長生郡白子町関に住宅を所有されているU様より棟板金が壊れたので修理の見積もりをお願いしたいとご相談をいただきました。今回破損した原因は強風ですので火災保険を利用して復旧工事を行いましたが、この際に足場の仮設も行いましたので、お住まい全体のメンテナンスとして屋根外壁塗装工事もご提案させていただきました。せっかく塗装するのであれば綺麗な状態を長く維持したいとのご希望から、屋根外壁共にフッ素系グレード以上の塗料を使用しました。
ビフォーアフター
工事基本情報
点検の様子
調査にお伺いしたのは長生郡白子町関の2階建て住宅です。強風によって棟板金が下地ごと外れてしまったということで雨漏りを起こす前の補修が最優先となります。棟板金の下地はほとんどのお住まいで木材が使用されています。板金が覆うように被せられていますので10年程度は問題なく使用できるのですが、雨水の吹込みや湿気によって木材が割れてしまい十分な固定が出来なくなってしまいます。そのため定期的に交換を行わないといけないのですが、塗装はするものの棟板金交換まで行っているお住まいも少なくこうして強風や台風時に飛散したタイミングで交換工事を行うケースが非常に多いように感じます。
棟板金が外れてしまったからと言って雨漏りを起こすわけではありませんが、防水紙が露出している状態が続くことになりますので屋根にとっては大きな負担になります。そこで今回はお住まいでご加入されている火災保険を利用して棟板金復旧工事を行うこととなりました。火災保険は棟板金の補修だけでなく、工事に必要な足場仮設費用も申請が可能です。そのためこの機会に屋根外壁塗装工事も行いメンテナンスコストを軽減させる方も多いのです。もちろん街の外壁塗装やさんでも長い目で見てお客様のご負担が少なくなるようなご提案をさせていただいております。
スレート屋根を見てみると元はブラックやブラウン系の屋根だったのでしょう。しかしコケや藻、カビが付着したことによりオレンジ色に変色してしまっています。コケ・藻は屋根材を破損させる直接的な原因ではありませんが、雨水の流れを堰き止め屋根材が吸水してしまう環境を作り出します。すると乾燥時に屋根材が浮きや反りを起こし破損しやすくなりますので、吸水させないよう定期的な塗膜保護を行う必要があります。
リシンやスタッコを吹き付けているモルタル外壁は、重厚感と柔らかな印象を併せ持ち大変人気が高いのですが、汚れが凹部に入り込むと洗い落とすのが難しいデメリットがあり、改善方法としては高圧洗浄で苔の根絶ちをし塗装メンテナンスを行うのが良いでしょう。新たな塗膜を形成することで表面のザラザラも滑らかになり汚れが付着しにくくなりますので、後程塗装後の表面と比較してみてください。汚れを付きにくくしたいという方は低汚染塗料や光触媒塗料をご提案いたしますが、日当たりの悪い場所、雨の当たらない場所では十分な効果を発揮できない可能性もありますので、あらかじめ塗料の特徴を把握したうえでご検討ください。
雨樋や雨戸、幕板と呼ばれる付帯部も屋根外壁同様に太陽光や雨水によって経年劣化を起こします。塗り替えで耐久性を維持することが出来ますが、木材が腐食していたり金属製素材が錆びてしまった場合などの低下した耐久性は元に戻すことが出来ません。屋根外壁にも同じことが言えるのですが、著しい劣化・腐食箇所はしっかりと交換・補修を行ったうえで塗装メンテナンスを行いましょう。
棟板金はこのままでは新たな飛散や雨漏りに繋がる恐れがありましたので養生処理を行いました。あくまで応急措置にすぎませんので早急に工事日程を決め、補修工事を行いましょう。
カラーシミュレーションで仕上がりをイメージ
屋根外壁塗装工事を行うのであればやはり気になるのは仕上がりですよね?そこで街の外壁塗装やさんではカラーシミュレーションを用いて塗装後の仕上がりイメージを作成しております。あくまでイメージにすぎませんので、おおまかに使用色が決めてから見本板等でご確認ください。今回は日本ペイントのパーフェクトシリーズを基に作成しておりますが、ほかの塗料等ももちろん承っておりますのでお気軽にお申し付けください。
