建物の外壁は、経年によって汚れが目立ってくるものです。
外壁塗装の際、お客様に色のご希望をお伺いすると、『汚れが目立ちにくい色はありますか?』『この色だと汚れが目立ちやすいですか?』とご質問をいただくことが多くあります。
皆様が気にされる外壁の汚れですが、色の選び方によって目立ち方が大きく変わってきます。汚れが『ほとんど目立たない』色から『とても目立ってしまう』色まで様々です。
また、技術の発展により、セルフクリーニング機能を持った『低汚染塗料』や『防汚塗料』なども徐々に浸透しつつあります。
セルフクリーニング機能を備えた塗料を使用し、汚れの目立ちにくい色を選べば、外壁の汚れについての悩みが一気に解決されることでしょう。
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まずは汚れの原因とその色について知りましょう
汚れの原因は外壁に付着する多種多様な物質です。これらが付着したまま放置し、やがて堆積すると目立った汚れになってしまいます。
汚れの原因となる主な物質と、その色について紹介します。それぞれの項目に、
・マンセル値
・HEX:sRGB
・RGB(sRGB)
・CMYK
を記載しました。
各値を入力し色を表現するアプリ等で、色をご確認いただけます。
外壁が汚れてしまうのは、基本的に砂埃や土埃が原因です。外壁が新しいうちは、表面の加工によって汚れにくい場合があります。しかし、経年によって表面の加工は劣化していきます。原因は、紫外線や雨風、土埃による小キズなどです。この傷は汚れを溜めやすく、外壁全体の汚れにつながります。
表面に砂埃が付着しただけでは、外壁全体の汚れはほとんど目立ちません。しかし、メンテナンスを怠り砂埃が堆積してしまうと、汚れは目立ちやすくなります。
砂(砂色)の類似色
砂色の汚れの類似色と標準的な数値
【マンセル値】 10Y 8/2(近似値)
【HEX:sRGB】 #CCC3A1
【RGB(sRGB)】(204,195,161)
【CMYK】(0,4,21,20)
土(土色)の類似色
土色の汚れの類似色と標準的な数値
【マンセル値】 7.5YR 5/7(近似値)
【HEX:sRGB】 #9f6c31
【RGB(sRGB)】(158,108,49)
【CMYK】(0,32,69,38)
数十年前は、急激な経済発展による大気汚染が問題視されていました。現在では技術が発展したため、排気ガスなどの問題も解決され大気汚染は改善されています。工場の海外移転も大気汚染の改善に繋がっています。また用途地域も整備され、工業地域と住居地域がハッキリと分離されています。
しかし、工場から排出される煤や煙は風の影響で近隣や遠方の住居が被害を受けることもあります。
煤(煤色)の類似色
煤色の汚れの類似色と標準的な数値
【マンセル値】 7.5YR 5/2(近似値)
【HEX:sRGB】 #887f7a
【RGB(sRGB)】(136 , 127 , 122)
【CMYK】(0,7,10,47)
一般家庭で見ることは少ないですが、例えば焼肉店や鉄板焼き屋の排気口から垂れているような汚れです。
本来であれば、色味は料理用の油がくすんだようなものです。しかし、油はベタベタしており砂やホコリが付着し、すぐに真っ黒になります。他の汚れと違って、ご自身で落とすのは大変難しいです。油汚れが堆積してしまわないよう、通気口周りのお掃除は定期的に行うことをオススメします。
油(油色)の類似色
油色の汚れの類似色と標準的な数値
【マンセル値】 7.5Y 6/4(近似値)
【HEX:sRGB】 #a99663
【RGB(sRGB)】(169, 150, 99)
【CMYK】(0,11,41,34)
苔・カビ・藻が繁殖する原因は、建物の周りの湿気です。新築時など、外壁が新しく撥水性が保たれている間は、湿気が多くても苔・カビ・藻の発生は抑えられます。しかし、紫外線や経年によって撥水性は失われ、苔・カビ・藻が繁殖しやすくなってしまいます。
数年で苔・カビ・藻が発生した時は、環境が劣悪な場合があります。壁面の近くの地面に水溜まりができやすいなど、湿気がなくならない環境である可能性があります。水溜まりができにくいように地面に勾配をつける、水捌けの良い土に替えるなど、対策を練る必要があるでしょう。
苔(苔色)の類似色
苔色の汚れの類似色と標準的な数値
【マンセル値】 2.5GY 4/4(近似値)
【HEX:sRGB】 #6b703a
【RGB(sRGB)】(107, 112, 58)
【CMYK】(4,0,48,56)
サイディングの目地や窓枠の周りに充填されたシーリング材やその周辺が汚れていませんか?
原因は、可塑剤(シーリングを柔らかく保つための薬品)がシーリングから溶け出していることです。これは、ブリード現象と呼ばれます。可塑剤は油以上にベタつくため、すぐに砂ぼこりなどの汚れが付着してしまいます。
最近のシーリング材は、ノンブリードタイプと呼ばれる可塑剤が使用されていないものも増えています。街の外壁塗装やさんでは、可塑剤が使用されていない、長寿命のオートンイクシード15+を推奨しています。
煤(煤色)とほぼ同色
シーリングの可塑剤(煤色)の汚れの類似色と標準的な数値
【マンセル値】 7.5YR 5/2(近似値)
【HEX:sRGB】 #887f7a
【RGB(sRGB)】(136 , 127 , 122)
【CMYK】(0,7,10,47)
外壁の汚れとなって現れる色はどんな色か?
