ビフォーアフター
工事基本情報
点検の様子
早速お住まいの様子を見ていきましょう。といっても初めてお伺いしてみた印象は「綺麗」です。色あせや汚れの付着を感じさせず、綺麗に手入れをされていらっしゃる印象が第一でした。もちろんお住まいは日々太陽光や雨水に晒されているため、どれほど丁寧な清掃を心がけても少しずつ変化が現れますので今回はそういった細かい場所を部位の特徴を踏まえチェックしていきたいと思います。
まずは外観、2階建てのモルタル外壁で上部に化粧板が取り付けられている洋風なお住まいです。暖色系の外壁と白い付帯部で柔らかい印象を感じさせる大きなお住まいです。細かく見ていきますと軒天と呼ばれる屋根の裏板に若干の汚れがありました。軒天は外壁に当たった風や湿気が溜まりやすい場所ですので、特に汚れや腐食が気になる場所です。掃除をしようにもカラーベニヤやケイカル板は水に弱い為ほうきで払い落とす程度の清掃しかできません。今回は屋根・外壁に合わせ塗り替え、新築時の白さを取り戻します。
続いてモルタル外壁です。モルタル外壁の最も大きな特徴は【クラック(ひび割れ)が発生しやすい】ことです。モルタルがそもそも水と砂、そしてセメントを混ぜ合わせている素材ですので、クラックが発生しやすいのも仕方ありません。特に新築から10年程度は建物に使用されている木材が動きやすいことからクラックが発生してしまいます。そのため外壁塗装を行うたびにクラック補修を行い、同じ場所に被害が出ないよう対処していく必要があります。今回目立ったクラックはなくわずかに雨水のたれのような汚れが若干みられる程度でした。
ベランダのポリカ屋根は汚れや経年劣化で色のくすみが感じられましたが、塗装時の高圧洗浄時に水圧を調整しながらポリカ屋根を洗う事も、一度取り外して洗うもしくは交換も可能ですのでご安心ください。ちなみにこういったベランダ屋根は台風等で飛散してしまうケースが多々見られますが、火災保険や共済を使用して補修することも可能ですので、お気軽にご相談ください。
続いて屋根の状態を見ていきます。屋根材は近年多くの住宅で使用されているセメント系の化粧スレート屋根材です。雨水を吸水することで劣化してしまいますので定期的な塗装は欠かせませんが、風災被害や雨漏りが起きない限りは30年弱使用することができます。
正面から見ると切妻屋根でしたが実際は北側が寄棟屋根のように1面ある計3面の屋根でした。日当たりが悪いのか1面は苔や汚れが目立っておりましたが、破損やひび割れもなく今回も塗り替えで綺麗な状態を維持できると判断しました。
方角によって屋根材の劣化速度は変わりますし劣化の状況も違います。例えば南面は日射時間が長い為、苔等の付着は目立ちませんが色あせが早い傾向にあります。対して北面は日が当たる時間が短い為、じめじめとした状態が続きやすく苔やカビが発生していることがあります。塗装を検討するタイミングは劣化が一番目立つ場所を基準に考えていきましょう。
今回調査を行った限り、特に必要な補修箇所はなく通常通りの塗装工事が可能でした。私たち街の外壁塗装やさんは下地など目に見えない箇所の不具合を除き追加費用が発生しないよう工事をご提案させていただいております。そのため点検は30分~1時間程度お時間を頂くことがございますが、あらかじめご了承いただきますようよろしくお願いいたします。
続いては塗装メンテナンスの様子をご紹介いたします。
塗装の仕上がりイメージはカラーシミュレーションで
塗装を行うにあたって重要なのは全体の仕上がりです。屋根は何色にしようか、外壁はどうしようか、屋根と外壁の相性が良いのか、付帯部は…等すべてを一気に決めようとなるとなかなか難しいです。
そこで私たち街の外壁塗装やさんではカラーシミュレーションを作成し全体のイメージをつかんでもらいます。使用したい色も決まっていないという方には5パターン程先に弊社で作りどれが一番しっくりくるのか比較をしていただきます。既に色が決まっている場合は、付帯部や屋根の色を変えながら最終的な仕上がりを再確認していただいております。
カラーシミュレーション後は見本板で色と艶を確認いただき塗装工事に入っていきます。
屋根・外壁塗装メンテナンス開始
