築十数年が経過し、改めてお家を見直したところ、新築時より外壁が色褪せているように見えたので、「そろそろ外壁塗装を行うメンテナンス時期なのだろうか」と考えたという四街道市旭ケ丘のお客様です。毎日のように太陽光に照らされている外壁は経年によって、だんだんと色褪せていきます。その色褪せが目立つかどうかは色味にもよってもかわり、薄い色よりも濃い色、暗めの色の方が褪色したと感じられます。お客様のお家の外壁は窯業系サイディングで、濃いめのグレー系の色ですから、どちらかというと色褪せが目立つものと言えるでしょう。点検を行った結果、シーリングが切れている部分やバルコニーのトップコートの剥がれも見つかったため、外壁塗装の他、シーリング打替えとバルコニーのトップコート塗り替えを行うことになりました。
一般的な二階建ての戸建て住宅です。遠くから見てみるとお客様の言うような色褪せはあまり感じられないのですが、近くで見ると何となく「新しいものではないな」ということが分かります。経年でシーンリングが痩せてきたため、窯業系サイディングとの間に隙間もできています。そろそろ打替え時期ですね。釘の頭もハッキリと見えるので塗膜も薄くなってきているのでしょう。
外壁の一部にシーリング材が塗布されていました。以前、何かの設備機器が取り付けられており、それを外した跡のようです。外壁に開けられた穴が不要になった場合、シーリング材で埋めるのは正しいことですが、1つ埋め忘れられた穴があります。ちょうどサイディングの窪みの部分にあるので見落とされた可能性が高いですね。日光がよく当たる南の部分の外壁は強く褪色が進んでいるようです。
続いてはバルコニーの外側です。格子部分の雨水が集中して流れるのか、その部分が変色し、雨染みになっています。それよりも問題なのが、シーリングが剥がれて垂れ下がっていることです。縦ではなく横の目地のシーリングなので、雨水を堰き止めるため、サイディング内側に入りやすくなります。幸いにも、サイディング自体に反りなどの変形はまだ出ていません。窯業系サイディングが雨水を吸収すると膨張し、乾燥すると収縮するので反りなどの変形が発生することがあります。
バルコニーの内側の若の部分です。床に傷があり、トップコートが剥がれています。この下の防水層に傷が達してなければいいのですが…。他の部分にもクラックが見られます。表面のトップコートの塗膜のひび割れならいいのですが、ちょっと心配です。お客様のお話ですと現在まで雨漏りしたことはなく、室内の湿気が特に多くなったと感じることもないようです。目視では剥がれて剥き出しになっている防水層に傷は認められませんでした。
バルコニーの調査が終わりましたので、建物の裏面に回り、調査を続けます。色褪せた部分の外壁にはチョーキング(白亜化)現象が発生しており、手袋に粉化してしまった塗膜が付いています。塗膜は紫外線などでこうやって分解され、雨などで流され、下地が露出していくのです。周辺の環境と立地に優れているのか、外壁への藻などの付着は見られませんでした。
お客様へ現在のお客様邸がどのような状態になっており、どのような工事が必要なのかをご説明するご提案書を作成し、お客様にご提出します。点検の記録として保管しておくといろいろと役に立ちますのでぜひ、保管をお願い致します。
私達は梯子などを使って、2階のバルコニーに近づき、点検をしますが、お客様がそうするわけにはいきません。お客様に現在の状態を知ってもらうため、点検写真の撮影はかなり重要な取毎です。お客様はこの画像を見て、ベランダのゴムみたいな部分が切れていることを初めて知ったそうです。
打ち換えた方がいいシーリングや塗膜の粉化などの画像もバッチリ掲載しています。基本的にここに掲載されているものは何からのメンテナンスをした方がいい部分とお考えください。お客様がご相談くださったように外壁塗装が必要な状態です。
こちらのページではシーリング状態を知ってもらうため、さまざまな部分のシーリングの画像を中心に掲載しています。お客様邸のお庭の花などが素敵な場合は最後に挿絵的に入れる場合もあります。何にしろ、お客様のお家のその時の記録であることには変わりません。
こちらは床面が剥がれたり、クラックが入っていたバルコニーの画像です。目視では防水層までその傷は到達していませんでしたが、ちょっと心配です。
前回のお打ち合わせの内容も箇条書きにしておまとめしています。現状の問題点とお客様の希望する材料の具体的なこともまとめています。高耐久で低価格というのはほとんどの方がおっしゃられます。工事個所も明確しています。
・外壁塗装=水谷ペイント ナノコンポジットW
・施工保証=外壁:12年 付帯部:3年
・外壁塗装=日本ペイント パーフェクトトップ(ハイブリット塗料)
・施工保証=外壁:10年 付帯部:3年
今回はお客様の「高耐久10年以上、低価格」とというご要望を受けて、2つのお見積りを作成しました。1つはずっと綺麗が長続き、ナノコンポジットWのお見積りです。こちらは12年の保証が付けられます。もう一つは現在、一番売れている塗料と言われているパーフェクトトップ。こちらは10年保証で、ナノコンポジットWよりも価格はお安くなります。
お客様が選択したのはパーフェクトトップのお見積り!
