「メンテナンスフリーの外壁ってあるの?」
そんな外壁があるなら、我が家もメンテナンスフリーの外壁にしたい!塗装回数を減らしたい!と誰もが思いますよね。
この記事では、メンテナンスフリーと呼ばれる外壁材の紹介から、今ある外壁材をメンテナンスフリーに近づけるためのポイントをわかりやすく解説します。
住宅に必須な塗装メンテナンス頻度とコストを抑えたい
外壁の修繕や塗り替えを検討している
メンテナンスフリーの外壁にご興味のある方、ぜひ参考にしてください!
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メンテナンスフリーの外壁と聞くと、メンテナンスが一切必要ない外壁をイメージするでしょうか?
しかし残念ながら、現在メンテンナンスが全く必要ない外壁というものは存在しません。
紫外線や風雨など自然の力によって外壁は徐々に劣化していくものなので、メンテナンスせず美観を永久に保つのは難しいのが現実です。
どんなに耐久性に優れた外壁材であっても、定期的な清掃や点検といったメンテナンスは必要になります。
長期間にわたって機能と美観を維持できる
メンテナンスの頻度が少なくて済み、長く使い続けられる高耐久な外壁材
メンテナンスフリーの外壁におけるメンテナンスフリーとは、
「メンテナンスの回数が少ない」
「保証期間内のお手入れが少ない」
「耐久性が非常に高い」
という意味であって、メンテナンスの必要がないという意味ではありません。誤解がないように覚えておきましょう。
メンテナンスフリーと呼ばれる外壁材
丈夫で長持ちする高耐久の外壁がメンテナンスフリーと呼ばれる理由は、以下の3つです。
- ☑ 外壁ダメージの軽減
- ☑ メンテナンス頻度の低減
- ☑ ランニングコストの節減
メンテナンスフリーといわれる高耐久の外壁としては、主にタイルや樹脂サイディングが挙げられます。
タイル外壁
メンテナンスフリーの外壁の代表格ともいえるタイルは、土や砕石などを混ぜ合わせ、高温で焼いて成型します。
耐久性に優れており、傷や汚れにも強く、高級感や重厚感のあるおしゃれな仕上がりになります。
そんなタイル外壁で見落としがちなのが、モルタルや目地部分の劣化です。
特にモルタルでタイルを貼り付ける、湿式工法で施工されている場合は経年によって硬化したモルタルがひび割れ、タイルの浮きや剥がれに繋がることも。
目地や接着面は5年を経過したら定期的な補修が必要になります。
タイル自体は高耐久でメンテナンスフリーと呼ばれていても、目地やモルタルなど、タイル外壁を構築している箇所の劣化は避けられず、補修が必要になります。
樹脂サイディング
塩化ビニル樹脂を原料とした樹脂サイディングは、耐久性や腐食性に優れるメンテナンスフリーと呼ばれる外壁です。
温度変化に強く、窯業系サイディングの約1/10と軽くて丈夫な樹脂サイディングですが、現在は海外製品が主流となっており、なかにはシーリング不要で施工できる高耐久な製品もあります。
凍害や塩害による影響を受けにくく、とても魅力的な樹脂サイディングですが、日本国内でのシェア率は0.1%と非常に低いのが現状です。
日本での取り扱いが少ないので、施工できる業者が限られるうえに生産数が少なく、高価な外壁材であることも樹脂サイディングが国内で普及しない理由といえます。
メンテナンスフリーと呼ばれている外壁材として、タイル外壁、樹脂サイディングをご紹介いたしました。
- ・雨水で汚れが流れやすくなる特殊なコーティング
- ・紫外線で汚れが分解されやすい
- ・吸水防止剤がシーリングのひび割れを防ぐ
外壁が傷む主な原因は、紫外線や雨、風、砂といった自然の力によるもの。
耐候性や耐食性に優れている外壁は、ダメージを軽減する構造を持っているため劣化を最小限に抑えられます。
塗り替えや張り替えなど、メンテナンス頻度を従来よりも少なくできれば、将来のメンテナンスにかかるランニングコストの節減にもつながりますよね。
結果、塗装の周期を10年ごとから20年ごとに延ばすことで、長期的にみて大幅にコストダウンできる点がメンテナンスフリー外壁の大きなメリットといえます。
外壁材と塗料の耐用年数
外壁材の種類によって耐用年数が異なるように、塗料との組み合わせでメンテナンス時期も変動します。
いまある外壁をメンテナンスフリーに近づけるには、塗料選びが非常に重要です。
お住まいの外壁が塗装時期を迎えているのなら、耐用年数の長い塗料による外壁塗装も視野にご検討ください。
外壁の耐用年数と費用相場
外壁材の種類 | 耐用年数 |
---|---|
タイル外壁 | 25〜30年 |
樹脂サイディング | 20〜30年 |
金属サイディング | 10〜20年 |
窯業系サイディング | 10〜15年 |
木質サイディング | 10〜15年 |
コンクリート | 30〜45年 |
ALC外壁 | 10〜15年 |
モルタル | 10〜15年 |
外壁塗装に使われる塗料の耐用年数と費用相場
塗料の種類 | 耐用年数 | 費用(1㎡あたり) | 特徴 |
---|---|---|---|
アクリル系塗料 | 5~8年 | 1,000円~2,000円 |
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ウレタン系塗料 | 7~10年 | 1,500円~2,500円 |
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シリコン系塗料 | 10~13年 | 2,000円~3,500円 |
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ラジカル制御型 塗料 |
12~15年 | 2,500円~4,000円 |
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フッ素系塗料 | 15~20年 | 3,000円~5,000円 |
