インターネット経由で、お電話をいただきました。4階建てのビルを所有している、オーナー様からでございました。
どうも建築時に比べて汚れが目立ってきた、とのことでお話でした。お話をお聞きしたところ、外壁色は白とのことで、どうにか新築時に近い状態まで塗装で戻して欲しい、とのご要望でございました。
早速、ご希望の日時に現場調査に伺いました。貴重なお時間を割いていただき、ありがとうございます。
外壁は、タイル張り外壁でございました。タイル張り外壁は、耐久性が高く、外的要因から身を守る耐傷性に優れています。また他の外壁材に比べて、汚れが付着しにくい為、メンテナンスの頻度を抑えることができます。
本タイルのため、建築費用は高いですがランニングコストが低いのが特徴として挙げられます。上から塗装することも可能ですが、折角のタイルの輝きを台無しにしてしまいます。汚れを特殊な薬品で落とし、透明なクリヤー塗装のご提案をいたしました。
費用的にも通常の塗装工事より安く済むこと、また上から塗装することは、タイルの溝のカビをそのまま塗膜で閉じ込めてしまう行為となり、ただの「汚れ・カビ隠し」でしかない事を、ご説明させていただきました。
担当の調査員がタイルの汚れ・カビを、浴室内のピンク汚れ・黒カビに例えて解説したことで、薬品洗浄の必要性をご理解いただけたようでございます。費用的にも、ビルの大きさ・築年数を考えると想定金額以下の修繕費だったようで、弊社に工事のご指名をいただきました。
使用材料
レブライト・ピカソ・ファイングラシィSi
こちらのビルは、車の通行量が多い道路に面しておりました。どうしても、外壁には車の排気ガスなどが付着しやすく、汚れが溜まりやすいです。調査で外壁に付着した汚れが、雨染みとなり垂れている様子を確認できました。
また、ご覧のように、外壁目地のシーリング材が随分と劣化している状態でした。シーリングが脱落している部分、シーリング材が痩せて、隙間が出来てしまっている部分などが多く確認できました。外壁の防水性が随分と低下している様子でした。タイルを使用した外壁においても目地の補修は、定期的に必用です。
タイル張り外壁の目地のシーリング工事は、雨水の浸入を防ぐ役割・建物の揺れに合わせたタイルの破損を防ぐ役割を持っています。タイル自体が硬く、衝撃で破損し易いため、目地シーリングのクッション性は他の外壁材に比べて重要です。
薬品洗浄とクリヤー塗装工事に合わせて、目地シーリング工事(防水工事)も併せて行うご提案をいたしました。
タイル外壁ということもありタイル専用の洗浄剤を用意しました。ピカソとレブライトでございます。2つともタイルに適しているものです。
レブライトは木部洗浄(灰汁洗い)でも使われますが、古いタイルの鉄サビ、水アカも効果的に汚れを落とす効果もあります。
ピカソはタイルや御影石(みかげいし)などの、石の洗浄に特化した薬品です。
それぞれ、カビや付着した汚れを見極め、最も適した洗浄力の薬品から選定しました。洗浄力が弱過ぎると、全く汚れを落とすことが出来ません。逆に洗浄力が強過ぎると、汚れは落ちますがタイルを痛めてしまいます。汚れは落ちて、タイルは傷めないギリギリの部分の洗浄力の薬品を選ぶことで、作業効率もアップします。
ピカソに関しては、水で原液~5倍程度まで希釈することで濃度(洗浄力)を調節することが可能です。また、レブライトに関しても水で2倍~10倍程度まで希釈して使用することができます。希釈でも洗浄力の調整ができます。
試験洗いを行ってから、薬品洗浄を行なっていきます。
※試験洗いとは、外壁の目立たない部分でタイルの汚れがしっかり落ち、かつタイルを傷めない濃度であるかチェックする確認作業です。
また、洗浄剤を選ぶ際には環境への配慮や安全性も考慮することが重要です。洗浄剤の取り扱いには、十分な注意と周囲への配慮が必用です。弊社では、足場設置の前・工事の際に近隣にお住まいの方々へご挨拶に伺っております。その上で洗浄剤の飛散がないよう、細心の注意を払い作業しております。
黒ずんだタイルの汚れは、通常の酸では落としにくいため、フッ化水素が高濃度で配合されているレブライトを電動フォームガンで適正な希釈量で塗付しました。
5分程度すると、汚れが泡と共に流れ落ちてきます。レブライトは、漂白剤とほとんど成分が同じで、劇薬に指定されています。そのため、細心の注意を払って、外壁近くで飛散がないよう、少量ずつ塗布します。
写真でも見てとれますが、ドロッと黒い汚れを除去することができました。レブライトは大気中で成分が自然中和する薬品ですが、落ちた汚れが再付着しないうちに高圧洗浄機にて洗い流していきます。