まず塗装を行うにあたって、近隣の方への工事前ご挨拶を行います。写真で見てもわかるように、塗装に必要な足場仮設を行う時から大きな作業車があり仮設時には騒音も発生するためです。今回は問題ありませんでしたが、住宅前の道路幅がない、道路に足場がはみ出してしまうといったことが考えられる場合、近くのコインパーキングからの搬入で対応したり、道路使用許可・専用許可手続きを行いますのでお気軽にお申し付けください。
足場仮設作業は約半日で終わります。その後足場から住宅をもう一度確認してみますが、遠くで見ていた時はわからなかった塗膜剥がれを感じました。もちろん塗り替えで綺麗に仕上げられますが、剥がれそうな塗膜はしっかり剥がしてから塗り直すなどの作業工程を再確認して施工を行っていきます。
塗装の基本は下地処理 ①高圧洗浄
塗装を行うにあたり必ず行うのが高圧洗浄です。長年かけてこびりついた汚れは簡単には落ちません。そのため高圧洗浄で塗膜から一気に削り落とすように綺麗に洗い流していきます。屋根の様子を見ると一目瞭然ですが、洗浄を行ってきた左側が洗浄前の右側とは全く違い白くなっています。白く見えているのは塗膜が完全に落ちた屋根の素地と呼ばれる部分です。塗装の目安は既存塗膜の寿命を迎える頃ですので、ほとんどの住宅の屋根がここまで白くなります。塗膜の効果は既になかったことがわかりますので、ちょうどよい塗り替え時期であったのでしょう。
外壁も丁寧に洗い流していきます。水を当てた部分はうっすら白くなっていますが、大きな変化が感じられない程やはり綺麗な状態でした。この時点で大きなクラックが確認された場合はしっかりクラック補修を行ってから洗浄を行い、予期しない雨漏りを防ぎます。
屋根や外壁洗浄後は汚れが流れますので、玄関タイルに溜まった汚れもしっかり洗い流して終了です。この後はまだ屋根外壁ともに水を含んでいますので、しっかり乾燥させてから塗装工事を行っていきます。
屋根洗浄後は特に皆さん「こんなに白かったのか」と驚かれます。屋根の塗装時期を示すサインは汚れや苔の付着です。汚れが付くという事はその部分の塗膜が傷んでしまっているということ、全体的に汚れている、色あせが目立つようであれば塗装を検討していきましょう。
対して塗り替え後数年しか経過していなければここまで白くはなりません。しかし同時に既存塗膜がまだ性能を果たしており、新たに塗る塗料の密着性が悪くなる可能性もありますので、早ければ良いわけではないという事を覚えておきましょう。
塗装の基本は下地処理 ②タスペーサー設置
化粧スレートを塗装する際には縁切りが不可欠です。既に認知されておりご存じの方も多いと思いますが、薄いスレートだからこそ塗装することで屋根材同士の隙間が亡くなってしまいます。すると屋根内部で毛細管現象が起き、雨漏りを起こすことがありますので、必ず塗装時にタスペーサーを差し込み隙間を空けておきます。皮スキで塗装後に重なり部を切る作業も知られていますが、現状タスペーサーを使用する業者がほとんどでしょう。
私たち街の外壁塗装やさんではなるべく隙間が取れるよう、シングル工法ではなくダブル工法で施工しています。屋根材1枚につき2個タスペーサーを取り付けることで屋根材同士の密着をより確実に防ぎます。
塗装の基本は下地処理 ③棟板金の補強
塗装前に棟板金の釘浮きに気付きました。これはよくある話ではありますが、強風で棟が揺れることで釘も浮いてしまいます。しっかり打ち直して固定が出来れば良し、またすぐに浮くようであれば貫板が傷んでしまっていますので交換が必要です。
最後に釘穴を塞ぐようにシーリング材を打設し下地処理が完了です。このほかに屋根材にヒビがあればシーリング補修、割れた屋根材は差し替え等を行い塗装を行うことで補修箇所が全く分からない仕上がりになります。
屋根塗装には日本ペイントの遮熱塗料サーモアイSiを使用します。遮熱塗料にも様々な仕様がありますが、サーモアイは下塗りにも遮熱機能を持たせることで、上塗りでは防ぎきれない赤外線を下塗りで反射させる【W遮熱機能】を持ちます。
まずは下塗りサーモアイシーラーです。下塗りには仕上げ塗料と屋根材の密着性を強固にする役割がありますので、まんべんなく塗り込んでいきます。隠ぺい性が高い為、黒い色から淡い色への塗り替えもスムーズに行うことが可能です。金属屋根材にはサーモアイプライマーもありますし、道路や外壁にも塗装できるシリーズですので目的と用途に合わせて塗装していきましょう。
