町田市野津田町にお住まいのM様より、外壁塗装を検討しているのでまずは状態を見に来てほしいとお問合せをいただいたことが今回の工事のキッカケでした。現地にお伺いすると、築13年ということもあってまだまだ綺麗な外壁でしたが、ところどころ苔の発生が顕著な部分もある状態でしたが、南面のバルコニー周辺の外壁に異常を発見しました。無数にひび割れ(クラック
)が発生していたのです、詳しくお伺いすると、築数年で雨漏りを起こしたことがあるようで、建築会社の保証を使ってバルコニー周りの外壁をそっくり解体して新しく作り直した経緯があったとのことでした。
今回クラックが生じている箇所はそのやり直した外壁に集中しており、間違いなくやり直し工事に問題があったことがわかる状態でした。また、クラックの隙間や笠木の隙間などから、白いもこもことしたものが生えていることを発見いたしました。これは木材腐朽菌という菌の一種で、腐った木材に生えてさらに腐らせるという木造住宅の天敵のような存在です。重要なのは、腐朽菌が生えたから木材が腐るのではなく、木材が腐っているから腐朽菌が生えるという順番です。木材が腐っているということはつまり既存の外壁が雨漏りを起こしているという証拠であり、内部の木材がそれによって被害を受けているということになります。室内側に雨漏りが発生していなくても、このような現象を元に雨漏りを発見することができるので、事前の調査がいかに大事かがお分かりいただければ幸いです。
M様は他の業者さんでも相見積もりを取られたとのことでしたが、その他の業者さんは塗装すれば大丈夫との意見が多かったようで、今回の私の調査報告に驚いていらっしゃいました。雨漏りは塗装では直らないというのは、雨漏りの基本知識です。そのまま塗装する業者さんもいるかもしれませんが、私たちはこのままの状態での塗装は絶対にオススメしないということをご説明し、外壁の解体・復旧工事をしてからでなければ塗装は行わない旨をご提案させていただきました。
最終的に私たちのご提案の内容にご納得をいただき、外壁の解体・復旧工事を経て、外壁の塗装工事を行う運びとなりました。今回の事例では、その外壁の解体・復旧の部分をお届けします。外壁を解体すると予想以上に外壁内部に雨漏りが生じており、やはりこの工事を行わなければせっかく塗装した外壁を結局修理することになっていただろうという状態でした。事前の調査の通り外壁が雨漏りしていたことにM様もとても驚かれていましたが、しっかりと修復して塗装工事ができたことをとても満足していただけました。
町田市野津田町にお住まいのM様より、外壁塗装を検討しているのでまずは状態を見に来てほしいとお問合せをいただいたことが今回の工事のキッカケでした。現地にお伺いすると、築13年ということもあってまだまだ綺麗な外壁でしたが、ところどころ苔の発生が顕著な部分もある状態でした。くまなく調査していると、南面のバルコニー周辺の外壁に異常を発見しました。無数にひび割れ(クラック
)が発生していたのです、詳しくお伺いすると、築数年で雨漏りを起こしたことがあるようで、建築会社の保証を使ってバルコニー周りの外壁をそっくり解体して新しく作り直した経緯があったとのことでした。
今回クラックが生じている箇所はそのやり直した外壁に集中しており、間違いなくやり直し工事に問題があったことがわかる状態でした。クラックが生じているだけであればクラックの補修工事を行うという手もあるのですが、あまりにも数が多かったので、外壁そのものに問題が生じている可能性が高く、クラック補修だけでは根本的な解決にはならないのではないかと思いながら調査をしていると、見つかってはいけないものを見つけてしまうことになりました。
バルコニーの笠木の隙間から、白いもこもことしたきのこのような物体が出てきていることがお分かりでしょうか。これは、木材腐朽菌(もくざいふきゅうきん)といって、菌の一種です。腐った木材に寄生して繁殖することで、木をさらに腐らせていくという木造住宅の天敵とも呼べる存在です。重要なのは、腐朽菌が発生したから木が腐るのではなく、木が腐ったから腐朽菌が発生するという順序です。木が腐る、つまり外壁が雨漏りを起こしているから腐朽菌が発生したと考えることができるのです。このように隙間から腐朽菌が出てきているということは、内部で一通り繁殖して行先を失って出てくるパターンが多いため、少量でも外壁の隙間から腐朽菌を発見した場合は、内部はすでに手遅れの状態になっている可能性が高くなります。
これらの内容をM様にご説明したところ、相見積もりを取った他の業者さんたちは塗装すれば大丈夫といった内容が多かったとのことでした。しかしながら、
雨漏りは塗装では止まらないということは雨漏り問題の鉄則であるため、腐朽菌まで見つけてしまった以上、私たちはこのままの塗装をオススメしない旨と、外壁の解体・復旧工事を行わなければ塗装しないというご案内をさせていただきました。最終的に私たちの提案内容にご納得をいただき、解体・復旧工事を行う運びとなりました。
