調査段階で雨漏りの原因箇所はある程度目星をつけることができたのですが、確定させるために散水試験のご提案をさせていただきました。
今回、散水試験を行うにあたり足場の架設が必要でしたのでお客様ともお打ち合わせさせていただき、外装塗装も併せてご用命いただくことになりました。
既存の外壁材はジョリパットとリシン吹付仕上げの混合で、マッドな質感の物でしたのでつや消し塗料のご提案をいたしました。使用した塗料は関西ペイントのアレスシルクウォールです。アレスシルクウォールはマッドな質感でありながら低汚染性能を持った塗料です。
工事も無事に終了して、お客様からもイメージ通りに仕上がってよかったとお言葉いただけました。
ビフォーアフター
工事基本情報
施工内容
外壁塗装
使用材料
関西ペイント アレスシルクウォール（17-80H、17-70L）
築年数
築20年
ハウスメーカー
ハウスメーカー不明
施工期間
外壁塗装 8日間
保証年数
外壁塗装10年間
建坪
外壁100.8㎡（タイル面除く）
工事費用
詳しくはお問い合わせください。
何度か他社に依頼して補修をしてきたそうなのですが、雨漏りが止まらず今度こそしっかり止めたいとのことでお問い合わせ頂いたとのことでした。
雨漏りの発生箇所は2階のサッシ上部、取り付けビスの部分からポタポタと落ちてきて、別業者に3階のサッシ周りにシールを打ってもらってから出てくる水の量が増えたような気がすると仰っておりました。
雨漏りの原因は多岐にわたりますのでしっかり確認していきましょう。
外壁はタイルの仕上げになっており、下地の状況は確認できませんでした。
風を伴う雨が降った際に雨漏りが生じてくるとのことだったので、通常雨が当たりにくい箇所が怪しい部分になってきます！
配線を固定しているビス穴は怪しい部分になりますが、他の箇所でも同じ状態なのでサッシ周りだけで雨漏りするというところに少し疑問が残ります。
続いて3階のサッシ周りの確認です。サッシには外壁の中を伝った水を外に排出する機構、水切りがついております。
水切りの下部はシールで埋められておりましたのでここからの侵入はないかと思います。
しかし、サッシ本体と水切りの間に釘が打ってあり、若干ですが浮いていることが確認出来ました。
取り付け方を見る限り、この部分から水が入ってしまった場合室内へ水が廻ってしまう恐れがあります。
点検をさせていただいた中では最も怪しい部分ではありました。
調査内容を踏まえ、お客様には散水試験のご提案をさせていただきました。散水試験とは散水ホースで実際に水を撒いて漏水を再現し原因箇所の特定を行う試験方法です！
長雨や積雪による雨漏りの再現は難しいのですが、吹込みや局所的な豪雨などの調査には向いております。
雨漏りの発生条件によっては散水試験を行ったとしても漏水を再現できない場合もございますのであらかじめお含みおきいただけますと幸いです。
今回は散水試験を行うにあたり足場の架設が必要でしたのでお客様ともお打ち合わせさせていただき、外装塗装工事のご用命も併せていただくことになりました。
散水試験を行う際には下の方から上がっていくように調査を行っていきます。
水は下に流れていきますので万が一下の方に原因箇所があった場合きちんとした判断ができなくなってしまいます(´-ω-`)
サッシ周り、開口部クラックと散水を行いましたが雨漏りの再現には至りませんでした、、、
水をかけ始めてから20分経過しても漏水の確認はできませんでした、、、しかしここでやめてはいけません(>_<)
散水試験を行う場合には木造住宅で60分、RC造で90分が目安とされております。もちろんかけてすぐに出てくるパターンもございますが、入る水の量が少ない場合には出てくるまでに時間がかかるときがありますので根気よく行っていきましょう！！
散水試験を始めてから50分ほど経過したとき、サッシ上部からの漏水が確認出来ました。お客様にも見ていただいたところいつもと同じような出かたをしているとのことだったのでここが原因で間違いないかと思います。
まずは既存の外壁等の汚れや旧塗膜を高圧洗浄にて落としていきます。汚れが付着したまま塗装を行ってしまうと塗膜の浮きや剥がれの原因になってしまいますので綺麗に落としていきましょう。
下塗りを行う際に弾性フィラーを使用すれば細かなクラックを埋めることはできますが、深さは無いものの、幅の広いクラックなどはシールを充填して補修していきます。
下塗りにはアレス水性エポレジンを使用しました！
下地に対しての吸着がよく、水性のため臭気も少ない塗料です。
また、仕上げ材にはアレスシルクウォールを使用しております。
