【点検時の様子 1号棟】
1号棟の屋根と外壁の現状を確認します。
5棟あるアパートは、ほぼ同じ様な造りになっていますが、日当たりや風の受けやすさにより、同じ築年数でも状態の違いは結構あります。1号棟の現状はどうでしょうか。外壁を触ってみると白い粉が付着しました。これは塗料が劣化したことで起こるチョーキング(白亜化)という現象です(右写真)。この現象が見られた場合は、そろそろ外壁塗装が必要な時期と判断できます。 | |
更に外壁を近くで見ると、随所に塗料の浮きが確認できました(左写真)。このような状態の外壁は、下地が水分の影響を受けやすいので、外壁にとってあまり良くありません。塗装を行い防水性を元に戻す必要があります。 窓枠付近のコーキングにひび割れが見られました(右写真)。窓枠付近の雨漏りはコーキングの傷みが原因になることが多いです。こちらも塗装工事の前に補修を行う必要があります。 |
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基礎に構造クラックが見つかりました(左写真)。この様に大きなクラックはどんどん広がり、基礎の寿命を著しく短くしてしまいます。早めに補修が必要です。 雨樋の止め金具が錆びています(右写真)。腐食により金具が壊れ、強風に煽られることで雨樋の破損にも繋がることもあります。これ以上傷みが進行する前に、塗装をしっかり行いたいと思います。 |
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続いて屋根を点検します。見たところ、苔などは発生していないようですが、全体的に色褪せており、部分的な変色も見られます。 | |
棟板金の釘が浮いていました(左写真)。それにより棟板金が浮き、隙間が見られます(右写真)。この様な状態ですと、隙間から雨水が浸入し、雨漏りに発展する可能性があります。幸いにも1号棟では雨漏りはありませんでしたが、貫板は傷んでいるようです。こちらは棟板金の交換工事をご提案いたしました。 | |
屋根の端であるケラバ部の板金にも浮きが見られました(左写真)。この部分は風の影響を受けやすいため、少しの浮きであっても強風により板金が飛散する危険があります。 破風板は塗膜が剥離していました(右写真)。ご覧の通り木部が露出しているので、このままでは水分の影響を受け傷んでしまいます。 |
【点検時の様子 2号棟】
雨漏りの原因特定と、建物全体を点検します。
外壁の様子から見ていきます。まず気になったのはサイディングの浮きです(右写真)。変形により、目地に大きな隙間が出来てしまっています。この様な外壁の隙間から水分が浸入し、雨漏りとなる場合があります。 | |
こちらは塗膜が剥がれ落ちています(左写真)。これは塗料が劣化している証拠です。剥がれた箇所は保護機能がなくなり、傷みやすくなります。右写真は何かが当たった様に塗膜が剥離し、下地がえぐれています。 | |
窓枠付近の塗膜が剥離しています(左写真)。木部が露出しているので、このままでは水分を吸って腐食してしまいます。塗装を行ってしっかり保護する必要があります。右写真は竪樋の様子です。ご覧のように大きな穴が開いているので、これでは雨水処理がうまく出来ません。また、小動物が入り込むこともあるので、補修を行い健常を保つことが大事です。 | |
雨漏り箇所の調査を行います。小屋裏を確認したところ、断熱材に雨漏り跡がありました(左写真)。また、その付近の木部に雨漏りによる変色も見られました。雨漏りの原因はこの小屋裏上部の屋根にありそうです。 | |
屋根の点検では雨漏りの原因も特定していきます。1号棟と同様に屋根全体に色褪せが見られます。色褪せは見た目の問題だけではなく、塗料の性能が著しく低下している状態でもあります。この様な塗装時期のサインをしっかり感知するこで、大きなトラブルを未然に防ぐことが出来ます。 | |
左写真をご覧ください。縁切りを行わず塗装をしているので、屋根材同士の隙間が殆どありません。縁切りをしないと、毛細管現象により水分が内部に浸入し雨漏りの原因になります。また、内部の湿気の逃げ道も無くなります。 谷板金のコーキングが劣化しています(右写真)。また、板金の接合部に凹凸が出来ており、雨水の流れを妨げています。この部分も雨漏りの入り口の可能性があります。 |
