千葉市中央区の築8年になるお住まいです。
10年を経過してから外壁塗装を検討していたようですが、飛込みの施工業者様から早急な塗り替えが必要と指摘されたため、費用が妥当なのか、現在の状態に合わせての塗装の適切な時期を確認いただきたいとご相談を頂きました。
今回は塗膜劣化のサインと、少し変わった塗装方法をご紹介いたします。
窯業系サイディングの柄・凹凸があるお住まいは必見です!
ビフォーアフター
工事基本情報
点検の様子
千葉市中央区、少し高台にある築8年のお住まいです。
階段を上がっていくと、木々に囲まれベランダの色が印象的なお住まいがありました。
お問い合わせを頂いたきっかけは他業者様の訪問です。築8年にもかかわらず、「早急に塗装の必要がある」と指摘を受け、不安を感じられたようです。
10年前後での塗り替えをご検討中だったようですので、今すぐに補修しなければならないのか?頂いたお見積は、塗料に対しての費用が妥当なのか?と分からないことが多く、相見積もりのご相談を頂きました。
8年というと正に塗装に最適な時期ですが、まずは現状を確認し、塗装の緊急性を判断させて頂きます。
2階建て、ベランダだけ仕上げを変えた窯業系サイディングです。
手で撫でてみると白い粉が付いているのが分かりますよね?塗り替えのサイン「チョーキング現象」です。
もともと液体だった塗料が塗膜として外壁を保護し、紫外線や雨風に晒され続けることでチョークのように粉状に摩耗してしまう現象を指します。
このような状態になると、見栄えも色ぼけた印象になってしまいますし、塗膜は既に外壁を守れません。
通常塗り替え推奨時期は10年と言われていますが、新築時には全体的にコストがかかる為、なるべく安価に仕上げようと努力がされています。
その中で、塗料は最もグレードの低いアクリル塗料で仕上げられている事が多い為、10年経過するまでに劣化してしまいます。
2回目以降の塗装は、前回使用した塗料の性能に合わせて時期を検討しますが、新築時に限っては5~8年前後での塗装がオススメされています。
窯業系サイディングの日常的なメンテナンス方法
塗料が経年劣化すると、外壁材に汚れの付着や苔の繁殖が見られるようになります。
日当たり・風通しが良い面、雨水が当たる場所は比較的綺麗ですが、北側は劣化が顕著に表れているはずです。
お住まいの状態を判断するには、最も劣化が目立つ面を参考にメンテナンスを検討していきましょう。
軽く清掃を行ってみると表面の汚れは落ちましたが、うっすらと外壁に付着したままです。
窯業系サイディングの寿命を延ばす為に、日常的な清掃としてホースや雑巾を使いながら水洗いをしていきましょう。
高圧洗浄やスチーム洗浄を行うと手軽に早く清掃が出来ますが、窯業系サイディング自体を傷めてしまいます。
旧塗膜を剥がすような作業を行うのであれば、塗装をセットに行っていきましょう。
水洗いで洗剤を使用した際には、手洗いも徹底しましょう。
ちなみにホースで散水する際は、必ず上から下に向けて水を流しましょう。下から上に向けて高水圧を当てると、目地などから室内に漏水してしまう恐れがありますので、ご注意ください。
窯業系サイディングに必ずある目地です。ハウスメーカーによっては、目地のシーリング材が劣化しないように目地カバーを使用している事もあります。
劣化を遅らせることは出来ますが、いずれは傷みが進行してしまいますので、目地補修を行いましょう。
新築時に使用される目地シーリング材は、5年程度で劣化し始めるものが多いです。
同等のシーリング材を使用すると、外壁塗装と同時に施工しても、次のメンテナンスサイクルはどうしてもずれてしまいます。
そこで街の外壁塗装やさんでは、塗料のグレードに合わせて高耐久のシーリング材の使用をご提案させて頂いております。
高耐久のシーリング材を使用すれば、次回の塗り替え時に目地の補修をする必要もなくなるかもしれません。
費用は当然高くなりますが、次回補修しないようでしたら価格差は当然無くなりますので、一度ご検討ください。
お住まいは屋根と外壁で出来ている訳ではありません。
軒天や破風板・鼻隠し、雨樋、雨戸、霧除け、化粧板等さまざまな部位でお住まいは成り立っています。
どれも経年劣化を起こしてしまいますので、必ず外壁と同時に状態確認と塗装メンテナンスを行っていく必要があります。
点検してみると破損もなく、多少の色褪せ程度でした。あまり気にならない方も多いと思いますが、屋根外壁が綺麗になると色褪せが目立ちますし、紫外線により腐食や破損を起こしやすくなる素材が大半です。
鉄部は錆の発生も起きますので、不具合が出る前に補修を行っていきましょう。
バルコニーの定期的なメンテナンス
続いてはバルコニーです。人工芝を敷くことで紫外線を遮り、防水表面が傷みにくいです。
水捌けが悪くなると防水層が傷んでしまいますので、定期的に清掃・換気をしてあげると良いでしょう。
マットや人工芝を敷いて表面保護をしている場合は取り外すことが出来ますが、タイルをFRP表面に貼っているお住まいもありますよね?
