11月13日は漆の日です。日本漆工芸協会が1985年に制定しました。伝説では平安時代のこの日に文徳天皇の第一皇子、惟喬(これたか)が漆の製法を菩薩から伝授されたとされています。実は漆の歴史は古く、遥か縄文時代から使われていたそうです。現存する最古の漆塗りのものは垣ノ島遺跡から出土した副葬品で、約9000年前のされています。本当に伝統的な物なのです。
漆は完全な自然由来のエマルション塗料
漆は液体の時、油分と水分が混ざり合って乳化(エマルション)した状態で存在します。溶剤に溶ける成分と水に溶ける成分、どちらにも溶けない成分で構成されています。単なる乾燥で固まるだけではなく、空気中の酸素を使って化学変化でも固まります。よく知られる漆器(食器など)に塗られるだけでなく、金属などに塗る場合は焼付け塗装もできるという優れものなのです。
顔料には酸化鉄や弁柄が使われています
食器として用いられる漆器、外側は黒、内側は朱色というものが多いですよね。これは漆の色付けのために顔料として酸化鉄や煤(黒)、弁柄(赤い酸化鉄)や辰砂(朱色の鉱石)が伝統的に使われていたためです。また樟脳を混ぜると筆の跡をつけやすくなり、意匠性も高められます。ちなみに昔、両親が何かのお祝いで大変豪華な漆塗りの卓袱台(ちゃぶ台)をいただきました。黒、朱、金の他、筆の跡をつけられた、普段使いができない無駄に高価な代物でしたが、漆塗りたてで臭いがきつく、母が漆かぶれになってしまったため、押入れに雑に放り込まれていた記憶があります。先日、久々にその姿を見たのですが、押入れに雑に放り込まれていたため、ところどころ漆や金が剥げているという残念ぶりでした。
漆かぶれはアレルギーの一種
漆かぶれは漆に含まれるウルシオールという物質へのアレルギー反応です。ウルシオールへのアレルギーを持たない人には無害です。また、充分に乾燥した漆はウルシオールもなくなってしまうため、かぶれが起こることはありません。両親がいただいた卓袱台はそれこそ家中に臭いが充満するほとでしたから、まだ乾燥が充分でなかったのでしょう。食器に漆器を使っているという方も多いと思いますが、漆かぶれになったという話は聞いたことはありません。
漆も紫外線には弱かった
9000年前のものが出土するという耐久性を誇る漆ですが、他の塗料と同じく紫外線には弱いのです。太古の人達も経験的にそれが分かっていたので、お家の外壁や外廻りには使わなかったのでしょう。腐敗や防虫効果もあることから、食器や家具に向いています。お家に漆製品がある方は長く使えるものですから、大事につてあげてください。
記事内に記載されている金額は2017年11月13日時点での費用となります。
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