「外壁が劣化しています」「このままでは大変なことになる」などと大袈裟に言って不安を煽る外壁塗装の詐欺。
なかでも、「今すぐ点検したほうが良い」と強引に点検を始め、工事の契約をするまで帰らない点検商法による詐欺は年々増加しており、国民生活センターには多くの被害相談が寄せられています。
横行している外壁塗装の詐欺に騙されないためにはどうすればいいのか?詐欺業者の巧妙な手口と対策を紹介します。
「これって外壁塗装の詐欺かも?」と悩まれている方もぜひ参考にしていただき、然るべき機関へ相談しましょう。
外壁塗装の詐欺で最も多いのが、点検商法といわれている手口です。
点検商法とは、「点検」という名目で不必要な工事を迫り、法外な工事費とともに強引に契約させる商法です。
外壁塗装の点検商法では、お客様側に専門知識がない場合が多いため、よくわからないまま相手の口車に乗せられ契約してしまうケースがよくみられます。
点検商法の例
外壁の無料点検 | 近所で工事をしていたと装い、外壁の不具合を指摘し不安を煽る 無料で点検すると言って敷地に入ってくる |
屋根の無料点検 | 屋根材が落ちている、屋根が剥がれていたなどと言って不安を煽る 無料で点検すると言い、勝手に屋根に上がる |
給湯器の無料点検 | ガス会社だと身分を偽り、無料点検を勧める 給湯器を交換したほうがいいと契約を迫る |
これらの点検商法に共通しているのは、無料で点検するという名目で突然家に押しかけ、敷地内に入ると、外壁や屋根、給湯器といった住宅設備の不具合を指摘して必要以上に不安を煽るところです。
そして、その日、その場での契約を強く勧めてきます。
半ば脅しにも聞こえるような巧妙なトークを続け、契約するまで絶対に帰ろうとしません。
そして、その日、その場での契約を強く勧めてきます。
半ば脅しにも聞こえるような巧妙なトークを続け、契約するまで絶対に帰ろうとしません。
「代金を前払いしたまま音信不通になった」
「不要な工事をされて逆にリフォームが難しくなってしまった」
このように、解決できないまま泣き寝入りしてしまう外壁塗装の詐欺による被害は後を絶ちません。
最近では30代、40代の方が被害に遭うことも珍しくなく、今や詐欺は他人事ではないのです。
外壁塗装の詐欺に遭わないためには、詐欺業者のターゲットにならないようにすることが大切です。
業者に狙われる、詐欺に遭いやすい家の特徴を紹介します。
外壁の汚れやクラックが目立つ
詐欺業者は、メンテナンスの行き届いていない家を狙います。
「近所で工事を行っていたが、お宅の外壁がかなり傷んでいる」
「大きなヒビも外壁塗装ですぐに直せますよ」
などと近づき、お客様のご不安や、直したい、といった心理に付け込みます。
外壁のクラックは、塗装だけでは不十分なケースもあります。高額な費用を支払って外壁塗装工事をしたのに、雨漏りしてしまえば元も子もありません。
今すぐ外壁塗装が必要なのかどうか、別の業者に点検をお願いして相見積もりを取ってから検討するようにしましょう。
庭先の手入れがされていない、門扉やフェンスが壊れたまま
家全体が雑然として見える、家のことに無頓着のように感じられるような場合はターゲットになりやすいといえるでしょう。
大きな家に住んでいるのに手入れがされていないとわかれば、高額なリフォームを提案してくるかもしれません。
詐欺は「ゆるみ」を見逃しません。普段から庭先などお住まいのメンテナンスは怠らないようにしましょう。
一人暮らしの高齢者世帯
※2022年度同期件数(2022年12月31日までの登録分)は346件
※独立行政法人国民生活センターHPより
※独立行政法人国民生活センターHPより
高齢者の単身世帯を狙った詐欺の被害は毎年多く、2023年は給湯器の点検商法による詐欺が1,099件と前年度の約3倍、被害の7割以上が70歳以上と、詐欺の多くが高齢者を狙っていることがわかります。
近くに家族や親類が住んでない高齢者の方は特に注意が必要です。
「今すぐ工事をしないと大変なことになりますよ」と言われても、「家族と相談して決めます」とはっきり伝え、その場での契約は避けるようにしましょう。
