5年程前に、工事をさせて戴いたご兄弟様よりご紹介いただきました。
お客様のご自宅の敷地にある大型倉庫2棟の塗装のご相談を受け、ご自宅の日本瓦の屋根も調査させていただくと、漆喰の劣化で、瓦の不具合部分が多々見られました。お客様も気にされていたご様子で、ご依頼を受けました。
こちらのお宅は、築35年の和風建築で、日本瓦を使用されています。
とてもりっぱな、飾り瓦、鬼瓦の大棟を持つ、格調高い屋根になっています。
日本瓦で特に釉薬の付いた瓦は、他の屋根素材より耐候性が非常に高いものです。
しかし瓦自体の耐久性はあっても繋ぎをしている漆喰は、経年で劣化が進み、点検、メンテナンスを怠れば、地震も多い日本ですので、瓦はいつか崩れて来てしまいます。
こちらのお宅も屋根を拝見させていただいたところ、漆喰劣化による不具合があり、瓦が崩れ落ちている個所、空間が出来てしまっている個所等が多数ありました。
この現地調査の結果、こちらの屋根補修工事は、
棟瓦の取り直し(積み直し)作業と、
漆喰詰め直しを行うことにいたしました。
こちらの屋根にもいろいろ棟がありますが、そのうち立派な大棟は、漆喰の詰め直し工事で対処できるものでした。取り直し(=積み直し)作業が必要なのは、※降り棟と※風切り丸です。
※降り棟(くだりむね)とは、
屋根の頂上にある水平の大棟から屋根に沿って軒先方向へ下っている棟を言います。隅に向かっていれば隅棟(すみむね)とも言います。
※風切り丸とは、
切り妻屋根の妻側=先端側に葺いてある丸瓦の列のことです。
台風や大風の際に、瓦が端から飛んでいかないように、風の力を分散させる為とアクセントをつける為だと言われていますが、最近はほとんど取り付けないようです。
こちらのお宅は、この風切り丸が、妻端ごとに2本ずつ施工してあり、取り直しをする棟は、降り棟も合わせてかなりの本数になりました
丸瓦を取り外すと屋根土が多量に出てきます
外した瓦は又使いますので、割らないよう気を付けて保管します。
土をきれいに除いた後、瓦を結びつける銅線を取り付けます
下部に積みあげる平たい瓦をのし瓦と言い、南蛮漆喰(従来の漆喰に接着剤他を足したもの)で設置していきます
のし瓦の上に、南蛮漆喰を丸瓦の形状に合わせたっぷり盛り、丸瓦を下の先端から設置して銅線で止めながら、順に上へ取り付けていきます。
こちらの風切り丸取り直し工事は、のし瓦を除いた降り棟の取り直し工事とほぼ同じ工程になりました
◎漆喰の劣化で先端の瓦が雨どいに、ずれ落ちています
この工事は、瓦などにずれが無く、比較的軽度な漆喰の不具合のみの場合に行います。
こちらの屋根では、棟瓦取り直し工事をしたところの他を出来る限り漆喰詰め直し致しました。
細い半円状になっている漆喰は、三日月と呼ばれています。
これらの部分は雨に濡れないように、瓦より奥におさめて詰めていきます
これらの漆喰部分は、先ほどの三日月漆喰と反対に頂上部で常に雨風日光にさらされていてダメージが多くなる部分ですので、こんもりたっぷりの漆喰をかっこよく飾り付けます。
この後、きれいに清掃して完了です
こちらの屋根の不具合は、いろいろありましたが、雨漏りは、していない段階でしたので、幸いでした。
屋根は普段見えないところですが、皆様も定期的に、あるいは、気になった時、早めに無料相談をお使いになって無料点検なさることをお勧めいたします。
記事内に記載されている金額は2018年06月20日時点での費用となります。
街の外壁塗装やさんでは無料でのお見積りを承っておりますので、現在の詳細な費用をお求めの際はお気軽にお問い合わせください。
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