新築時の外壁選びの際、「外壁タイルはメンテナンスが不要でコストパフォーマンスがいい!」と勧められた方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?一般的に外壁塗装は、新築後10年ぐらいを目安にすべきと言われています。外壁タイルにお住まいの方は、築10年近くお過ごしになった頃、外壁に汚れが目立つようになってしまい「メンテナンスがいらないって言っていたのは本当?」「結構汚れているけど放っておいていいのかな?」と、外壁タイルのメンテナンスに不安を感じているケースが少なくありません。
実は、外壁タイルはメンテナンスが不要というわけではないのです。本来、10年に1回はメンテナンスすべき外壁材なのですが、どうして外壁タイルがメンテナンスフリーと言われているのでしょうか。今回は、外壁タイルがメンテナンスフリーと言われる理由やメンテナンスの必要性などについて詳しくお伝えしていきます。
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目次 【表示】 【非表示】
- ・外壁タイルが“メンテナンスフリー”と言われる理由について
- -無機物のタイルは耐候性に優れているから
- -耐傷性に優れ、砂やほこりなどを受けても傷つきにくいから
- -JIS規格により高耐水性が証明されているから
- -塗料も「無機塗料」は耐用年数が長いから
- ・外壁タイルは優れた「耐候性・耐傷性・耐水性」の持ち主 それでもメンテナンスは必要?
- -主に、湿式と乾式に分けられる外壁タイルの施工方法
- -外壁タイルにメンテナンスが必要な理由1 目地や下地などモルタル部分が劣化するから
- -外壁タイルにメンテナンスが必要な理由2 目地のコーキングは劣化するから
- -外壁タイルにメンテナンスが必要な理由3 タイルに浮きや剥がれが起こるから
- -外壁タイルにメンテナンスが必要な理由4 ひびや割れがタイル自体に起こったから
- ・外壁タイルのメンテナンス方法
- -モルタルの目地や下地を補修する
- -コーキングの打ち替えをする
- -タイルを交換する
- -外壁タイルの防水性の向上に、透湿性防水材を使った方法もある
- ・外壁タイルに塗装は必要?
- -タイルは高い耐久性で劣化しにくい
- -タイルに塗装すると元に戻らない
- -「クリア塗装」はタイルに必要なの?
- 外壁タイルのメンテナンスに関する疑問や不安なら、どんなことでもご相談ください!
外壁タイルがメンテナンスフリーと言われる理由
メンテナンスフリーと言われる一方で、本来は10年に1回はメンテナンスすべき外壁タイル。それなのにメンテナンスフリーと言われるのは、どんな理由からなのでしょうか?
無機物のタイルは耐候性に優れているから
外壁タイルは無機物のため、耐候性が高いという特徴があります。まず、外壁材には「無機質」と「有機質」という二種類の素材があります。石や砂、金属、ガラスなど自然素材から採取された物質により形成された素材を用いられたものが無機質の外壁材です。タイルは、土や石、砂などの無機物を高温で焼いて成形して作られています。
自然界における石や砂は、何年経っても変わらずに存在し続けられるものです。それらを原料としたタイルも、耐久性に優れています。加工して“外壁タイル”へと形が変わっても、雨風や紫外線の影響を受けたときに変化しづらい素材と言えるでしょう。促進耐候性試験でも、タイルは長期間を経ても劣化しにくいという結果が出ています。