オフィスビルということもあり、ご利用の方々の出入りが多いですので、高圧洗浄機で飛散った、水の行方にも細心の注意を払って洗浄作業を進めました。
ピカソの洗浄力を調整し、更にレブライトで落としきれなかった汚れを洗浄していきます。極力、フォームガンを外壁に近付けて噴いていきます。
レブライト、ピカソの薬品洗浄で、ほぼすべての鉄サビ、水アカ、黒カビ、排気ガス汚れを落とすことができます。外壁薬品洗浄では、外壁に付着した汚れを見極め、正しい薬品の選定・組み合わせが重要となります。
タイル表面のエフロ(水酸化カルシウム)を除去します
レブライトとピカソでの洗浄で、残った汚れは、ワイヤ―ブラシや目の細かいやすりで、優しく擦って除去していきます。外壁に対して平行にやすりをあて、優しく研磨します。この段階で、残っている汚れはエフロと呼ばれる汚れです。
外壁タイルに癒着したエフロとは、雨水や湿気によってコンクリート内部から溶け出した水酸化カルシウムが、外壁タイルに付着した白いパウダー状のものを指します。エフロまでしっかり取り除くことで、クリヤー塗膜の輝きが随分と変わってきますので、丹念に削り落とします。
外壁薬品洗浄(レブライト・ピカソ)の後は、高圧洗浄を必ず行います。外壁に残った汚れや残留物を完全に取り除くためです。高圧洗浄は、より強力な圧力を使って外壁表面の汚れや古い塗膜をしっかりと落とすことができます。
これにより、クリヤー塗装前の表面が清潔で均一な状態になり、塗料の密着性が向上し、塗装の耐久性や仕上がりの品質を高めることができます。結果、クリヤー塗装の施行品質向上にも繋がります。
乾燥後、クリヤー塗料(ファイングラシィSi)を塗布していきます
ファイングラシィSiクリヤーを使用して、仕上げのタイル塗装を行います。このクリヤー塗料は価格と性能のバランスが良く、汚れやカビ・藻などの発生を抑制してくれる優れた塗料です。性能面も外観面でも、とても上品な艶を出す事が可能です。2回塗りの仕様となります。
ファイングラシィSiに限らず、クリヤー(透明色)を塗装する場合、下地の状態をしっかり確認してから施工することが重要です。下地が傷んでいる場合は修繕を行い、きれいな状態に整える必用があります。また、下地が不均一であると塗料が吸収されずにムラが生じる可能性があるため、丁寧な下地処理を行うことがポイントです。
薬品洗浄を丹念に行ってきたのは、クリヤー塗装の品質を高く保つためです。。良い意味でも、悪い意味でも塗料が透明なため、外壁下地の状態を強調してしまいます。
ファイングラシィSiクリヤーは、2回塗りの仕様です
タイル外壁全面に塗装した後、乾燥時間を置いてから、もう一度ファイングラシィSiクリヤーを重ね塗りしていきます。この工程を怠ることなく行うことで、塗料の性能を最大限に引き出すことができます。これによってタイル外壁は汚れに強く、艶のある綺麗な外観を長期間保つことができます。
今回はビルのため、塗装面積が多く、日を跨いで重ね塗りを行いました。乾燥時間を置いて重ね塗りすることで、2回分の塗料の厚みを出すことができます。それぞれ独立した塗膜が長期間、ビルをコーティングして守り続けます!
クリヤー塗装を行った後に、傷んだ目地を交換する、シーリング工事を施工しました。塗装の後にシーリング材を充填することから「後打ち」と呼ばれます。
クリヤー塗装後にシーリングを後打ちする理由は、シーリングの上にクリヤー塗膜をのせないことで、塗膜の割れの不具合の起きないからです。結果として塗膜の割れに伴なった、シーリングの痛みを減らすことができます。クリヤー塗料の場合は、塗料の性質上、後打ちの方がシーリング材が長持ちします。
ビルに近づけば、近づく程美しい光沢感が見てとれますね。
実際には、写真の何倍も輝いており、汚れを全て排除することができました。その上でクリヤーな塗膜で覆われ、綺麗にコーティングされております。
オーナー様も「建設時同様の艶が出ている」とお褒めの言葉を下さいました。また、事故・苦情等一切なく、その上でオフィスに出入りする人にも配慮して、工事をしてくれてありがたい、とも仰っていただけました。
弊社は、大型修繕工事にも強みを持っております。工事実績を積み重ね、常に知識・施工技術をアップデートし続けております。世の中に同じ建物は、1つとしてありません。それぞれの建物の持つ問題点を正確に把握し、根本から解決する高耐久・オンリーワンな工事をいたします!
弊社は甲府市の外壁・屋根修繕塗装工事を得意としております!
記事内に記載されている金額は2024年06月08日時点での費用となります。
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