近年「金属系サイディング」の人気が高まっています。金属系サイディングとはアルミや鉄、ステンレスなど金属系の板金を外壁材として加工したものです。軽量にもかかわらず断熱性・耐久性が高いうえ、コストパフォーマンスが高いことが金属系サイディングの最大の魅力。中でも「ガリバリウム鋼板」や「SGL」は、リーズナブルで耐久性が高いため、お客様にお選びいただくことの多い外壁材です。
「金属系サイディング」のことを「無機質で味気ないもの」だと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、実は最近の金属系サイディングには意匠性の高いものが増えています。たとえばレンガ調や石材調など、インクジェット塗装されたものもあり、お客様のテイストに合うデザインをお選びいただけますのでご心配はいりません。
耐久性の高い金属系サイディングですが、金属製なので最大の敵は「錆」です。そこで金属製サイディングのメンテナンスは錆の予防、補修が主になります。
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金属系サイディングの古い歴史と発展
金属系サイディングといえば、比較的新しい外壁材だと思っている方が多いようです。確かに高機能でデザイン性が高いと聞くと、「次世代の外壁材」をイメージしてしまうかもしれません。
しかし金属系サイディングは古い歴史があり、開発・改良を重ねて今の形に発展してきた素材です。これだけ聞いても信頼性の高い外壁材であることがお分かりいただけるのではないでしょうか。
近年になって使用されるようになったという印象もある「金属系サイディング」ですが、実はトタンも金属系サイディングだということをご存知でしょうか。トタンは安くて軽量なため、元々は屋根材として使われていました。その後、トタンは不燃性の素材であることから外壁にも使用されはじめたのです。
もちろん現在でも屋根材としてトタンは使用されています。昔と比べてカラーバリエーションが豊富になったうえコストパフォーマンスが高いため、今後もさまざまな用途に利用されると考えています。
1980~90年代になるとアルミサイディングが販売されるようになりました。アルミサイディングとは断熱材の表面にアルミメッキを施したものです。これによって金属製サイディングの断熱性・遮音性がともに向上し、金属製の弱点であるサビにも強い耐久性が実現しました。
アルミサイディングは機能性がとても高いのですが、コストが高く手軽に使える外壁材ではありません。その後、同じように機能性が高くコストパフォーマンスに優れた「ガルバリウム鋼板」が開発されたことで金属製サイディングに注目が集まり、現在まで人気の外壁材として多く使用されています。また2019年にはさらに耐久性を高めたSGL鋼板製の外壁材も開発・販売が開始され、金属系サイディングはさらなる進化をし続けています。
見た目がモダンな金属系サイディングは、耐久性もコストパフォーマンスも向上した今がリフォームのベストなタイミングです。
軽量化が進んでいるのは屋根だけじゃない!外壁にも軽さを
金属系サイディングを使う大きなメリットは耐久性だけではありません。実は「軽さ」も金属系サイディングの魅力です。屋根リフォームを行う際は耐震の観点から、従来の重い屋根材から軽量な屋根材への変更がすすめられています。建物は重心が上にあるほど地震の揺れの影響を受けてしまいます。そこで重心を落とす目的で屋根を軽量化すると、揺れの影響を最小限に抑えることができるのです。
また屋根だけではなく外壁も同様に軽量化すると、建物全体の負担を軽減することができます。1㎡あたりの外壁材の重量を比較すると、もっとも多く使用されているモルタルの外壁材の重さが約36.4kg、窯業系サイディングで約17.3㎏、金属系サイディングなら約3.6~7㎏です。重さを比べるとかなり差があることが分かります。
軽量化で建物の揺れを小さくすると、建物構造に起こりうる歪みを防ぐことができます。またモルタルや窯業系の外壁は、劣化によってクラック(ヒビ)や割れを起こすことがあるのですが、金属系サイディングは性質上割れないため、外壁の素材としてとても優秀です。外壁リフォームの際には軽量で耐久性の高い金属系サイディングを利用して、外壁カバー工事を検討してみるのもおすすめです。
月に1度の点検でお住まいの寿命を延ばしましょう
お庭や建物周りをお掃除するときには、外壁の点検も一緒に行いましょう。悪くなったところは迅速に対処・補修してあげることで結果的に費用を安く抑えることができます。
2階部分の外壁など確認しづらいところを無理して点検する必要はありません。特に台風など建物に被害を及ぼす可能性のある悪天候のあとには点検しておきましょう。被害が生じてからでは大掛かりな外壁補修になることもあるため、早めの対処をおすすめします。
金属は汚れだけでなく苔・砂・藻も発生します!