※LIXIL住宅外壁タイル スペシャルサイトより
※日本タイル業協会より
耐傷性に優れ、砂やほこりなどを受けても傷つきにくいから
外壁は、砂やほこりなどにより。たとえ細かい傷でも、傷によって汚れが付着しやすくなり、さらにダメージが拡がります。劣化がひどくなると「汚れを取り除く」「劣化を復旧する」等の必要性が生じ、外壁メンテナンスを余儀なくされてしまいます。
しかし、外壁タイルは耐傷性にかなり優れていて、そもそも傷がつきづらい素材です。それがメンテナンスフリーと言われる理由のひとつでしょう。というのも、「タイル」という形にするには1300℃にも及ぶ高温で焼かれることになり、それに耐えられる強固さがあります。その強固さはなんと電動ドリルでも穴があけられないほどです。つまり、風で飛んでくる砂やほこり程度では、傷はほとんどつかないのです。
JIS規格でも高耐水性が証明されている
タイルは耐水性も極めて高いです。水分を含みにくいということは、それだけ劣化もしにくいと言えるでしょう。外壁材に使うタイルは、吸水性による区分があります。外壁タイルにはⅠ類とⅡ類が使われるのですが、JIS規格では吸水性が「Ⅰ類が3.0%以下」「Ⅱ類が10.0%以下」と規定されており外壁タイルが脅威的な吸水率の低さを持っていることがわかります。
外壁材として知られるサイディングやモルタルの場合、水を吸うことが劣化につながるため、防水性を高める外壁塗装が欠かせません。外壁材が「吸水・乾燥」を繰り返すことで伸縮が起き、それがどんどん外壁材を劣化させるからです。
それに対し、タイルはほとんど水を吸いません。そのため、「タイルに浸水して屋内に雨漏りを起こす」というリスクはありません。しかも、「吸水した外壁材が凍って膨張する」という凍害の心配もないのです。
<JIS規格のタイルの区分については、2007年以前は「磁器質」「せっ器質」「陶器質」という分類でした。吸水率は、それぞれ磁器質が1.0%以下、せっ器質が5.0%以下、陶器質が22.0%以下という定義だったのですが、2008年には測定方法の変更にともない現行の分類方法になりました。>
日本の戸建住宅の平均的な寿命は約27年と考えられています。外壁材で一般的なサイディング外壁やモルタル外壁も同じく30年程度の寿命があります。ただ、外壁材の「30年」という寿命は、10年ごとに外壁塗装メンテナンスを適切に行った場合ににおける基準となっています。それに比べて、タイルは「素材自体が40年以上は耐えられる強度がある」ことから、「メンテナンスフリー」と表現されることがあるのですね。
タイルの素材となる無機物は、本来、自然界で太陽や雨水を受けても変化が起こりにくい性質があります。つまり、塗料に置き換えてみると“100%の無機塗料なら半永久的”とも言えるのかもしれません。しかしながら、そもそも塗膜の元となる樹脂は有機物を用いることでしか作れないため、100%の無機塗料は実現が難しいのが現状です。ただ、無機物の特徴となる耐候性や耐久性を取り入れた無機塗料は存在しています。
無機塗料のなかには耐用年数が20年を超えるものがありますが、これはさまざまな塗料のなかでも長寿と言われているフッ素塗料よりも長い耐用年数です。
外壁タイルは優れた「耐候性・耐傷性・耐水性」の持ち主
それでもメンテナンスは必要?
