
新宿区若葉にて実施した鉄骨階段の塗装工事と波板交換工事の様子をご紹介いたします。
工事のご依頼をいただいたきっかけは、「自宅兼アパートとして使用している建物の外階段に錆が出てきたため、メンテナンスを検討しています。調査と見積りをお願いしたい」とのご相談でした。
現地調査を行ったところ、これまで定期的に塗装によるメンテナンスをされていたこともあり、鉄部に深刻な腐食は見受けられませんでした。
しかし、前回の塗装から時間が経過しているため、塗膜の劣化や剥がれが所々に確認され、その部分では金属が水分と反応し錆が発生していました。
このまま放置すると錆は徐々に進行し、金属部分に穴が開いたり耐久性が著しく低下する恐れがあります。
耐久性が失われれば事故につながる可能性もあるため、定期的な塗装メンテナンスは非常に重要です。
調査結果をご報告し、鉄骨階段の塗装工事をご提案したところ、ご検討のうえ工事をお任せいただくこととなりました。
使用材料
クリーンマイルドウレタン(SR-165)

現地調査の様子をご紹介いたします。
こちらの建物は築約45年の木造2階建てで、自宅兼アパートとして使用されています。
今回メンテナンスのご相談をいただいた鉄骨階段は、1つが2階のご自宅玄関へと繋がる階段、もう1つが2階ベランダから屋上に設置された後付バルコニーへと繋がる階段の、計2箇所になります。
これまで定期的にメンテナンスを行ってこられたとのことですが、前回の施工から約10年が経過しており、塗装の劣化や鉄部の錆が目立ってきたため、今回の工事をご検討されたとのことです。

鉄骨階段は、柱・手摺・踏み板・ササラといった主要部分がすべて鉄で構成されています。
近年はアルミ製の階段も見られますが、築年数のある建物では鉄製が一般的であり、今回もその形態でした。
また、手摺部分には目隠しとして塩化ビニル製の波板が取り付けられていましたが、経年劣化により変色が進んでいる状態でした。
塗装を行う際には手摺も塗装対象となるため、一度波板を取り外す必要があります。
しかし、劣化が進んでいると取り外しや再設置の過程で破損する可能性が高いため、交換をご提案いたします。

鉄部の塗装には、色あせやチョーキングといった劣化症状が確認されました。
チョーキングとは、熱や紫外線の影響で塗料が劣化し、塗料に含まれる顔料が表面に白い粉状となって浮き出てくる現象を指します。
この症状は塗膜が寿命を迎えたサインであり、塗装メンテナンスを検討すべき時期であることを示しています。
特に鉄部は外壁に比べて塗膜の劣化が早いとされており、5〜7年を目安に点検や再塗装を行うことが推奨されます。

塗装の劣化以外にも、複数箇所で塗膜の剥がれが確認されました。
塗膜が剥がれて鉄部が露出しているため、そこから錆の発生が進んでいる状況です。
現時点では錆による腐食は軽度で、穴あきといった深刻な症状は見られませんでした。
しかし、このまま放置すると錆が進行し、金属に穴が開いて耐久性が低下し、事故につながる危険性もあるため早めの対応が必要です。

鉄骨階段の構造上、踏み板の固定方法にはいくつか種類があります。
今回の階段では、縞鋼板を加工した踏み板が、鉄骨に溶接されたLアングルにボルトで固定されていました。
この場合、アングルと鉄骨の隙間に雨水が滞留すると、アングル自体の腐食や溶接部分の剥離を引き起こし、最悪の場合は踏み板が脱落してしまう危険性があります。
現状ではアングルの浮きや腐食は確認されず問題はありませんでしたが、もし溶接部分の剥離が進行すれば耐久性を維持できなくなるため、将来的には踏み板の交換や溶接による補強が必要となります。
調査結果をお客様へご報告し、鉄骨階段の塗装工事と波板交換工事をご提案したところ、ご検討のうえ工事をお任せいただくこととなりました。
今回のお客様の工事費用は税込378,000円で承っております。
なお、工事金額は建物の状況や施工面積によって変動いたしますので、詳細についてはお気軽にお問い合わせください。
まずは下地処理(ケレン)から作業を開始します。
下地処理とはその名の通り、塗装を行う前に下地の状態を整える工程で、「ケレン」とも呼ばれます。
ケレンでは下地の清掃や古い塗膜の除去を行い、表面の汚れを取り除くことで新しい塗料が密着しやすい状態をつくります。
この下地処理を丁寧に行うかどうかで、塗り直し後の塗膜の耐久性や仕上がりに大きく影響します。
そのため塗装工事において非常に重要な工程といえます。
なお、下地の状態によって使用する道具も異なるため、状況に応じて適切な道具を選定し作業を進めます。

