【点検】 お隣さんの敷地に瓦が落ちていたことで、被害に気が付かれたとの事でした。場所的にも下からでは状況がつかみにくい場所です。屋根に上がらせていただいて状況の確認を行いました。
屋根にのぼるには梯子をかけて登ることがほとんどです。まれにベランダからという事もありますが。N様邸も玄関正面がわの屋根に梯子を掛けさせていただきました。屋根の素材はセメント瓦を使用しております。
登りきってお隣さんとの敷地に近い側の「ケラバ」にそこはありました。ケラバ瓦が3枚ほど落下した形跡を確認いたしました。下地の木部もだいぶ腐ってしまっているようです。これでは釘が効いているはずもなく、ただ瓦が引っかかっていた状態であったと推測できました。
このケラバ瓦が強風にあおられて下屋根に落下し、反動でお隣さんの敷地に飛び込んだものと推測されます。下屋もダイレクトにあたったこともあって、相当のダメージを受けていました。とにかく人にあたらずに不幸中の幸いといったところです。
該当箇所だけではなく、屋根全体の点検ももちろん行っております。まずは同様の箇所がないかの確認をおこないました。実際、他のケラバにも同じ現象が出かかっている状況を確認いたしました。ケラバへの水の浸入を避けるためのコーキングがすっかり劣化して口を開けている状態です。
家屋の下側から見ても明らかにケラバ瓦の様子が変です。こちらも前述同様、もう釘は効いていない様子でした。何かのきっかけがあれば今にも落下してしまう危険があります。
全体的な瓦の塗膜の状態などを確認いたしました。よく点検で見かける光景の釘浮です。釘と瓦の間には隙間が出来てしまっています。これでは棟から雨水が入ってしまいます。棟の漆喰の状況は若干ヒビワレはあるものの崩れたりかけたりしている様子は見受けられませんでした。
N様邸の屋根点検の時にはなぜか終始このカラス君に攻撃を受けておりました。外敵とみなされていたのでしょうか?正面からの攻撃は見えている分あまり「恐怖は感じませんが軒先側で厳しい体勢をとっている時の背後から音も立てずに羽ばたいてくるときの恐怖は何とも言えませんでした。
【工事(補修)】
点検での屋根の状況をご報告させていただき、早急に悪い個所は改修を行う事となりました。ケラバの改修工事を行います。場所的にも足場を組まないと施工が出来ないため足場架設を行いました。
脱落してしまったケラバ側の部分です。何かの鳥の巣の跡がありました。この巣とカラスは関係が無さそうですが。通常でもケラバは鳥の巣を作られやすい場所です。ずれていたりすればそれはもう、絶好の巣の候補地になってしまいます。鳥のフンなどで不衛生になるばかりでなく下地を痛める原因となりかねないので予防をすることも忘れてはなりません。ケラバの瓦を留めるための下地を再度作成し直します。幸い破風板までは被害が及んでいなかったため再形成にはそれほどの苦労はありませんでした。
一度取り外したケラバに一番近い平瓦を戻して、粉砕されて使用できなくなったケラバ瓦の代わりに代替品のケラバ瓦を設置いたします。ケラバ瓦の側面には釘を打ち付ける穴がありますが、これがそのまま下地の木材にあうとは限りません。合わない場合はキリで下穴をあけて合う位置に釘を固定します。また、N様邸はセメント瓦を使用しておりました。ご存知の通りセメント瓦はすでに製造をしていないため、新品を入手することはまず不可能です。その為、在庫としてもっていた中古の瓦にはなりますが、それを使用して修復をおこなっています。その為に色が違っております。
まだ、崩落はしなかった違うケラバも改修いたしました。工事方法は前述と一緒になります。下地の木材を交換して、既存のケラバ瓦を再設置して完成です。
ケラバ瓦が落下して、割れてしまった下屋根の平瓦も交換を行いました。壁際の平瓦は交換することが難しい(板金からばらさなければいけないため費用が掛かる)ため、シリコンで欠片を戻して形成して瓦の補修工事は終了となりました。
【塗装工事】
塗装工事の前には洗浄です。汚れと古い塗膜を除去します。セメント瓦の塗装の際はここが重要なポイントとなります。洗浄がおろそかであると次の工程に支障が出てしまいます。古い塗膜が取れるくらいの洗浄の様子がお分かりでしょうか?もともとの屋根の色は赤っぽい色をしていたのが想像できます。
シッカリと洗浄をおこない乾燥させてあとはセメント瓦用のシーラーをたっぷりと、このたっぷりが重要です。とにかくたっぷりと塗布いたします。シーラーが乾燥するのをまってから中塗りに入ります。中塗りの上がった状態の屋根です。中塗りまででも見違えるようにキレイになりました。
中塗りの後はもちろん上塗りです。今回使用した屋根塗料はミズタニの水系カスタムシリコンという塗料です。色はバイエルンブラウンをお選びいただきました。上塗りをすることでよりいっそうのツヤが出てきたのがおわかりでしょうか?
瓦修理を行ったケラバの部分もすっかり色が塗られて補修をしたのもわからない状態になりました。しっかりと水が入らない様にシリコンで瓦上部にも水止めをしていますので大雨でも大風でも安心していただけることでしょう。
記事内に記載されている金額は2021年06月24日時点での費用となります。
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