外壁タイルは、紫外線や雨風の影響に強い「耐候性」、傷がつきにくい「耐傷性」、水分をはじく「耐水性」に優れ、外壁の素材としては“丈夫で長持ち”という特徴があります。素材自体が強固なのでメンテナンスをしなくても大丈夫そうに感じるかもしれませんが、ほかの外壁材と同様に約10年に一度はメンテナンスをしなければなりません。
次に、外壁タイルの施工方法やメンテナンスが必要な理由を見ていきましょう。
主に、湿式と乾式に分けられる外壁タイルの施工方法
外壁タイルの施工方法は、大きく分けると「湿式工法」と「乾式方法」があります。湿式工法は、昔からある工法です。砂と水を混ぜたセメントを下地とし、その上からタイルを張っていきます。水を使用することから、“湿式”と言われています。
乾式工法ではモルタルを使用しません。「弾性接着剤でタイルを下地に張る」「特殊な下地に引っ掛けて、弾性接着剤で張る」のどちらかの施工方法です。
2つの工法をご紹介しましたが、一般戸建住宅の現場において、外壁タイル施工の現在の主流は「乾式工法」です。乾式工法が選ばれるのには、「施工期間を短縮でき全体的にコストがおさえられる」という理由のほか、湿式工法によるデメリットが背景にあります。湿式工法で使うモルタルは「乾燥・硬化」により変形しにくくなるという性質を持ちます。湿式工法でモルタルを使うと、紫外線や温湿度変化で下地が変形する際、タイルが対応できずに剥離や剥落、目地割れが起こりやすいからです。
モルタルを使う湿式工法のデメリットを解消するため、2006年にはJIS規格であるA5557(外壁タイル張り用有機系接着剤)が制定され、弾性接着剤を使った「乾式工法」が急速に拡大していきました。
弾性接着剤を使った乾式工法は、下地やタイルの伸縮時の追従性も高められます。その結果、モルタル使用の湿式工法に代わり、目地の割れやタイルの剥離・剥落に強い乾式工法での施工が浸透していきました。ただ、タイルは無機物ですが、弾性接着剤は有機物です。そのため、劣化を完全に防ぎきることができる…というわけではありません。
外壁タイルにメンテナンスが必要な理由
外壁タイルにメンテナンスが必要な理由1
目地や下地などモルタル部分が劣化するから
前述したとおり、現在は乾式工法が主流ですが、かつては湿式工法で外壁タイルが施工されていました。そのため、モルタルを下地に使っている外壁タイルの場合、モルタルの素材の変化(硬化による伸縮)にともない、目地の隙間や、ひび・割れが発生しやすくなっています。タイルが浮いたり剥がれたりすることで、雨水が入りやすくなり、雨漏りのリスクを高めてしまうでしょう。
また、外壁タイルだけではなく、モルタルやサイディングボード、ALCなど、さまざまな外壁材に言えることですが、外壁のわずかな隙間が雨漏りを起こす“きっかけ”となることも多いです。
雨漏りは、“小さい隙間がある”だけで雨漏りは起こりません。なぜなら、外壁材の内部には躯体への防水の役割を持つ「防水紙」が張られているからです。そのため、外壁の割れやひびが小さな初期段階では浸水も少ないうえ、防水紙が内部への浸透を食い止めてくれるため、まだ「雨漏り」は起こりません。しかし浸水が長年にわたり進行し、防水紙まで劣化すると雨漏りが起こってしまいます。「室内に雨染みができている」ケースは、雨水の入り口となる外壁の隙間を長らく放置していた証拠とも言えるでしょう。すでに雨漏りが起こっている場合、躯体に雨水が浸透しているため、修繕が大がかりとなるケースがあります。
外壁は、紫外線や雨風など何かしらの刺激を毎日受け続けています。気温や湿度の変化に応じて、経年で劣化していくものです。劣化を最小限にとどめて住まいへの影響をおさえるためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。
外壁タイルにメンテナンスが必要な理由2
目地のコーキングは劣化するから
無機物のタイルそのものは「傷に強く劣化が起こりにくい素材」ですが、目地に充填されているコーキングは傷みやすい部分です。外壁は「タイルを張るだけ」ではなく、タイルとタイルの間の隙間を埋めるようにコーキングが施されています。このコーキングは、目地のほか、「窓の周り」「外壁とベランダの接合部」などにも使われています。