アレスシルクウォールはつや消し塗料なので仕上がりがマッドな質感になります。
通常艶のある塗料もある程度艶を落とすことは可能なのですが、その際につや消し材を混ぜて艶を落とすので、あまりにも艶を落としすぎると塗料本来の性能を発揮できません！
仕上がりにそれほどこだわりがなく、汚れをつきにくくしたいという事であれば艶有塗料をおすすめしておりますが、既存が艶の無い仕上げでそれに合わせたいとのことでしたらもともと艶の無い塗料を使用する方が良いかと思います(^^)/
下塗り材は上塗り材の被りをよくするために基本的には透明化白色のものが多くあります。
鉄部に使用する錆止め入りの下塗り材の場合は赤さび色や黒さび色などがあり、下地の状況に応じて使い分けることができます！
塗装を行う際にはサッシ等の養生は忘れずに行うようにいたしましょう。
ステンレスやアルミの箇所も塗料が乗ってしまうと後々剥がれてきてしまいますのでしっかりと養生をしましょう！
下塗り完了時にはお家が真っ白になるので新鮮な気分になりますね。
中塗り、上塗りに使用する塗料は仕上げ材になりますのでアレスシルクウォールを使用してきます。
今回はアクセントとしてバルコニーの腰壁部分だけ色分けを行いました。
中塗り作業が完了しましたら時間をおいて上塗り作業に移っていきます！
こちらもローラーを使用しますが最後の細かな部分は刷毛を使用して仕上げていきます！
塗装後に見直しを行い作業終了です。
付帯部の塗装に使用した塗料は下塗り材にハイポンファインプライマーⅡ、上塗り材にファインSiを使用いたしました。
ハイポンファインプライマーⅡは錆止め入りの下塗り材で速乾性が高く、施工性が非常に高い塗料です。
上塗り材のファインSiはシリコン系の塗料で幅広い下地に対して適応できるオールマイティな塗料です。
付帯部は主に鉄部や雨樋などになりますが、これらの部分は外気温によって常に伸縮膨張を繰り返しております。
そのため塗膜が固い塗料を使用してしまうとひび割れてしまう可能性がございます！
適材適所下地にあった塗料を選択しましょう！
ケレンは鉄部だと錆落とし、雨樋などはあえて傷をつけることで塗料が定着しやすくなります。
この作業を行うか行わないかで今後の塗膜の状態に大きな差が生まれますので必ず行いましょう。
ケレンが終了しましたら中塗り作業です。
雨樋は基本2回塗りの仕上げになります！
破風や鼻隠しも基本2回塗りになりますが、下地の状況に応じて対応を変えることもあります。
ご提案の際はそれぞれのお家に現状に合った塗装方法のご提案をさせていただいております！
特に鉄部と雨樋に関しては本体の耐久性に大きく関わりますので忘れずに対応するようにしましょう！
下地補修にはカチオンタイトを使用しました。セメント系のカチオン樹脂モルタルで接着性に優れた下地材です。
また、塗料にはインターナショナルペイントのIPヨウヘキコートを使用しました。
擁壁は地面からの湿気を吸いやすく、透湿性の低い塗料を使用して塗ってしまうと膨れなどの症状が出てきてしまいます。
ブロックでできた擁壁は特に湿気の影響を受けやすいので塗装を行う前には樹脂モルタルなどで一度縁を切ってから塗装すると良いでしょう。
削れてしまっている箇所にカチオンタイトをコテ塗りして馴らしていきます。
IPヨウヘキコートは本塗り2回の計2回仕上げになります。
調色対応も可能なのでお家の雰囲気にあった色で塗装できます！
お色選びの際には塗り板見本を使用しましたが、イメージ通りの色になって満足しているとお客様にも喜んでいただけました！！
既存外壁の種類や形状、使用する塗料によって価格は変動いたしますので詳しくはお問い合わせください(*’▽’)
外壁塗装工事を行った場合の確認事項は塗装した箇所の不具合が生じていないかです！
具体的には塗膜の浮き、剥がれなどになります(^^)/
続いて北面、東面の確認を行います！
該当の建物で日のあたり難い2面になりますので塗膜の劣化があればすぐに苔が発生してしまう箇所になります。
しかし、まったく苔は発生しておりませんでした！！
最後に擁壁部分です！
下地がジョリパット仕上げになっておりましたがこちらも問題はありませんでした！！
擁壁は使用する塗料を間違えるとすぐに塗膜が膨れてきたりしますので気を付けましょう(^^)/
最後にお客様にお話をお伺いしましたが雨漏り補修後は雨漏りも再発していないとのことで安心しました！
次回3年点検時にもお伺いしてしっかりチェックしていければと思います！！
記事内に記載されている金額は2024年05月31日時点での費用となります。
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