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以前塗装を行った時の液垂れ跡が見られました(左写真)。その付近を近くで見ると塗料がボコボコになっています(右写真)。これらは塗料の厚塗りが原因です。塗装の基本は適量の塗料を重ね塗りすることで、それを忠実に行えばこの様な仕上がりにはなりません。 | |
【点検時の様子 3号棟】
3号棟の屋根と外壁の現状を確認します。
他の棟と若干形状が違う、くの字型の3号棟です。こちらの様子はどうでしょうか。まずは外壁から確認します。大分汚れが目立っており、ところどころ苔の様なものが生えています(右写真)。 | |
外壁を近くで確認すると、塗膜の剥がれが随所に見られます。また、露出した下地に苔が生えています(左写真)。塗膜が剥がれた箇所は水分が滞留するので、苔が繁殖しやすくなります。 窓枠付近の木部が腐食していました(右写真)。ここまで傷みが進んでいると、塗装だけでは対応できないので交換しなければなりません。 |
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エアコンの排水ホースに苔が生えていました(右写真)。日当たりの悪い所は苔やカビが繁殖しやすいので、注意が必要です。右写真は窓格子の様子です。塗膜が剥がれ、錆が発生しています。また、錆びた箇所以外も塗膜のひび割れが多数ありました。 | |
続いて屋根を点検します。屋根は日陰などが出来にくいので、どの棟も同じ様な環境です。そのため3号棟でも他の棟と同様に色褪せが見られました。 | |
左写真をご覧ください。白っぽい部分は塗膜が剥がれた箇所です。右写真はその部分を近くで見たものです。3号棟同様に塗膜がボコボコになっているのがお分かりいただけるでしょう。ボコボコしているのは塗膜が浮いているからです。この状態の塗膜は非常に剥がれやすい上、水捌けも悪くなります。 | |
棟板金の補修跡が見られました(左写真)。こちらは補修箇所のコーキングに劣化が見られます。また、板金の浮きも随所で確認できました。この状況からすると、中の貫板も傷んでいると考察できます。そこで、今回は屋根塗装に合わせてこちらの棟板金の交換もご提案させていただきました。 |
【点検時の様子 4号棟】
4号棟の屋根と外壁の現状を確認します。
まずは外壁から見ていきます。こちらも他の棟と同様に汚れと塗膜の剥がれが見られます。塗料が劣化すると、水分が滞留するので汚れも付着しやすくなります。それらの悪影響から外壁材を保護するために、定期的に外壁塗装を行う必要があります。 | |
入り口付近の様子です。直射日光が当たりにくいので、紫外線の影響による劣化や変色はありません。ですが、全体的に汚れが目立っています。 | |
ベランダ部分の外壁に多数の塗膜剥がれが確認されました(左写真)。街灯のポールも塗膜が剥がれ、錆が発生しています(右写真)。 | |
屋根の点検に移ります。やはりこちらの屋根にも色褪せが見られます。過去に屋根塗装を行っているとは言え、年数が経てば再びメンテナンスが必要になります。定期的にお住まいの状態をチェックすることで、トラブルを未然に防ぐことが出来るのです。 | |
棟板金の補修跡が確認できました(左写真)。これだけ大量のコーキングを盛っているのは、大きな隙間を埋めるためでしょう。他の箇所でも棟板金の浮きが見られました(右写真)。コーキングを盛った形跡がありますが、隙間が大きすぎて意味を成していません。ここまで浮きが大きいのは、棟板金自体が変形しているからです。隙間から水分が浸入して中の貫板も傷んでいると思われます。 | |
コロニアルの欠けが見つかりました(左写真)。直接雨水が侵入する程ではありませんが、こちらも補修が必要です。 木板の一部が腐食して、剥がれ落ちています(右写真)。その付近の木部も傷みが見られるので、こちらは交換する必要があります。 |
【点検時の様子 5号棟】
5号棟の屋根と外壁の現状を確認します。
まずは外壁から見ていきます。遠目で確認すると他の棟よりも比較的綺麗なようです。ですが、やはり全体的に汚れており、部分的に塗膜の剥離も見られます。 | |
サイディングの目地に補修跡が見つかりました(左写真)。補修はしたものの、サイディングの浮きによって再び隙間が出来ています。窓枠付近の外壁にも補修跡がありました(右写真)。どちらも外壁塗装を行う前に、しっかり補修を行う必要があります。 | |