コーキングは太陽の光や雨風の影響でダメージを受けやすい素材です。コーキングには、弾性を保つために可塑剤(かそざい)が入っていますが、劣化によって可塑剤が染み出ることで硬化します。それが原因で、ひびや亀裂、裂けといった症状が現れてくるでしょう。環境によって差はありますが、早ければ新築後3年程度で劣化します。劣化が比較的遅い場合でも、新築後7年もすれば傷みが見られるようになります。
コーキングは、外壁にとって大切な役割があります。ひとつ目が、外壁材同士の目地をコーキングで埋めクッションのような役割を持つことです。地震による揺れが起こった場合、建物に響く衝撃をコーキングが吸収してくれます。コーキングが劣化したままでは、いざというときに建物への影響が考えられます。コーキングが正しく機能するには、コーキングの劣化をおさえ、補修していくことが大事です
また、コーキングの役割の二つ目が「雨を浸入させない」ということです。コーキングが劣化して隙間があると、内部への浸水を許していることになります。劣化のスピードはそれぞれに異なるものの、コーキングは必ず劣化していくものです。新築後10年ほど経過したら、コーキングの打ち替えや増し打ちを検討しましょう。
外壁タイルにメンテナンスが必要な理由3
タイルに浮きや剥がれが起こるから
外壁は、住まいを囲うように設けられている建材ですから、雨風や紫外線など常に過酷な環境下にあります。外壁タイルは、雨風や紫外線が原因となって、次のような症状を引き起こします。
・強い雨を受けて目地に水が入る
・目地のなかに水分が増えて膨張する
・夜に急激な温度低下で乾燥して収縮する
このような変化を繰り返すことで、目地が痩せて細くなるため、タイルの浮きや剥がれが発生してしまいます。寒冷地の場合、目地から入り込んだ水分の凍結にも注意しなければなりません。先ほどの現象と同様すでに浮きや剥がれが起こった部分が吸水、凍結により膨張し、溶けることでまた収縮をするという現象を繰り返すことで目地がさらに付着力を失い、タイルが剥がれ落ちる可能性も出てくるでしょう。
また、自然界からの影響だけに限った話ではありません。なかには、新築して数年以内と短期間で剥がれが起こるケースがあります。これは、施工不良が原因の可能性が高いです。正しく施工されていれば、数年程度でタイルの剥がれが起こることはまずありません。
通常、タイル施工では、下地へしっかり接着するために強く圧着します。しかし、この工程で施工不良があれば、早い段階で浮きや剥がれが生じるでしょう。また、下地にごみが付着してしっかり圧着できなかった」「そもそも質の低いモルタルが下地だった」なども施工不良として考えられる事象です。
タイルの浮きや剥がれは、地上に落下した場合の二次被害のリスクも考えられます。実際に、モルタルとタイルが同時に落下して死亡事故が起きたケースもあります。タイルに浮きや剥がれを見つけたときには、まずは専門業者に相談のうえ、早めに対処することが重要です。
外壁タイルにメンテナンスが必要な理由4
ひびや割れがタイル自体に起こったから
タイルは、耐候性や耐傷性が高い素材です。しかし、100%無傷・無症状ということはなく、思いがけない強い衝撃が加わるとひびや欠け、割れが起こる可能性もあります。
ひびの程度にもよりますが、水分が少しずつ入り込むと付着力は弱まります。タイルが剥がれる可能性も高まるので、ひびや欠けなどの異変があれば、気づいた時点で専門業者に補修の相談をしてください。
モルタルの目地や下地を補修する
外壁タイルが「湿式工法で施工された」という場合は、目地や接着面のモルタルをメンテナンスしなければなりません。
軽度のひびなら、ひびを塞ぐためにエポキシ樹脂を注入し、モルタルの増し打ちで補修可能です。ただ、タイルが浮くほどの傷みがあれば、剥がれ落ちるのを防ぐためにピンニング工法で内部の補修をしなければなりません。
タイルの浮きをピンニング工法にて補修事例
