シリコン塗料は外壁塗装においてコストパフォーマンスに優れた塗料とされており、多くの住宅の塗装メンテナンスに選ばれています。
ですが、大切なお住まいの外壁塗装を検討するときに「よく使われているから」という理由だけで塗料を選択するのは不安ですよね。
そんな方に向け、本記事ではシリコン塗料がいったいどんな塗料なのかを、メリットやデメリット・塗装時の注意点を含めて徹底解説いたします!
耐用年数や価格のバランスが他の種類と比べてどれほど良いのか気になるという方は、ぜひご確認ください。
シリコン塗料は外壁塗装において最もスタンダードな塗料と言えます。
5種類ほどある塗料の内、外壁塗装に一番選ばれているのがシリコン塗料なんです。
なんと約70%の外壁塗装工事でシリコン塗料が使われているそうです。
主成分であるシリコン樹脂は紫外線や風雨などの環境条件に強い耐性を持ち、なおかつ熱耐性にも優れています。
これらは、外壁塗装に使用するなら求められる特徴ばかりです。
シリコン樹脂が強い耐性を持つのはなぜ?
「シロキサン結合」による安定した結合の力
シロキサン結合とは、ケイ素と酸素が交互に結合している化学結合のことです。
ケイ素と酸素はお互いが強く引き合う特性を持ち、その安定した結合は高温の環境に晒されても壊れにくい程の強度となっています。
シリコン樹脂はこのシロキサン結合を持っているため、耐熱性や耐候性に優れた特性を有しているんです!
化学の技術が進化した結果、生活の身近な場所へ応用されていると嬉しい気分になりますね。
外壁塗装に最も選ばれやすいのがシリコン塗料
外壁塗料の中にはアクリル、ウレタン、フッ素など複数の種類がありますが、シリコン塗料はその中でも最も選ばれています。
その最大の理由は、価格と性能のバランスが絶妙な点にあります。
シリコン塗料はアクリルやウレタンに比べて耐用年数が長く、それでいて価格は全ての種類の中で中間のグレードに位置します。
選びやすい価格でありながら性能も十分に備えているため、塗料選びは最終的にシリコンへ落ち着くことが多いのです。
さらに、シリコン塗料は商品のラインナップも豊富に存在しています。
ご自身の望むカラーや性能を持つ商品が用意されている可能性が極めて高く、幅広い対応力もまたシリコン塗料の魅力となっています。
シリコン塗料の種類ごとの違い
シリコン塗料は1液型と2液型、さらに水性と油性(溶剤系)のタイプに分類されます。
1液型と2液型の違い
1液型はそのまま使用できるため、取り扱いが簡単で施工時間を短縮できます。
楽に施工できるため2液型よりも価格が安いのですが、耐久性が劣っていたり金属部分には塗装できないといった使用範囲の制限もあります。
・主剤と硬化剤がセットの「2液型」
2液型は主剤と硬化剤を混ぜる手間がありますが、塗膜の強度は1液型に勝ります。
ただし、次の日に残すと塗料が固まってしまうため、当日中に使い切る必要があり、使用する量や混合率の計算が都度必要になります。
ですが、1液型よりも塗装範囲は広く、金属素材への施工も可能です。
水性塗料と油性塗料に分かれる
塗料はそのままでは粘度が高くて塗りにくいため、希釈剤と混ぜ合わせて薄めることで使用可となります。
水性塗料の希釈剤は水であり、臭いが気になりにくいため住宅地での外壁塗装に選ばれやすいです。
・シンナーなどの溶剤で薄めるのが「油性塗料」
マジックペンでも油性は独特の臭いがしますよね。
油性塗料も希釈剤にシンナーなどの溶剤を使用するため、塗装時には臭いが気になりやすいです。
ただし、油性塗料は密着性が高いため、塗料が付きにくい金属部などへの塗装に役立ちます。
どの種類を使用するかは業者がしっかり判断します
耐久力と密着性に最も優れたシリコン塗料は、油性塗料の2液型ということになります。
ですが、近年では1液型の技術が進歩して2液型の強度にかなり近づいているため、「1液型だから長持ちしない」といった心配も不要です。
塗装業者は塗る場所に適したタイプを使い分けて塗装をします。
シリコン塗料を外壁塗装に使うと、どのようなメリットがあるのでしょうか?