確かに金属系サイディングはモルタル外壁や窯業系よりも苔や藻、カビが生えづらいのですが、立地や条件によっては発生することがあります。たとえば長年放置された車にうっすらと藻やカビが生えているのを見たことがないでしょうか。通常無機質の金属にはカビが発生することはないのですが、埃や汚れがたまることでカビの発生原因になることがあります。
外壁の表面に苔や藻、カビが発生するとそこに水分が留まり、サビの原因になります。サビは金属の最大の敵です。外壁の塗膜の劣化や表面加工の劣化が疑われるので、早めに対処しましょう。
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金属でも劣化によって表面の防水性能が落ちると汚れが着きやすくなる
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劣化により金属にも苔・藻・カビが生える可能性がある
雨水が浸入する原因はコーキングの劣化にあり!
よく見ないと分かりづらいのですが、金属系サイディングはジョイント部分やサッシの取り合い部分に生じる隙間を埋めるためにコーキングを使用しています。
よく見ないと分かりづらいのですが、点検時には是非確認をしていただきたい部分です。コーキングは水分を侵入させないための大切な役割を果たしています。錆びにくい金属系サイディングとはいえ、切断・加工された箇所は錆びやすいので特に注意しなければいけません。
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コーキング箇所は見切り板などで隠されている場合がある
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コーキングのブリード現象は劣化のサイン
※ブリード現象とは経年によりコーキングから染みでた可塑剤に汚れが付く現象のことです
チョーキング(白亜化)現象は外壁の劣化サイン!
手に白い粉がついたら要注意
モルタルや窯業系サイディングは表面の塗膜が劣化すると、外壁材そのものに雨水が浸み込みやすくなります。しかし金属系サイディングは防水性能が高い素材であるため、表面から雨水が浸み込む心配がありません。
とはいえ水に触れやすい部分が錆びやすいのは事実です。モルタル、窯業系サイディング、金属系サイディングにかかわらず、色褪せなど塗膜の劣化が認められるときは外壁塗装の検討時期にきているといえます。さらに放置すると、外壁を触ったときに白っぽい粉が手に付着するようになります。これがチョーキング(白亜化)現象です。
チョーキング現象とは、紫外線や風雨に晒されたことで、塗料に含まれる顔料が表面に浮き出てしまう劣化サインの一つです。外壁の防水性能が落ちることが原因で起こるので、チョーキング(白亜化)現象を確認できたら、なるべく早めに外壁塗装をご検討ください。
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どんなに性能の良い塗料でも塗り替え時期は来る
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手に粉が付く「チョーキング現象」が見られたら速やかに外壁塗装を検討する
金属系サイディングは傷に注意!サビがつく原因に
金属系サイディングは表面の塗膜が剥げて傷がつくと、そこからサビが発生しやすくなります。ガルバリウム鋼板やアルミ、ステンレスなどお住まいの外壁材として使用される金属はどれもサビに強いものです。これはメッキなどの保護処理を行い、不動態皮膜と犠牲紡食で金属を保護しているためで、サビを防ぐ効果があります。しかし傷がつくとサビが発生する原因となり、お住まいの寿命を縮めてしまいます。
ガルバリウム鋼板に施す「めっき」の成分はアルミ55%、シリコン1.6%、亜鉛43.4%です。そしてガルバリウム鋼板には白サビと赤サビの2種類のサビが発生します。白サビはめっきにできる亜鉛が反応してできたもの、赤サビは銅板が反応してできたものです。亜鉛めっきは犠牲防食作用があるため、赤サビは白サビのあとに発生します。続いて属にサビが発生するメカニズムを、次項でもう少し詳しく解説します。
金属がサビに強い理由は「不働態皮膜」と「犠牲防食作用」によるものです。不働態皮膜は別名「酸化皮膜」とも呼ばれます。表面の金属は酸化することにより、目に見えないほど薄い膜「不働態皮膜」を作ります。
アルミやガルバリウムの場合は酸化したアルミが不働態となります。またステンレスは酸化したクロム、銅は酸化した銅(緑青)がそれぞれ不働態です。この不働態皮膜は薄い皮膜にも拘わらず大変強いため、サビの原因(水や酸素など)をシャットアウトしてくれます。
犠牲防食とは水などサビの原因となるものに触れたときに、先に溶け出すことで酸化を防ぐ現象のことです。万が一ガルバリウムに傷がついて鉄が露出してしまっても、先に亜鉛が溶け出し、保護してくれることで鉄が腐食するのを防げます。このように雨に晒される外壁は、「不働態皮膜」と「犠牲防食」によってサビから守られているのです。