外壁タイルの浮きによる補修のご相談を受けました。タイルの浮きは、「辛うじてタイルが剥がれていない」だけで、剥離や剥落を引き起こす重大な予兆です。タイルに隙間ができているため、雨が降れば少しずつ内部へと浸入します。このまま放置するほどに雨漏りや、タイルの剥離・剥落のリスクは高まるでしょう。浮いたタイルを補修するための代表的な「ピンニング工法」でタイル内部の補修を行うことにしました。
まず、タイルの浮きが起こっている箇所に印となるマスキングテープを貼っていきます。浮いたタイルの目地部分にドリルで穴をあけ、隙間を埋めるためのエポキシ樹脂を注入します。内部の密着性が復活し、隙間が改善されるでしょう。
最後に、目地をモルタルで仕上げます。浮きが軽度の場合は、このようなメンテナンスでの補修が可能です。しかし、「タイルの浮きが大きい」「もうすぐ剥がれそう」というケースなら、補修内容も大がかりになります。いったんタイルを剥がし、接着用のモルタルで再び張り直さなければいけません。
コーキング打ち替えをする
タイル自体は耐久性がありますが、「目地のコーキング」はとても傷みやすい部分です。立地によって年数に幅がありますが、新築後、3~7年ほどで劣化が進み始めます。「隙間を埋めて浸水を防ぐ」「衝撃を吸収して住まいを守る」という目地コーキングの本来も目的が失われつつある状態です。
“雨漏りを防ぐ”のではなく、逆に“雨漏りを促進している”状態にもなりかねません。新築後10年をめどに、外壁全体のコーキングの打ち替えをしましょう。
また、コーキングは商品によって耐用年数が異なります。耐久性が長いコーキング剤なら、次回のメンテナンス時期までの安心感が持てるでしょう。15年以上という長い耐久性を誇るコーキング剤もあるので、お気軽にお問い合わせください。
【施工事例】劣化してひびが発生したコーキング目地の補修
コーキングの目地が、経年劣化で痩せてしまいました。外壁タイル自体は“メンテナンスフリー”と言われるほど耐久性があるのですが、コーキング部分の劣化は回避ができません。劣化が始まっても放置すると、やがてひびや割れが起こり、住まいにさまざまな影響をもたらすでしょう。新築から10年ほど経過しましたら、コーキングの打ち替えをご検討されることを推奨いたします。
コーキングの打ち替えをすると、ひびや痩せで隙間が目立っていた目地が綺麗になります。これで隙間がなくなり、雨が降っても浸水のリスクがなくなりました。
タイルを交換する
外壁タイル自体に「欠け」や「割れ」、「剥落」が起こった際は、新しいタイルに交換します。ダメージのあるタイルだけを交換するという方法が一般的ですが、全体のタイルを張り替えるということも可能です。ただしその分交換する枚数が増えるので、コストはかなりかかってしまいます。
必要箇所だけを交換する方がコスト的にもおすすめの方法ですが、「同じタイルが入手できない」というケースもあります。まったく同じタイルが手に入らなければ、似た色のタイルで代用することになります。
【施工事例】タイルを一部交換し、目地を増し打ち
こちらのお住まいでは、タイルが3枚剥がれ落ちていました。新しく交換するタイルですが、色や規格、厚み、大きさが異なっています。このようなケースでは、サンダー等を使い、厚みや大きさが同じくなるように削って調整をします。剥落した部分にぴったり入るように調整したタイルをモルタルで固定して張りつけました。
目地部分も劣化していましたので、モルタルを増し打ちします。目地にモルタルを埋めるために、タイルの上からモルタルをなでるように塗りました。乾かないうちにタイルの上から不要なモルタルを拭き上げれば、目地だけにモルタルが綺麗に残ります。目地にモルタルが埋められることで、タイルの側面からの固定力が強くなるのです。これで、剥がれや剥落に強いタイルとなり安心してお住まいいただけるようになりました。
【施工事例】タイルが剥がれ落ちたマンションのタイル張替え
こちらは、マンションのタイルの張り替え事例です。比較的広範囲に及んでいます。外壁タイルの剥落は、1枚だけピンポイントで傷んで剥がれるというケースはあまりありません。多くの場合、1枚剥がれるころには既に周辺にまで下地の痛みが拡がっており、2枚、3枚…と周辺がまとまって剥がれていきます。一度タイルが剥がれだしたら、被害を抑えるためにも見た目以上の広範囲をカバーするようメンテナンスをする必要があります。
