黒い色(ブラック)の塗料を使用して外壁を塗り替えたいけど、様々なご不安をお持ちで中々踏み出せない方も多いと思われます。洗練された都会的な雰囲気が漂うブラックは、個性的で注目を集めるでしょう。これまで白やベージュ系の外壁を使用していた方々から、「思い切って黒系の外壁にしたい。」とご相談を頂く事も多い傾向にあります。
しかし一方で、「黒って夏は暑くなりませんか?」「汚れが目立つのではないか?」という不安も少なくありません。
今回は、大切な塗装工事で失敗・後悔する事がないようにこれまでたくさんの塗装工事に携わってきた街の外壁塗装やさんが、外壁を黒に塗り替える際に大切なポイントと併せて施工例をご紹介致します。
外壁を黒にすると建築全体が引き締まり、上質な趣を漂わせるため、多くの方々に採用されています。ですが、黒の外壁にはデメリットも存在する為、注意が必要です。
1.お洒落であり個性を演出できる
2.高級感を演出できる
3.自由度の高い配色の組み合わせ
4.黒ずみが目立たない
1.汚損が目立ってしまう
2.外壁が熱を持ちやすい
3.ご近所より不満が出る可能性がある
以下に、黒い(ブラック)外壁の注意点・デメリットをご紹介致します。
多くの方々が、黒は汚れが目立ちにくいと考えているかと思います。しかしながら、実際は白と同じくらいに汚れが目立ちやすい色です。
車の色を例に挙げると砂埃や鳥のフンなどが付着する場合、特に黒の色に汚れが目立つことがお分かり頂けると思います。幹線道路や近隣に畑などがある地域では、車や大型トラックが頻繁に通ることや砂埃が多く鳥のフン被害も増えることが考えられます。その為、埃が多く洗濯物も外に干せない環境や、常に車やカーポートに鳥のフン被害がある地域では、検討が必要だと思われます。
さらに、黒系の塗料に使用されるカーボンブラックは紫外線に対して強い特性を持っています。そのため、色あせが少ないですが、表面の艶が失われると色褪せたように見えてしまいます。
黒い外壁の汚れを塗料選びでカバー
黒い外壁の汚れをカバーする為には、塗料の選択が非常に大切です。 埃や汚れが気になる地域にお住まいの方は、低汚染塗料として知られる汚れが付着しにくく、雨の流れによって洗浄されやすい塗料を考慮してみましょう。 さらに、耐久性に優れたフッ素や無機塗料などの高品質な塗料を選択することで、艶・鮮やかさが長期間維持されます。
外壁を黒くすることのもう一つの難点は、熱を蓄えやすい性質です。黒は太陽光を吸収しやすいため、高温になってしまう特徴を持ちます。
外壁の近くにいるだけで、その熱が感じられるでしょう。
しかしながら、外壁がどれだけ熱くなったとしてもしっかりと断熱材が機能している場合や、外壁に通気用の通気層が確保されている場合は、屋内への影響はほとんど感じられないでしょう。
一方で、築年数が長く経過している建物では通気層が存在しない直貼り工法であったり、断熱材が劣化・欠損している場合もある為、まずは専門業者へご相談されることをおすすめいたします。
遮熱塗料の効果
最近では、外壁塗装において遮熱塗料をご希望される方が増えています。この遮熱塗料は、太陽光中の赤外線(熱の元)を反射して表面温度の上昇を抑制する素材です。遮熱塗料を使用すれば、外壁の過度な温度上昇を抑える効果が期待できます。
ただし、遮熱塗料は特に白色など明るい色の場合に効果が発揮され、逆に黒色(ブラック系)など暗い色の場合は、効果(日射反射率)が低下してしまう事に注意が必要です。一般的には白系塗料では80~90%、一方で黒系塗料では30~35%程度となります。塗料によっては、詳しい情報がカタログなどで提供されておりますので、ご確認下さい。
ここ最近、黒い外壁の家が増えてきていますが、以前はまったく見かけないほど珍しいお色でした。 昔は外壁といえば、主に白っぽい色合いが一般的で、アイボリーやベージュ、ライトブラウンなどの色が広く使用されており、外壁を黒にする考え自体がありませんでした。
しかし、現代の家づくりはお洒落さも重視され、建築会社も黒い外壁を取り入れることが増えました。建売住宅や注文住宅などの新築住宅でも、黒い外壁を持つ住宅が多く建てられています。
そうした時代になってきてる一方で、外壁を黒くするアイデアが受け入れがたいと感じる方や、近隣の景観を乱すと懸念する方もおられるようです。こうした理由から、近隣の方より不満が生じてしまう可能性もあります。
また、外観の規制が厳しい「景観地区」として指定されているエリアでは、その地域の条例を順守する必要があります。黒い外壁が原因により近隣とのトラブルを引き起こすリスクも考えられるため、業者との相談・調査を十分に重ねてから判断されることが大切です。