近くに家族や親類が住んでない高齢者の方は特に注意が必要です。
「今すぐ工事をしないと大変なことになりますよ」と言われても、「家族と相談して決めます」とはっきり伝え、その場での契約は避けるようにしましょう。
外壁塗装の詐欺による手口は年々巧妙化しており、親切な優良業者と思わせて工事を勧め、契約した後も被害に遭ったことにすぐに気づかないケースが少なくありません。
契約してお金を払ったのに工事が完工されない、または施工不良で何らかの不具合が生じる、施工後に高額な追加料金を請求されるなどのトラブルが、詐欺被害の相談には多くみられます。
外壁塗装の詐欺には、以下のような手口があるので注意しましょう。
☑ 大幅な値引き
☑ モニター商法
☑ 自社開発オリジナル塗料
大幅な値引き
「今この場で契約してもらえれば、50万円値引きします」
「今日決めていただければ、30万円お安くできます」
このような大幅値引きをちらつかせて契約を迫る業者は詐欺の可能性を疑ってください。
なぜなら、時期によって工事代金に大きな変動はないからです。
外壁塗装の工事には、足場や塗料の費用のほか人件費、出張費などが必ずかかります。
値引きをするということは、塗料の質や値段を下げたり必要な作業を省いたりしているということになります。
優良業者なら、お客様を不安にさせて契約を急ぐようなことは絶対にしないでしょう。
「なんか怖いな、どうしよう」と迷ったときこそ冷静になって、NOと断る勇気を持ってください。
モニター商法
「モニター価格」や「モニター割引」など、通常料金より安くなると謳って契約を迫るモニター商法による詐欺にも注意が必要です。
飛び込み営業で契約を取らなければならないモニター商法では、低価格や割引を売りにしているため、必ず何かしらの好条件を提示してきます。
「モニター価格」として足場代が無料になったり工事代が半額になったりするような場合は、詐欺の可能性が高いので警戒しましょう。
自社開発オリジナル塗料
「自社開発のオリジナル塗料」を売りにして、格安料金を提示してくる詐欺業者にも要注意です。
外壁塗装に使用される塗料は数百種類以上ありますが、2020年の国内シェア率は日本ペイントが50%、関西ペイントが30%、エスケー化研が7%と、およそ9割が大手メーカーが製造している塗料を使用しています。
膨大な時間とお金をかけて研究・開発された大手メーカーの高品質な塗料よりも優れたオリジナル塗料を、一業者が格安で提供するのは非常に困難です。そもそも、格安で優れた塗料が存在するならば市場に出回るはずでしょう。
オリジナルと謳いながら、実際には既存の塗料を使っていたり、大手メーカーの塗料より性能も保証も不十分だったりもします。
市場に出回らないので相場が無いに等しく、価格がかなり高く設定されていることもあります。
「オリジナル塗料」だから安くて品質が良い、ということはまずありえないのだと覚えておきましょう。
手口が巧妙化し、被害が絶えない外壁塗装の詐欺に騙されないためには、正しい知識と対応を身につけておくことが大切です。
外壁塗装を勧める訪問業者が来たとき、詐欺に騙されないための対策と注意点を5つ紹介します。
☑ 家には上げない
☑ その場ですぐ契約しない
☑ 契約内容を細かく確認する
☑ クーリング・オフ制度の記載があるか確認する
☑ 複数社から相見積もりを取る
必ずしも訪問営業イコール、詐欺とは限りませんが、その場で詐欺かそうでないかを見極めるのは非常に難しいでしょう。
詐欺から身を守る最も有効な対策は、業者を家に上げないことです。
インターホンがある場合は、対面することなくすぐに断るのがベストですが、万が一家に入れてしまったら、相手の営業トークがヒートアップする前に「契約しません」とはっきり伝えて帰ってもらいましょう。
詐欺業者が契約するまで居座るようであれば、遠慮なく警察を呼んでください。
また、工事の契約を結んだ後で「おかしいな、怪しいな、騙されたかも」と気付いた場合でも、クーリング・オフ制度を利用して契約を解除することができます。
クーリング・オフは契約書面を受け取った日からを起算日として、8日以内に契約を解除できる制度です。