ガルバリウム鋼板のサイディングメーカーの中には、雨がかからない箇所の水洗いを推奨しているところもあります。車の排気ガスがかかるような汚れやすい箇所は定期的に点検・水洗いしてあげるとよいでしょう。
あまり見ることはないと思いますが、苔や藻、カビを発見したときは、優しく擦って落としてあげましょう。ゴシゴシ擦るとサイディングの表面に傷がつき、サビの原因になります。洗う時はモップや雑巾、柔らかいスポンジを使ってください。また高圧洗浄器でしっかり洗おうとする方もいらっしゃいますが、高圧洗浄器は表面の塗膜を傷つけ、最悪の場合サイディングをへこませる恐れがあるのでやめておきましょう。
コーキング(シーリング)の劣化補修はDIYよりも専門業者に依頼することをおすすめします。目隠しや見切り板でコーキング部分が隠されていることもあり、中途半端な補修では、劣化の進行を止めることができないからです。補修は既存のコーキングをきれいに取り除き、新しいものへ打ち替えます。
外壁塗装を予定している場合は、新しい外壁と同じ耐用年数に合わせると良いでしょう。オートンイクシード15+のような高耐久のものもあるので、費用に余裕のある方はご検討されてみてはいかがでしょうか。
窯業系サイディングやモルタルのサッシ廻りにもコーキング補修は必要ですが、金属系サイディングの場合は打ち替え時にカッターで外壁材を傷つけるおそれがあるため注意して作業しなければいけません。
メンテナンス回数を減らしたい方はコーキングを使用しない金属系サイディングをおすすめします。現在さまざまな外壁材が販売されておりますので、ニーズに合わせて最適なものを選ぶと良いでしょう。
塗膜が痛んでいる場合は、水分から金属を保護するために外壁塗装を行います。流通しているガルバリウム製サイディングの保証は変褐色(色褪せ)・赤サビに対して共に10年となっていることがほとんどです。外壁塗装は新築後10年を目安に行うことをおすすめします。
その後の塗装は塗料の種類にもよりますが、だいたい10~15年を目安に行うとよいでしょう。足場の仮設を何度も組むのは大変なので、コーキングの打ち替えも外壁塗装に合わせて行うことがおすすめです。塗料とコーキングの耐用年数を合わせると、工事をまとめられるので出費を抑えられます。
金属系サイディングはモルタルや窯業系サイディングと違い表面が滑らかなため、塗装時にはまず防サビ機能のあるプライマーで下塗りします。塗膜が剥がれている場合は、しっかりペーパー掛けやケレンで塗膜を落とす作業も重要です。
サビが進行して穴があいてしまったり、何かがぶつかって凹んでしまった箇所は外壁の一部を張り替えます。張り替えたあと、外壁塗装を行えば張り替え箇所が目立つこともありません。全体を塗装せずに張り替えた部分だけ塗装することもできますが、目立たないように塗っても完璧には隠せないので注意しましょう。
※使用する外壁材によっては、販売終了したものもあるので一部だけ張り替えることができない場合もあります。
サビなど全体的に金属系サイディングの劣化が進んでいる場合は、全面的な張り替えや外壁カバー工法を行います。また外壁塗装では耐用年数がお客様の希望する年数に満たない場合も同様です。
金属系サイディングを全面張り替えする場合は、耐震性の観点から違う金属以外の外壁材に変更することはできません。既存のサイディングの上から外壁を貼り付ける「外壁カバー工法」の場合も、軽量な金属系サイディングを使用します。耐震を考えるとき、重量を増加させないことが大きなポイントになります。
●全面的な張替え
●外壁カバー工法
外壁カバー工法の進め方
カバー工法を行うのは屋根だけではありません。外壁でもカバー工法を利用して補修メンテナンスを行うことができます。外壁のカバー工法で使用するのは、軽量で建物への負担が少ない金属系サイディングです。
既存屋根の上から新規屋根材を設置する屋根カバー工法というものがあるのですが、実は外壁でも同様の施工が可能です。では金属系サイディングをどのように既存の外壁に重ねるのか、詳しく作業手順を見ていきましょう。
既存の外壁にそのまま新しい外壁を重ねるわけではなく、既存の外壁にまず金属系サイディングを固定するための銅縁を取り付けます。銅縁は既存の壁と新規の壁の間に空気の層を作ってくれるので、断熱効果をアップする効果も期待できます。
透湿防水シートを貼り付け、しっかりと雨漏り対策を施します。
透湿防水シートを貼り付けたら、下から上に外壁を取り付けて外壁カバー工法が完了します。
モルタル外壁や窯業系サイディングの補修方法にも金属系サイディングによる外壁カバー工事がおすすめです。たとえば雨漏りを起こしてしまった場合、雨漏り補修と外壁全面リニューアルが一度に行えるため、全体的にリフォームしたいとお考えの方には理想的な補修方法です。
