千葉市中央区のお客様より、外装リフォームのご相談を頂きました。
築12年で、気になるような不具合を感じられないという事ですが、メンテナンスとして外壁塗装と屋根葺き替え工事をご検討されていました。
無料点検で葺き替え工事が必要か判断し、補修工事のご提案をさせて頂きました。
高耐久のシリコン系塗料を使用しましたので、特徴についてもご紹介したいと思います。
施工内容
外壁塗装 屋根塗装 防水工事 シーリング打ち替え
使用材料
屋根:ルーフマイルドSi(ダンケルブラウン)
外壁:水系ファインコートSi(KN042E)
付帯部:ファインSi(黒)
築12年、雨漏りもなく生活に支障のないお住まいです。
そろそろ塗装はしておいた方が良いかな?という時期からお問い合わせを頂きましたが、屋根は葺き替えをご検討されていました。
屋根葺き替え工事は、塗装よりもはるかに費用がかかってしまいますので、屋根材自体に大きな問題があったり、住宅の軽量化を図っていない限りは、行う工事ではありません。
そこで今回は、外壁と屋根の状態を確認し、現状に合ったメンテナンスをご提案させて頂きたいと思います。
まずはサイディング外壁です。セメント質と繊維質を主な原料とし、工場で板状のボードに成形しています。
現場で張り付けるだけですので、モルタル外壁と違い工期が短く、安定した仕上がりになります。
ボード間には目地と呼ばれる隙間が出来ますので、シーリング材を充填し、雨水の浸入を防いでいます。
新築時には、安価なアクリル塗料で塗膜保護をしていますので綺麗ですが、経年により塗膜が劣化し、徐々に色褪せや汚れが付着し、見栄えが悪くなってしまいます。
最も汚れや苔が目立つのは、北側など日当たりが悪い面です。立地によって汚れ具合は違いますが、10年を経過する頃には、お客様自身も気になり始めるかと思います。
こちらのお住まいは、苔も汚れも全く目立たず、せいぜい若干の色褪せ程度です。
まだ塗装をしなくても良いか!と考える方もいらっしゃると思いますが、塗膜は確実に劣化しますので、状態が悪化する前に塗装メンテナンスをしていきましょう。
こちらが目地です。サイディングやALC外壁など、ボード状の外壁材には無数に存在します。
常に太陽光・雨風に晒されていますので、新築時よりも硬くなり、ひび割れ・肉痩せ・亀裂を起こし、目地に隙間を作ってしまいます。
ボード状の外壁材補修の際には、必ずシーリング材の打替え工事をお勧め致します。
既存シーリング材の上に施工する、増し打ち工事も可能ですが、傷んでいる部分を保護するだけでは充分に効果が得られません。
またモルタル外壁でも、サッシ周りをシーリングで隙間を塞いでいます。
サッシ周りは打替え工事をすることで、かえって隙間を作る恐れがありますので、増し打ち工事で対応させて頂きます。
点検で、外壁に立て掛けられたボードを発見しました。
敷地内に段ボールを長期的に置いているお住まいもあると思いますが、意外な危険が潜んでいます。
木材や段ボールが雨水を吸い込んで濡れた状態にあると、シロアリが寄ってくる原因になります。
一度寄ってきたシロアリは、他の食料を探すためにお住まいに浸入する危険性もありますので、屋外の清掃も定期的に行いましょう。
屋根裏やバルコニーの裏側は、軒裏天井(軒天)と呼ばれ、住宅構造を隠すために設置されていますが、雨漏りの有無を確認することも出来ます。
構造的に湿気がこもりやすい場所ですが、雨水が直接当たるような場所ではありません。
それでもハッキリと雨染みがある場合は、真上で雨漏りを起こしている可能性があります。
疑わしい場合は、塗装前に真上の劣化確認を行いましょう。
雨樋は、強風や積雪などの自然災害によって破損することがあります。
オーバーフローや排水不良を起こすと、被害を更に拡大させることもありますので、早急に補修しましょう。
今回は、縦樋の固定金具(でんでん)が外れていたため、戻して再固定をしました。
いずれ錆びるステンレス製のでんでんを使用しているお住まいもありますので、腐食していないかの確認をし、必要に応じて交換を行いましょう。
経年劣化によって雨樋も色褪せていきます。特に、雨樋や破風板・鼻隠しは、住宅をぐるりと囲んでいます。
細かな部位ですが、色褪せるとお住まいの印象を大きく変えてしまいます。塗装をするにしても足場仮設が必要ですので、塗装工事は同じタイミングに行いましょう。
ベランダ防水層の確認も行いましょう。
築12年程度では雨漏りは起こしていないと思いますが、ダメージは蓄積されています。
表面に細かなひび割れがあるのは、トップコートの劣化ですので、防水層には影響ありません。
防水層は太陽光によって傷みやすくなってしまいますので、トップコートで劣化を防いでいきましょう。
葺き替え検討中のスレート屋根です。色褪せや苔の付着は見られますが、ひび割れや破損が無く、非常に良い状態です。
棟板金には若干の浮きは見られますが、ビス止め補修を行うことで、充分に改善できます。
今回は葺き替え工事の必要はなく、屋根塗装工事で屋根材を使用し続けることが可能と判断させて頂きました。
屋根の劣化しやすい場所として、棟違いの取り合いが挙げられます。
お洒落な屋根形状にしたい!と強い希望がある場合か、道路斜線や日影規制で形状の変更を余儀なくされる場合以外は、シンプルな形状が最も良いとされています。
複雑な形状になるほど雨漏りのリスクは高まり、メンテナンス方法は難しいです。
屋根が段違いになっているお住まいは多くあるかと思いますが、雨の吹き込みによって段違い部分が傷みやすい性質があります。
和風住宅の入母屋、鳩小屋(ドーマー)が設置されているアパート等も同様に、メンテナンスの難易度は高いです。
天窓(トップライト)、換気棟の、屋根材と異なる部材が取り付けられた住宅も、接している部分に隙間が生じやすい為、気をつけましょう。
屋根外壁共に築年数なりの色褪せはあるものの、状態は非常に良いため、全体塗装メンテナンスをご提案させて頂きました。
使用塗料・仕上がり・工程等の確認をし、工事中のトラブルが起きないように打ち合わせを行っていきます。
敷地内に樹木がある場合は、足場仮設が出来るかを見直し、必要に応じて伐採・処分が必要です。
近隣住宅へ工事前のご挨拶をさせて頂き、施工へと進んでいきます!
