屋根外壁塗装工事のご依頼を頂いたのは四街道市のお客様邸です。
通常、10年ごとの塗装を推奨されていますが、今回は築20年初めて塗り替えとなります。
20年経過していようと塗装が出来ないわけではありません。しっかりと状態確認をして、適切な補修工事を行えば問題が無いからです。
屋根と外壁の劣化具合を判断した上で、塗装メンテナンスを行いました。
ビフォーアフター
工事基本情報
塗装前点検
塗装を行うには新築後10年と言われています。実際には新築時の安価な塗料は、5~8年程度の耐久性と言われていますので、もっと早く行った方が、住宅の為には良いかもしれません。
しかしだからと言って、20年を過ぎたら塗装出来ない、というわけではありません。
確かに築年数に応じて屋根や外壁が傷んでしまうのは確かです。
しかし、雨漏りを起こしたり、外壁材が腐食していたりするような異常がなければ塗装は可能です。
状態をしっかりと確認をし、適切なメンテナンスを行うことが非常に重要なのです。
サイディング外壁
塗膜が経年によって劣化すると、汚れが付着しやすくなり、北側など陽のあたらない場所は苔やカビが繁殖してしまいます。
しかし日当たりが良い立地なのか、コケやカビが目立たない外壁です。
苔が多く付着している場合は、ジメジメとした状態が続いているということです。つまり、外壁が水分を含み腐食しやすいという状態でもあります。
塗膜の劣化を知る簡単な方法は、手で触ることです。触った際に白い粉が手に付いた場合、その粉はお住まいの塗膜です。
常日頃、太陽光にさらされていますので、徐々に摩耗し粉化(チョーキング)してしまうのです。
塗装のサインと言われますが、塗膜の限界を指しますので、チョーキングが起こる前に塗装を行うことが理想的です。
外壁の塗膜に剥がれが見られます。これは元のサイディング外壁に、新築時に吹き付け仕上げを行ったのでしょう。
亀裂が入り、そこから剥がれてしまったのです。ここに雨水が当たって入り込むと、更に塗膜の剥がれが酷くなりますので、事態を悪化させないために補修を行っていく必要があります。
サイディングというと、外壁材の他にも補修を行う必要があるのが「目地」です。パネル状の外壁材に用いられていますが、目地のシーリング(コーキング)ももちろん劣化します。
少しずつ硬化しひび割れ、亀裂や肉痩せを起こすと隙間が出来、その隙間から雨水が入り込むと、雨漏りの原因にもなりえます。
シーリングはせいぜい5年程度の耐久性の物が使用されている事が多い為、塗装よりも頻繁にメンテナンスを行っていく必要がありますが、なかなか出来ることではありません。
せめて塗装メンテナンスの際には打替え補修を怠らずにしていきましょう。
細かく確認をしていくと、エアコンのダクトの留め金具が外れ、開けた穴が露出してしまっています。
このような所にも雨水が入り込めば、外壁材を傷める原因になりますので、定期的な点検を行っていくべきです。
驚くべきは外壁全体に大きな破損もなく、通常通り塗装が可能な状態だということです。
雨樋は風によって変形を起こすことがありますが、こちらの住宅の雨樋には歪みもなく、交換や補修の必要もありません。
また雨戸等の鉄部に錆がみられる事もあるのですが問題ありません。
今回の様に、築年数が経過していようと、問題がない住宅はたくさんありますのでご安心ください。
玄関前の擁壁は汚れの付着が目立ちますね。塗装工事を行う際には、屋根や外壁だけではありません。
住宅全体を見て塗装が出来る箇所は綺麗に塗り替えていきましょう!
スレート屋根
続いてはスレート屋根の点検です。
和瓦などとは違い、セメントが原料で塗装で表面保護をしている屋根材になります。
塗装が劣化すると、屋根材が水を含みやすくなり、反ったり割れやすくなってしまいます。
しっかりとメンテナンスを行って30年程度の寿命の為、何もしなければ15年程度で葺き替えやカバーが必要になる住宅もあります。
苔やカビが付着しているだけでも塗膜の劣化は分かりますが、この状態でも塗装は可能です!