黒は非常に強い印象を持つ色であることも理解しておきましょう。
ここまで黒い外壁のデメリットをご紹介してまいりましたが、その一方で黒の外壁を選ばれる方は、年々増えてきています。それでは、黒い外壁が選ばれる理由であるそのメリットをご紹介致します。
黒い色は、都会的・お洒落といった印象を持つ方が多いと思われます。黒を使用する事でスタイリッシュ・個性・お洒落さを演出できるメリットがあります。
また、黒には高級感・重厚感といったイメージがあります。外壁に黒を採用する事で、存在感があり高級感漂う印象を与える事が出来ます。
他の色と組み合わせる際、黒はそれらの色を際立たせる効果を持ちます。組み合わせる色によって印象が多様に変化し、個人の好みに合わせて演出を楽しむことが可能です。黒は非常に柔軟性のあるベース色と言えるでしょう。
黒い外壁は、サッシ周辺などに頻繁に発生する雨の雫による汚れなどが目に付きにくいです。白系や淡い色の外壁の場合、特に雨だれの跡が黒く目立つことがあります。1階の場合、自分で清掃することができますが、2階のサッシ周りなどは自分では手が届かない箇所です。黒い外壁の場合、暗めの汚れが目立たないというメリットがあります。
外壁を黒くすることによって生じる注意点やデメリットをご紹介させて頂きましたが、こうした問題を未然に防ぐ方法について考えてみましょう。知っておきたいポイントを以下にご紹介致します。
☑ 濃いグレー・ネイビー・濃いグリーンなどを採用する
☑ アクセントカラーを取り入れる
☑ ツートンカラーを採用する
濃いグレー・ネイビー・濃いグリーンなどを採用する
外観を引き締める効果を期待してダークカラーを検討したが、デメリットを考慮して黒を選択しから外した場合には、濃いグレーやネイビー、深いグリーンなどを考えることも一つの選択肢となります。
黒い塗料を選択した場合でも、日光の当たり方によってはグレーに見えることや、青みがかった印象を受けることがあります。さらに、カタログで見る限り黒やブラックに見える色でも、実際に外壁に塗布すると、濃いグレーやブラウンになることが多いです。もし黒色が絶対必要というわけでなければ、これらの濃いカラーもお洒落に仕上がる為、人気を集めています。
アクセントカラーを付帯部に取り入れる
真っ黒な外壁は洗練されたおしゃれさとスタイリッシュさが際立ちますが、同時に重たい印象や暗鬱な雰囲気が漂う可能性があります。こうした要因によって、周囲に与える圧迫感も増してしまうかもしれません。そこで、屋根の色を工夫したり、破風板や鼻隠し、軒天、幕板、雨樋などの付帯部分にアクセントカラーを取り入れることで、そのような印象や効果を緩和することができるでしょう。
例えば、黒一色の外壁を選ぶ場合、屋根の色を明るく調整することでコントラストを際立たせることや、破風板や鼻隠し部分を白にすることで、黒をベースとした外観にアクセントカラーを組み合わせる手法がおすすめです。軒天や幕板、雨樋などをグレーで仕上げることで、全体的な印象をより柔らかく調和させることもおすすめで、もともとサッシや玄関などが明るい色であれば、その特徴を活かすこともできるでしょう。
黒との調和を考えた配色を検討して個人の好みの色をアクセントとして取り入れてみましょう。
ツートンカラーを採用する
外壁上下のツートンカラー
もし1階と2階の間に幕板が存在する場合(追加で設置も可能です)、その幕板をセパレートカラーとして際立たせることで、引き締まった印象を与えることができます。
また、2階に黒を配色することで個性的で面白みのあるコーディネートにする事も可能です。
ベージュ系の外壁の汚れの付着や色褪せの進行に悩まされていましたが、塗装によって全体的に一新されました。雨樋も黒で塗り直すことで、洗練されたまとまりのある外観となりました。
縦ストライプに外壁を色分け
特に1階・2階に同じようなデザインの窓が存在する場合、効果を発揮します。窓を囲むように垂直方向に色を変化させることで、上から下までの縦のラインが建物全体の調和を生み出し、上下の窓を結びつける印象を与え、洗練されたスタイリッシュな外観を実現します。
10年間の塗膜の色褪せ・劣化保証が付いているフッ素塗料「ルミステージ」を使用しての塗り替えです。長期に渡り鮮やかな色合いを期待できます。窓周りの色が異なっている為、黒色でも鮮やかな仕上がりとなっています。
ベランダ・バルコニー部分で色分け
ベランダ・バルコニーのように、外壁から突き出た部分を色分けする方法もあります。これによって建物に立体感と奥行きが生まれ、住まいがより大きく見えると同時に存在感も増します。
