
築20年を越えているお家でした。ずっと前から塗装工事をしないといけないと考えておられましたが、お子様の進学のタイミングもあり後回しにされていました。お子様が卒業され、社会人になられたタイミングということもあり、今回ご縁あって塗装工事を発注していただきました。
使用材料
外壁:KFシェアルドF 屋根:ファインパーフェクトベスト
シーリング材が剥がれ落ち、バックアップ材が見えていました

こちらのお家は現在国内の新築で約80%の割合で使用されている、窯業系サイディングを使用して建てられています。窯業系サイディングとは
セメントに木質系繊維を混ぜ込んで作られた外壁材のことです。
この材料は工場で塗装された後に出荷され、お家の外壁に使われることが多いです。窯業系サイディングは、複数枚のボードを組み合わせて施工されているから、繋ぎ目部分には目地と呼ばれる部分がありますよ。この目地にはシーリング材が使われていて、外部からの水や湿気の侵入を防ぐ役割を果たします。
新築時は当然ですが、シーリング材は隙間なく施工されています。
しかし、経年により表面がひび割れさらに劣化が進行すると隙間が生じてきます。
木造・軽量鉄骨・RC問わずお家を傷めてしまう原因は外からの湿気です。
湿気の侵入を防ぐためにも、このようなシーリング材の隙間は早くお手入れしましょう!

外壁を手で触れると外壁色の粉が手に付着しました。チョーキングと呼ばれる現象です。チョーキングは外壁塗装工事が必要な時期に入ってきているという、一つの目安になります。湿気を吸収したサイディングは変形を起こします。変形が酷くなり過ぎ、割れて塗装工事ではすまなくなるケースもあります。その場合は外壁ごとの貼替になります。貼替になると塗装工事の費用の4~5倍の費用がかかります。そうならない為にも、チョーキングが発生した外壁は長期にわたって放置することは危険です。
一軒家の場合、雨漏れを起こす可能性が最も高いのがこのような外壁とサッシの取り合いです。塗装工事をする目的として、見た目を美しく保つという事はもちろん雨漏れしにくいお家にするということも非常に重要です。サッシ廻りの補修も塗装工事には欠かせません!
ドローンを飛ばして、屋根の状態を確認します。こちらはスレート瓦と呼ばれる瓦で外壁と同等に塗膜によって下地が保護されています。しかし、紫外線と雨の影響で瓦も劣化します。スレート瓦も塗装によって寿命を延ばすことのできる瓦です。
やはりすぐに見える箇所という事もあり、施主様はシーリング材の劣化を一番に気にされていました。
せっかく塗装工事をするならばと、シーリング材の補修・また外壁は様々なランクの塗料がある中で高級品に位置するフッ素樹脂塗料を選択していただきました。
屋根は、お金をかければカバー工法という選択肢もありましたが今回は瓦の状態を見て塗装で施工することとなりました。

既存シーリング材の両サイドにカッターで切り込みを入れます。ペンチで引っ張ると綺麗に撤去できます。
その後、補修するシーリング材のラインを真っすぐに出す為にマスキングテープを貼ります。
余談ですが、シール屋さんはこのマスキングテープの使用した本数でこのお家は何m補修したのかをだいたい把握します。
2階建てのお家で一般的な外壁が200㎡前後のお家の方でだいたい300~350mくらいのシーリングがあります。
このすべてをしっかり補修していきます。

下地と上から補修するシーリング材の密着を良くするためにプライマーを塗布します。
補修する材料はノンブリードタイプの変性シリコンを使用します。専用のガンでシーリング材を充填します。

中に空気が入らないように気を付けながらヘラで均します。均した後にマスキングテープを剥がして完成です。

サッシ内部にはスポンジのようなバックアップ材が入っており、シーリング材とくっついています。サッシ廻りのシーリング材を撤去するとこのバックアップ材も一緒に撤去してしまう恐れがあるため、サッシ廻りは撤去をせずに上から補修をします。
幕板上部・貫通部周辺・入り隅・軒天と外壁の取り合いを補修して完成です。