大まかに3つのポイントを解説していきたいと思います。
塗膜が汚れにくい特性をしている
シリコン塗料は耐汚染性に優れています。
ページの序盤ではシリコン塗料が持つシロキサン結合の優れた特性をご紹介しましたが、実は「塗膜に汚れがつきにくくキレイが長持ちする」といった効果も発揮しています。
シリコン塗料は塗膜が硬いために撥水性能が高く、付着した雨水をよく弾いてくれます。
それにより、雨水に含まれる泥やほこりといった汚れが定着しにくく、雨の跡なども最小限に抑えてくれます。
また、シリコン塗料自体が低電圧性なので、車の排気ガスなどの汚れに強いという耐汚染性にも優れているんです。
シリコン塗料の高い耐汚染性は塗装後に美しい外観を長期間保つことができる点に加え、外壁にこびりつく汚れが少ないことで塗膜の劣化やひび割れのリスクも減らせますので、結果的に長期間に渡る外壁材の保護に貢献してくれます。
光沢保持率が高い
シリコン塗料は、他の塗料に比べて高い光沢保持率を誇ります。
これは、施工直後の鮮やかな光沢を長く保つことができる期間が長いという意味です。
外壁がツヤやかなままであれば、建物全体が新しい印象を与えてくれます。
先ほどの耐汚染性の高さも合わさり、外壁塗装後のピカピカなお住まいを長期間維持しやすいのは暮らし続ける中で一番実感しやすいメリットではないかと思います。
圧倒的なコストパフォーマンスの高さ
最大の評価ポイントとも言えるのが、非常に高いコストパフォーマンスです。
シリコン塗料の相場と耐用年数
シリコン塗料は価格と性能のバランスが非常に優れた塗料として知られています。
相場は他の塗料と比較しても中間的な価格帯に位置し、1㎡あたりの施工費用はおおよそ2,500円~3,500円程度が一般的です。
選択しやすい金額でありながら耐久年数も約10〜13年と十分に長いため、長期的に見れば頻繁な塗り替えが必要になる安価で寿命が短い塗料よりも外壁のメンテナンス費用を抑えることができる点も含め、優秀なコストパフォーマンスと言えるのです。
より長持ちする高性能な塗料を求めると金額は当然上がりますし、逆に低コストの塗料では耐用年数が10年に満たない種類の中から選ぶことになります。
そのため、価格と耐用年数のバランスが良いシリコン塗料が多くの外壁塗装で選ばれているのです。
その他塗料との比較
シリコン塗料がどれほどコストパフォーマンスに優れているのか、他の種類の塗料と耐用年数・相場を比較してみましょう。
以下の表は、㎡あたりの単価が安い順に塗料の種類を並べたものとなります。
塗料の種類 | 耐用年数 | ㎡単価 |
アクリル塗料 | 5~8年程度 | 1,000 ~ 1,500円/㎡ |
ウレタン塗料 | 7~10年程度 | 1,800 ~ 2,500円/㎡ |
シリコン塗料 | 10~13年程度 | 2,500 ~ 3,500円/㎡ |
フッ素系塗料 | 15~20年程度 | 3,500 ~ 5,000円/㎡ |
無機塗料 | 20~25年程度 | 4,000 ~ 5,000円/㎡ |
塗料選びの際には、メリットだけでなくデメリットも理解しておくことが重要です。