他の棟よりも軽度ですが、外壁(左写真)や破風板(右写真)に塗膜の剥離が見られました。この様なめくれた部分は、ケレン(古い塗料を落として下地を整える)を行ってから塗装をします。 | |
続いて屋根を点検します。この棟の屋根も色褪せが見られます。色褪せは、塗料の劣化した証拠です。見た目にも分かりやすいので、ご自身で確認できる場合は、塗装を行う時期の判断材料になります。 | |
棟板金の浮き(左写真)と、棟板金を固定する釘の浮き(右写真)が確認されました。釘がここまで浮いていると、棟板金は殆ど固定されていない状態です。強風によって飛散してしまう前に補修を行う必要があります。 | |
板金と外壁の接触部の様子です(左写真)。コーキングが経年により変色しています。外壁塗装時に、コーキング部も合わせて補修を行いたいと思います。 コロニアルに補修跡が見られました(右写真)。おそらくクラックの補修を行った跡でしょう。クラックは、補修をしても時間の経過と共に再発することが多いです。この様な箇所は特に注意深く点検を行います。 |
【足場架設】
高所作業を行うので、足場を架設します。
足場を架設し(左写真)、その廻りをメッシュシートで覆います(右写真)。メッシュシートを設置することで、工事による汚れや塗料の飛散を防ぎます。 | |
支柱と踏み板を組み合わせ、お住まいの形状や立地に合わせて架設します(左写真)。工事が始まると、数週間はこのままです。その間にアパートに入居されている方が、足場に接触して怪我をしないように、スポンジで養生します(右写真)。 |
【高圧洗浄】
塗装工事を行う前に高圧洗浄を行います。
屋根で落とした汚れは外壁を伝い流れ落ちていくので、上から高圧洗浄をしていくのが基本です。汚れを除去することはもちろんですが、古くなって浮いた塗料も一緒に落とします。 | |
こちらは外壁の高圧洗浄です。約150kgの高圧です。傷んだ箇所をそのままの圧で洗浄すると、悪化させてしまう場合があります。そのため、洗浄する部位によって圧を調整しながら行います。 |
【外壁塗装工事】
シリコン塗料を使用し、外壁塗装を行います。
外壁塗装を行う前に、ケレンを行います(左写真)。塗膜に浮きやめくれがある場合、ケレンを行い古い塗料を落として下地を整えます。そのまま塗装を行うと塗料と外壁材の癒着力が弱まり、ひび割れや浮きの原因になります。 ケレンが終わり、下塗りを行っているところです(右写真)。今回使用した下塗り剤は浸透性シーラーです。浸透性が高いので、下地及び中塗り、上塗りの塗料との密着に優れています。 |
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下塗り後、中塗りを行います。今回使用したのは白のシリコン塗料です。シリコン塗料の長所は低汚染(汚れにくい)ですので、美しい景観を長く保つことができます。 | |
中塗り後、上塗りを行います。下塗り、中塗り、上塗りと3回重ね塗りを行うことで、強固な塗膜が出来上がります。古い塗料のめくれが目立っていた外壁でしたが、塗装を行ったことで美しい外壁に生まれ変わりましたね! | |
目地のコーキングを打ち増しします。まずは目地の両脇にマスキングテープを使って養生します。その後コーキングを注入します(左写真)。専用のヘラを使い形を整え、養生を外して打ち増し工事は完了です(右写真)。尚、外壁の浮きが見られた2号棟と5号棟では、事前に浮きを修正してから目地補修を行いました。 | |
コーナー部分の目地補修です(左写真)。こちらも同様にコーキングガンを使って打ち増しします。目地補修は外壁の種類や使う塗料によって工程が前後します。今回は白の塗料で塗装を行いましたので、コーキングの上に塗装する必要がありません。ですので塗装後に目地補修を行いました。右写真が補修後になります。外壁の色とマッチして綺麗な仕上がりとなりましたね! | |
【棟板金交換工事】
古い棟板金を撤去し、新しい棟板金を設置します。
棟板金の浮き箇所から水分が浸入し、貫板が大分傷んでおりました。それらの古い貫板と棟板金を撤去し、清掃を行います。 | |
新しい貫板を設置し(左写真)、その上から新品の棟板金を設置します(右写真)。棟板金の固定には釘よりも固定力の強いビスを使用しました。右写真が棟板金の設置が完了したところです。この後、屋根塗装と合わせて棟板金にも塗装を行います。 |