それでは痛んだタイル、下地をまずは剥がしていきます。タイルの交換で大切なのは、下地の状態が悪ければタイルが平らに密着できないということです。施工して数年も経たずにタイルの浮きや剥がれが発生することのないように、下地をしっかりと補修します。
その後は下地としてモルタルを塗っていきましょう。外壁タイルを張りつけるときは、周辺とのバランスを取りながら、1枚ずつ綿密に仕上げていきます。最後は、目地部分が平らになるように均して施工完了です。
外壁タイルの防水性の向上に、透湿性防水材を使った方法もある
タイルの風合いや質感はとても素敵ですよね。新築時に、こだわりながら外壁材を選んでタイルにしたという方も多いのではないでしょうか。
タイルは耐久性が高いものの、吸水率が0%というわけではありません。しかも、目地は必ず傷んでいきます。雨漏りのリスクは切り離せないですが、メンテナンスのひとつとして防水材を塗布することもできます。タイルに施す防水材は、一般的な塗料のように塗膜を表面に作らず、タイルや目地に浸透させ浸水を防げるのです。
【施工事例】防水材ウォータープルーフでタイルの防水メンテナンス
今回は、代表的な防水剤であるプラザオブレガシーのウォータープルーフを使用しました。塩害やカビ、苔などの美観を損なう症状にも効果を発揮する防水剤です。はじめに、洗剤を使ってタイルと目地の汚れを綺麗にしていきます。塗装前の洗浄は、100%の防水機能を発揮するために重要な工程です。
洗浄にて汚れを落としたら、洗剤が残らないように高圧の水を当てて流します。その後、じゅうぶんに乾燥した後に、ウォータープルーフを塗り進めていきます。ローラーで塗るのはタイル面だけで、細かな目地部分には刷毛を使います。ウォータープルーフは、2回塗りが基本です。塗布後、しっかりと乾燥してから、2回目の塗布をします。ウォータープルーフは表面に塗膜はできませんから、塗った後に“タイルの風合いがなくなる”ということもありません。タイルの美観をキープしつつ、防水層が作られます。
目地に水をかけてみました。塗布後には撥水性が高まり、水をはじいていることがお分かりいただけるでしょうか。このように、被害が発生する前にメンテナンスをすることで、外壁タイルの耐久性が一層高まります。
外壁タイルに塗装は必要?
タイルは、外壁材のなかでも耐候性や耐傷性に優れています。一般的な外壁材のように「何年かごとに塗り替えが必要」ということがないため、コストダウンが見込める外壁材です。そのため、「外壁タイルに塗装は不要」です。
ただ、注意したいのは「タイルに塗装をすべき」と勧めてくる悪徳塗装業者の存在です。築年数が経てば外壁に汚れが見られるものですが、「塗装すれば新築のような輝きになる」「汚れてきたら塗装のサイン」というようにそれらしい言葉で塗装を持ちかけてくる業者がいますので注意をする必要があります。
それでは、タイルに塗装が必要ないと言い切ることのできる理由について見ていきましょう。
1.タイルは高い耐久性を持ち劣化しにくい
ここまで強くお伝えしてきたように、タイルは原材料や製造方法からかなり高い耐久性がある素材です。
そもそも、外壁塗装は「見た目を綺麗にする」「外壁材を保護する」という目的があります。外壁材は、自然素材からできているのでもともと変色はありません。塗料で色をつける必要もないのです。
2.タイルに塗装すると元に戻らない
外壁塗装には、‟美観を保つ“という目的があります。しかし、そもそもタイルは他の外壁材にはない、自然由来の美しい質感や重厚感が魅力ですから、塗装をせずとも、塗装をした他の外壁材と比較しても決して見劣りしません。塗装によりタイルを染め上げることは可能ですが、一度塗装をしてしまうと元には戻せないため後になって「やっぱり元に戻したい」と思っても叶わなくなってしまいます。
また、塗料ごとに耐用年数があるため、いったん塗装すれば、それに応じた塗り替えが必要になります。本来必要のない塗装をしたことで元に戻らないうえ、「定期的に塗り替えする手間とコスト」がかかり、家計の負担にもなるでしょう。
「クリア塗装」はタイルに必要なの?