お見積りをご覧になった時、お客様が最初に口にした言葉は「この前、ナノコンポジットとパーフェクトトップでお見積りを作ってくると言ったから、ちょっとネットで調べました。そうしてたら、ナノコンポジットは艶がほとんどなくて、パーフェクトトップは艶があることが分かりましたので、パーフェクトトップでお願いします」でした。この時までお客様が気にしていたのは色褪せだと思っていたのですが、本当は艶だったことが判明しました。
外壁の色は4種類、付帯部2種類、計8通りの組み合わせのカラーシミュレーションを作成しました。付帯部と言っても、雨樋の色を変えただけなのです。普段、雨樋の色が気になってしょうがないという方はあまりいないでしょうが、こうして見較べて見ますと、同じ外壁の色でも大分、印象が変わることが分かります。お施主様がどれを選んだかは… 続きをご覧ください。
今回の工事においては普通の戸建て住宅なので、通常通りのオペレーションで大丈夫です。狭小地でもないし、道路の一部を使用するわけではないので、道路使用許可や警備員を配置するわけではありません。目の前の道路は通学路とかでもないのでいつも通りに安全第一で進めていきます。
まずは足場の仮設です。敷地内に余裕を持って仮設できるだけのスペースがあります。これはとてもありがたいことです。狭小地だとお隣の敷地を借りなければならないこともありますし、空中で越境させてもらうこともあります。狭いところではぶつけないように足場の運搬にも気を使わなくてはなりません。
足場仮設後は高圧洗浄を行います。高圧洗浄機は最大で15Mpa以上の水圧をかけることができる機会で、その水圧だけで汚れを落とします。
傷みの見られたシーリングを打替えます。目地にカッターを入れ、窯業系サイディングから切り離していきます。目地から剥がしていくと意外なほど量が多いことが分かります。1軒のお家にこれだけのシーリングが使われているということは、それだけ重要な部分だということです。
シーラーを塗布した後、新しいシーリング材を充填していきます。今回、シーリング材はオートンイクシードを使用しました。耐用年数は20年を超え、30年に迫るという高性能シーリング材です。一般的な塗料であれば、次の塗り替え時にシーリングを打替える必要はなくなります。今回はシーリングの上にも塗装するので、塗膜が剥がれても目立たないよう近似色を選びました。完全に乾く前に養生テープを取り去れば、シーリングの無打替えは完了です。
続いては養生です。塗らないところに塗料が付着しないようにするのが目的ですが、それ以外に『塗る部分と塗らない部分の境界線を綺麗に出す』という目的もあります。仕上がった時に腕の差というか技術差が出る部分です。この養生で仕上がりも大きく変わってくるのです。玄関は開閉できるように養生しました。何回も開閉していると剥がれてくることもありますが、そういった場合は遠慮なくお申し付けください。すぐに養生し直します。
パーフェクトトップ専用で、なおかつ窯業系サイディング専用の下塗り剤、パーフェクトサーフで下塗りしていきます。下地の隠蔽性が高く、濃い色から淡い色に塗り替える場合も仕上げ塗り用塗料を綺麗に発色させられるという特徴も持っています。世界シェア3位の日本ペイントの技術力は凄いものです。
仕上げ塗りの1回目、中塗りに入ります。お施主様にお選びいただいた色はND-342でした。日本ペイントオリジナルの色番号なので、普通の方はどんな色か全く想像つかないですよね。下塗りが乾燥しましたら、パーフェクトトップを使用して中塗りを行います。ここで見るとココアブラウンのような色です。