もし書面の記載内容に不備があれば、8日を過ぎてもクーリング・オフできる場合がありますし、クーリング・オフができる旨の記載がない、重要な事項が記載されていない場合には消費者はいつでもクーリング・オフすることが可能です。
「クーリング・オフの期間は過ぎています」などと詐欺業者から契約解除を断られても、諦めず直ちに国民生活センターへ相談することをおすすめします。
出典:公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター
住宅相談統計年報 2023 -2022 年度の住宅相談と紛争処理の集計・分析-
住宅相談統計年報 2023 -2022 年度の住宅相談と紛争処理の集計・分析-
住宅リフォーム・紛争処理センターに寄せられた新規の相談件数は、2022年で35,772件に上り、年々拡大している外壁塗装の市場とともに、詐欺も増加していることがわかります。
https://www.chord.or.jp/assets/documents/tokei/pdf/NP2023_WEB.pdf
国民生活センターに寄せられた実際の紛争事例を3つ紹介します。
https://www.chord.or.jp/assets/documents/tokei/pdf/NP2023_WEB.pdf
国民生活センターに寄せられた実際の紛争事例を3つ紹介します。
相談内容 | 経緯 | 結果 |
クーリング・オフ期間が過ぎた外壁塗装工事の請求を破棄したい | 訪問販売で外壁塗装を勧められ、保留のつもりが勝手に契約したことになっていた。 契約書に署名はしていないものの、よくわからないまま印鑑を渡した。 クーリング・オフ期間が過ぎていて解約できず、契約金額43万円のうち材料費27万円を請求された。 |
契約書には、代金の支払時期や工事時期といった法定記載事項の記載がなかった。 契約書面に不備あり、書面不交付として、クーリング・オフが可能。 本件契約は有効に成立しているとすべきではなく、和解の見込みはないと判断され手続きが終了。 |
外壁塗装工事を契約したが工事内容が杜撰だったため契約を取り消したい | 訪問販売で光触媒の外壁塗装工事を契約した。 契約金額は197万円(337万円から140万円値引き) 頭金 4,000円を支払い、残金を72回ローンとした。 施工後の仕上がりが杜撰だったためクーリング・オフを申し出たが、工事が完了しているので応じてもらえなかった。 |
4回に渡る現地調査と資料提出の末、業者側から請求額を20万円減額して解決を図りたいとの申し出があり、双方の合意が得られたため和解が成立。 |
オリジナル塗料による外壁塗装で施工不良があったのでやり直して欲しい | 訪問販売で、オリジナル塗料による外壁塗装工事を契約した。 工事代金110万円を支払い、保証書も受け取った。 「15年は持つ」と説明されたオリジナル塗料のはずが、施工後2年で変色し始めた。 原因究明と20万円での再塗装を求めたが、瑕疵担保責任の期間が過ぎ、保証対象外であることを理由に応じてもらえない。 |
契約書面としての一体性がない点、法定記載事項を満たしていない点から、クーリング・オフが可能。 施工後の不具合は、事業者に原因追及と説明責任がある。 30万円で再塗装工事を行うこと、再塗装後5年間の保証期間を設けることで合意が得られたため和解が成立。 |
上記はいずれも、署名したつもりのない強引な契約、100万円超えの大幅値引き、オリジナル塗料など、先述した外壁塗装の詐欺の手口による被害です。
契約を急かす、大幅な値引きを主張する、オリジナル塗料を推してくるような訪問販売は、詐欺の可能性が非常に高いので、その場での契約は絶対にしないでください。
契約を急かす、大幅な値引きを主張する、オリジナル塗料を推してくるような訪問販売は、詐欺の可能性が非常に高いので、その場での契約は絶対にしないでください。
もし外壁塗装の詐欺に遭ってしまったときには、直ちに以下の窓口に相談しましょう。
契約後8日経ってクーリング・オフの期間が過ぎてしまっても、相談受付は可能なので安心してくださいね。