まずND-010(ホワイト系)で清潔感を出し、ベランダにアクセントとしてND-013(グレー系)を使用しました。付帯部ももちろん色の変更が可能ですがサッシ枠や玄関等、塗装を行わない部分と統一することで外壁色の選択肢を絞ることなく塗装することができます。
つづいて今回実際に使用したND-461での1色塗りです。サイディングの場合は目地があるため、境を決めてツートンにすることも簡単です。しかしモルタルの場合は継ぎ目がない点が最大のメリットです。色も同様に1色で塗り替え清潔感を維持することで高級感も維持できます。
ちなみにこちらがND-461で塗装を行ったお住まいです。街の外壁塗装やさんには数多くの塗装実績がありますので、「この色の仕上がりを見てみたい」「どのような住宅に合うのか」等気になる点がございましたらご相談ください。住宅全体と見本板等の小さな面積で見た場合の色の見え方は全く違います(詳しくはコチラ)ので、色の見え方に関する注意点を把握し使用色を決めましょう。
屋根外壁メンテナンス
棟板金補修工事と塗装メンテナンスを行います。工事中は作業車や施工スタッフの出入り、施工中の騒音等が発生しますのでご近隣にお住まいの方へ工事前のご挨拶をさせていただきます。その際に【施工日程・注意点】に関してご了承をいただいてから工事を行いますのでご安心ください。
外装メンテナンスには足場仮設が必要不可欠です。建物の規模により異なりますが通常は仮設・解体共に半日程度要します。その際は単管の移動等がございますので十分に注意しながら作業を進めていきます。また塗装工事では塗料や水の飛散が考えられるため、飛散防止用メッシュシートを取り付けます。
棟板金交換工事
まずは棟板金交換工事です。スレート屋根材に開いた釘穴をシーリング材で埋め、貫板と呼ばれる木材を取り付けます。木材に不安を感じる、更に破損しにくく仕上げたいという方にはプラスチック樹脂製貫板への変更も可能ですのでご検討ください。棟板金は高耐久で錆びにくいガルバリウム(GL)鋼板です。この後に屋根塗装を行うため、スレート屋根材との色差はありません。
屋根塗装工事
板金の側面からステンレス製ビスで固定し棟板金交換工事は完了です。今回のように雨漏りを起こす可能性のある場所は高圧洗浄前に補修しなければなりません。サイディングやALCの目地やモルタル外壁に発生した構造クラック等がそれにあたります。そのため塗装の工程は多少前後することもありますが、正しい作業を行っていれば仕上がりに影響ありません。
高圧洗浄で屋根外壁に付着した汚れや劣化した旧塗膜を削り落としていきます。恐らく足場仮設の翌日に行うケースが多いと思いますが、高圧洗浄が早く終わったとしてもしっかり乾燥させなければなりませんので、この後の工程は翌日以降になります。
塗料が塗装を行わない場所について汚してしまわないように養生をし、屋根塗装から行います。
スレート屋根材は非常に薄い形状をしています。そのまま塗料を塗っていくと1枚1枚の隙間も塗料で埋めてしまい、屋根材内部に入り込んだ雨水の出口がなくなってしまいます。すると屋根材内部で毛細管現象が発生し雨漏りを起こしてしまいますので、必ず屋根材と屋根材の間に隙間を作り雨水の出口を確保(縁切り)しなければなりません。タスペーサーはスレート屋根材専用の縁切り部材です。これを屋根材1枚に対して2箇所取り付けて雨漏りを防ぎます。
塗装に使用したのは日本ペイントの遮熱塗料サーモアイ4F(フッ素)です。これは下塗りシーラーと仕上げ塗料がセットになっており、上塗りで反射しきれない赤外線を下塗りで反射させる「W反射」により高い遮熱効果を発揮します。下塗りで密着力を向上させてから仕上げ塗料で中塗り・上塗りをしていきます。
屋根に遮熱機能をもたせることで屋根の表面温度と室内温度の上昇を軽減させることが出来ます。体感温度としてはわずか1~2℃でしょう。しかし結果としてエアコンの設定温度を高くすることも出来、電気料の軽減が期待できるでしょう。エアコンの使用量が少なることがフロンの排出を削減させ、結果として地球温暖化対策にも貢献できます。遮熱機能を重視したい方はホワイト等明るい色を使用しましょう。