可塑剤と油汚れを除いた基本的な汚れの色は、砂や土がベージュまたは薄茶色、煤がグレーです。コケや藻の色は深い緑ですが、外壁に繁殖したものは厚みを持つわけではありません。薄く広く、壁面に沿って繁殖していきますので、外壁の色にもよりますが緑がかった薄茶色に見えることが多いです。
これらの汚れの色について、何かお気づきの点はありませんか?外壁に付着する汚れのほとんどが、原色など濃いめの色ではなく、薄めの中間色ということです。
『木の葉を隠すなら森の中』という慣用句がありますが、外壁の汚れを目立たなくするには、似たような色の外壁にすればいいのです。汚れが中間色なので、外壁も中間色で塗ってあげると良いでしょう。
私たち人間の目は、感覚的に白と黒・赤と青など反対の色の組み合わせを認識しやすくできています。道路標識がこのような配色になっているのは、瞬時に認識させるためです。
汚れが一番目立ちにくい外壁の色はグレーです。グレーと聞くと、なんだか暗い色のような気がしてしまう方も多いでしょう。
しかし、実際は明るめのものやウォームグレーがあります。これらの色を選んであげれば、イメージと違って暗い印象の外壁になってしまうことは防げますよ。
グレーの次に汚れが目立ちにくいのは、ベージュ、アイボリー、クリーム、ペールブラウン(ごく薄い茶色)です。これらの色の共通点は『白に近くて、暖かみのある色』といえるでしょう。
砂ぼこりや土ぼこりなどのサンドベージュと呼ばれる色が、これらの色に近いでしょう。したがって、汚れも目立ちにくいです。『せっかくの塗り替えだから真っ白にしたい!』というご要望は意外に多いですが、どうしても汚れが目立ちやすいです。塗り替え後のことを考えて、ベージュ系の色を選択される方も多いですね。
前述したように『真っ白の外壁』に憧れられる方は多いです。海沿いのロケーション、青い空の下に佇む真っ白な家…まるでヨーロッパの街並みのようで、理想の生活を送れそうですよね。
このように、ピュアな純白のご自宅を実現されたいお気持ちは痛いほど解りますが…街の外壁塗装やさんでは、後々のことを考慮して、真っ白な塗装は推奨しておりません。
『どうしても白い家に住みたい…』という方には、オフホワイトなどの少し白みが弱いものをオススメしています。『絶対にピュアホワイトがいい』という方には、セルフクリーニング機能のある防汚塗料で、かつフッ素や無機成分の多い超高耐候のハイブリットをオススメします。
綺麗な白を維持するためにコーティング材を上塗りすると、汚れの付着にも強くなるので一石二鳥です。
インテリアや持ち物に黒を基調としたものを取り入れると高級感ある装いになりますが、外壁リフォームとなると黒をお選びになる方は少ないです。黒で塗ってしまうと、夏場はかなりの熱を持ちますし、周囲に威圧感を与えるような建物になってしまいます。最悪の場合は、景観条例に違反してしまうこともあります。
建物のデザインや周囲の環境によっては、ピアノブラックやフルブラックが似合う場合もあります。重厚感が増し、よりスタイリッシュな建物が出来上がるでしょう。しかし、それは外壁が綺麗に保たれていて、汚れていないことが大前提です。
例えば、グランドピアノの天板が手垢で汚れていたり、ホコリが積もっていたらどうでしょうか?高級品であるだけに、がっかりしてしまいますよね。黒が中間色に比べて汚れを目立たせてしまうのは、コントラスト比が大きくなるためです。
真っ赤や黄色など、白以外の原色で外壁塗装を行うお客様はほとんどおられませんし、景観条例に違反してしまう可能性が高いです。黒でなくても、原色も中間色とのコントラスト比が大きいため、どうしても付着した汚れが目立ちやすいです。
店舗の外装や看板など、お住まい以外では原色での塗装も十分あり得ます。このような場合も、汚れにくい塗料やコーティング、短いスパンでの塗り替えを視野に入れた上で、選んでいただくと良いでしょう。
街の外壁塗装やさんのカラーシミュレーションをお試しください
街の外壁塗装やさんでは無料でお住まいのカラーシミュレーションのサービスをご提供しております。『色の選び方はわかったけど、自分の家に合う色まではイメージできない』『周りと違った外観にしたいけど、景観条例などを考慮するのは難しい』という方は是非街の外壁塗装やさんにご相談の上、カラーシミュレーションをご活用ください。
また、街の外壁塗装やさんは無料で点検からお見積りまで承っております。『セルフクリーニング機能のある防汚塗料について知りたい』『外壁塗装をしたいけれどコストをできるだけ抑えたい』など、ご不安な点やご要望がございましたらなんなりとお申し付けください。お客様からのお問い合わせをスタッフ一同、心よりお待ちしております。
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外壁には様々な物質が付着する恐れがあり、それらが堆積していくことで汚れとなります。
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外壁の色を汚れの目立ちにくいものにしてあげることでメンテナンス頻度を落とすことが可能です。
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汚れが目立ちにくい色は、グレーやベージュ等の中間色です。
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汚れが目立ちやすい色は、ホワイトやブラック、その他原色です。
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街の外壁塗装やさんではお住まいのカラーシミュレーションを行うことも可能です。点検やお見積りの作成は無料で承っておりますのでお気軽にご相談ください。