お住まいの外観の印象を作りだす大事なポイントとなる外壁。最近は、レンガやタイル調などデザイン性の高い素材が人気です。さらに、木材や石、漆喰のように見える素材など、外壁デザインのバリエーションは多岐にわたります。外壁の素材やデザインは昔と比べると種類が豊富です。そのため、一見して「どの外壁材が使われているか?」の判断は簡単ではありません。お住まいを長持ちさせるには外壁メンテナンスはとても重要ですが、外壁材の種類を把握していないと正しい維持管理ができなくなります。今回は、外壁材の種類ごとの特徴、その見分け方まで詳しくお伝えしていきます。ご自身の大切なお住まいの管理のため、ぜひお役立てください。
【動画で確認「外壁材の見分け方」】
長い文章のページとなっていますので、内容を動画でもまとめています。動画で見たいという方はこちらをご覧ください!
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大切なお住まいの「外壁」をきちんと知って正しいメンテナンスをしましょう
どんなお住まいでも必要な外壁のメンテナンス。ご自宅の外壁の種類を知ることで、メンテナンス方法や頻度などの理解度も深まり、お手入れの重要さも分かります。
ご自宅の外壁の種類を知っている方ももちろん多いかと思います。ただ、「多分窯業系サイディングだった気がする…」と曖昧なこともあるのではないでしょうか。それに、いくつかの外壁材が部分的に使われているとはっきりしないものですよね。正しく判別し適切なメンテナンスを行うためにも、外壁材の種類と特徴を詳しく見ていきましょう。
主な外壁材の種類とその特徴とは?
外壁材にはたくさんの種類がありますが、市場シェアの第1位は窯業系サイディングでその割合は70%です。そして2位がモルタルで約13%、3位が金属系サイディングで約9パーセント、そのほかALCが約3%、タイルが3%程度と続きます。
このように、日本の住宅における外壁材のシェアは窯業系サイディングが大多数を占めています。そのため、多くのお住まいの外壁材が「窯業系サイディング」である確率は高いと言えます。しかし、市場シェアでは「モルタル外壁や金属系サイディングで約22%」もあります。
これを機会にご自宅の外壁材を正しく知れば「塗装タイミング」や「相性の良い塗料」が分かり、正しい維持管理をすることができるでしょう。それでは、次に外壁材の種類と特徴についてまとめていきます。
市場のシェア率ナンバーワンの「窯業系サイディング」
窯業系サイディングは、セメントと木質系の繊維を混ぜて成型したサイディングです。塗料で色を付けたサイディングですが、塗り替え時にほかの色にすることもできます。
近頃は意匠性の高いデザインも見られるようになってきました。型で成型するときの凹凸の違いから、さまざまな印象を作りだすことができます。色や凹凸のデザインにより、高級感や重厚感のある見た目のものも多いです。
近頃は意匠性の高いデザインも見られるようになってきました。型で成型するときの凹凸の違いから、さまざまな印象を作りだすことができます。色や凹凸のデザインにより、高級感や重厚感のある見た目のものも多いです。
窯業系サイディングの見た目のポイント!
大きさ | 455×3030mmのものがほとんど |
厚み | 12mm(現在は製造されていない)14mm 15mm 16mm 18mm |
特記事項 | 3030mmのところに目地ができるので、 |
さまざまな仕上げ方法で表情豊か、継ぎ目がなくシームレスな「モルタル外壁」
モルタル外壁は、1:3の割合のセメントと砂に水を入れたものを仕上げていきます。壁に直接塗っていくため、継ぎ目がない外壁となります。
モルタル外壁は、仕上げの方法でいろいろなデザインを作りだすことができます。
仕上げには以下のような方法が存在します。
仕上げには以下のような方法が存在します。
・スタッコ仕上げ ⇒ 化粧漆喰を5~10mm程度の厚さで吹き付ける
・吹き付けタイル仕上げ ⇒ 吹き付けガンで仕上げる
・リシン仕上げ ⇒ 砂粒を吹き付ける
・左官仕上げ ⇒ コテ跡を残す
モルタル外壁の見た目のポイント!
大きさ | 定形はなく、建物の外壁の大きさに依存する |
厚み | 工法によって異なる |
特記事項 | 目地の無いシームレスな外壁を実現可能だが、クラックが出やすい。 0.3mm以上のクラックは補修する必要がある。 |
近頃シェアが増えてきた「金属系サイディング」
ガルバリウム鋼板やステンレス、アルミなど金属素材でできたのが金属系サイディングの外壁材です。
金属には、「暑い・うるさい」というイメージが昔からあります。しかし、実際には遮熱塗料で塗装された上に断熱材と一体型になっているものも多いです。ステンレスとアルミは高額のため、ガルバリウム鋼板製の金属系サイディングが主流です。
金属には、「暑い・うるさい」というイメージが昔からあります。しかし、実際には遮熱塗料で塗装された上に断熱材と一体型になっているものも多いです。ステンレスとアルミは高額のため、ガルバリウム鋼板製の金属系サイディングが主流です。
金属系サイディングの見た目のポイント!