中塗り・上塗りをサーモアイSiで行えば屋根塗装工事は完了です。今回使用した色はクールディープグレー(全日射反射率:32.9%)です。遮熱塗料にかかわらず屋根の色は暑さと大きな関係があり、白い屋根ほど反射率が高く熱くなりにくく、黒い屋根ほど熱を吸収することで熱くなりやすい傾向があります。遮熱機能を第一優先に考えられる場合は白に近い色を選ぶようにしてみましょう。
屋根塗装工事(サーモアイSi クールディープグレー)完了
屋根塗装後のスレート屋根材です。塗装前には白い素地が出てしまっていた屋根材も塗装でしっかり保護されています。艶も蘇り綺麗に日の光を反射させています。
塗装の基本は下地処理 ④モルタル外壁のクラック
続いては外壁塗装です。モルタルをよく見ると髪の毛の太さ程のひび割れを発見しました。これがクラックといわれるものです。クラックにはヘアクラックと構造クラックがありますが、わずかに見える程の今回のようなクラックはヘアクラックに該当します。ヘアクラックは下塗りの段階で十分に埋めて目立たなくさせることができますが、念のためシーリングを充てんさせ補修を行いました。
ヘアクラックを放置していると構造クラックと呼ばれる大きなひび割れに成長します。紙がすっと入るほどの太さがそれにあたりますが、そこまで広がったクラックは塗装だけでは隠し切れず別の補修が必要となります。最終的な塗装費用も高くなってしまいますので、早い段階で補修を行うよう心がけましょう。
塗装の基本は下地処理 ⑤凹凸部分の補修
こちらは以前の塗装から金具を外した形跡です。モルタルの下地が見えているだけでなく、塗膜の厚み違いによってわずかな段差もできてしまいます。こちらも塗装だけでは隠し切れないため、シーリング材で若干の厚みを持たせながら穴を埋めていきます。
塗装の基本は下地処理 ⑥サッシ周りや取り合いのシーリング補修
ベランダ屋根材を取り外し外壁とベランダ屋根の取り合いにマスキングテープで養生をしている様子です。サッシなど外壁とは違う素材が取り付けられている場合、その取り合いはシーリング材で埋めています。シーリング材が劣化してしまうとその部分から雨水が垂れてしまいますのでしっかり埋めていきます。
この作業はもちろんサッシ周りにも行われますが、サイディングの目地とは違い少しの隙間が雨漏りを引き起こす可能性を高めたり、サッシや屋根下地が傷つく心配もありますので、打ち替えではなく増し打ちで対応していきます。
モルタル外壁塗装にはフィラーと呼ばれる下塗りを使用します。密着性を高めるだけのシーラーではモルタルに発生するクラックを埋めることはできませんが、フィラーはわずかな隙間に入り込み埋めていく役割も兼ねています。
屋根同様まんべんなく塗装していきます。もちろん塗装を始める時点で窓やタイルなど塗料がついてはならない場所には養生を行い、塗料の付着を防いでいます。
中塗り・上塗りにはラジカル制御型塗料のパーフェクトトップを使用しました。
塗膜は太陽光や雨水に晒されることで塗料の成分が分解されることで劣化します。特に色を作るときに必ず入れるといっても過言ではない【白】の顔料には酸化チタンが含まれています。この酸化チタンが紫外線にあたることで「ラジカル」という物質を発生させるのですが、ラジカルこそが塗料の劣化・成分の破壊を促進させてしまうのです。ラジカル制御型塗料は酸化チタンにコーティングを行うことでラジカルを発生させない、つまり塗膜の劣化を防ぐ構造になっています。今回ND-104という淡い色を使用していますが、こういった明るい色での塗り替えでは最大限の性能を発揮すると思います。
外壁塗装工事(パーフェクトトップ ND-104)完了
近くで見る中塗りで使用している色とは違う印象ですが、ND-104で塗装を行った外壁です。非常に明るい色ですが真っ白ではありませんので浮いた印象もなく落ち着いた仕上がりです。
パーフェクトトップは艶有りから7分艶・5分艶・3分艶・艶なしまで仕上がりを選ぶことができますので、塗りたての艶感を出したい場合は艶有り、新築時のようなシックな仕上がりをご希望の方は艶なしを選びましょう。色によって見え方も違いますので見本板で比較をしてみてください。
最後に外壁塗装と平行して行う付帯部塗装工事をご紹介します。
まずは軒天、付着している汚れを落としてから通気性の良い塗料で塗り替えていきます。綺麗に感じていた軒天も塗装の様子から目では認識できない程暗くなっていたことがわかりますよね?