2回塗りで非常に高い光沢保持性と耐候性を持つスレート屋根材に仕上がりました。シリコン系塗料の塗り替えが8~10年に対し、フッ素系塗料は13~15年程度とメンテナンスサイクルが延びます。施工費用は一時的に高くなりますが、長期的に見た場合にメリットの多い選択です。スレート屋根材自体の寿命と塗装は密接な関係にありますので、スレート屋根材の耐用年数等を考慮した上で使用塗料を決めていきましょう。
外壁塗装工事
続いて外壁塗装を行います。スレート屋根材同様モルタルも水分を吸水しやすいセメント系素材ですので、高圧洗浄後十分に乾燥させてからの塗装になります。構造クラック等塗料で埋めることの出来ない劣化は塗装前に補修していきます。その後下塗りで密着性を高めていくのですが、シーラーではモルタルに発生した細かなクラックは埋めることが出来ません。そこでフィラーを使用しモルタル表面を平滑に仕上げていきます。
今回使用する仕上げ塗料は日本ペイントのパーフェクトセラミックトップGです。従来から使用されているパーフェクトシリーズで最も耐候性の高いラジカル制御形塗料になります。その耐候性はフッ素系塗料以上ともいわれており、外壁材を長期的に保護することが出来ます。また親水性機能による超低汚染性、防藻・防カビ性により、塗装後も綺麗な状態を維持することが出来ます。窯業系サイディングやモルタルはもちろん、コンクリートやALCにも塗装が出来ますが前回高弾性塗料を使用した場合は、塗料にしわ等が発生する恐れがありますのであらかじめご確認ください。
専用中塗り塗料の上に上塗りを使用していきます。仕上がりは艶有り・7分艶・5分艶・3分艶・艶消しと調整が可能ですので、使用色を制限される心配もありません。また従来通り水道水で希釈する水性塗料ですので、施工中の臭いも問題ありません。
今回はクリーム系のND-461(7分艶)にて塗装致しました。
付帯部塗装は下地処理が肝心です。雨樋等ツルツルとした面にそのまま塗料を塗っても密着力が悪く塗膜に剥がれが起こる可能性があります。そこで新品であっても必ずペーパー掛けで傷をつけ塗料と接する表面積を広げ塗膜の剥がれを防ぎます。施工後すぐは下地処理が不十分でも綺麗に仕上がりますが、1年経たず剥がれを起こす可能性があります。鉄部や塩ビ製の素材は特に塗膜が密着しにくい傾向がありますので必ず「目粗し」を行っているかの確認をしましょう。
鉄部は耐久性に優れていますが、経年の塗膜劣化により錆が発生することがあります。錆は鉄部自体の耐久性を著しく低下させるだけでなく、腐食が進行すると穴あきが起こってしまいますので状態を維持できるような塗装メンテナンスが大切です。凹凸の多い雨戸は液垂れで仕上がりが汚れる可能性がありますので、刷毛塗りではなくスプレーガンでの吹付塗装を行います。
木製の濡れ縁も雨水や太陽光にさらされることで腐食してしまいます。腐食した木材はシロアリを誘引させる原因にもなりますので使用するようであれば塗装や補修を行い、使用しない場合は撤去してしまいましょう。浸透型塗料で木目を活かして塗装することも可能ですが耐久性はやや劣る傾向がありますので、頻繁な塗り替えをしたくない・耐久性重視の方は今回のように造膜型塗料で塗り替えを行いましょう。
工事を終えて
工事のきっかけは自然災害による不運なトラブルでしたが、火災保険を利用し自己負担を軽減させて屋根外壁塗装工事を行うことが出来ました。さらにフッ素系以上の塗料を使用していますので、次回の塗り替えは15年程度先になります。一時的にコストはかかりますが長期的なサイクルコストは抑えることが出来ますので、頻繁に塗り替えを行いたくない・施工回数を減らしたいという方は高耐久塗料での塗り替えを行いましょう。築年数や今後考えなければならないメンテナンスサイクルは塗料を選択する大事な判断材料になりますので、お住まいの状態や経年劣化を確認した上で補修方法・使用塗料を検討していきましょう。
記事内に記載されている金額は2019年04月15日時点での費用となります。
街の外壁塗装やさんでは無料でのお見積りを承っておりますので、現在の詳細な費用をお求めの際はお気軽にお問い合わせください。
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