大きさ | 縦2438~4000mm 横260~400mm(メーカーと製品によって大きくことなる) |
厚み | 12~18mm(メーカーと製品によって異なる) |
特記事項 | これまではシンプルでモダンなデザインのものが多かったが、 |
一定数の人気がある「ALC」
ALCは、発泡剤を混ぜたコンクリートに細かい気泡を発生させることで軽量化したコンクリートパネルです。細かい気泡はパネル全体に広がっていて、断熱性能の向上にもつながっています。
鉄筋やスチール製の金網が内部で補強されています。強度のある頑健な外壁材です。外壁だけでなく、床や屋根、間仕切り壁などでも使われます。しっかりとメンテナンスすれば、かなりの長寿です。鉄骨造や鉄筋コンクリート造用の「厚形パネル」と、木造や鉄骨造用の「薄形パネル」があります。
鉄筋やスチール製の金網が内部で補強されています。強度のある頑健な外壁材です。外壁だけでなく、床や屋根、間仕切り壁などでも使われます。しっかりとメンテナンスすれば、かなりの長寿です。鉄骨造や鉄筋コンクリート造用の「厚形パネル」と、木造や鉄骨造用の「薄形パネル」があります。
ALCの見た目のポイント!
大きさ(厚型パネル) | 縦6000mm以下、横2400mm以下(平パネル) または縦6000mm以下、横610mm以下(平パネル) |
大きさ(薄型パネル) | 縦3000mm以下(平パネル)、または縦2400mm以下(意匠パネル) 横606mm以下(外壁用) |
厚み | 100~200mm(厚形パネル) 35~75mm(薄形パネル) |
特記事項 | タイルを貼り付けたものや、厚さを生かして表面を切削・加工したものなど さまざまなタイプのものがある。 |
その他の外壁材
ここまでお伝えした窯業系サイディングやモルタル外壁、金属系サイディング、ALCのほか、さまざまな外壁材があります。ただ、あまりシェアされていないのは「コストが高い」「あまり使われていない」などの理由から、選択肢として除外されているのかもしれません。日本住宅では「漆喰」や「土壁」などがありますが、今ではあまり見らかけない外壁材です。そもそも現場で材料を作り、直接壁に塗って仕上げるため、腕のたしかな職人さんが減っているのが現状です。
タイル
粘土瓦と同じく「焼きあげて固める」という工程を経て完成したタイルは、耐久性があり寿命も長めです。
なかにはサイディングに似せたデザインもありますが、タイルの質感や目地の素材により見分けやすい素材と言えるでしょう。
●タイルの見た目のポイント!
外壁材がタイルかどうかを見分けるポイントは、「目地とタイルが一体化していない」という点です。目地には違う素材が使われています
外壁材がタイルかどうかを見分けるポイントは、「目地とタイルが一体化していない」という点です。目地には違う素材が使われています
木製サイディング
天然木を加工した木製サイディングは、「硬い・虫害に強い」という特徴があります。かつては、杉の表面を焼いた“焼き杉”の外壁はよく見かけることができました。しかし、現在では腐食や耐火性を備えた木製サイディングが増え、とても高価となっています。
●木製サイディングの見た目のポイント!
「天然木」を切って加工しているため、見分け方はとても簡単です
「天然木」を切って加工しているため、見分け方はとても簡単です
漆喰・土壁
漆喰や土壁の外壁は、蔵などではよく見かける外壁です。湿度調整には優れている一方、防水性が低いという特徴があり、一般的な住宅の外壁に使われることは少なくなってきました。また、施工数の減少にともない、経験のある職人も激減しています。そのため、工事費用も高価となってきました。
●漆喰・土壁の見た目のポイント!
漆喰は「白」、土壁は「土の色」というように、素材の色から見分けやすいです。外壁はシームレスで、塗装はされていません。
漆喰は「白」、土壁は「土の色」というように、素材の色から見分けやすいです。外壁はシームレスで、塗装はされていません。
樹脂系サイディング
日本ではあまり普及していないのが樹脂系サイディングです。外壁材がポリマー樹脂のサイディングは、「燃えにくい・軽い」という特徴があります。また、塗装がいらないうえ、耐用年数は30年以上と長寿命です。
●樹脂系サイディングの見た目のポイント!