念入りにひび割れやスレートの浮き・反りを確認していきます。
雨漏りを起こしている場合は、屋根材よりも下にある防水紙に問題がありますので、塗装では決して補修することはできません。
傷みが酷い場合は、塗料の吸い込みも激しくなり、仕上がりが均一にならないこともありますので、定期的に表面保護をしておくに越したことはないでしょう。
屋根の頂点についている棟板金は、塗膜が剥がれ錆が発生しています。
錆が進行すると板金自体が腐食で穴あけを起こし、雨水が下地を傷める恐れがあります。
抜けかかった釘もありました。風によって板金が揺れると、固定していた釘も少しずつ動き、抜けやすい状態になってしまいます。
仕方のない事ですが、釘が抜け板金が落下するようなことがあると、ご近所様へも不安を与えてしまいます。
10年点検等で釘の固定が甘い場合は、ビス止めを行い、落下や飛散することのないように備えましょう。
最後に屋根にある煙突のような部位です。雨風に最もさらされやすいこちらの外壁は、塗膜が剥がれ下地もひどく傷んでしまっています。
いくら、雨水が入らないようにてっぺんを塞いだとしても、外壁材が傷めば新たに雨水が浸入できる場所になってしまいます。
ここまで傷んでしまうと、塗装を行ってもすぐに剥がれてしまいます。
塗装ではなく板金でのカバー工事で、これ以上劣化しないように補修を行っていきたいと思います。
外装リフォーム開始
工事では、車の出入りや騒音、高圧洗浄時の水の飛散が考えられます。
あらかじめ近隣のお住まいの方に、工事の日程や注意点等をお伝えすることで、後々のトラブルを防ぐことに繋がります。
このようなことは弊社で行いますのでご安心ください。
近隣へのご挨拶が終われば、工程表に合わせて足場仮設から施工を行っていきます。
足場組みの最中は、単管を移動したり、固定の為に叩いて騒音が発生します。
高圧洗浄で住宅全体を流していきます。洗浄は雨天時にも行います。
屋根から敷地内全体を綺麗に洗い流すだけでも、スッキリしますよね!
付着物を取り除いてしっかりと乾かしてから施工をすることで、塗装も綺麗に仕上がります。
苔やカビが大量に付着し、変色していたスレート屋根の洗浄後です。
乾かして白く見えるのは屋根の素地で、既に塗膜がなく、保護をするものがないことを表しています。
この状態では雨水を吸って更に傷みますので、新たに塗装メンテナンスを行っていく必要があります。
板金工事
釘が抜けて浮いていた板金の交換工事を行います。まずは、板金と下地の貫板と呼ばれる木材を取り外します。
木材の腐食を見る限り、板金の浮いた部分から雨水が入り込んでしまっていたことが分かりますね。
木材が水を吸うと傷み、フカフカとした状態になり釘が抜けやすくなってしまいます。すると板金が浮いたり外れたり…と悪い方向へ向かっていく一方です。
その為、表面の板金ではなく、まず下地の補修を行っていく必要があります。
下地には木材ではなく、プラスチック樹脂製の貫板を使用します。
木材と比べて腐りにくく、にも関わらず施工方法は木材となんら変わりません。少し費用が高くなりますが、耐久性の問題から樹脂製の貫板を使用することが増えてきています。
煙突部分の外壁は、錆びにくく軽量なガルバリウム鋼板でカバーを行いました。
雨水が入らないように防水処理をしっかりと施し、これ以上の腐食を食い止めました。
貫板を樹脂製の物に取り替えたからと言って、点検・補修がなくなるわけではありません。
あくまで腐食しにくいというものですので、今後もメンテナンスを怠らず、この状態が維持できるように見ていきましょう。
塗装メンテナンス
ここからは住宅の塗装工事です。どんな色にしよう?思い切り違う色に挑戦しよう!新築の頃に戻したい!など様々なご希望があるかと思います。
弊社では、カラーシミュレーションを作成し、実際にこの色を使用したらこのような仕上がりに近くなるというイメージをお客様にご提案致します。
画像の為、仕上がりと全く同じにはなりませんが、こんな感じ!という印象を見比べて、色を決めて頂ければと思います。
色が決まってきたら見本板での再確認、塗料によっては仕上げ艶の有無を決め、塗装工事に取り掛かっていきます。
スレート屋根塗装
屋根塗装からです。洗浄後の屋根に下塗りを行い、下地の吸い込み止めと、密着力を高めます。
ムラなく塗りこんでいくことで、仕上がりも綺麗になりますので、実は非常に重要な役割を持っています。
スレート屋根はもう一つ、大事な工程があります。
薄いスレートは塗装をすると、屋根材と屋根材の間の隙間が塗料でくっついてしまい、屋根の内部に入り込んだ雨水の出口がなくなってしまいます。
すると毛細管現象が起き、雨水がじわじわと入り込み、雨漏りを起こしてしまいます。
そうならないために、屋根材間には必ず隙間が必要になりますので縁切り作業が必要です。
昔はカッター等で屋根材間を切っていく作業を行っていたようですが、手間がかかるにもかかわらず、再度くっつく為不十分です。
近年では、タスペーサーと呼ばれる縁切り専用部材を屋根材間に差し込むだけで、隙間を作り維持することが出来ます。
この一つの作業を怠るだけで雨漏りの原因になりますので、見積もりに含まれているのか確認をしておきましょう。