雨樋は外壁や軒天とは違いツルツルとしています。この状態のまま塗装を行っても密着性が悪くはがれやすい為、一度ペーパー掛けで傷をつけてから塗装を行います。新品の場合でも必ず同じ工程を行いますのでもったいないと思いきや、決して欠かせない下地処理が付帯部にもあるのです。
破風板は今回カラーチェンジです。白からブラウンにしたことで引き締まった印象になります。また滅多に塗り替えもできない高さの部位ですので、汚れが目立たなくなるのも嬉しいですね。付帯部は部分的に色を変えることが可能です。もちろん軒天は白、雨どいは黒、破風板はブラウンという事も可能です。しかし数色も使用することで色同士が喧嘩し、まとまりのある仕上がりにならなくなってしまいますので、最大3色程度でまとめるようにしましょう。
塗膜剥がれが出始めていた化粧板も白く塗りかえ、塗膜による保護もばっちりです。
雨戸は凹凸が多い為スプレーガンを使用して吹き付け塗装を行いました。毛足の長いローラーで塗る塗装業者もいますし仕上がりは塗膜保護の性能は変わりませんが、ローラーは塗料が多く付着しダマになることがあります。一方吹き付け塗装を行う場合は別の場所に塗料がつかないようしっかり養生を行います。
霧除けは鋼板製ですので剥がれそうな塗膜は剥がし、ペーパー掛けで下地を整えてから錆止め塗料で劣化を防ぎ希望の色に仕上げていきます。錆止め塗料は赤色のイメージが強い方も多いと思いますが、公害問題から鉛を含まなくなりましたのでグレーで塗っている部分が下塗りの錆止め塗料です。
最後に塗料の飛び散りがないか、塗り残しがないかなど数人で足場の上を回りながら徹底的に調べタッチアップを行います。お客様にも仕上がりを確認していただき問題がなければ足場解体、清掃を行い工事完了となります。
最後にドローンによる全体点検です。私たち街の外壁塗装やさんでは狭小地での住宅点検等がスムーズに行えるよう、ドローンを導入しております。全体的に見ることで屋根の仕上がり、住宅全体のイメージも再確認でき、塗り替えた!という達成感がより一層高まりそうです。
以前塗装工事を行った方からのご紹介はありましたが、点検・ご提案・工事と様子を見ていただく中で信頼を頂けたことが何よりです。塗装は屋根・外壁含めると決して安くはありませんし、次回の塗り替えは10年以上先の話ですのでその分1回の塗装に力が入ります。カラーシミュレーションで仕上がりを固めましたが、実際に塗ってみると思ってた色と違うという事もあります。しかし今回はイメージ通りに仕上がったとお喜びいただけて安心しました。施工保証は10年ですので今後の定期点検で引き続きお住まいの状態を確認させていただきます。
記事内に記載されている金額は2020年10月16日時点での費用となります。
街の外壁塗装やさんでは無料でのお見積りを承っておりますので、現在の詳細な費用をお求めの際はお気軽にお問い合わせください。
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