色褪せている部分はチョーキング現象を起こし、白い粉が付着しています。
洗浄で白い粉を落とさなければ、塗装をしても比較的早く剥がれてしまいますので、たとえ一見綺麗に見えたとしても、高圧洗浄で表面を洗い流していきます。
洗浄後は充分に乾燥させるため、次の工程は翌日以降です。
棟板金は、下地木材が腐食していなかったため、SUS製ビスで再固定していきます。
仮に木材が雨水を吸い込み腐食している場合は、釘やビスで固定が出来ないため、交換が必要です。
今後の木材の腐食が心配な場合は、樹脂製の貫板への変更も可能ですので、お気軽にお申し付けください。
屋根材の下地補強・下塗り後、スレート屋根材の隙間にタスペーサーと呼ばれる、縁切り専用部材を差し込んでいきます。
薄い屋根材は塗装をするとぴったりと密着し、隙間を塞いでしまいます。
すると、屋根材下部に入り込んだ雨水の出口が無くなり、屋根下部で滞留し続け、毛細管現象を起こし雨漏りを発生させてしまいます。
屋根塗装がきっかけで、雨漏りを起こす屋根になってしまうなんてまさに皮肉です。
更にこのようなトラブルによるご相談は、近年でも頂くことがございます。施工前の説明や、見積もり項目等で確認することも出来ますので、誤った施工がされていないのか確認しましょう。
屋根塗料は水谷ペイントのルーフマイルドSiです。ポリウレタン樹脂のルーフマイルドUをベースに、シロキサン結合(シリコン樹脂)を付与したことで、高耐久の塗膜を形成し、汚れにくく、綺麗な艶を発します。
弱溶剤のため臭いも少なく、高い防藻・防カビ機能も有していますので、長期的に綺麗な状態を維持することが出来ます。
こちらの塗料は、スラリー層で保護されたモニエル瓦等の塗装にも適していますので、屋根材の種類を確認し、ご使用をご検討ください。
外壁塗装は付帯部の塗装と同時に進行していきます。
まず後々汚れる可能性の低い軒天を塗っていきます。軒天は明るい色にすることで住宅全体を明るい印象に、暗い色にすると重厚感を感じられます。
特に指定が無い場合は、どのような色にも合うように明るい色のご使用をお勧め致します。
外壁塗装には、水系ファインコートシリコンを使用しました。
こちらは水性塗料ですので、シンナーではなく水で希釈します。臭気がなく近隣へのご迷惑にもなりません。
水性塗料は油性塗料よりも性能に不安があるという方もいらっしゃいますが、環境にも人体にも優しい水性塗料は、力を入れて開発されています。
現在はほとんど差がないとも言われていますので、ご安心下さい。
ファインコートシリコンは耐久性・耐候性・低汚染性に優れており、綺麗な塗膜で、長期的に外壁材の保護をすることが出来ます。
外壁と同時に照明器具や、換気扇、破風板等の付帯部を塗り、綺麗に仕上げていきます。
付帯部の塗装前は、ペーパー掛けで表面の目粗しを行ってから塗装をします。
目粗しを怠ると塗膜の密着性が弱く、数年後に剥がれを起こす可能性があります。
塗装で最も大切なのは、塗料のグレードではなく、下地調整です。下地に合った処理を行っていきましょう。
使用塗料はファインSiの黒です。新築時のような艶やかな付帯部に仕上がりました。
付帯部塗装は、1色多くても2色で仕上げましょう。3色以上や原色を使用すると、外壁とバランスが取れなくなり、見栄えが悪くなってしまいます。
あくまでメインは外壁ですので、邪魔とならずに相性の良い色で、付帯部を仕上げていきましょう。
ベランダにも大きな破損はありませんでしたので、洗浄後にトップコートで表面保護をしました。
あらかじめヒビ部分を取り除き、アセトンで表面油脂を拭いてから、トップコートを塗っていきます。
トップコート自体に防水機能はありませんが、目的は防水層の劣化防止です。5年毎に塗り替えを推奨されていますので、防水層が傷んで雨漏りを発生させないように、メンテナンスを行っていきましょう。
築12年の補修が必要ない綺麗な状態で、塗装メンテナンスを行ったからこそ、費用を最小限に抑えることが出来ました。
屋根外壁共に良い状態を維持できていますので、塗膜の密着性も良く、長期的に綺麗な状態が続くことが期待できます。
塗装メンテナンスの推奨時期は、素材を傷めないために決められています。大規模な工事を必要とする状態になる前に、定期的な塗装工事を心がけましょう。
記事内に記載されている金額は2021年10月13日時点での費用となります。
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