【屋根塗装工事】
シリコン塗料を使用し、屋根塗装を行います。
外壁と同じ様に、まずは下塗りを行います。基本的には左写真の様に短い柄のローラーを使いますが、集合住宅などの塗装面積が広い場合は右写真の様に長い柄を使って塗装を行います。柄を長くすることで作業効率が格段にアップし、早く綺麗に塗ることができます。 | |
続いてタスペーサーを使用して縁切りを行います。左写真の様にヘラなどを使ってタスペーサーを設置します。右写真がタスペーサーが設置されたところです。縁切りとは屋根材との隙間を適度に持たせることです。縁切りを行わないと毛細管現象で内部に水分が侵入し雨漏りの原因になります。 | |
縁切り後、中塗りを行います。中塗りと、この後行う上塗りはシリコン塗料を使用しました。右写真が中塗り後になりますが、この段階でも随分屋根のイメージが変ったことがお分かりいただけるでしょう。 | |
続いて上塗りを行います。中塗りでもムラなく塗られていますが、上塗りを行うこと塗料本来の性能(耐久性や防汚性)を引き出すことができます。右写真が上塗り後になります。中塗り後よりも上塗り後の方が艶が増して輝いているのがわかりますね! |
【破風板補修工事】
傷んだ破風板を交換します。
交換前の破風板です(左写真)。何かが当たった様にえぐれています。また、塗料の劣化により、ところどころ塗膜が剥がれています。この状態では塗装はできないので、新しい破風板に変更します。右写真が新しい破風板を設置しているところです。ビスを打ち込んでしっかり固定させます。 | |
左写真は破風板の一部だけの設置が終わったところです。同様に全ての破風板を新しいものと交換していきます。右写真が破風板の設置が全て終わったところです。残念ながら写真は撮影できませんでしたが、交換した破風板も既存の色と同じピンクで塗装を行っております。 |
【部分塗装工事】
雨樋や玄関ドアの塗装も合わせて行いました。
左写真が雨樋塗装の様子で、右写真が塗装完了の写真です。雨樋だけの補修でも足場の架設が必要となり、意外と費用がかさんでしまうものです。今回のように外壁塗装などの足場が必要となる工事に、別の工事を合わせて行うことで、費用を抑えることができます。 | |
こちらは竪樋の塗装です。左写真は固定用の金具のケレンを行っている様子です。ケレンが終わった後、外壁と同じホワイトで塗装します(右写真)。こちらも数回に分けて重ね塗りを行って仕上げます。 | |
玄関ドアの塗装です。塗装の前に、ケレンを行います。細かい箇所はヘラを使い(左写真)、広い面にはマジックロンという研磨材を使用します(右写真)。 | |
ケレンが終わった後、塗装に入ります(右写真)。下塗り+2回塗りで、計3回の重ね塗りを行います。ドアの枠も塗装します(右写真)。写真の様に、細かい部分はローラーではなく刷毛を使用して塗装を行います。 |
【完工後】
今回は集合住宅の外壁塗装と屋根塗装を行いました。塗装面積は大きいものの、基本的には一般住宅と施工の流れは変りません。 また、賃貸物件のオーナー様にとって、入居者にいかに迷惑をかけないかも、大事なところです。入居者には普段通りの生活を送ってもらえるような配慮し、工期を短くする工夫も重要になってきます。外壁塗装センターでは数多くの実績があり、賃貸物件に対しても十分なノウハウがあります。賃貸物件のメンテナンスに関してもお気軽にご相談下さい。 |
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点検時は塗膜の剥がれや棟板金の浮きが見られた屋根でしたが、補修と塗装をしっかり行ったことで美しい屋根に生まれ変わりました。雨漏りも解消されましたので、これからは安心してお過ごしいただけるでしょう。 使用した塗料や材料によって塗装の周期は変わりますが、今後も定期的に塗装などのメンテナンスが必要になります。これからは外壁塗装センターで1ヶ月、1年、隔年と点検を行ってまいりますので、工事後もお付き合いの程、よろしくお願いいたします。 |
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記事内に記載されている金額は2021年06月24日時点での費用となります。
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