日野市豊田のお客様より、「屋根メンテナンスをお願いしたい」とのご依頼をいただきました。お客様のお住まいは今年で築18年目になるそうで、ご近所で屋根工事をされている別の業者、屋根の傷み具合を指摘されたそうです。屋根の事であれば屋根の専門業者に、という事でネットで検索され、弊社にご依頼を承りました。点検にお伺いし、確認いたしましたところ、使用されていたのはニチハのパミールでした。パミールは残念ながら塗装によるメンテナンスができませんので、お客様の予算の都合もあり屋根カバー工法での改修工事となりました。
屋根に上がらせていただき、調査させていただきました。お客様の屋根に使用されていた屋根材は、ニチハ製のパミールでした。屋根のメンテナンスは今回が初めてとの事でしたが、全体的に塗膜が劣化し色褪せた印象で、部分的に表面が薄く剥がれてきています。パミールは、経年劣化するとまるでミルフィーユのように表面が薄く剥がれていくという特徴があり、こうなってしまうといくら表面に塗装を施しても下の屋根材ごと剥がれてしまうので、塗装工事を行っても意味がありません。
このパミールというのは1996年から2008年まで製造された屋根材の一種で、屋根材に対してアスベストが使用禁止になる前に自主的にアスベストの使用を控えた新素材です。この頃は他のメーカーもノン・アスベスト素材の開発に乗り出していましたが、いずれも似たような症状が出ています。後々になって経年劣化し始めるとボロボロと傷んでくる症状が発覚し、その後どのメーカーもこの時期の屋根材は製造中止になっています。
塗装メンテナンスができませんので、メンテナンスとしては葺き替えか屋根カバー工法による工事しかありません。今回、お客様のご予算の都合もあり、既存の屋根を撤去せずにすむ、屋根カバー工法をご選択いただきました。
また、足場を組む工事となりますので、外壁のメンテナンスも、というお話になり、外壁も見させていただきました。外壁は窯業サイディングを取り入れた外壁となります。やはり外壁のメンテナンスも今回が初めてとなるそうで、シーリングの劣化が目につきます。全体的に硬化してひび割れが入っている状態です。塗装塗膜も劣化し色褪せた印象があり、陽あたらない外壁はカビが繁殖してきています。すでに築18年経過していますので、塗装メンテナンスを行うにはいい機会といえます。今回は全体的なシーリングの交換工事もご提案させていただきました。
屋根のカバー工事というのは、既存の屋根材を廃棄せず残したまま、上からカバーをするように下葺き、上葺きと重ねて葺いていく方法です。この方法ですと、既存の屋根材を撤去する手間もかからず、撤去した屋根材を処分する必要もないため、その分の工期と費用がかからないのが特徴です。ただ、下地材(野地板)の状態が良くないとできない工法です。
まず既存の棟板金の撤去から始めます。釘の浮きやねじ曲がりなどありますので、注意深く慎重に外していきます。同時に古い貫板も撤去いたします。貫板が腐食していますので、ボロボロと崩れないよう注意しながら撤去します。ごみを掃除した後、パミールの上から防水紙を設置していきます。 防水紙は粘着式を使用しますので、スレートに密着してずれません。
防水紙を敷設後、上葺きを行います。今回使用する屋根材は、アイジー工業のスーパーガルテクトです。とても意匠性に富んだ屋根材で、遮熱性鋼板と断熱材の相乗効果で優れた断熱性能を発揮いたします。加工もしやすいので、よほど大きな屋根でもない限り2人がかりで1日で取り付けが終わりますので、施工期間の短縮にもつながる屋根材です。
屋根材を屋根の下端、すなわち軒側から上に向かって順に葺いていきます。ビスで一枚一枚丁寧に固定していきます。同時に雪止めも設置していきます。
棟まで葺いたら隣の面に移ります。
最後に棟板金を設置します。今回は合成樹脂製の貫板を使用します。木製の貫板と比べて腐食せず長持ちいたします。こちらをビスで屋根材に固定していきます。この上からガルバリウム鋼板製の板金を固定していきます。雨漏りしないよう、上からではなく横からビスを打ち込みます。
板金を設置し終わり、スーパーガルテクトによる屋根カバー工事が竣工しました。
塗装作業に入る前に、まずはシーリングの打ち替えです。全ての古いシーリングを撤去することから始めます。カッターやペンチなど使用して撤去していきます。きれいに剥がした後、再度シーリングを充填していくのですが、その前にプライマーを塗布していきます。プライマーは下地材の一種で、外壁とシーリングをより密着させるために塗布します。刷毛などを使って塗り残しのないように丁寧に塗っていきます。
プライマーを塗布した後、シーリング材を充填していきます。シーリングを充填した後、乾く前にヘラで均します。外壁の仕上げにに直接影響しますので丁寧に処理していきます。その後シーリングが完全に乾く前、マスキングテープを剥がしていきます。
外壁の塗装に移ります。今回使用する塗料は、下塗りにパーフェクトサーフ、仕上げ塗装にパーフェクトトップを使用します。色はH09-30Dです。パーフェクトトップは耐用年数も長いわりにお手頃価格で、さらに微弾性効果があり、微細なヘア・クラックなどに対して追従性があり、独自のラジカル制御によって紫外線から塗膜の劣化を抑制し長期に渡り美しい姿を保つことができます。まずは下塗り塗料のパーフェクトサーフから塗布していきます。屋根と同様外壁と仕上げ塗料との密着性を高める効果があります。とくに凹凸のある窯業サイディングには必要な処理です。
仕上げ塗装は屋根と同様、2回行います。広い面積はローラーを使い丁寧に塗っていきます。天戸付近や樋の周辺など細かい作業は刷毛を使用して、塗り残しのないよう注意しながら塗っていきます。
破風や帯板にもローラーで丁寧に塗っていきます。破風や軒天などの付帯部分にも塗装が必要です。屋根や外壁と同様、紫外線・雨水の外的影響を受け劣化してしまうからです。
最終的に、お客様にご確認いただき、工事竣工となります。見違えるほど綺麗に仕上がり大変ご満足いただきました。
今回は屋根がパミールでしたので、屋根カバー工法という工事になりました。パミールは2008年まで製造された屋根材です。亀裂が入ったり剥離したりと目に見える劣化が起こるのは設置からおよそ10年前後と言われています。写真をご覧いただき、もしこのような剥離する現象が起きていたら、一度私たち街の外壁塗装やさんに相談いただけたらと思います。
記事内に記載されている金額は2023年10月06日時点での費用となります。
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