作業用の足場と埃などの飛散防止用のネットを貼り、まずは外壁の解体工事がスタートとなりました。笠木を取り外し、外壁のモルタルを剥がしていきます。外壁内部の柱などを傷つけないために、解体はバールやハンマーを使いながらの基本手作業となります。もちろん外壁はとても固いので、大変な重労働となります。剥がして早速の画像が左の写真です。無数にクラックができていて外壁そのものが脆くなっていたので、比較的簡単にはがすことができました。元々は黒い防水シートが貼られていたようですが、白く色が変わっています。これは全て腐朽菌です。また、その下の構造用合板と柱が湿っていることがわかります。外壁からの雨漏りのせいで、湿ってしまっていることがはっきりわかります。右の写真は解体を進めた反対側の柱の写真です。こちらも柱の周辺が腐っていることがわかります。
一通り既存外壁の撤去が終わってから、木部に対して防腐・防蟻の塗料を塗布いたしました。これ以上木を腐らせないことはもちろんですが、木が腐るとそれにつられて白蟻が集まって来てしまいます。そのような状態を防ぐためにも、防腐・防蟻に気を使って作業をすることは雨漏り工事では大事な工程になってきます。
柱も腐ってはいましたが、芯まで完全に腐っているわけではありませんでした。ベストな対応としては柱も新品に入れ替えることが理想ですが、そのためにはかなり大掛かりな工事が必要となってしまいます。予算も考えた結果、柱がまだ生きているということを考慮して、耐久性を確保するために添え木をすることで処置いたしました。この上に構造用合板を貼るため、面でも外壁を支えることができます。新築時に比べれば当然耐震性能などは落ちてしまいますが、幸い今回被害に遭った柱は2階などを支えている主要な柱ではなかったため、M様とご相談の上、今回の対応で進めるという方針になりました。
窓のサッシも雨漏りを起こしやすい部分です。サッシの取り付けられた羽に対して、防水テープを下から貼り合わせていきます。下から貼る理由は雨仕舞のためです。水は原則上から下に流れていくため、上から先にテープを貼り合わせていくと、下の方向に対して水の侵入口を開けることになってしまいます。そのため、下から貼ることで口を下向きにして、万が一雨水が外壁に浸透してきた場合でも窓枠に雨水が入ってこないように収めているのです。
外壁全体に防水紙を取付て行きます。先ほどの窓枠の防水テープと考え方は同じで、外壁の下側から防水紙を張り付けていきます。開口部が下を向くことで、万が一の場合でも外壁内部に水が入っていかないように施工しています。取り付けはホッチキスのようなタッカーと言われる道具で行っていきます。
防水紙を外壁に巻き終えたら笠木部分にも防水紙を巻いていきますが、雨漏りを一度起こしているためより防水性に優れた造りにするということで、笠木部分には屋根に使うルーフィングという防水紙を使用しました。外壁に使った防水紙はフェルトでできたものですが、笠木に使ったものはアスファルトでできており、より防水性能が高いものになります。念には念を入れて再発防止に努めています。
防水紙の施工が終わったらラス網という金属の網を外壁に取り付けていきます。ラス網はモルタルを外壁に塗る際に、外壁に留めるための役割を果たします。
ラス網の接地が済んだら、左官工事でモルタルを施工していきます。あまり知られていませんが、モルタルなどのセメント系の建材は、水とセメントが化学反応を起こすことで硬化していきます。そしてその硬化は、反応が緩やかに起こるほど硬度が増し、しっかりとした造りになっていきます。左官工事後すぐに雨が降るとモルタルが崩れてしまうのではないかと考える方も多いのですが、先に述べたようにセメントと水が反応することで硬度を増していく特性上、左官後の雨は特に問題ございません。むしろ、真夏などに雨も降らず一気に乾燥が進んでしまうと脆い仕上がりになってしまうため、真夏などの場合はあえて水をかけてあげたりなどの作業が必要となってきます。
緩やかに乾燥をさせるため、1週間以上の乾燥機関を設けました。日数はどうしてもかかってしまいますが、しっかりと乾燥機関を置くことで、今後の外壁がしっかり頑丈な外壁になるため乾燥の期間も大事な工程と言えます。しっかりと乾燥が確認できたら、次の工程に進んでいきます。
既存の外壁と風合いを同じにするため、弾性リシンを吹き付けて表面を仕上げました。ここまで来るとしっかりと外壁が仕上がったという感じがします。リシン吹き付けが仕上がったら、外壁の解体・復旧工事は完了となります。あとは今回解体しなかった外壁と共に、外壁塗装工事を行っていきます。外壁塗装工事の紹介は別の記事で書かせていただきます。
外壁塗装工事が終了し、見違えるほどきれいな外壁に生まれ変わりました。解体・復旧を経て、雨漏りの心配からも解放され、M様にも大変喜んでいただくことができました。ただ外壁を塗るだけに比べれば当然費用もかさんでしまいますが、外壁の根本的な問題を解決しないまま塗装工事を行ってしまえば、すぐに外壁の大きな工事を行う必要が出てくる可能性もあり、せっかく行った塗装工事が意味のない出費になってしまうことも十分に考えられます。長い目で見た際にどちらの方が良いのかということを判断したうえで、工事を選択していく必要があると言えるでしょう。
私たち街の外壁塗装屋さんでは、全国で感染拡大の続いている
新型コロナウィルスへの感染対策として、マスクの着用や手指の消毒を徹底して行っております。お問い合わせの際はご安心いただければ幸いです。
記事内に記載されている金額は2021年04月16日時点での費用となります。
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