クリア塗装の塗料は、一般的な色付きの塗料とは違い、無色透明です。なぜ透明な塗料を塗るかと言うと、外壁材の素材感を失わず、かつ外壁に艶を出し保護をしたいという目的からです。
クリア塗装で用いる塗料には、一般的な塗料と同じようにシリコンやフッ素などの種類があります。ただ、タイルの寿命と比較しても、クリア塗装は耐用年数が短いため、塗ることで格段に耐久性があがるとも考えられません。タイル専用のクリア塗材は、メーカーから売られていますが、主に「艶出し」といった美観向上を目的として塗られるケースがほとんどです。
タイルや目地が割れたからと、クリア塗装で復活させることはできません。また、色付きの塗料と同様に、一度塗れば耐用年数に応じて、塗り替えをしなければなりません。外壁タイルにクリア塗装をご検討されている場合は「塗装した場合」の特徴を理解し、専門業者に相談したうえで慎重に行いましょう。
外壁タイルのメンテナンスに関する疑問や不安なら、どんなことでもご相談ください!
ここまでお伝えしたとおり、外壁タイルは塗装がいらないものの、「メンテナンスフリーではない」とお分かりいただけたかと思います。
タイルは、一般的な外壁材よりも耐久性に優れ、塗装の必要もないことから「メンテナンスをしなくてもよい」よいう認識が広がってしまいました。しかし、その先入観がリスクの発見を遅らせているのです。劣化に気づかず早急な対処ができなかった場合、被害は広がり深刻な事態を引き起こすことになってしまいます。
定期的なメンテナンスは、健康診断と一緒で早期発見・早期解決につながります。お住まいの健康状態も維持できますし、小さい異変なら低コストで早期解決が可能です。点検したうえで「何も異常がない」と分かれば安心、「ダメージがある」としても迅速に補修できれば、それもまた安心です。しかも、トータルでかかるメンテナンスコストもおさえられるでしょう。
私たち、街の外壁塗装やさんは外壁リフォームや外壁メンテナンスの専門店です。
「築10年過ぎたけれど外壁のメンテナンスを一度もしていない」
「外壁タイルを見ると部分的に剥がれている」
「コーキングに隙間ができているみたい」
など、目視で何らかの異常が見られたら、街の外壁塗装やさんの無料点検をご活用ください。点検により、現在のお住まいがどんな状態かを正しく確認し、お客様のお住まいの状態に合わせて、最適なご提案をいたします。
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自然の土や石、砂などの無機物からできたタイルは耐候性に優れています
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タイルは高温で焼き固められ作られているため、耐傷性があります。
ほこりや砂の刺激や、物をぶつけても傷はほぼ付きません -
外壁タイルはJIS規格により分類されているⅠ類、
およびⅡ類の吸水率10%以下ものしかないため
耐水性があります -
外壁タイルの施工方法は2つあり、
タイル設置にモルタルを使用する“湿式工法”、
そして接着剤を使用する“乾式工法”があります -
現在の外壁タイルの施工方法の主流は乾式工法です
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外壁タイルは、耐候性や耐傷性、耐水性が高いですが、
「メンテナンスフリー」というわけではありません -
外壁タイルにメンテナンスが必要な理由1
「目地や下地などのモルタル部分が劣化するため」 -
外壁タイルにメンテナンスが必要な理由2
「目地のコーキングが劣化するため」 -
外壁タイルにメンテナンスが必要な理由3
「タイルに浮きや剥がれが起こるため」 -
外壁タイルにメンテナンスが必要な理由4
「ひびや割れがタイル自体に起こるため」 -
外壁タイルのメンテナンス方法は、
モルタルの補修やコーキングの打ち替え、タイルの交換を
状況に応じて行います -
外壁タイルに塗装がいらないのは、タイル自体が高耐久だからです
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タイル自体が高耐久であるため
基本的に外壁タイルに塗装メンテナンスは必要ありません -
コーキングの劣化やタイルの剥離など、
外壁タイルに気になる症状がある方は
街の外壁塗装やさんの無料点検をご活用ください