中塗り・上塗りはサーモアイSiのクールジェノバブラウンです。
サーモアイは下塗りとのW遮熱機能で、夏の暑い日差しを反射させ、屋根表面の温度上昇を緩和し、室内温度の上昇を防ぎます。
室温の上昇を抑えることでエアコンの使用も少なくなり、電気代の節約、更にはヒートアイランド現象を抑える役割にも活躍します。
2回重ね塗りを行い、屋根の表面を綺麗に仕上げていきます。
今回は屋根にのみ使用しましたが、外壁用のサーモアイウォール、道路用のサーモアイロードもございます。
住宅全体に使用することで、更に高い効果が期待できます。
また、フッ素塗料にすれば耐久性・耐候性も向上しますので、ぜひ選択肢の一つとしてご検討ください。
サイディング外壁塗装
引き続き外壁塗装です。あらかじめビニール等で塗装を行わない場所、塗料の付着がないように養生を行います。
ここから塗装工事が完了するまでは、窓を開けられませんが、仰っていただければ外すことは可能ですので、お気軽にご相談ください。
サイディングの塗装はまず、目地の打替え補修からです。
既存の目地シーリングを撤去します。雨水が吹き込めば雨漏りの原因になりますので、一日で作業できる範囲ごとに工事を進めます。
目地の長さは住宅によって異なりますが、一袋いっぱいになるほどのゴミが発生します。
このようなゴミが確認できない場合、打替えではなく増し打ちを行っている可能性があります。
同じ施工にも思えますが、傷んだ目地の上から重ねるだけの増し打ちと、再施工を行う打替えの耐久性は全く違います。
見落としがないようにしっかりと交換補修を行います。
ちなみにシーリングには、ブリードタイプとノンブリードタイプがあります。これはシーリングに柔軟性を保たせる為に、可塑剤が含まれているのかいないのかという違いです。
可塑剤が含まれていると、最初は良いように思いますが、数年経過すると成分が染みだし、外壁に黒ずみを移し汚してしまうといったデメリットがあります。
ノンブリードタイプの高耐久の物もございますので、気になる方は工事前に確認をしておきましょう。
目地シーリングは硬化するまでに時間が必要ですので、しばらく触らずにほかの作業を進めていきます。
軒天はベニヤやケイカル板で仕上げている住宅が多く、高圧洗浄をすると却って傷んでしまうことがあります。
そこで、ペーパーで目荒らしを行い刷毛で埃を取ってからの塗装です。
普段は気にもしない場所だと思いますが、住宅をぐるりと囲んであるお住まいが多いかと思いますので、塗装をすると住宅の印象がパッと明るくなります。
外壁は下塗りから3回塗りです。まずはパーフェクトサーフで下地の色を真っ白に仕上げ、上塗りの希望色が綺麗に発色するように整えます。
塗膜の剥がれがあった箇所には、シーリングを充填させ、仕上がりが変わらないように、最小限の補修としました。
完全に剥がれてしまうと、再度吹き付け仕上げをしない限りは凸凹感が出ませんので、どこまでの仕上がりを希望しているのかというのも重要です。
お客様のご希望をお聞かせください。
色分けをしながら中塗り・上塗りを行います。シーリング施工時には目地部分が白く目立っていましたが、塗装を行い綺麗に隠れました。
シーリングも太陽光によって劣化してしまいますので、塗膜保護をすることで耐久性はしっかりと維持できます。
使用塗料はパーフェクトトップです。艶が艶有から艶消しまで細かく選択できますので、きっとお客様のご希望通りに仕上がると思います。
付帯部塗装
付帯部塗装も下地処理が大事です。錆や埃を取るのは勿論ですが、表面が綺麗な素材はそのまま塗装をしても、すぐに剥がれてしまいます。
その為、ペーパー掛け等で細かな傷を付ける目荒らしという作業を行います。
そうすることで塗料がくっつく面積が広がり、剥がれにくくなるのです。
目荒らし後は希望の色で塗っていきます。雨戸はローラーや刷毛で塗ると、液垂れで綺麗に仕上がらないことがありますので、スプレーガンで吹き付けていきます。
その際は外壁等に飛散しないように、しっかりと養生を行い作業を進めていきます。
全体の塗装が完了しました。外壁は幕板との2色塗り分け、付帯部も同系統の色を使用し統一感がある仕上がりになりました。
玄関前の擁壁は濃いブラウンで、汚れの目立ちにくい仕上がりになっています。
【工事を終えて】
屋根や外壁の問題点を改善し塗装メンテナンスを行うことで、築20年とは思えないほど綺麗に仕上がりました。
お客様も、新築の頃のような艶のある外壁を見て、大変満足されていらっしゃいました。
築年数が経過すると当然、屋根外壁材は傷んでしまいます。だからと言ってどうにも出来ないということはありません。
我が家はどうなのか?塗装メンテナンスが可能なの?と不安に思うことがありましたら、お気軽に街の外壁塗装やさんへご相談ください。
点検・見積もりは無料にて承っております。
記事内に記載されている金額は2019年12月05日時点での費用となります。
街の外壁塗装やさんでは無料でのお見積りを承っておりますので、現在の詳細な費用をお求めの際はお気軽にお問い合わせください。
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