ここでは、シリコン塗料の主なデメリットについて詳しく説明します。
フッ素や無機塗料などの超高耐久塗料が存在
フッ素系塗料は15〜20年、無機塗料は20年以上の耐久性を持ちますので、シリコン塗料の耐用年数を大きく上回っているのです。
「できる限り長持ちする塗料で塗ってメンテナンスの機会を減らしたい」というご要望の方は結構いらっしゃいますので、そのような場合にはフッ素塗料や無機塗料の方が適しています。
塗膜が硬いためひび割れやすい
シリコン塗料は硬い塗膜を形成するという特性があるため、撥水性能や耐汚染性に優れるといったメリットがあります。
外壁をしっかり保護してくれる一方で、柔軟性の低さが仇となってひび割れやすいというデメリットも抱えています。
地震や強風、温度変化による建物の収縮や膨張が発生した場合、その動きに追従できず塗膜にひび割れが生じやすくなるのです。
ひび割れた塗膜の隙間からは雨水や湿気が浸入するようになり、保護するべき外壁材の劣化を引き起こすリスクが高まります。
特にひび割れが生じやすいとされるモルタルやコンクリート外壁へは、なるべく柔軟な塗膜を形成できる弾性塗料での塗装がオススメです。
耐久性を伸ばしたシリコン塗料「プレミアムシリコン」
2つのデメリットをご紹介してきましたが、シリコン塗料の中には耐用年数を従来よりも伸ばしつつ、柔軟性を高めた塗料も存在しています。
例として、エスケー化研より販売されている「プレミアムシリコン」はある機能を搭載したことで一般的なシリコン塗料よりも3年ほど耐用年数が長くなっています!
塗膜の劣化を抑制するラジカル制御機能を搭載
プレミアムシリコンの耐用年数が長い理由は、紫外線によって発生する「ラジカル」の抑制機能を搭載しているためです。
ラジカルは塗膜の劣化を引き起こす化学反応を加速させる物質で、塗装表面が変色したりチョーキングやひび割れが生じる原因となります。
ラジカルは塗料に含まれる酸化チタンが紫外線を吸収することで発生してしまうため、日光を浴びている塗膜にとっては仕方のない劣化原因とも言えます。
しかし、プレミアムシリコンにはラジカルの発生を抑える機能が備わっているため、塗膜の寿命を大幅に延ばせます。
プレミアムシリコンの期待耐用年数は14~16年となっています。
ひび割れやすいモルタル外壁にも対応可能!
プレミアムシリコンのシリーズには「エスケー弾性プレミアムシリコン」という弾性塗料も用意されています。
デメリットの解説では塗膜の硬さが起因してひび割れやすいという性質をご紹介しましたが、弾性プレミアムシリコンは柔軟性が高い弾性塗料となっているため、ひび割れへの対応力は十二分に備わっています。
特に塗膜がひび割れやすいとされるモルタル外壁の動きにも追従できる弾性がありますので、安心して外壁塗装にお選びいただけます。
プレミアムシリコンは他にも防カビ・防藻性といった多様な機能が備わっています。
しかも費用は他のシリコン塗料とあまり変わらないため、私たち街の外壁塗装やさんでも多くの現場でお客様にお選びいただいています!
