています。そのため塗装工事が終わってからもしばらくは触らないようにしてください。
目地が硬化するまで付帯部塗装も並行して進めていきます。
塗装の基本は上からです。屋根・軒天・外壁・他付帯部というように塗料が周りにつきやすい場所から順々に進めます。軒天には通気性が高い塗料を使用しますが、多くの住宅で白が使われています。
これは暗い色で軒天を塗装すると重厚感が増す一方暗い印象になってしまうためです。特にこだわりがない方は明るい色で塗装するようにしましょう。
コーキング硬化後は屋根塗装同様、下塗り・中塗り・上塗りを行っていきます。
まずはシーラーで既存色を隠すほか密着性を高めます。
外壁塗装したファインシリコンフレッシュは超低汚染型のシリコン塗料です。
強固なシロキサン結合により光沢の低下や変色が起こりにくい塗料です。また弱溶剤系塗料ですので臭いはマイルドで施工中の影響も最小限にとどめます。
乾燥が早いため、気温が低い冬にも気兼ねなく使用することができる優れものです。色も自由性が高いため、気になる色がございましたらカラーシミュレーション等でご確認ください。
塗膜は剥がれかけていた木部はケレン作業で綺麗に剥がし落としていきます。
もちろん付帯部も下塗りシーラーで密着性を高めてから中塗り・上塗りと進めていきます。塗り直しをすることで木部の腐食を防ぐことができますが、すでに腐食している場合、それは木部の交換等が必要ですので、腐食してしまう前の塗り替えが重要です。
窓枠、破風板、雨どい等も同様に塗り直し付帯部塗装工事は完了です。
木部塗装には造膜型塗料と浸透型塗料がありますが、足場が必要な箇所やすぐに塗り直しができない箇所への塗装には造膜型塗料を使用することで塗り直しを頻繁に行う必要がありません。
ウッドデッキ塗装
最後はウッドデッキです。ウッドデッキはささくれ等を除去するためにまずはケレン・ペーパー掛けを行います。こちらの塗装には浸透型塗料のニューボンデンDXを使用します。浸透型塗料は木目等を残したまま木部の保護が可能ですのでウッドデッキ等の触る箇所への塗装には最適です。
その分造膜型塗料よりも劣化が早いため。5年程度で塗り直しを行うように心がけましょう。
屋根外壁・ウッドデッキ塗装工事竣工
屋根と外壁を塗り直すことで新築時の輝きを取り戻しました。
大きなイメージチェンジでしたが彩度はそれほど高くない色の為、木々との調和がうまく取れた仕上がりになりました。
配色を決めるのは皆さん非常に悩まれます。私たち街の外壁塗装やさんは、塗装後の後悔がないようカラーシミュレーションや見本板を取り寄せ、お客様のイメージ通りの仕上がりになるようお手伝いさせていただいております。
塗装費用や仕上がりに関して気になる方はぜひお住まい無料調査をご利用ください。
記事内に記載されている金額は2020年05月23日時点での費用となります。
街の外壁塗装やさんでは無料でのお見積りを承っておりますので、現在の詳細な費用をお求めの際はお気軽にお問い合わせください。
外壁塗装、屋根塗装、外壁・屋根塗装、ベランダ防水の料金プランはそれぞれのリンクからご確認いただけます。