窯業サイデイング材はいつ頃できたの?
1960年に窯業サイデイング材が誕生し、豊富なデザインと意匠性で現状では新築住宅の約80%が窯業サイデイング材を使っているという統計結果も発表されています。
最初に窯業サイデイングを製造したのは三井木材工業とクボタ鉄工です。ドイツやアメリカからの技術導入だったようです。
スレート製造の技術を用いてセメント系の原料とマグネシウムと炭酸ガスを反応させ作る大変防火性能が高い不燃外装材でした。
そして大工さんでも扱える乾式ボードということで、施工コストの削減につながることで一気に需要を伸ばしてきました。それとツーバイフオー住宅の参入もあり、洋風住宅の外観が流行ったのも需要増に繋がりました。
それまでの住宅の外壁といえばモルタルの外壁が当たり前になっており、工務店もモルタルのひび割れに悩まされていたので、渡りに船という感じだったと思われます。
当初のサイデイング材は主に無塗装のサイデイング板でした。サイデイングを張った後に塗装仕上げをしていく工法でした。その当時はアクリルリシンの安価な吹付けが主流でした。
1990年代に入りデザインも豊富になりタイル調などのサイデイング材が開発されメンテナンスをクリヤー塗装で仕上げる工法が誕生しました。
この時期には窯業サイデイングはモルタル外壁を抜き住宅外壁のトップになりましたが、そのころにはサイデイング材製造に新規参入した業者も増えてピーク時には約25社になっていました。
そのころのサイデイング材は粗悪品もあり、基板の劣化が著しい商品もありました。貼り替えの必要性に迫られる現場も沢山あったようです。
現在ではメーカーも統廃合や廃業などもあり5社のみになっています。品質も向上し10年保証などの商品も沢山あり安心して使える商品が増えてきました。
品質、強度が不安定になった原因には石綿(アスベスト)問題が大きく関わったことが挙げられると思います。
2004年9月までのサイデイング材にはアスベストが含まれており、そこからの移行期において材質的に弱くなったのが原因でサイデイング材のトラブルが増えたと思われます。
サイデイング材はデリケートな建材です。
最近のサイデイング材は耐久性能がいいものも沢山出ていますが、やはりある程度の年数で再塗装が必要になってきます。ここからは塗装の際の注意点などをお伝えします。
サイデイングのメンテナンス時期は10年~15年です。その当時はメーカーも20社ぐらいあり品種数は約3千種類にも及びます。
様々な塗料、原材料が使われており再塗装に当たっては最低限の知識は必要になってきます。
1.サイデイング材の留め付け工法の確認
サイデイング留め付け工法には通気工法と直張り工法があります。一般的には通期工法といって内部の空気が循環するようなシステムになっています。この通気工法で施工されている現場はあまり問題はありません。
一方で気を付けなくてはいけないのが直張り工法です。直張りの場合は空気の循環がないのでサイデイング材の内側に湿気がこもる場合があり、サイデイングの基板が腐食している可能性があるのでよく調査する必要があります。
調査の方法としては塗膜の膨れ、浮き、剥離の有無で確認できます。ベテランの調査員に任せるのが賢明です。
状況によっては塗り替えができない場合も出てくるので詳細な点検が必要です。
サイデイングの製造年などの把握、メーカー名、品種、塗装材の種類などもできるだけ調べることができたらなおベストです。
2.サイデイング材で再塗装ができないものもあります。
サイデイング材も進化し15~16年前からはメーカーも多色系のサイデイングが多く製造されるようになり、デザインや柄も豊富になってきました。
表面の塗装も耐久性を求めた結果、フッ素塗装、光触媒、無機塗装などの商品が製造されるようになり、サイデイング材の耐久性もよくなってきました。
ここで注意しておかなければならないのがサイデイング板で再塗装ができない商品があるということです。
特に塗装がNGなものは表面を光触媒、無機塗装を施しているサイデイング材は再塗装できないのでよく確認する必要があります。
その場合は新たに貼り替えということになります。
3.サイデイング材の継ぎ目に使用するシーリング材の選定に注意。
サイデイングの再塗装の際にはほとんど場合継ぎ目の防水のためシーリングの打ち替えを同時に施工します。
シーリングの打ち替えの目安は約10年前後と言われています。最近のシーリング材も進化し高耐久性の商品も多く出回っております。
塗装する際の塗料の耐久性も考える必要があります。塗料の耐久性=シーリング材の耐久性、同等のものを選択するようにして下さい。
一度の足場で塗装、シーリング工事を同時に施工することが経費節減に繋がります。
サイデイングは非常にデリケートな建材だということを理解しておいて下さい。やはり経験豊富な業者に相談するのが一番無難だと思います。
記事内に記載されている金額は2020年05月06日時点での費用となります。
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