外壁の表面には、複数のひび割れが確認できました。
そもそもモルタルは、乾燥収縮や振動などの影響によってひび割れが起こりやすい素材です。
いわゆる「ヘアークラック」と呼ばれる小さなひび割れであれば大きな問題はありません。
しかし、経年とともに規模が大きくなると、雨水の侵入を許し、構造部を傷めたり、雨漏りを引き起こしたりする原因にもなるので適切なメンテナンスが必要となります。
軒天の塗装も経年劣化により、色あせや塗膜の一部に剥がれが見られます。
軒天は日光が当たらないので紫外線による影響は受けにくい場所ではあるものの、湿気が十分に乾燥せずカビやコケが生えやすいことでも注意が必要です。
また、軒先の部材「鼻隠し」は、塗装の多くが剥がれ落ち、一目で著しく傷んでいることがわかります。
「鼻隠し」は、雨どいを設置する下地となることや屋根内部への風の吹き込みを防止することなど重要な役割があるので、適切にメンテナンスを行わなくてはなりません。
バルコニー屋根の下地では、鉄部にサビが進行し、また、木部で塗膜が剥がれ落ちている様子が確認できます。
バルコニーは、常に雨にさらされ続けている場所だけに、傷みが生じやすい場所となります。
1階の屋根にあたる下屋の上にある「のし瓦」の一部が抜け落ちています。
「のし瓦」を固定する漆喰が剥がれ、下地となる「葺き土」が露出している状態が確認できます。
漆喰は時間をかけてどんどん硬化していく性質がありますが、とくに風雨にさらされ続ける過酷な環境にあると、劣化は避けられません。
また「葺き土」が雨水を吸い込むと、流れ出たり、雨漏りの原因となったりすることもあります。
瓦材は丈夫でも、漆喰や板金など、周辺の部材は早めに劣化が進行するので、定期的な点検やメンテナンスを心掛けておきましょう。
記事内に記載されている金額は2023年04月23日時点での費用となります。
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