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無機塗料 | 15~25年 | 3,500円~5,000円 |
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塗料の中では、アクリル系塗料が最も安く、フッ素系塗料と無機塗料が高めの相場です。
機能と費用のバランスのとれたシリコン系塗料が外壁塗装の定番ですが、優れた機能と高い耐久性を求める方には、フッ素系塗料や無機塗料がおすすめです。
メンテナンスフリーの外壁や塗料の種類を紹介しました。
つづいて、現在の外壁をメンテナンスフリーに近づけるポイントを3つ紹介します。
塗料選び
外壁の塗料選びは、塗装後のメンテナンス頻度に大きく影響します。
耐候性や耐汚染性に優れた高機能塗料で塗装することで、長期にわたって外壁を保護してくれるのでメンテナンスの頻度を減らせます。
たとえば、近年開発が進み次世代塗料ともいわれている「無機塗料」は、紫外線に強く、硬くて丈夫、そして燃えにくいという非常に優れた耐候性と防汚性を兼ね備えています。
ウレタン系塗料やシリコン系塗料に比べ価格は高いですが、メンテナンスフリーの外壁に近づける最も有効な塗料といえるでしょう。
無機塗料の代表的な3製品の特徴を紹介します。
エスケー化研「エスケープレミアム無機」
☑ 独自の合成技術により、劣化因子であるラジカルを抑制
☑ 親水性が高く降雨によって汚染物質を洗い落とす
☑ 静電気が帯びにくく汚れが付着しにくい
☑ 高い架橋密度によって汚れの定着を防ぐ
日本ペイント「パーフェクトセラミックトップG」
☑ つや有り、7分・5分・3分つや有り、つや消しに対応
☑ 無機の特性を活かし、優れた難燃性を有する
☑ 藻・カビの発生を抑制。オプションで強力防カビタイプの選択も可能
☑ 透湿性によって塗膜の膨れや剥がれを抑制
ダイフレックス「スーパーセランフレックス」
☑ 柔軟性に優れ、シーリング上に施工した塗膜のひび割れリスクを軽減
☑ 各種上塗材の中では最高クラスの透湿性を発揮
☑ 防カビ・防藻性を有し、カビや藻の発生を抑制
☑ 各種下地調整材を使用することにより、幅広い下地適性を発揮
シーリング
シーリングは、外壁材そのものよりも寿命が早く劣化しやすいため、外壁材の耐用年数とは別で定期的な補修が必要です。
シーリングが劣化すると雨水が浸入して、建物内部へのダメージを引き起こす恐れがあります。
外壁材の耐用年数が20年であっても、シーリング部分は5年を目安に定期的な点検とメンテナンスが欠かせません。
シーリングの打ち直しには、より耐久性に優れたグレードの高いものを選ぶと効果的です。外壁のメンテナンスは、シーリング部分の補修も含めて検討することを覚えておきましょう。
日頃から目視で確認、手入れ
外壁をメンテナンスフリーに近づけるためにできる最もシンプルな方法が、こまめな掃除です。
外壁に付着した汚れを放置したままにしていると、どんどん劣化が進んでしまいます。
外壁の汚れは定期的に水で洗い流したり、柔らかい布で拭き取ったりするなど、こまめに掃除することがメンテナンスフリーに近づける秘訣です。
定期的に掃除していれば、色褪せやクラック、チョーキングといった劣化のサインにも気づきやすくなります。
気づいたときに早めに補修することで、工事にかかる手間と時間、費用を最小限に抑えられます。
なお、補修は必ずプロに依頼し、自己流で作業するのだけは避けてくださいね。
外壁に以下のような症状が見られる場合は、早めに業者に点検を依頼し補修してもらいましょう。
- ☑ 色褪せ、変色
- ☑ 塗膜のクラック、膨れ、欠け
- ☑ カビや苔の付着
- ☑ チョーキング(外壁材の表面が劣化して粉っぽくなる現象)
- ☑ サビの発生(金属系外壁で起こる現象)
- ☑ シーリングの劣化
劣化症状を放置していると、外壁の剥がれや雨漏りを引き起こし、住宅内部の建材を傷めてしまうことにつながります。
劣化サインを見つけたときは、できるだけ早く業者へ相談し補修をお願いすることが大切です。
メンテナンスを迎えた外壁の補修方法は主に以下の3つです。
- ☑ 外壁塗装
- ☑ シーリングの補修(打ち替え、増し打ち)
- ☑ 外壁張り替え
外壁の補修は、症状によって方法が異なります。
部分的な補修に留まる場合もあれば、外壁全面の塗装や張り替えが必要になるケースもあります。
メンテナンスフリーの外壁は、美観を長く維持することで塗装メンテナンスの手間や費用を大幅に削減できる夢のような外壁材ですが、完全メンテナンスフリーの外壁は存在しないことを覚えておくことが大切です。
現在の外壁材をメンテナンスフリーに近づけたい。
高機能塗料で外壁塗装を行い、今後のメンテナンス回数を減らしたい。
まずは正しい知識と経験、技術を持ったプロに点検の依頼をしてみましょう。
塗装回数を節約するポイントまとめ
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メンテナンスフリーの外壁とは、メンテナンスの頻度が少なくて済み、長く使い続けられる高耐久な外壁材
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メンテナンスフリーと呼ばれる高耐久な外壁材は、タイル外壁、樹脂サイディングが挙げられる
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現在の外壁をメンテナンスフリーに近づけるポイントは3つ
- ☑高機能塗料で塗装
- ☑定期的なシーリング補修
- ☑日常的に手入れ、目視で点検
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メンテナンスフリーの外壁もメンテナンスは必須。劣化を見つけたら早急にメンテナンスを