詐欺被害の相談窓口
消費者センター(国民生活センター) | 局番なし「188」 https://www.kokusen.go.jp/category/consult.html |
・消費者庁管轄機関で安心 ・専門の相談員が受付、公正な立場で無料で対応してくれる ・最初の相談先として最適 |
住宅リフォーム・紛争処理支援センター | ナビダイヤル 0570-016-100 (または 03-3556-5147) https://www.chord.or.jp/specialist/index.html |
・国土交通大臣指定の住宅専門相談窓口 ・新築や中古住宅のリフォーム、各種工事など住まいに関するトラブルを相談できる |
弁護士ドットコム | https://www.bengo4.com | ・日本最大級の法律相談ポータルサイト ・上記2つで解決できない場合の最終手段 ・有料 |
「外壁塗装が助成金で賄える」「補助金で外壁塗装がタダになる」などといった広告や宣伝のほとんどが契約を取るために打ち出しただけの誇大広告です。
外壁塗装で助成金が適用されても、最大で20万円程度と費用の一部に過ぎません。
費用が助成されるには、条件と対象地域に細かい確認が必要となります。
以下のポイントに注意して、「助成金」や「補助金」を謳った詐欺業者に惑わされないようにしましょう。
☑ 市町村の自治体ごとに条件と金額が異なる
☑ 助成金対象の外壁塗装工事が定められている
☑ 助成金の申請期間が決まっている
助成される金額は自治体によって異なるため、住んでいる市町村が助成金の対象となっているのか、いくら助成されるのか、事前にしっかりと調べましょう。
各市町村による助成金・補助金対象の検索
(外部リンク:https://www.j-reform.com/reform-support/)
(外部リンク:https://www.j-reform.com/reform-support/)
省エネリフォームまたはヒートアイランド現象防止の塗装工事以外は、助成の対象外となる場合があるので、外壁塗装ならどんな工事でも助成を受けられるわけではないと覚えておきましょう。
申請期間が決まっていて受け取れなかったり、予算に達した場合は受付自体を終了してしまったりするケースもあるので注意が必要です。
お得感や料金の安さに飛びついて契約してしまうと、詐欺に遭うリスクが高まります。
後々のトラブルを防ぐためにも、外壁塗装の訪問販売には毅然とした態度で断るようにしましょう!
外壁塗装の詐欺かもしれない、とお悩みなら街の外壁塗装やさんの無料点検をご検討ください。お住まいの状態を隅々まで確認し、外壁塗装が必要か必要でないかを見極めた上で、最適な工事内容のお見積りを作成いたします。
お客様のご不安を解消するマイスター制度も設けていますので、わからないことやご不安なことは何でも遠慮なくご相談ください。
外壁塗装が詐欺に狙われる!?
悪質な手口と対策を紹介!まとめ
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外壁塗装の詐欺に多い手口は点検商法と呼ばれるもので、無料で点検すると突然家に押しかけ強引に工事の契約を勧めてきます
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お住まいの外壁に汚れやヒビがある、庭先が手入れされていない、単身世帯の高齢者は詐欺に狙われやすい特徴です
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大幅な値引きやオリジナル塗料を勧められたら詐欺の可能性を疑いましょう
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外壁塗装の詐欺に騙されないためには、家には上げずその場で契約を結ばないことです
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外壁塗装の助成金・補助金の利用はお住まいの市町村によって異なり、金額も20万円程度が相場です