雨水が入りにくく劣化防止にも繋がっていますが、いざ防水工事を行う際には剥がして補修、再度設置と非常に大変ですし、何よりも防水の目視確認が非常に難しいです。
お手軽に清掃・補修が可能な素材を使用し、表面保護を行うのが良いかもしれませんね。
広いバルコニーで使い勝手が良さそうですね!
表面には剥がれもなく目立ったひび割れもない為、雨漏り等は心配しなくても良いでしょう。
ただ生活をしているだけで、表面のトップコートは傷んでしまいますので、防水層が露出しないように定期的なトップコートの塗り替えは行いましょう。
排水もしっかりチェックです。ゴミが溜まると水捌けが悪くなり、滞留時間が長くなります。すると防水面が傷んでしまい、排水ドレン周辺から雨漏りを起こしてしまう恐れがあります。
詰まりを解消するだけで、防水の寿命を延ばすことができますので、大掃除等のタイミングで清掃をしましょう。
バルコニーは壁がある為、湿気がこもりやすく不具合が生じやすい場所です。
防水面だけでなく内壁も傷みやすく、外壁と内壁の劣化スピードは異なります。外観は異常が見られなくても、内壁に苔やカビの付着や水染みが見られるかもしれません。
外観だけでなく、必ずお住まい全体をくまなく確認し、メンテナンスを行っていきましょう。
スレート屋根の経年劣化で現れる症状
続いては屋根点検です。屋根材は現在多くのお住まいで使用されているスレート瓦です。
軽量でカラーバリエーションが豊富な為、和風・洋風どちらのお住まいにも向いています。
塗装で色の変更が可能ですので、イメージチェンジをするにも簡単です。
スレートの防水は塗膜によるものですので、10年程度での塗り替えは必要になります。
しっかりとメンテナンスを行っていれば、25~30年は使用することが可能ですので、屋根カバーや葺き替えなどが不要な状態を維持するように心がけましょう。
塗膜が劣化すると外壁と同じく、苔や汚れの付着が目立つようになります。
外壁の苔が緑色だったのに対して、屋根はカビも付着しオレンジ色に見えます。
苔の繁殖は雨水を滞らせ水捌けを悪くし、屋根材が吸水をしてしまいます。
そこに紫外線が当たると、屋根材が浮きや反りを起こし割れやすくなってしまいます。
苔の繁殖自体はそれほど緊急性はありませんが、屋根材の寿命を縮めますので、必ず塗装で保護をしていきましょう。
外に取り付けられたフェンスやラティスの状態も、お住まいの外観を大きく左右します。
木製のウッドデッキは定期的に塗らなければ、雨水を吸い込み腐食してしまいます。
塗装前に一度木材の劣化を確認し、必要に応じて交換を行ってから塗り替えましょう。
木製に適した塗料は、後ほどご紹介いたします。
今回、築年数とチョーキング現象から若干早いですが、塗装メンテナンスをご提案させて頂きました。
玄関ドアの色に合わせて、暖色系でまとめていきたいと思います。
施工前にカラーシミュレーションを作成し、打ち合わせを行った上で作業に取り掛かっていきます。
屋根外壁塗装工事
メンテナンス開始です。まずは工事を行うための足場を組みます。
カーポートが住宅の傍にある場合、木々が外壁に接触している場合は、足場仮設と塗装作業が難しい為、一度取り外したり木々を伐採する必要が出てきます。
カーポート屋根や波板が設置してから数年も経過していると、取り外したタイミングで割れを起こす可能性もあります。
年数が経過している、ひび割れが見られる、色褪せや汚れの付着が目立つ場合は、この機会に交換を行いましょう。
足場を組んでから飛散防止用のメッシュシートを取り付け、高圧洗浄を行っていきます。
高圧洗浄で雨漏りを起こさないように、事前に不具合のある場所を確認し、必要に応じて洗浄前に補修を行います。
屋根の頂部に取り付けられた棟板金の釘が抜け、3箇所の浮きが見られました。
雨水が入り込まないように避け、洗浄後に交換補修を行っていきましょう。