また、建物の構造に合わせた配色である為、違和感なく調和し、自然な印象で落ち着きます。
ワンポイントのみ色分け
例えば、2階の窓周辺のみや、玄関周辺のみなど、外壁のごく一部分のみ色分けを行います。
この方法は、色分けの面積が小さいため、主張が激しい赤やオレンジなどの色も使いやすく、面白みのある印象を与えます。
原色であっても色分けが可能な為、色の選定を楽しむことが出来ます。
ただし、周囲の環境や景色を損ねることのないように注意する必要がある為、慎重に考えましょう。特に景観に関する法令が適用される地域では、なおさらです。
外壁の色あせが気になり始めたということで、レンガ風のサイディングを2つの異なる色で塗装させて頂きました。軒天などの部分は黒で統一しましたが、玄関周りは明るい色合いにして、近隣の方々も目を引くような鮮やかな印象となりました。
お色の選定に迷われた際は、カラーシミュレーションをご活用ください。建物の実際の写真を使用し、色彩や配色のバリエーションを試したイメージを制作いたします。
→カラーシミュレーションについての詳細や塗料メーカーによるシミュレーションサイトなどはこちら
続いて、ツートンでの塗り替えやアクセントカラーとして使用する、黒と相性の良いお色をご紹介させて頂きます。
黒&白
黒(ブラック)と白(ホワイト)は、王道と言って良い程、どの様な種類の色分け方法であっても相性が良いです。この二色の組み合わせは、洗練されたデザインを持つ建物やシンプルモダン系の建築物に限らず、和風のイメージにもうまくマッチします。シンプルでありながらも清々しい配色を望む方にとっては、最適な選択肢と言えるでしょう。
黒&グレー
白・グレーは両方とも無彩色である為、相性が良いです。
白と比較してコントラストが控えめの為、落ち着いた印象を与えます。また、グレーの中にも濃淡があり、それにより印象も変わりますので、お好みのグレー色を選定しましょう。
黒&ブラウン
黒とブラウンを組み合わせることで、見る人に上品で洗練された印象を与える事が出来ます。特に、木目調のサイディングや付帯部のブラウンを使用するとより一層お洒落です。
黒&ベージュ
温かみのあるベージュと黒を組み合わせる事で、黒のインパクトを程よく抑えることが出来ます。そのため、安定感のある優しい印象が際立つ、おしゃれなコンビネーションです。 黒の要素を取り入れつつも、柔らかな雰囲気を保ちたい場合には、この組み合わせが最適です。
黒&赤・オレンジ
黒と赤、またはオレンジを組み合わせることで建物の印象がポップで鮮やかなものに変わります。
外壁の色として、派手すぎる赤やオレンジでも、黒のアクセントを加えることでバランスが取れます。個性的で目を引く外壁をご希望の方にお勧めいたします。
黒やダークカラーでの塗装は、塗装職人にとって非常に慎重に行う必要のある作業となります。一般的に言えば、平らな表面よりも凹凸の多い表面の方が光を多く反射させるため、白っぽく見える傾向があります。そのため、黒い外壁をより魅力的に見せるには、なるべく凹凸の少ない均一な塗り層を作ることが不可欠です。
外壁を黒色に塗り替える事をご検討されている場合、経験・知識が豊富な塗装業者にご依頼する事をおすすめいたします。これまでの施工実績から、ご希望に合った色のものを確認させてもらい、疑問・ご不安点があれば遠慮なく質問してみましょう。
街の外壁塗装やさんでも、お客様のお困り事・ご要望をお伺いさせて頂き、現在のお住まいの状況を確認させて頂いた上で最適なカラー・塗料の種類をご提案させて頂きます。点検~お見積もりの作成は無料にて承っておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
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黒い外壁の注意ポイント
白色に近い汚れが目立つ
外壁が高温になりやすい
ご近所から不満がでてしまう可能性がある -
トラブル・失敗を防止するポイント
黒では無く、他のダークカラーも視野に入れる
付帯部にアクセントカラーを取り入れる
ツートンカラー(色わけ)により黒の面積を抑える -
黒い外壁は、お洒落・高級感を演出する事が可能で、他の色とも合わせやすい事が人気の理由です
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黒・ダークカラーで外壁塗装をご依頼する場合、経験豊富な業者を選定しましょう