今回は鉄部の塗装工事となるため、下塗りには錆止め塗料を使用します。
使用する錆止め塗料は、仕上げにエスケー化研の「クリーンマイルドウレタン」を採用することから、同メーカーの専用下塗り材である「マイルドザビガード」を選定しました。
この塗料は錆の発生を抑える効果を持つだけでなく、下地と上塗り塗料の密着性を高める役割も果たします。
さらに、乾燥時間が約3時間と速乾性に優れているため、作業効率の向上にも繋がります。
下地処理の後は、下塗り作業に移ります。
鉄部への下塗りは、下地と上塗り塗料の密着性を高めるだけでなく、錆の発生を防ぐ役割もあります。
下塗りが不十分だと、塗装後間もなく塗膜が剥がれるなどのトラブルが発生する可能性があります。
そのため、塗装の耐久性を高めるためにも、下塗りは非常に重要な工程となります。

中塗り・上塗りには、エスケー化研の「クリーンマイルドウレタン」を使用しました。
耐用年数はおよそ10~12年です。
このクリーンマイルドウレタンは弱溶剤系の塗料で、シンナーで希釈して使用します。
水性塗料に比べて多少の匂いはありますが、密着性に優れ、さまざまな下地に対応できるのが特徴です。
塗料の色はご家族と相談のうえ、「SR165」をお選びいただきました。
中塗りの作業の様子です。
この工程では、仕上げ用の塗料を使って塗装を行います。
今回の工事では、下塗りから上塗りまでの合計3層で仕上げるため、中塗りは2層目にあたります。
仕上げを1回の塗装で行ってしまうと、塗料の吸い込みによって色ムラが生じる可能性があります。
そのため、仕上げ塗装は中塗りと上塗りの2回に分けて丁寧に行います。
上塗りの作業の様子です。
中塗りと同じく、クリーンマイルドウレタンを使用して塗装を行います。
塗料メーカーのカタログには推奨塗布回数が記載されており、回数を減らしてしまうと塗膜の品質が確保できず、不具合が発生する可能性があります。
そのため、規定の塗布回数を必ず守って施工することが重要です。

お客様から「踏み間違いを防ぎたい」というご要望をいただき、踏み板部分はSR-422で塗り分けを行いました。
踏み板の手前約3cmはSR-165で仕上げており、階段の端部が明確に識別できるようになっています。
この仕上がりにお客様もご満足いただきました。
塗装作業が完了した後、波板の復旧作業を行います。
今回使用する波板は、住友ベークライト㈱のポリカーボネート製波板です。
ポリカーボネートは耐衝撃性に優れ、耐久性も高いため、波板交換の際によく使用される素材です。
さらに、住友ベークライト㈱の波板はカラーバリエーションが豊富で、ご希望の色に合わせた交換が可能です。
今回の色はお客様と相談のうえ、「フロスト」をお選びいただきました。

設置箇所の形状が市販品のままでは取り付けできなかったため、既存の波板に合わせて新しい波板の形状を加工して取り付けました。
ポリカーボネート製の波板は、専用の波板用ハサミを使うことで簡単に加工することができます。
今回の工事では、波板の固定に波板ビスを使用します。
まずビスを取り付ける前に、錐を使って下穴を開けます。
下穴を開けることで、ビスを打つ際の穴位置のズレを防ぐことができます。
下穴は必ず波板の「山」の部分に開ける必要があり、「谷」の部分に開けてしまうと雨水が通る箇所を貫通させることになり、雨漏りの原因となります。
また、波板ビスには鉄骨下地用と木下地用の2種類があり、下地の素材に応じて適切なビスを使用する必要があります。

波板の復旧作業が完了しました。経年による変色で見栄えが損なわれていた波板も、クリア系の色をお選びいただいたことで、明るく清潔感のある仕上がりとなりました。

外壁塗装が無事に完了しました。
工事完了後にはお客様に立ち会いいただき、仕上がりを確認していただき、問題がなければ施工完了となります。
今回の工事には、施工保証として3年間の保証をお付けしております。
初回の点検は1年後に実施し、その後は隔年で点検にお伺いして外壁の状態を確認いたしますので、施工後も安心してお過ごしいただけます。
記事内に記載されている金額は2025年10月06日時点での費用となります。
街の外壁塗装やさんでは無料でのお見積りを承っておりますので、現在の詳細な費用をお求めの際はお気軽にお問い合わせください。
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