小屋裏の換気を行うための【換気棟】が取り付けてあります。
換気棟は内部の空気を排出し、外部からの雨水を防ぎますが、ジョイント部分に隙間を作ると雨漏りを引き起こす可能性があります。
板金が屋根に固定できていないのは、貫板と呼ばれる木材が腐食している事が考えられます。
ビスを増やして固定できれば良いのですが、貫板が腐食していれば交換を行います。
棟板金交換後、高圧洗浄で屋根表面を綺麗に洗い流して充分に乾燥、ここからようやく屋根塗装を行う事が出来ます。
下塗りに遮熱性能があるサーモアイシーラーをまんべんなく塗ります。白色ですので旧塗膜の色を綺麗に隠し、新たな色が綺麗に発色されます。
シーラーが乾燥した後に、縁切り専用部材のタスペーサーを屋根間に差し込み、隙間を作ります。
屋根材間の隙間を塗料で埋めてしまうと、【毛細管現象】を起こし、屋根材が傷んでいないにも関わらず雨漏りを起こす恐れがあります。
スレート屋根材は薄い形状の為、屋根材が密着しやすくなりますので、タスペーサーの設置か、カッターや皮スキでの縁切り作業は必要不可欠です。
棟板金は交換後、継ぎ目をシーリング材で塞ぎ防水処理を行います。
中塗り、上塗りはサーモアイSiのクールブラック(全日射反射率:28.4%、金赤外線反射率;61.0%)を使用しています。
遮熱性能は屋根の色が明るければ明るい程、高い効果を発揮します。
通常塗料の白色と遮熱塗料の黒色を比較すると、通常塗料の白色の方が高い遮熱効果があるとも言われますが、黒色の屋根にしたいが暑くなるのを防ぎたい場合は、遮熱塗料の使用をお勧めいたします。
サーモアイは、下塗り塗料と仕上げ塗料どちらにも遮熱効果があります。Wの遮熱効果で屋根の表面温度上昇、室内温度上昇、エアコンの使用率を抑え、電気代の節約も期待できます。
地球温暖化対策にも貢献出来ますので、室内環境の改善に合わせ一石二鳥です。
サーモアイは全40色、遮熱機能のある外壁用塗料や道路用塗料も取り揃えていますので、お住まい全体の温度上昇を抑えて快適に生活しましょう。
外壁も同様に、下塗り・中塗り・上塗りの基本3回塗りを行います。
まずは下塗りで素地と仕上げ塗料の密着性を高め、素地の吸い込み止めを行います。
中塗りからはお楽しみの着色ですが、今回は少し特殊な塗装を行います。
通常の塗装は、1色でサイディングの模様や柄に関係なく塗りつぶしていきます。
今回も中塗りまでは同じ塗り方を行い、同時進行で軒天等の塗装も行っていきましょう
サイディングの凹凸を活かした柄塗装
上塗りはローラーの種類を変え、サイディングの凸部分のみを塗ります。
するとサイディングの凹凸で塗り分け、塗りつぶしよりも高意匠、新築時のような仕上がりになります。
凹部分が水谷ペイントの低汚染塗料ナノコンポジットWのNC-10、凸部分がNC-33のベージュ系で統一しています。
サイディングの凹凸に合わせて色を変えることで、立体感がありお洒落な仕上がりになります。
ベランダ部分はブラウン系のNC-24です。ベージュ・ブラウンは非常に相性が良く、バランスの良い組み合わせです。メインよりも濃い色を使用していますので、アクセントになりますね。
表面の仕上がりも違いますので、同じ塗料・艶ですが違った印象を与えます。
ナノコンポジットWは親水性の低汚染塗料です。外壁を伝う雨水が付着した汚れを落とす「セルフクリーニング機能」を持ちます。
3分艶ですが、艶消しのような落ち着いた外壁に仕上がります。
水性塗料ですので臭気もなく、早く乾燥しますので施工性にも優れています。
ウッドデッキの笠木と呼ばれる頂点に取り付けられた木材です。
雨水が最も当たりやすい場所ですので、非常に劣化しやすい場所です。普段は塗膜で保護されていますが、木部は呼吸や収縮・乾燥により塗膜も劣化しやすいです。
塗膜が劣化すると木材がそのまま吸水してしまいますので、どんどん傷んでしまいます。
