諏訪市豊田の築20年ほどのパナホームのお家で、外壁の劣化が気になるというご相談があり現地調査に行ってきました。実は、私の親戚の家です。
窯業系サイディングの外壁で、塗装で何とかなるかという相談だったのですが、問題点はシーリングの劣化、サイディングボードの厚さ、使っている部材など多岐にわたり、結論から言うと塗装での補修は厳しい状況です。
サイディングボードの反り
まずすぐに目についたのが写真ではわかりにくいのですが、サイディングボードが反っていたことです。窯業系サイディングは昼夜で伸び縮みします。夏冬の寒暖差でも動きがあります。長野県諏訪地方は特に昼夜の寒暖差が夏でも冬でも10度近くあります。この寒暖差でサイディングボードは伸縮してしまいます。伸縮することで反りやすくなってしまうのですが、ボードにある程度の厚みがあればコの反りは最小限で済みます。この家のサイディングボードは厚さが12mm以下なので、反る力の影響が大きく、見た目ですぐわかるくらい反ってしまっています。
ボード間のシーリングの劣化
次に目についたのがサイディングボード間のシーリングの劣化です。窯業系サイディングは板状のボードをつなぎ合わせていく外壁材です。つなぎ目の目地にはほとんどの場合シーリング(コーキング)というゴム状のものが打たれています。ボード間から雨水が入り込まないようにするためのものです。このシーリング材が太陽の紫外線によるひび割れや痩せなどの劣化、サイディングボードが動くことで伸縮させられて破断や剥がれなどが起きてしまいます。この家のシーリングもほとんどがこのどれかの不具合を起こしていました。
上の4枚のうち、左上はボード動いたことによる破断だと思います。
右上はシーリングが痩せたことによる剥がれ
左下は紫外線による亀裂
右下も痩せからの剥がれだと思います
防水の役割が大きいシーリングに不具合が出ると、雨水が入り込み外壁内でその水が悪さをします。地味な部分のシーリングですが劣化してしまうと外壁の塗膜よりも深刻な状態になってしまいます。
シーリング劣化による外壁の不具合
◆サイディングボードの亀裂◆
シーリング劣化による外壁の不具合
◆爆裂(中に入って水が凍って膨張し中から外壁材を壊す現象)◆
その他の不具合
出隅(建物の角)を納める部材ですが、板と板をつなぎ合わせているのでそれが離れて隙間が出てしまっています。通常ここはL字型の部材1枚でコの直角を納めなければなりません。施工ミスもしくは部材の選択ミスです。ここからも雨水が入り込んでしまいます。
北面に苔が生えています。コケがあるところは常に濡れている状態なので外壁にとってあまりよくありません。
◆結論◆
すぐに手をかけないといけない状態です。
シーリングを打ち直して塗装してもしばらくはいいかと思いますが、ボードの反りは直りません。思い切って新しい金属サイディングを今の外壁の上にかぶせるカバー工法をお勧めします。
記事内に記載されている金額は2020年02月05日時点での費用となります。
街の外壁塗装やさんでは無料でのお見積りを承っておりますので、現在の詳細な費用をお求めの際はお気軽にお問い合わせください。
外壁塗装、屋根塗装、外壁・屋根塗装、ベランダ防水の料金プランはそれぞれのリンクからご確認いただけます。