ポリマーの質感、樹脂製の雨樋に近い質感など、見た目でプラスチック感が感じられるケースもあります。
ここまで、外壁材の種類ごとの特徴と見た目のポイントをお伝えしてきました。分かりやすい特徴を持つものから、共通点が多過ぎて一見判別が難しいものまであります。
実際にご自宅の外壁を見たときに「どの外壁材か」を見分けるためには、いくつかのチェックポイントがあります。基本的なポイントをご説明していきますので、ご参考にしてくださいね。
目地がある外壁材、目地はあるけど目立たない外壁材、目地が全くない外壁材がある
サイディングボードをシーリング材でつなぎながら張っていく窯業系サイディングとALCには目地が存在します。同じ「サイディング」でも、金属系サイディングの場合、見えにくい工夫がされているので、一見目立たないことが多いです。
目地がなければ、モルタル外壁の可能性が大きいです。逆に、目地があればモルタルではありません。
モルタル外壁の表面は、リシン仕上げやスタッコ仕上げ、タイル吹き塗装など手作業で仕上げられています。ざらざらした雰囲気が感じられるでしょう。目地が目立たない場合でモルタルではない場合は、金属系サイディングの可能性が高いです。シンプルでモダンなデザイン、もしくはインクジェットプリンターで凝った塗装などが施されているので、モルタルとは違った雰囲気があります。
次にチェックしたいのは、目地の方向と位置です。縦の長さが3030mmの窯業系サイディングなら、水平方向の約3mの上側には目地を確認できるでしょう。
ただ、目地を幕板で隠している家も多いです。つまり、高さ約3m付近に幕板があれば、窯業系サイディングの可能性が高いと言えるでしょう。
ただ、目地を幕板で隠している家も多いです。つまり、高さ約3m付近に幕板があれば、窯業系サイディングの可能性が高いと言えるでしょう。
2階建てのお住まいなら、水平の目地は1階と2階の間が幕板の位置になることが多いです。
約3mの高さに水平の目地がある、もしくは幕板が設置されている…の場合、窯業系サイディングである可能性が高いと言えるでしょう。
約3mの高さに水平の目地がある、もしくは幕板が設置されている…の場合、窯業系サイディングである可能性が高いと言えるでしょう。
外壁の横幅の大きさを測ってみましょう。窯業系サイディングの横幅は、ほとんど455mmです。横幅を測ってみて455mmだとすれば、ほぼ窯業系サイディングと考えることができます。
次は、外壁の厚みをチェックしてみましょう。外壁材のなかでも特に分厚いのがALCです。厚みは100mm以上のことが多く、さまざまな外壁材のなかでも「厚い壁」なのです。横から見て厚みをチェックして、厚く感じたらALCの可能性が高まります。
ALCは、薄くても最低35mmの厚さがあります。一方、窯業系サイディングは厚いものでも18mmですから、2倍以上もの厚みの違いがあることになるでしょう。そのため、ALCはサッシが外壁よりも内側に引っ込んでいる取り付け方になっていることも多いです(出窓は除く)。
また、ALCパネルの横幅は300~600mmのものが多いですが、一律ではないので参考にはできないでしょう。
外壁を叩いたときの感覚と音でも、外壁材の種類を判別することができます。原料にセメントが使われているALCと窯業系サイディング、モルタル、対して鋼板の金属系サイディング。叩いたときの感覚と音がまったく異なり、判断ポイントとなります。
ただ、下地に外壁を固定する胴縁の部分があると、感覚と音が分かりづらいケースもあります。場所を変えながら、感覚や音の違いをチェックしてみてくださいね。
ただ、下地に外壁を固定する胴縁の部分があると、感覚と音が分かりづらいケースもあります。場所を変えながら、感覚や音の違いをチェックしてみてくださいね。
自信が持てない場合はプロに判断を任せましょう
見た目や目地の有無、パネルのサイズなどにより「外壁材が何か」もだいたい見当がついたという方も多いかと思います。ただ、窯業系サイディングや金属系サイディング、ALCにおいては、似たデザインが増えています。一見、本当に分かりづらいものが多いです。
ここで、下の画像をご覧ください。石材調のボードですが、実は金属系サイディングです。
次は、こちらのモダンでスタイリッシュな縦貼りのパネルのお住まいです。一見、金属系サイディングに見えますが、実はALCなのです。このように、パッと見ても分かりにくい外壁もあります。
ご自身で「何の外壁材か分からない」と迷ったときは、やはりその道のプロに頼むのが一番です。外壁材の種類によって、メンテナンス時期もかなり変わりますから、早めにご自宅の外壁材を把握しておくと安心です。なかには「複数の外壁材が使われているようで判別できなく困っている…」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
街の外壁塗装やさんでは、お住まいの無料点検を行っております。外壁材の種類をしっかりと判別し、適切なメンテナンスをご提案いたします。
外壁の見分け方についてのまとめ
- 外壁材のシェアの7~8割は窯業系サイディングです
- そのほかモルタルで約10%程度、その次に金属系サイディングやALCがあります
- 外壁の種類の判断では、まずは目地の有無で大別しましょう
- 窯業系サイディングは、目地の方向や位置、横幅などから判別しやすいです
- 塗装技術の進歩により、見た目のデザインだけでは判別が難しくなりました
- ALCは特に厚い外壁材で、最低でも窯業系の2倍の厚みが特徴です