水分を多く含むと、塗膜保護をしても膨れを起こす恐れがあります。塗膜も比較的早く剥がれてしまいますので、新たな木材に取り替えて塗膜保護をした方が良いです。
今回は笠木のみ新規木材で取り替えました。ウッドデッキに適した塗料は浸透型塗料と造膜型塗料に分類されます。
造膜型塗料は表面に塗膜を形成する為、雨水を浸入させない仕上がりになります。木材の質感は無くなってしまいますが、腐食を防ぎますので傷んだウッドデッキには適しています。
浸透型は、代表的な木材用塗料です。木材に染み込ませ内部から耐久性を高める為、木質感を維持することが出来ます。
木材の傷みもそのまま残しますので、劣化が酷くない木材に適しています。
塗り替え時には前回使用した塗料に大きく影響を受けます。油性の下地には油性、水性の下地には水性を使用するのが基本ですが、水性下地には油性を使用することも可能です。
今回は油性のキシラデコールを使用し、更なる腐食を防ぎました。
バルコニーは、清掃後に下地処理・油脂の除去、プライマー、トップコート塗布で表面を塗り直しました。
定期的な施工を繰り返すだけで、防水層の劣化を防ぐことが出来ますので、ひび割れや亀裂が起こったら早急に塗り替えを行いましょう。
全体の塗装が終わったら塗り残し、塗りムラが無いか確認し、細かな補修を行っていきましょう。
柄塗装はローラーの違いだけで塗装箇所を変えていますので、タッチアップと呼ばれる最終確認が非常に重要になります。
最後に玄関タイルの目地の補修を行いましょう。タイル目地にひび割れが入り雨水が浸入してしまうと、タイルの浮きを起こす可能性が高くなります。
雨水を浸入させないように、コーキング材で補修を行いましょう。
マスキングテープで目地部分を綺麗に養生し、コーキング材を打設します。
補修後はマスキングテープを剥がし、充分に乾燥させます。
しばらく触れないように気をつけましょう。
今回は窯業系サイディングの凹凸(模様・柄)を活かした、塗り分け塗装を行いました。
タイル調や凹凸がしっかりしているサイディングに使用することが出来ますので、塗りつぶしは勿体ない、お洒落に仕上げたい、現在の仕上がりを損ないたくないとお考えの方は、ぜひ一度柄塗装をご検討ください。
外壁メインの下地はNC-10、表面はNC-33、ベランダ外壁はNC-24を使用しています。
付帯部はブラックにまとめていますので、外壁に3色使用しても統一感のあるお住まいに仕上がりました。
付帯部は塗装前にペーパー掛けで、汚れと錆の除去・目粗しで表面に細かな傷を付けてからの塗装です。
凸凹な雨戸は塗料垂れを起こす可能性がありますので、スプレーガンで均一に吹き付けて仕上げました。
表面が滑らかな雨樋はそのまま塗装をしても密着力が低く、塗膜が剥がれやすく仕上がってしまいます。
だからこそ目粗しが必要なのです。新品の雨樋であっても無数の傷を付けることで、塗料と密着する表面積が広がり、剥がれにくく仕上げることが出来ます。
今回は一味違った塗装方法で、塗膜保護だけでなく、お洒落な外壁に仕上げることが出来ました。
塗装回数が変わりますので、施工費用は若干高くなりますが、10年程度に1度の塗装後、そのお住まいとしばらく付き合っていくんです。
色や仕上がりは充分に打ち合わせを行い、塗装メンテナンスを行っていきましょう。
塗装メンテナンスの最適な時期、補修方法、施工費用、塗料に関するご質問等、気になる点がございましたらお気軽に、街の外壁塗装やさんへご相談ください。
点検・お見積りは無料にて承っておりますので、ご安心ください。
記事内に記載されている金額は2021年10月13日時点での費用となります。
街の外壁塗装やさんでは無料でのお見積りを承っておりますので、現在の詳細な費用をお求めの際はお気軽にお問い合わせください。
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