コスパを重視したい方にオススメ
シリコン塗料はコストパフォーマンスに優れているため、「フッ素や無機レベルの高額な塗料は避けたいけど、10年以上はしっかりと長持ちしてくれる塗料を手ごろな価格で探している」といった方にはかなりオススメの塗料です。
光沢保持にも優れていますので、キレイな外観が長持ちしやすいのも嬉しいポイントですね。
アクリル塗料やウレタン塗料は安価に外壁塗装が行えるものの、耐用年数が短いため10年以内に1度の塗り替えを繰り返していく必要があります。
そうなると、長期で考えた場合には少し高くてもシリコン塗料を選ぶ方がお得な選択肢と言えるのです。
先ほどご紹介した「プレミアムシリコン」は環境によって15年程度の耐用年数がありますので、30年間では2度の塗り替えで済むことになります。
屋根塗装とセットで塗るなら耐用年数に注意
外壁塗装と同時に屋根塗装を行う場合は、それぞれの塗料の耐用年数に注意する必要があります。
屋根は外壁よりも紫外線や雨風の影響を強く受けますので、2〜3年ほど塗料の劣化が早まる傾向にあります。
そのため、屋根にもシリコン塗料を使用する場合は、外壁と屋根で耐用年数が一致するように調整をすることが重要です。
屋根と外壁を同時に塗装することは、足場代を共有できるという金額面の大きなメリットがあります。
しかし、塗り替えの時期がズレてしまうと、分けて行うこととなった屋根と外壁の塗装タイミングでそれぞれに足場代が必要となり、初回よりもメンテナンスコストが膨らんでしまいます。
そのため、屋根塗装には耐久性の高い塗料を選択し、メンテナンスサイクルを合わせることが推奨されます。
シリコンの含有量で性能が変化します
シリコン塗料は製品ごとの性能がピンからキリまで存在しており、その違いにはシリコンの含有量が関わっています。
シリコン塗料とは「シリコン樹脂」と「アクリル樹脂」を化合しているものであり、全ての製品のシリコン含有量は同じではないのです。
シリコン樹脂が少しでも含まれていれば、その塗料は「シリコン塗料」として扱えてしまいます。
シリコンの含有量が少なければ、本記事でご紹介してきたようなシリコン塗料の優れたメリットは得にくくなりますので、外壁塗装時には大手メーカーの商品を使用するようにしましょう。
「シリコン塗料でこんなに安く塗装ができますよ!」と提案を受けた場合には、必ずメーカーや商品名を確認し、本当に安全なシリコン塗料なのかを事前に判断することを心掛けてください。
もちろん、街の外壁塗装やさんでは以下のような大手メーカーの信頼できるシリコン塗料を使用しています。
- ☑エスケー化研:プレミアムシリコン
- ☑日本ペイント:ファインシリコンフレッシュ
- ☑アステックペイント:シリコンREVO1000
上記3つ以外にも、ご要望に合わせて最適なシリコン塗料を提案させていただきますので、外壁塗装をご検討時には塗料の希望についてもお気軽にご相談くださいね。
重ね塗りは適切に
シリコン塗料は撥水性が高いため、適切な下地処理を行わずに塗り重ねると新しい塗料がうまく付着せず、塗膜の早期剥離や不具合を引き起こすことがあります。
再塗装時には既存の塗膜をしっかりと除去し、適切な下地処理を行った上で新しい塗料を塗布することが重要です。
シリコン塗料は耐久性と価格のバランスがよく、外壁塗装で最も使用されている種類です。
そのため多くのメーカーから販売されており、たくさんの商品から一つを選ぶ必要があります。
中にはシリコンの含有量が低いものもあったりしますので、注意が必要です。
シリコン塗料の強みを活かした外壁塗装に重要なのは、シリコン塗料の知識と経験を持つ業者選びです。
街の外壁塗装やさんは豊富な施工実績を持っていますので、当然ながらシリコン塗料の扱いにも長けています。
☑ シリコン塗料の性能がしっかりと発揮できる外壁材なのか
☑ ご要望にあったシリコン塗料はどれなのか
など、外壁塗装で頼りたいポイントを経験豊富なスタッフが対応させていただきますので、シリコン塗料を始めとした外壁塗装をお考えの際には、ぜひ街の外壁塗装やさんにお任せください!
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シリコン塗料は価格と耐久性のバランスが優れており、約70%の外壁塗装で採用されているほど人気の種類です。
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シリコン樹脂の持つシロキサン結合の特性により、強い耐候性や耐熱性を持ち、外壁を長期間美しく保つことができます。
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シリコン塗料は人気が高い種類ですので、豊富なカラーバリエーションや性能が用意されています。
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シリコン塗料の耐用年数は10年~13年程度で、性能によっては15年程までの商品があります。
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選ぶ際にはシリコン含有量や適切な施工方法に注意が必要なため、信頼できる業者選びが重要です。