外壁カバー工事は既存の外壁を剥がす必要もないため撤去や処分費用を節約できます。新築のように綺麗な見た目になるだけでなく経済的ですから、お住まいのイメージチェンジもお考えの方は、ぜひ街の外壁塗装やさんにご相談ください。
外壁リフォームや外壁補修をご検討されている方が一番気になるのはやはり「費用」でしょう。外壁塗装と、外壁の張替えまたはカバー工法を比較すると、費用面では外壁塗装の方が安く抑えられます。
しかし将来的なことを考えると、金属系サイディングへの張り替えやカバー工法の方がメンテナンス回数を減らせるため、コスパが高いとは言えません。もちろん金属系サイディングでも定期的なお掃除やコーキングの打ち替えなどは必要です。しかしモルタルに起こりうるクラック(ヒビ)や窯業系サイディングの欠けを心配することもなくなります。
金属系サイディングのもう一つのメリットは、吸水性が低いため凍害の心配がないところです。また金属系サイディングの劣化の原因であるサビの発生さえ予防すれば、地震による割れも起こりません。現在もっとも多く使用されているガルバリウム鋼板、SGL、アルミといった外壁材は優秀で非常に錆びにくく、メンテナンスも簡単です。
外壁材を剥がす必要のない「外壁カバー工法」は、既存外壁の撤去・処分費用がほとんどかからないためとても経済的です。ご興味のある方はぜひ「街の外壁塗装やさん」にご相談ください。ご相談やお見積りは無料で承っております。オンラインでのお打ち合わせにも対応しており、現地の無料調査も新型コロナウイルス対策を徹底したうえで行っております。以下のようなご要望をお持ちの方は特に外壁カバー工法がおすすめですので、ぜひご検討ください。
- ● 外壁全体の補修を検討中だが、費用は抑えたい
- ● 外壁のイメージチェンジをしたい
- ● 今後雨漏りの心配がない頑丈な外壁にしたい
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現在外壁材として使用される主な「金属系サイディング」は、ガリバリウム鋼板、SGL、アルミです。
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トタンも金属系サイディングの一つ。現在の金属系サイディングはさまざまな改良・開発を経て軽量・高性能な外壁材として活躍しています。
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吸水性の低い金属系サイディングでも、汚れ・苔・藻等の付着物が水を含むことで錆が発生することがあります。水が当たりにくい所は特に定期的な水洗いを心がけましょう。
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金属系サイディングを使用すると軽量になり、地震による建物の揺れを小さく抑えることができます。また非常に軽いため「外壁カバー工法」にも使用できます。
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金属系サイディングは吸水性の低い外壁材ですが、汚れ・苔・藻などが付着することによって水分がとどまりサビが発生することがあります。雨が当たりにくい箇所は特に定期的な水洗いを心がけましょう。
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コーキングの劣化は雨水の侵入やサビの原因になります。金属系サイディングにコーキングの補修は欠かせませんが、見づらい箇所も多いため専門業者にお任せすることをおすすめします。
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チョーキング現象は塗膜が劣化していることを表すサインです。吸収性の低い金属系サイディングでも塗膜の劣化はサビにつながるため施工後10年前後で塗装を検討してください。
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現在の金属系サイディングは改良を重ね、多少の傷でも非常に錆びにくい素材になっていますが、絶対にサビないとはいえません。定期的なメンテナンスは忘れず行いましょう。
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寿命を迎えた外壁材でも、張り替えか金属系サイディングによる外壁カバー工法で補修できます。
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外壁カバー工法には雨漏りの改善のほか、断熱性の向上、イメージチェンジなどさまざまなメリットがあります。
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金属系サイディングにご興味のある方、費用や雨漏りなど外壁トラブルでお困りの方は「街の外壁塗装やさん」の無料相談をご利用ください。