中塗りが乾きましたら、パーフェクトトップで上塗りを行っていきます。外壁塗装などはほとんど、仕上げ塗りを密着させる下塗り、仕上げ塗りの中塗りと上塗り、計3階の塗り重ねで仕上げていきます。上塗りが終わりますと、結構な艶となりました。艶無しでマットな感じを特徴としているナノコンポジットWではこうはいきません。
建物の塗装というのは外壁なら外壁、屋根なら屋根と部分的に塗っていくものではありません。1か所を塗装したら、乾燥して次の塗りを重ねるまで数時間以上の時間があきますので、違う部分の塗装を行います。付帯部というと外壁や屋根に較べれば狭い面積ですが、雨樋や鼻隠しなど塗りにくい部分も存在し、仕事の丁寧さを求められるところでもあります。素材も樹脂から金属、木材といろいろありますので、気を抜けない部分です。庇を塗装していきます。ここは金属製なので、下塗りは錆止めを使用します。
錆止め後は仕上げ塗り2回で仕上げます。ガルバリウム鋼板の庇のため、錆には強いのですが、しっかり塗装しておくに越したことはありません。上塗りを行っているとかなり綺麗に仕上がることが予想できました。
鼻隠しと軒天は2回塗りで仕上げます。ケレン後、よく埃を落としてから塗っていきます。塗料は軒天塗装と鼻隠し塗装では定番のケンエースGⅡです。油性のNAD型塗料でさまざまな場所に塗れる塗料です。
カラーシミュレーションを行ったところ、雨樋は濃い焦げ茶の方が引き締まって見えるとということでこの色になりました。ほとんどの雨樋は樹脂製で、もともと顔料が塗りこんであり、色が付いていることから「塗らなくてもいいのでは」と思う方も多いのですが、塗っておくべきです。樹脂製の雨樋は紫外線に当たることによって柔軟性を失って硬化し、割れやすくなります。長持ちさせるために塗装で保護してあげましょう。
雨戸も塗装します。雨戸は表面が波板状になっているので、スプレーガンで塗った方が綺麗に仕上がります。こうして見て見ると、まるで新品のような仕上がりです。日中は戸袋に仕舞われていることも多いので、こうやって見てみると意外に広い面積を占めていることが分かります。全て綺麗に仕上がりました。
トップコートが剥がれているので、全て剥がして防水層が傷ついていないかを確認します。密着力が落ちているせいか結構、簡単に剥がれてしまいました。トップコートが剥がれた部分、クラックが入った部分、いずれも傷が付いていなかったため、このまま再度、トップコートを塗布します。
雨漏りを防ぐため、伸縮目地も新しくしてしまいましょう。剥がして清掃し、シーラーを塗っていきます。立ち上がり部分は雨水の浸入口となりやすいので、メンテナンスする際には充填ポイントになります。シーラーの塗布量が足りないと剥がれてきますので、必要充分量を塗布します。
シーラーを塗布したところにシーリング材を充填していきます。これでこれまでよりも立ち上がり部の防水性能がアップしました。その後、新しい伸縮目地嵌め込み、トップコート塗布していきます。次のメンテナンスではトップコートの塗り替えではなく、新たな防水層をつくる防水工事になると思います。
外壁塗装とバルコニーへのトップコート塗布が完了しました。バルコニー床面の傷もなくなり、外壁の艶も戻り、イメージチェンジも行いました。これで、この先10年も安心して住めるでしょう。パーフェクトトップの耐用年数は13年以上と言われています。これからは定期点検にお伺いしますので、ご安心ください。
記事内に記載されている金額は2020年08月28日時点での費用となります。
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