高圧洗浄は上の方から下の方へ向かって作業を進めます。塗装工事をする際に、下地の汚れが付着している状態だと塗料がしっかり密着せずに塗装後すぐ剥離してしまったり、塗料の本来の性能を発揮できなかったりします。塗装工事における高圧洗浄は非常に重要な工程と言えます。
表面の汚れや劣化した旧塗膜が落ちて下地の白っぽさが見えてきました。
外壁も屋根と同様にしっかり表面の汚れを落としていきます。お家の中に水が入ると大変なので、高圧洗浄前は戸締りの徹底をお願いしています。
1階までしっかり作業を進めて高圧洗浄は終了です。
お家には鉄部があります。具体的には水切り・庇・棟板金です。ケレンをすることにより、下地を整える事と塗料がしっかり密着するようにします。
外壁塗装は基本3回塗りで仕上げますが、最初にシーラーを塗装します

シーラーは下地と塗料をしっかり密着させるための接着剤の役割を果たします。
塗装した箇所を見てみると、元の外壁よりも色が濃くなっているのが分かります。
シーラーは無色の為、塗装をしても色は付きません。しかし先述したように元の色よりも少しこくなり、近くで見ると艶が出てつるっとしています。

中塗り・上塗りの材料はKFケミカルのKFシェアルドFを使用します。1液水性フッ素樹脂塗料です。フッ素樹脂塗料は高耐候性にも期待ができる高級品です。施主様からのご要望により、どうせするなら良い塗料をという事で選択して頂きました。
主剤を塗装します。中塗りから色が付き、元の雰囲気とガラッと変わっていく様子がよくわかります。
中塗りと上塗りは同じ塗料の同じ色で塗装をします。同じ色を塗装して、塗り漏れは無いのか?と心配になる方もいらっしゃると思います。結論から言いますと塗り漏れは無いです。なぜそう言えるのかというと、塗料は性質上、乾燥すると色が濃くなります。逆に言うと塗装後すぐの箇所は乾燥している箇所よりも薄い色が付くことになります。写真では分かりにくいですが、実際に見てみると乾燥している箇所と塗装後すぐの箇所の色の違いはすぐに分かります。色が濃く、まだ上塗りしていない箇所にしっかり上塗りをしていきます。

材料は日本ペイントのファインパーフェクトベスト強化シーラーを使用します。

シーラーを塗装します。屋根は紫外線が強く、外壁よりも下地が劣化していた為、シーラー塗装後の箇所が分かりやすいです。シーラー塗装後は白っぽい箇所が濃くなっています。

主剤は日本ペイントのファインパーフェクトベストを使用します。
屋根も3回塗料を塗り重ねてしっかりと仕上げていきます。
劣化した瓦が塗装により綺麗に生まれ変わりました。濃い茶色で塗装をしましたので、引き締まった印象でかっこいいです。
外壁と屋根の塗装が終わってから付帯部の塗装をします

付帯部とは外壁屋根以外の塗装できる箇所の総称です。具体的には雨樋・水切り・庇(ひさし)・破風板(はふいた)等です。付帯部も当然ながら紫外線の影響により劣化します。写真のように、日の当たる箇所と当たらない箇所の違いは歴然です。塗装により付帯部もしっかり保護していきます。
縦樋・横樋を塗装します。付帯部は塗装する面積が外壁に比べて小さいさので、小さめのローラーを使用して塗装します。
元々黒っぽい色を施主様のご希望により白に変えました。
庇も綺麗になりました。
付帯部を塗装すると塗装工事は終了です。
タッチアップ・掃除をして完成です。
こちらのお客様は色選びにかなり悩まれていました。
実際に弊社で施工したお家を直接見に行ったり、近くの家を見たり、ネットで検索したりとされていました。
しっかり悩まれて選んでいただいた色にし、仕上がりも気に入っていただけました。
感謝です。
最後までご覧いただきまして、誠にありがとうございます!
記事内に記載されている金額は2025年04月23日時点での費用となります。
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